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>>791 つづき)
放射線被爆は、ストレスの一種であって、活性酸素の産生を通じ、生体内の酸化ストレスを増大させる
わけだが・・・
(ソース)記事「アミノ酸の"形"が老化の鍵?」
in Newtonムック 「人体を支配するしくみ」 (2006.8月) 139-141ページ
右手型アミノ酸の生成原因についての一節:
「では、なぜ右手型のアミノ酸が生体内のタンパク質で発生するのだろう。タンパク質がつくられるときには、
すべて左手型だったはずだ。藤井教授によると、自然紫外線や活性酸素などのストレスによって、左手型から
右手型に変化すると考えられているという。それは実験でも確かめられている。左手型アミノ酸からなる
タンパク質に紫外線を照射すると、アミノ酸中の水素分子がはずれ、不安定な状態に変化する。そして
不安定な状態を脱しようと水素分子が結合する際に、その結合する位置によって、左手型、右手型の両方が
発生することとなる。
その水素が結合する位置は周辺のアミノ酸の構造によるという。水素原子は立体的に混み合った部分より
も、空いた部分に結合しやすい。そのため、タンパク質の構造によっては、右手型に変化しやすいアミノ酸が
存在するのだ。」
皮膚の場合:
「藤井教授らの実験によって、ヒトの皮膚では、年齢をヘルにしたがって、右手型アミノ酸がふえていくことが
観察された。さらに、同じ80歳代でも、顔の皮膚は右手型アミノ酸が多く、背中の皮膚では少ないことが
明らかになった。これは、背中の方が衣類などに守られ、紫外線に当たる量が少ないからだ、と藤井教授は
説明している。実際にマウスの皮膚に24時間紫外線を照射すると、そうでないものにくらべて右手型アミノ酸が
多く観察される。
最近では、皮膚だけでなく、さまざまな臓器のデータが採取されてきているという。」 (つづく)