1 :
名無しさんの初恋:
ここは、【ケータイの中だけの恋愛】の1で語られた、タカシさんが想いを寄せている
美紀(ミカ)さんを ただひたすら待ち続けるながら、恋の物語を綴るスレです。
随時、物語を綴ってくれる方を募集しております。
★☆ルール★☆
物語を綴りたい方
・物語の内容は恋愛に関することなら何でも結構です。
・綴り方にルールはありません。過去バナ、現在進行形、なんでも結構です。
・愚痴でも相談でも結構ですが、相談スレではありませんので、誘導されることもあります。
物語を堪能する方
・物語を綴ってくれる方を悪く言うのは止めましょう!荒しはスルーで
・物語が無いときは雑談でもしましょう。
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消えてしまったようなので立てました。◆bA0TzdCLfk さん、続き楽しみにしてます
それではどうぞ!
2 :
名無しさんの初恋:2006/01/13(金) 00:44:32 ID:d7bhDscZ
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過去のお話
第一章 【ケータイの中だけの恋愛】タカシと美紀の物語
まとめサイト
http://a36133613.b.to/arien/22 過去ログ保存用
http://whatever.say.jp/program/snap_shot/site/11307053122242/ 第二章 【2スレ1の物語】現在、復帰待ち
第三章 【付き合ったとはいえない恋愛】星と姉さんとみっちゃんの物語
まとめサイト
http://hoshifight.fc2web.com/index.html 第四章 【美嘉の物語】激動の問題作
第五章 【2スレ901と圭の物語】一度フラレタ男が立ち上がる!現在進行中?
第六章 【沙織に傾きかけた楓とせっちゃんの恋話】
第七章 【あやが綴るあつしとの結ばれない愛】
第八章 【ケータイから始まったKGとみほの恋話】衝撃の結末
第九章 【中川と綾のメールから生まれた恋愛話】閉ざされた心が解き放たれた2人。
格調高い文体が様々な議論を呼んだ。
第十章 【スタバッ娘と会計士への一途な恋物語】その結末は?
第十一章 【将太の保健室の先生への恋】語り始めた将太はすぐに寿司職人の修行に
でることになり、長期中断。
第十二章 【読書好きな”府民”が綴り始めた物語】話しかけてきた著者との間に
どのような展開があるのか?現在進行中。
一連の「ケータイの中だけの恋愛」スレッドの「まとめサイト」が作られています。
「まとめサイト」に追加して欲しい方は、 メールフォームよりまとめサイトの管理人さんに
ご連絡をお願いします。
→
http://k.excite.co.jp/pc/Pob/TospPob020.asp?owner=ikuda_megu&yid=&SSL= --------------------------------------------------------------------
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3 :
1=2:2006/01/13(金) 00:52:07 ID:d7bhDscZ
すみません、テンプレは消えてしまったも「4」のものをそのまま使ってしまったので
微妙にずれてます。以下の内容を追加でお願いします。
第十三章【一年間の『ありがとう』】大地の甘酸っぱい盛春(もりはる)恋物語
第十四章も現在進行中です。
まとめサイト
http://lovekeitai.fc2web.com/index.html その他、不備な点がございましたらフォローいただけると幸いです。
4 :
名無しさんの初恋:2006/01/13(金) 01:28:41 ID:hXWAdtaW
>>1乙です
前スレのログ、
>>3のまとめサイトで読めます。
490〜507のログ持ってる方いましたら、まとめサイトまでご連絡ください。
5 :
名無しさんの初恋:2006/01/13(金) 01:54:46 ID:hXWAdtaW
>>1 わざわざご連絡ありがとうございました。
今メールに気づきましたw
前スレ490〜507のログは、引き続き募集してます。
6 :
名無しさんの初恋:2006/01/13(金) 02:01:36 ID:YiYVBC8u
なんで消えたの?
