チベット暴動:中国、一転してダライ・ラマと対話姿勢
http://www.chosunonline.com/article/20080426000029 中国の国営新華社通信は25日、中国政府が近く、チベット仏教の最高指導者
ダライ・ラマ14世の代表と会い、チベット問題について協議する用意があると報じた。
新華社は当局者の話として、「ダライ・ラマ側が会談再開を重ねて要求してきたことを
考慮し、中国政府は近日中にダライ・ラマ側の個人代表と会う準備を進めている」と伝えた。
実現すれば先月14日にチベット自治区ラサで起きた騒乱以降、初の直接接触となる。
当局者は「今回の会談を通じ、ダライ・ラマ側が実際の行動として祖国を分裂させる行動や
暴力の助長、北京五輪を妨害、破壊する行動を中止し、今後の交渉に向けた環境を整えることを
希望する」と指摘した。
こうした中国政府の姿勢は、これまでダライ・ラマとチベット亡命政府を「分裂主義者」
「暴力集団」と位置づけ、独立要求と暴力路線を公式に放棄しない限り対話には応じないとしてきた
これまでの姿勢とは異なるものだ。
中国は過去20年で、チベット亡命政府と6回にわたり秘密接触を行ったとされるが、
対話の事実を公言したのは初めてだ。
一連の変化はチベットの騒乱鎮圧に対する国際社会の批判を受け、北京五輪の成功に影響が
出かねないという中国政府指導部の認識が背景にあるとみられる。
ブッシュ米大統領など主要国首脳たちは、チベット問題を解決する方法として、
ダライ・ラマとの対話を中国に重ねて要求している。
今回の対話方針も温家宝首相が欧州連合(EU)のバローゾ委員長と会談した直後のタイミングで発表された。
AFP通信によると、ダライ・ラマ側のテンジン・タクラ報道官は、中国側の発表について、
「顔を付き合わせた会談を行わなければ、チベット問題を解決することはできないので、
中国の提案は正しい方向に進んでいる」と話した。
また米国、フランス、ドイツも中国の決定を歓迎する立場を表明した。