自己責任論を批判 「若者誇るべき」と仏紙
【パリ20日共同】20日付フランス紙ルモンドは、イラク日本人人質事件で、
日本政府などの間で「自己責任論」が台頭していることを紹介、「日本人は人道
主義に駆り立てられた若者を誇るべきなのに、政府や保守系メディアは解放された
人質の無責任さをこき下ろすことにきゅうきゅうとしている」と批判した。
東京発の「日本では人質が解放費用の支払い義務」と題した記事は、
解放された人質が「イラクで仕事を続けたい」と発言したことをきっかけに、
「日本政府と保守系メディアの間に無理解と怒号が沸き起こった」と指摘。
「この慎みのなさは制裁まで伴っている」とし、「人質の家族に謝罪を要求」
した上に、健康診断や帰国費用の負担を求めたと批判した。
記事は、「(人質の)若者の純真さと無謀さが(結果として)、死刑制度や
難民認定などで国際的に決してよくない日本のイメージを高めた」と評価。
パウエル米国務長官が人質に対して、「危険を冒す人がいなければ社会は
進歩しない」と慰めの言葉を贈ったことを紹介した。(共同通信)