7 :
名無しさんの初恋:2006/01/13(金) 02:10:33 ID:hXWAdtaW
>>6 love3の保持数を700にしようとしたところ、
誤って70にしてしまった模様。
8 :
名無しさんの初恋:2006/01/13(金) 02:16:38 ID:YiYVBC8u
>>7 なるほど、よくわからないのは俺の勉強不足かw
わざわざありがとうございます、出直してきます。
9 :
名無しさんの初恋:2006/01/13(金) 02:29:50 ID:hXWAdtaW
保守あげ
翌日、三嶋とはギクシャクするかと思ったが、三嶋は全く
意に介していない様子で普通に話しかけてきた。
そんな三嶋に僕が普通に話せるはずもなく、必要最低限の返事しかせず、
それが僕と三嶋の会話のパターンとして定着した。
高校に入って僕の気持ちは荒れることが多くなった。
遅めの思春期というべきか、長めの思春期というべきか、親も学校も教師も
自分を取り巻く世界に対する嫌悪感はますます強くなっていった。
そうした純粋さを求める気持ちとは裏腹に、自分も段々と汚れていく気がして
日々をイライラと、特に何をするわけでもなく消費していった。
高校で出来た友人は3人で、昼休みはいつもそいつらと食べて、近くの公園で
タバコを吸う。当時は「午後の紅茶」が人気でいつもミルクティーを飲みながら
タバコを吸うのがお気に入りだった。
5月半ばには新しい彼女ができた。
同じ学年の違うクラスの子。
タバコ友達とつるんでいる内に自然と知り合い仲良くなった。
たまたま二人で帰っているときに「付き合ってみない?」と言ったらOKされた。
13 :
名無しさんの初恋:2006/01/13(金) 16:19:38 ID:QDn4+Bvj
それからそれからw
消えたところ超気になるorz
15 :
名無しさんの初恋:2006/01/13(金) 17:10:29 ID:d7bhDscZ
>>12さん、消えたところは保存したりしてないですよね?
>>14-15 まとめサイトですが、ログ持ってる人から連絡ありました。
連絡とりますからちょっと待ってくださいね。
と思ったら、うpしてくれたんですね。
>>16おつです。
後で更新しておきます。
ありがとうございます。
女の子の名前は若林といった。
今も使うかどうかは知らないが、当時で言うところの「高校デビュー」。
カラーリングしたての髪、短くつめたスカート、ルーズソックス、ローファー。
当時の女子高生の最先端ファッション。
何もしなくてもよく喋るので、無口な僕には丁度よかった。
別段、会話のない時間が苦手ではないが、女性という生き物は元来、
沈黙を気まずいと感じる生き物らしい。
よく喋る若林に適当な相槌を打ちながら、僕らは登下校を一緒にするようになり、
夜の公園でキスをしたり、親の留守に家でセックスをした。
恋愛の噂はいつの時代も広まるのが速い。
とりわけ女性のネットワークには驚嘆すべきものがある。
優等生の三嶋もこれに関しては例外ではなく、6月の月次で開かれる定例の委員会で、
僕と若林のことを聞いてきた。
「ねえ、若林さんと付き合ってるって本当?」
「本当。」
「いいなあ、ねえ、一緒にどんなところに言ったりするの?」
「・・・・・・・・・・・。」
「そのぐらい教えてくれもいいんじゃないかな?」
「あんたに話す必要ないから。」
「・・・・・・・・そう。ごめんね、なんか嫌なこと聞いちゃって。」
三嶋はどこまでも明るく、どんなに冷たくしてもめげずに話しかけてきた。
若林との交際は順調だった。少なくとも僕はそう思っていた。
当時は今のように携帯もない。一部高校生ではポケベルで
連絡を取るのが流行りはじめていたが、僕らはそんなものは
持っていなかった。
従って今と違って直接会う以外には、連絡の手段は手紙か
家の電話ぐらい。家族が出ると気まずいから、という理由で
