>>46の続き ベントと水素爆発の問題 この件について、初めて聞く新説が奈良林により提示され、最も興味深い話だった。
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1号機建屋内の放射線が上昇するなか、作業員は苦労して手動で弁を操作し、1号機のベントに成功した。
第2班決死隊は、放射線が高すぎてわずか30m地点で引き返した。この作業員の積算線量は106mSvだった。
結局、外から圧縮空気を配管に流して2つ目の弁を開け、ベント成功したが、菅が原発に乗り込んでベントしろと言ってから7時間後だった。
首相(=国のトップ)が事故現場に乗り込んで、直接指示するなど、アメリカでは考えられないということだ。
アメリカでは、原子力規制委員会が、いざとなれば現場に乗り込む。
日本の原子力安全・保安院は、そんな能力は無いので、菅は仕方なく自ら乗り込んだと言っている。
1号機のベントが成功したにも関わらず、1時間後に1号機建屋が水素爆発した。
運転員達は、何で水素なの?と驚いたそうだ。
奈良林 直 (北大原子炉工学研究室 教授)の見解
ベントラインの配管に、建屋の空調の配管が繋がっていると言う。
ベントした際に、空調配管を通じて建屋内に排気が逆流して、建屋の水素爆発を誘発した。
ベントラインの配管から通じる建屋への空調の配管は2本あり、それぞれに弁がある。
電源喪失すると、そのうち1本の配管の弁は閉じるが、もう1本の配管の弁は自動的に開くそうだ。
開いた弁から、ベントした排気が建屋内に入る。
途中にダンパという気流調節弁があるが、そんなものは閉じても気密性は無く、まったく役に立たない。
なぜこんなことになったのか。
スリーマイル事故後、日本ではやっと原発にベントラインを作ったが、従来のお粗末なベントラインにバイパスとして「強固な?」ラインを付け足しただけだった。
スイスの原発では、ベントラインは独立した1本の配管であり、他の配管など繋がっていない。
しかも弁の操作は、手動でも遠隔でできるので、被曝の危険性も低い。
日本の原発では、福島第1と同様の建屋への空調配管が接続したベントラインを持つ原発が他にもたくさんある。
建屋への空調配管が接続したベントラインを持つ原発
東通 1基
女川 3基
福島第1 6基
福島第2 4基
東海第2 1基
浜岡 3基
柏崎刈羽 7基
志賀 2基
島根 2基
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合計 29基
TBSが東電記者会見で質問したところ、東電は、ベントした際に空調配管を通じて建屋内に排気が逆流した可能性を認めたそうだ。
古館・長野コメント
東電は、安全神話を自ら信じ込み、ベントなんか行うはずがないから、他の配管とバイパスされたベントラインを設計した。
日本の原発には、そもそも設計段階から欠陥があった。ストレステスト以前の大問題だ。
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TBSにも、一部まともなスタッフがいたようだ。この番組のデキはたいしたもんだ。
奈良林 直は、事故直後、とんでもないことばかり言っていた政府・東電御用達の御用学者代表格だった。
このままでは、今後、安全委員会の委員に選ばれないのではないかと考えたのだろうか。
ここでは、素晴らしい新説を披露してくれた。俺はこいつを絶対に許しはしないが、この仕事だけは認めてやる。
奈良林よりも原発の構造にもっと詳しいはずの田中三彦さんや後藤政志さんは、格納容器の蓋のパッキンが熱で劣化して、そこから水素が建屋に漏れたと考えていたと思う。
彼らに奈良林説の信憑性を、評価して貰いたい。
とにかく奈良林は原発の配管設計図を見て喋っているのだから、危険なベントラインであることは間違いないのだと思う。
日本の原発54基中29基が同じ構造だとは恐ろしいことだ。
こんなもの動かせる訳が無い。今動いてる原発も即刻すべて停めろ。
古館・長野のコメントの通りだ。こいつらベントなんかするわけが無いと考えて、デタラメなベントラインを設計しやがった。
こんなキチガイどもには、原発を動かす資格など、まったく無い。ふざけやがって。
今日は、ここまで。