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370旧、鉄拳後談。
昔話・その78 ATC

 海峡線ではATCによって閉塞が保たれております。
 ATCについての詳細はここでは省きますが、在来線でも採用されて
いる路線はありますが、輸送量からも、運用されている速度面からも、
海峡線に採用するようなレベルではありません。

 ATC採用の経緯は、将来開業する新幹線でも採用されているため、
という理由が使われます。が、海峡線開業当時のATCの技術レベルで
は、新幹線と貨物列車など速度の著しく異なる列車を一様に制御する
ことは難しいものであり、後付けの理由と言えます。
 当時は国鉄からJRへと時代が移行するときでもあり、予算面からも
保守の手間を抑えるというのは至上命令でありました。
 そんな過渡期にあえてATCを導入したのには、長い目で見ればカネ
がかからない、という計算があってのことです。
 たしかに、導入当初には機関車や電車へのATC装置搭載などコスト
は高くつき、地上に信号を置く方が安価です。
 ただ、青函トンネルでも約54Kmほどあり、郊外を走る複線電化の
閉塞区間に例えると、15〜20の閉塞区間が生じることとなります。
 湿度100%という状況下では信号ケーブルへの何らかの障害の発生
も考えられます。また、中途の閉塞信号機に球切れが発生しても取り
替えが容易ではありません。
 レールを流れる信号を読み取るATCでは、信号が読み取れないこと
=レールが断線している可能性、という予防線も取れます。

 もちろん、これだけの理由でATCが採用されたわけではありません
し、ATCにも欠点は多いのですが、将来の新幹線開業に向けた、この
環境下でのデータ収集という実験的な面もあっての採用でした。

 次回は電気についてお話します。