僕はほとんど若林に電話をしなかった。
今のように携帯が普及していたらメールや携帯への電話で、
あっという間に当時の僕は辟易して別れていただろう。
やがて夏がやってきて花火の季節。
僕は若林のリクエストに答えて花火にでかけた。
花火そのものは好きだった。
でもあの人混みが嫌いだった。
特に駅の改札は、いつの時代も切符を買うための行列で
構内にはまったく風が通らず、人が発する熱と汗で極端に
不快な空間を生み出す。
そんなわけで、いつも以上にテンションが低く無口な僕は、
出店で焼きそばなどを買って食べながら、浴衣姿の若林と
花火を見ていた。
続きが見れて良かった!期待age
>>23 zipファイルだからダウンロードしてdatをhtml化するしかない。
まとめサイトで見たほうがいい。
まとめサイト更新完了です。
ログ提供ありがとうございました。
お互い高校一年生。ふたりともカップルで花火を見に行くのは
初めて。行きの内に帰りの切符を買っておいたほうがいいこと
すら知らない。
当然、いい場所が取れるはずも無く、露店と公衆トイレが近くに
ある、ひどく色気のない場所で花火を見ることになった。
「奇麗だね」なんてお約束の会話はあったものの、その日の
若林は元気がなく、珍しく言葉数が少ない。
機嫌でも悪いのだろうと別段気にも留めず、俺は花火を見る。
やがて花火は終わり、帰りの電車の混雑をさけるため、僕と
若林はその辺りの露店を見て回ったりして時間を潰し、1時間
程度経ったところで駅へと向かった。
途中、駅へと向かう上り坂で、ふと気がつくと若林がいないことに
気づいた。周囲を見渡すと後ろで立ち尽くす若林がいた。
「早くいこうぜ。」
「・・・・・・・・・・・・・・。」
様子がおかしい事に気がつき、引き返して若林のそばによる。
若林は肩を震わせて静かに涙を流していた。
「どうしたんだよ、突然。」
「もうダメ・・・・・・歩けない・・・・・・・。」
「靴擦れでもしたのか?」
「違う!」
「・・・・・・・・・・。」
「そうじゃなくて・・・・・・・もう倉木君とは一緒に歩いて行けない・・・・・・。」
ああなんだ、別れ話か。
心の中でそうつぶやいた。
「私、頑張ったんだよ。一生懸命、私のこと見てもらおうと思って。でも倉木君、
いつも私のこと見てくれてない!」
「見てたよ。」
「嘘!髪型変えたって、新しい服買ったって、今日だって浴衣着てきても、
何も言ってくれない!・・・・・・・・もう・・・・・・頑張れない。」
若林が何か苦しんでることは理解できた。でもその時の僕には、何が苦しいのか
さっぱり理解することができず、何も共感してあげることができなかった。
「じゃあ別れよっか。」
「・・・・・・・・・・・・・・うん。」
泣いている若林をその場に置き去りにして、駅の方へとひとりで歩き出した。
後ろの方で「馬鹿あぁ!」と叫ぶ大きな声がした。きっと自分は人としての
何かが欠けているのかも知れない。そう思いながら蒸し暑い夜の道を歩いて行った。
若林と別れたはいいものの、まだまだ続く夏休み。
部活も入っていない僕にはタバコ友達と時々遊ぶ以外は
予定なんてない。バイトは家で禁止されていたし、予備校に
行くにはまだ早かった。
家でダラダラとテレビをみたり、スーパーファミコンで今更
昔のFFを引っ張りだしてみたり、時々届くZ会の教材を
やったり、時間を持て余していた。
夏休みも後半に差し掛かった頃、昼休みのタバコ友達の
ひとりから電話があった。2年生の先輩と仲良くなって、
今度みんなで一緒に遊びにいく約束になったらしい。
時間を持て余していた僕は即座にOKし、3日後のその日を
待った。
待ち合わせは隣の駅前の広場。全員集まったところで
ファミレスに移動。ご飯を食べながら談笑する。
たかだか一学年しか違わないのに、何故か大人の香りが
するような気がした。たぶんただの気のせいだろうが。
