【魅惑の真紅】名鉄パノラマカー【当然名電】

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151[1/4] ◆oneymnJzbE
○転換―change

時は午後三時を迎えた。皆はテレビに夢中になっている。
でも真紅は一人で午後の紅茶を楽しんでいる。今日はアールグレイの紅茶だ
「セイロンと違って香りがすごいわ。ていうかしつこい!」
「こんにちはぁ〜、真紅!ティータイムのときにお邪魔するわぁ〜。」
「水銀燈!私のティータイムを邪魔しないで!用は後、後で聞くわ!」
「紅茶をすすりながら聞きなさい真紅ぅ。今年名鉄は大改革をおこしちゃうわぁ〜」
「な、なんですって!?」
真紅はすぱっと紅茶を飲むのをやめてしまった。真紅の顔は既に水銀燈へ方向を変えていた。
「今年からの新車、真っ赤っかではなくなるのよぉ〜」
「わ、わたしの大事な塗色、スカーレットがぁ…!!?」
「あと青と白の電車も登場しちゃうわぁ〜。」
真紅はビックリして青ざめてしまった
「そして、駅名を大変更しちゃうわぁ、新をやめるのよぉ!そぉ、新岐阜から名鉄岐阜になるわ。
 他の私鉄みたいにいやらしぃ名前ねぇ。いい加減に醒めなさぁい、真紅」
「わ、わたしの名鉄アイデンディティーがぁ…」
152[2/4] ◆oneymnJzbE :05/02/15 12:28:47 ID:KdzmyPdE
「いい加減に他の所へ変えたらどうかしらぁ!?
 私は東京メトロの03系が好きだから邪魔しないでねぇ。
 あの3扉と5扉の車両に萌えるわぁ。中期にしか作らなかったわぁ、5扉」
「い、いやぁぁぁぁ!!!」
真紅はかなり落ち込んでしまった。水銀燈はある写真を取り出してきた。
「こんな車両はどうかしらぁ?東急9000系。
 車体の材質がステンレスということをいいわけにして、
 帯のほとんどが真っ赤だわぁ。他の車両も同様。真っ赤にしてるわぁ。
 流石東急クオリティ〜。トウキュウメイデンの車両は素敵だわぁ。」
「却下、ステンレスといったら銀色じゃないの!貴女同様走るんです地獄に引き込ませる気?」
「私はステンレスではなくて帯のことをいってるわぁ。そしてこんな車両もどうかしらぁ?」
水銀燈はまた写真を取り出した。てか、よく見るとなぜか水銀燈はデカいアルバムを携帯していた。
「京急2100形。首都圏唯一高速運転をしているわぁ。
 その走りっぷりがかっこよくてこの丸っこいお顔に萌えちゃうわぁ。」
「却下、よく見ると白が入ってるこの車両なんて、いらない」
「まぁ真紅らしい頑固一徹なこと。この頑固が後で命取りにならなければいいのにぃ〜」
「何よ!」
153[3/4] ◆oneymnJzbE :05/02/15 12:30:07 ID:KdzmyPdE
「それに、京急にはこんな車両も存在するわぁ」
水銀燈はアルバムがらごそごそと一枚の写真を取り出した。
「京急2000形。2100形の先代で高速運転をしていた車両だわぁ。
 色は塗り替えてほとんど真っ赤っか。8両編成と4両編成が存在していてとても豪華だわぁ。
 車内にはその名残といって真っ赤なカーテンも存在するわぁ。どうかしらぁ、真紅?」
真紅はじっと写真を見つめている。
「いい!この熱血漢、まだ走ってやるぞという声が聞こえるわ。」
「それはよかったわぁ。」
「でも残念わね水銀燈。私はちょっとでも白が入っていると嫌なほうなの。」
「名鉄7000系の帯も白が入っているのにぃ?」
「それは特急専用だからだわ。関係ない話を引っ張ってこないで!」
真紅はすぱっと言った。だが水銀燈は全然態度を変えていない。
「じゃぁこれならどうかしらぁ?」
水銀燈はしらっとアルバムから写真を取り出した。真紅はこれを見て驚愕した。
「これはJR西日本で活躍するクモハ103系3500番台だわぁ。
 真っ赤でしょう?白も入ってないし…おまけに2両ということはかわいいわぁ」
真紅の顔に熱血漢がともった。
154[4/4] ◆oneymnJzbE :05/02/15 12:31:07 ID:KdzmyPdE
その調子に合わせて、水銀燈は次の写真を取り出した。
「あとこれもどうかしらぁ?813系。ステンレスを除いては、ほとんど赤いわぁ〜
 …でもさっき言ったわよねぇ。ステンレスがお嫌いと。じゃぁこれは?」
水銀燈は古そうな写真を取り出した。
「これは九州のみで活躍する485系だわ。ほとんど真っ赤っか。
 特急ということで、エレガントさもあるわぁ。」
「その車両取ったわ!」
「まぁ、真紅。やっと腹をくくったのね。いくら宿敵といっても、宿敵としてうれしいわぁ。」
こうして真紅は、紅い国鉄車両と鋼製車体、抵抗制御に萌えてしまった。
そして、水銀燈のおかげでターゲットはまもなく廃車される名鉄7000・7500系から
クモハ103系3500番台と485系九州色へ好みが移ってしまった。
しまいには、国鉄車両原理主義へと…(゚Д゚;)
「ジュン、通販で485系JR九州色を買いなさい!」
「そんな高いもん、買えるわけないでしょ?、真紅」
「私のミーディアムだからなんとかしなさい!」
「ハイハイ」
ジュンは今の状況では絶対に買えっこないと確信した。何しろ一つ2万円もするのだから…(終)