ローカル線維持に新型車両 JR北海道が実用化に本腰
http://www.sankei.co.jp/news/040408/kei086.htm JR北海道が、乗客が減り続けているローカル線を廃止せず維持する「切り札」に
するための技術開発に、本腰を入れている。車両として期待しているのが、道路と
線路双方を走行できる「デュアル・モード・ビークル(DMV)」。そして運行システム
は、信号の代わりとして衛星利用測位システム(GPS)の活用だ。
DMVは鉄輪で線路上を走り、素早くゴムタイヤ走行に転換、一般道を走る。JR
北海道は一月に試験車を公開、本年度中をめどに2両連結で100人以上乗れる
車体を開発する。
一方、GPSと携帯電話のデータ通信を組み合わせた運行管理システムも、こと
し中に実地試験を始める。当初は道内約2500キロの路線に、約6万本ある速度
標識などの廃止を目指す。最終的には維持費が年間約25億円以上の信号機な
ども大幅に削減する。
DMVとGPSを組み合わせた実用試験は、2006年にも始めるが、旭川駅から
富良野線を走り、途中から道路を経由し旭川空港へ乗り入れる路線などが、有力
となっている。
最終的にコストが大幅に削減できるほか、鉄道とバスの双方の利点を生かし、
駅から商業施設の玄関に直接乗り入れたり、高齢者の遠距離通院などにもきめ
細かい対応が可能という
同社の柿沼博彦鉄道事業本部長は「今後、乗客減で北海道の鉄道維持はか
なり難しくなる。安全性を保ちながら、線路を『鉄の道路』の発想に変え、輸送量
に合ったシステムにすることが必要」と話している。