4対4で合計8人だったが、その中でひとりだけ気に入った
子がいた。ショートカットの八重歯の子。少しだけそばかすが
あったけど、それも可愛く見えた。でも正直に言えば、
番気に入ったのは胸が大きかったことだった。
その日はそのままカラオケに行って解散。
僕が気に入った先輩は加納さんと言い、解散間際に
「今度ふたりで遊びましょうよ。」
と誘った。OKをもらったので翌日の夜、名簿を見て
先輩の家に電話をかける。また同じ駅で待ち合わせの
約束をして電話を切った。
加納先輩とは夏休みの間に2回遊んだ。
相手が年上ということもあったのだろうか、生まれて
初めて積極的に女性を口説いた。
若林の時とは違い、親の冷たい視線を受けながらマメに
電話をしたりして、2学期が始まってすぐの頃に僕の方から
告白して付き合い始めた。
兄弟もなく、両親との人間関係も希薄だった僕には、年上の
女性との付き合いは新鮮なものだった。向こうもこちらが年下と
言うことを意識してたのだろう。幼い頃以来、初めて女性に
甘えて接した。
31 :
名無しさんの初恋:2006/01/14(土) 08:41:31 ID:dj9ams/d
32 :
名無しさんの初恋:2006/01/14(土) 08:53:59 ID:AapD2C9H
半年前はほんとにごめんね、あのころの俺が自分じゃなかったなんて言い訳はしない。だけどお前と過ごしてきた二年半の気持ちと、今夢から覚めた気持ちは信じて欲しい。お前のことを本当に大切に考えてるよ。
お前が一番つらいとき、支えて欲しかったであろう時期にひどいことをしたと思ってる、ほんとにごめん。今はお前にとって一年間やってきたことが試される一番大事な時だから、メールも電話もできない。だからせめてここで謝らせてくれ。
信じてくれないかもしれないが、俺は夢から覚めて昔の俺になった。春にはできたらあって謝りたい。その前にとりあえずがんばって夢を叶えてくれ。
33 :
名無しさんの初恋:2006/01/14(土) 09:07:18 ID:dj9ams/d
加納先輩との交際は楽だった。自分が年上という意識が
向こうにあるからだろうか、デートの時も上手に僕をリード
してくれた。
処女ではない相手と付き合うのはこの時が初めてで、僕らは
付き合ってすぐに体の関係も持つようになった。
女性に対する依存心が生まれたのもこの時が初めてだった。
会いたいだとか、声が聞きたいという感情が少しずつ僕の中で
生まれてきた。それはとても新鮮な感覚で、甘く、苦しい胸の中の
旋律を僕は楽しんだ。
だが先輩との関係は2ヶ月で終った。
他に好きな人が出来たと、別れて欲しいと言われた。
別れ話が初めて辛いと感じた。
今にして思えば、初めて、人としてまともな恋愛感情を手にしかけて
いたのかも知れない。
初めて好きになりかけた女性の心変わりは、僕の心を以前よりも
乾いたものにした。芽生えかけた他人に対する愛情はあっという間に
氷結されて、心の奥底に封印された。
僕は以前よりもまして他人と深く接することを避けるようになり、人という
生き物に対する関心を失っていった。
たぶんその時の僕は、日本一すさんだ学級委員だったのではないだろうか。
しかも書記という役職つき。月に一度の委員会では議事録をつけさせられ、
担当教師の判子を貰ったり机を直したりと雑用が多く、書記に立候補などという
余計なことをした三嶋には、委員会のたびに心底腹がたった。
先輩と別れた後の委員会で、解散後、ふたり机を直している時に三嶋が話しかけてきた。
「加納先輩と別れちゃったの?」
「別れたよ。」
「そう・・・・・・先輩、工藤先輩と今付き合ってるって本当?」
「本当なんじゃない?好きな人ができたって言ってたからな。」
「そうなんだ・・・・・・・ひどいね。」
この時、僕の中で何かがプチンと弾けた。
