存続の危機に直面している第三セクター「わたらせ渓谷鉄道」(大間々町、桐生―間藤駅間四四・一キロ)
の抜本的な経営立て直しを検討する同鉄道再生等検討協議会(会長・近藤昭次大間々町長)は今月、
沿線五市町村の約一万四千世帯を対象に、同鉄道の必要性などを探るアンケート調査を行う。
来年度には利用者への聞き取り調査も実施し、これらを踏まえて来年秋までに同鉄道の方向性を打ち出す考え。
アンケートは五市町村全五万世帯のうち、大間々、黒保根、勢多東、足尾(栃木県)四町村の全世帯、
桐生市の三千世帯が対象。今月中旬までに調査票を配布し、一部自治体を除き二十五日までに回収する。
設問は(1)外出の頻度や目的、交通手段(2)同鉄道の利用状況、目的(3)同鉄道を利用しない理由(4)廃止した場合に
どの程度困るか(5)廃止の場合に代替の路線バスが必要か(6)同鉄道の維持のための重要な策
(7)同鉄道存続のために世帯が負担できる額―など八項目。あらかじめ用意された回答の中から選択する。
同鉄道は一九八九年、JR足尾線から第三セクターに転換。年間利用者は九四年度の百六万五千人をピークに、
〇二年度は七十三万九千人にまで減少。これに伴い、赤字の穴埋めに充ててきた国交付の大間々町鉄道経営対策事業基金の第一基金が減少。七億円で運用を開始した基金は〇二年度末で残高が一億二千四百万円となり、本年度末で枯渇する情勢だ。