能天気にいつもニコニコと毎日過ごしてる三嶋に、同情されていることが許せなかった。
あっという間に頭に血が上り、三嶋を傷つけてやりたいという衝動に駆られた。
「何それ?同情してくれてんの?」
「え?・・・・・・・・同情っていうか、心配っていうか。」
「なんで?何も関係ないお前が俺に同情?何?俺に気でもあんの?」
「そんな。」
「じゃあさ、可愛そうだと思うなら俺と付き合ってよ。」
そのまま三嶋を罵り続けるために放った一言だった。
だがしばらく硬直したままだった三嶋は、しばらく呆然とした後、
黙ってうなずいた。
そんな最低な告白が僕と三嶋、僕と綾との馴れ初めだった。
綾との交際はカルチャーギャップの連続だった。
世に背を向けて人間の醜さと、その人間に作り出された社会を憎む僕と、
毎日、生きることに感謝し、些細なことに喜びを見つけ、分け隔てなく誰に
対しても笑顔と親切を忘れない博愛主義の綾。
何もかもが違いすぎ、初めの内はまともに会話も出来なかった。
ただ綾がいつも日々見つけたり出会ったりした楽しかった出来事を、
僕は黙って無愛想に聞いているだけだった。
雨の日にはお気に入りの傘がさせると喜び、風の日には僕の腕にしがみつく
口実ができたと喜ぶ、綾はそんな子だった。
風邪で高熱を出した時ですら、友達が見舞いに来てくれただとか、
母親が食べたいものを買ってきてくれるだとか、どこからでも喜びを見出す。
綾と付き合い出して、頑なだった僕の心は、春の訪れとともに少しずつ氷解
していった。
37 :
将太:2006/01/14(土) 22:10:20 ID:cdOZtO9t
俺はなんとか店をもつことになった。
へイラッシャイ!
38 :
中川さん ◆d8vucMg8Ts :2006/01/14(土) 22:21:19 ID:kqhJkWlk
>>まとめサイト管理人さん
しばらく止まってしまいました。ごめんなさい。
少しずつまた書き始めました。
もう少しお待ち下さい。
39 :
名無しさんの初恋:2006/01/14(土) 22:21:23 ID:G9J+Axac
>1,9
乙です。仕事の関係でしばらく来れず、今日、久々に来ようとしたがスレ落ちwww!
仰天した。原因は>9の説明でよくわかった。かなしいー、運営側のミスって事か(>_<)
まだ、前スレ後半部分で、読み切れていないところあったのに。。。(T_T)
他の読者にわからすため、少し上げww
>>38 ご無沙汰です。
期待してる人もいますから頑張ってください。
>>39 前スレ全部、まとめサイトで見れますが、もしかして携帯?
41 :
名無しさんの初恋:2006/01/16(月) 12:01:42 ID:zEKqT3cg
ageときます
最初に綾から教わったものは「ありがとう」だった。
友達に何かしてもらった時、「サンキュー」、「ありがと」と言ったりは
僕だってしていた。だが綾の「ありがとう」には制限がなかった。
たとえばファーストフードで番号札を持たされて席で待っている時、
注文の品を持って運んできた店員に対しても「ありがとうございます」
と言う。
夜、彼女の自宅に電話をかけた時も「かけてくれてありがとう」。
デートをした後もさよならの前に「ありがとう」。
数えだしたらきりがない。
彼女の周りは「ありがとう」でいっぱいだった。
彼女の「ありがとう」は僕にまで感染することになった。彼女は何故か
「ごめんなさい」と言われる事を嫌った。例えば待ち合わせに遅刻した時、
僕が「遅れてごめん」というと、「そこは待っててくれてありがとうって
言ってほしいな」と彼女は言った。
自然と僕の使う言葉の中で、「ありがとう」の占める割合は高くなり、
周囲の、特に両親などは僕の「ありがとう」に戸惑ったりした。
次に彼女はプレゼント魔だった。
別に高価な物をあげるわけではなく、ちょっとした手作りのものだったり、
雑貨屋で見かけたちょっとした品物、そして物に限らず人に何かをして
あげることが好きだった。
付き合ってすぐの頃、僕もキーホルダーや押し花のしおり。ウチの母親に
ビーズで作ったネックレスなど色んなものをプレゼントされた。
「君はなんでそんなに人に何かをするのが好きなの?」
当時の僕にとってはそんなことは無駄なこととしか思えなかった。
人は他人にしてもらったことなんてすぐに忘れる。ずっとそう信じて生きてきた。
彼女は笑って答えた。「喜んでもらえる顔をみるのが好きだから」と。
ある日、家に帰ると雨が降り出しているのに洗濯物が干してあった。
今までなら知ったことではなかったが、気まぐれにそれを取り込んでみた。
買い物から急いで帰ってきた母親が驚いた顔で
「あんたがやってくれたの?」
と言う。
どうにも照れくさくて仕方なかった僕は「明日その服着たかったから、濡れたら
困るから取り込んだだけだよ」と言い、急いで自分の部屋に逃げ帰った。
その日の夕食では、中々開けさせてくれなかった僕の好物だった鮭フレークの
瓶詰めが開封された。母からの遠まわしな「ありがとう」だったのだろう。
語り部がいなくなった件についてw
もちろん、彼女とすぐに打ち解けられたわけではない。
お世辞にも仲がいいとは言えない僕の、乱暴に放った「付き合う?」の
言葉にうなずいたりして、はっきり言ってわけのわからない女だった。
その日、委員会の後片付けを終え、何故か付き合うことになった僕らは、
お互いに戸惑いを隠せないまま、一緒に下校をした。
自転車通学の僕に対して電車通学の彼女。
学校からの最寄り駅は僕の通学路の通り道で、駅の入り口で彼女と別れた。
別れ際、彼女は言う。
「よかったら明日から一緒に帰れないかな?」
「一緒にって、お前部活あるだろ?」
「うん・・・・・・だからもし待っててくれたらすごい嬉しい。」
「・・・・・・・・・・・・・考えておく。」
そう言って彼女とわかれ、おかしな彼女ができたもんだと家路に着いた。
彼女はオーケストラ部に所属していてビオラをやっていた。少し大きめの
バイオリンと言えばわかりやすいだろうか?
帰宅時間が合わず、彼女は待ってて欲しいと言ったわけだが、初めは
そんな気にもなれず、「時間を持て余すから」と言って男友達と、とっとと
家に帰っていた。
初めの内、彼女と過ごすのは平日の昼休みだけだった。
僕はほとんどの場合、昼飯はコンビニで買ったおにぎりや、
購買で買ってきたパンだった。
親の手作り弁当をいつも持ってきていた彼女には、それが
少しショックだったようで、「それじゃあ栄養が足りないよ」と
弁当のふたに自分のおかずを載せて無理やり僕に食べさせた。
その内、綾は自分の弁当とは別に、オカズの入ったタッパーを
持参するようになり、僕は自分が買ってきたパンやおにぎりの
おかずにそれをありがたく頂いた。
綾のいるオーケストラ部は朝錬もあった。
僕のためのおかずは、ほとんど自分も作っていたようで、
彼女の朝はきっととんでもなく忙しかったに違いない。
そんな風にして、昼休みを一緒に過ごす内に、だんだんと僕は
綾とすごす時間がもっと欲しいと思うようになった。
付き合い始めて1ヶ月程度たったころだったろうか。
気まぐれに彼女の部活が終るまで学校で待ってみた。
6時近くになってようやく部活の練習が終わり、彼女はとても
喜んだ。綾はポジティブな感情の表現が非常にストレートで
周りに人がいなければ抱きついてきそうな勢いだった。
その頃はまだ、僕にしては珍しく、キスも手もつないだことのない
プラトニックな恋愛だった。彼女は特別な存在だと感じる、何か
直感が働いていたのかもしれない。
47 :
名無しさんの初恋:2006/01/17(火) 17:48:46 ID:5FgXhZWo
普段やらないことやると女ってホント喜ぶよな!
抱きついてきそうだった!ってなんかイメージできる!
それから僕は、毎日放課後は図書室で彼女を待ち、部活の終った
彼女と一緒に下校するようになった。図書室では小説を読んだり宿題を
やったり、過ごし方は日によって様々だった。
それでも1年の頃は、太宰や三島由紀夫、後期の夏目漱石など、厭世的な
小説を読むことが多かった。それが彼女の影響で、最終的にはエッセイや
軽い内容の現代小説、推理小説などにその内変わっていくのだが、それは
まだ少し先の話で。
「彼女と出会っていなかったら」。
その事を考えると今でも体が震えそうになる。心の扉を閉ざしたまま、誰にも
本当の自分を見せぬまま、何事にも感謝せず、傍若無人で傲慢に生きていただろう。
人と関わることを極端に嫌う自分。もう今はあの頃のようには戻れないし戻りたくもない。
まるで『北風と太陽』の童話のように、彼女が僕を照らしてくれた。
僕は生まれて16年にして、やっと心のコートを脱ぐことができた。
その頃から僕は、進んで家の手伝いをするようになっていた。食器を洗ったり、車の洗車を
手伝ったりとその程度のことだけど。父と母は最初戸惑っていた。食事以外は部屋に
閉じこもりきりだった息子が、そんな事をすれば驚くのも無理は無い。
僕の変化を両親がはっきりと認識する頃、僕も自身の変化を自覚し始めていた。
そして生まれて初めて心の底から三嶋綾子が好きだと知った。
高校二年になる頃には、彼女なしでは生きられないと思うようになっていた。
前スレ170続きまだー?
今まで自分のしてきた女性との付き合いは、恋愛の内に入らないのだと、
三嶋綾子への気持ちに気づいてからはよくわかった。
一緒にいられるだけで幸せで、手を繋ぐだけで心臓がドキドキした。
それまではあんなに簡単に体の関係を持っていたのに、綾とはキスするだけで
半年もかかった。
駅の近くの公園のベンチでふたりで話し込み、そろそろ帰る時間が近づいた頃だった。
「そろそろ電車乗らなきゃ。行こっ。」
「もう少しだけ・・・・・・。」
そういって僕は手をとり強く握った。
立ったまま、見つめあい、辺りに人の気配がないのを確認しながらそっとキスした。
冬の出来事で、ぶつかった綾の鼻がとても冷たかったのを今でも覚えてる。
そのまま恥ずかしくて抱きしめた。
自転車のカゴに無理やり載せていた綾のビオラが、風でゴトリと音をたてて、
僕らは慌てて我に返った。
照れくさくて駅の改札まで何も話さなかった。
なつかしい思い出。
高校二年の確か夏ごろから、僕らはよく進路の話をするようになった。
綾はとてもしっかりした考え方の持ち主で、報道関係かジャーナリストや
ライターになりたいと言っていた。
僕はただ漫然と人間嫌いであったその性格から、なんとなく理系かなと
思っていたが綾の考え方を効くうちに徐々に感化されていった。
いや、感化されたというのは適切ではないだろう。
僕は同調するフリをして、もっと綾のそばに居たかったのだ。
大学も同じ大学、学部に入りたかった。
東京で、同じ大学に入ってお互い一人暮らしなんてできたら
それこそ最高だと思っていた。
だが中学時代の栄光はどこえやら、一年半まともに勉強をしなかった僕の
成績は見る影もなかった。
「勉強なんてひとりでもできる」ととっていたZ会も封筒すら開けずに部屋に
山積みになっていた。このままでは綾と同じ大学なんてとても無理だと悟り、
それからは図書室で綾の部活が終るのを待つ間、勉強に費やすことにした。
ただただ、綾の傍に居たい。
それだけの気持ちで、部活の終わりをそわそわと待ちながら、過去に届いた
Z会の教材を一年生の分からやり直して行った。
それから半年もして高校3年生になるころには、僕はようやく綾と肩を並べられる
くらいまでの学力を取り戻していた。このまま二人で同じ大学へ。
そう思い、3年になってからはふたりで同じ予備校に通い、休日は一緒に勉強した。
そして翌年春、ふたりで同じ大学の同じ学部へと無事合格した。
さすがにアパートを一緒に探すわけにはいかなかったけれど、二人で密かに連絡を
とりあい、なるべく近所のアパートを借りた。
晴れて大学生になり、日本武道館での入学式。
ああこれが爆風スランプの歌っていた「金のたまねぎ」か、と東京の
風を吸いながら僕は感慨にひたった。
これからはお互いに一人暮らし。
もう親の目は気にしなくてもいい。
驚いたことに僕らはこの時点でもまだプラトニックだった。
なんとなく、そんな気になれなかったせいもあるし、彼女を神聖視していた
面もある。お互いあまり親が留守にしない家でチャンスがなかったのも
事実ではあるし、かといってラブホテルなんて場所に彼女を連れて行く
気にはなれなかったのだ。
しかしお互い一人暮らしとなれば話は別で、何度かお互いの家を行き来して
泊まるうちに、確か5月ごろ、僕らはようやく結ばれた。
久しぶりのセックスだったせいもあるかもしれないが、それまでのセックスとは
まるで違っていた。心底好きな相手との行為がこんなにもこれまで経験した
それとは違うとは思っていなかった。
細胞のひとつひとつが彼女を求め、触れ合う肌が互いに吸い付くような感覚だった。
大学へ入り、彼女は再びオーケストラ部に入った。
一秒でも彼女と長くいたい僕は、本気で今から楽器を習おうかと検討したが
「お互いの世界を狭めるようなことはよくない」
と彼女に止められた。
互いの家に宿泊するのについても、「メリハリがないのはよくない」という彼女の
主張で、僕が綾の家に泊まりに行くのは火曜と金曜の夜だけと限定された。
少しさみしかったけど、彼女の主張はもっともだったため渋々僕は従った。
ダラダラと同棲状態に陥ってダメになったカップルは、大学では辺りを見渡せば
いくらでも見つかったから。
結局僕はどのサークルにも所属せず、ファーストフードのアルバイトに精を出した。
彼女にプレゼントをあげたかったしデート費用の足しにしたかったのだ。
こうして僕らの大学生活はスタートした。
4年間はそれこそあっという間で、思い出は語りだしたらキリがない。
高校時代からわかっていたことだが、オーケストラ部というのは練習時間が長い。
また部内の仲もよかったりカップルの成立数も多く、飲み会も多い。
当然のことながら彼女は先輩から狙われる対象になったりしたものだから、
ヤキモチを妬いた僕が大学に入って最初に彼女にあげたプレゼントは指輪だった。
エルメスのシルバーリング。男よけのおまじない。
社会人になって思うことだけれど、大学時代の四年間というのは本当に
あっという間に過ぎる。僕らのいた大学は比較的同棲するカップルが多いので
知られていたが、同棲後、長続きしたカップルを僕は自分達以外には知らなかった。
やはり狭いワンルームの部屋でお互いを束縛しあっていると、人間、息が詰まって
しまうのだろう。今になっても綾の提案した「お互いの世界を狭めない」為のルール
作りは非常に有効だったと思う。
お陰で僕は、大学時代に始めて心開ける友達を得ることができた。
綾と過ごすうちに、段々と人間嫌いが治り、逆にそれまで潜在的に持っていた人と
触れ合いたいという感情が一気にあふれ出したかのようだった。
大学3年にもなる頃には、もう僕には過去の人間嫌いは跡形もなくなってしまっていて
アルバイトなどで知り合った友人達と大いに飲み明かす日が多くなった。
サザンオールスターズの曲でYaYaという曲がある。
大学時代をしのび、「忘れられぬ日々」と懐かしむ曲だ。
綾が僕の中に育んでくれたたくさんのものが芽を出した4年間だった。
今でも思い出すと目頭が熱くなる。
友人達と会う機会もめっきり減った。
もし帰れるなら迷わずタイムマシンのボタンを僕は押すだろう。
大学3年も半ばになると、周囲はにわかに就職活動で活気づいた。
景気は一旦回復の兆しを見せ始めていたが、アメリカのITバブルで
再び日経平均が底割れするのは学生の僕らでも容易にわかった。
金融にも若干の興味を示していたが、「もうすぐ日経平均は2万円台
に回復する」という銀行員の馬鹿なプレゼンを聞いて行く気をなくした。
時は小泉内閣発足前夜。森善郎前首相が問題発言を繰り返し、記録的な
支持率を更新している頃だった。
綾は高校時代からの夢であるライターへの道を目指すべく、まずは
出版社へ就職したいと活動を始めた。
僕は綾ほど明確なビジョンは持っていなかったが、色々と調べていくうちに
マスコミ関係に興味を持っていき、広告代理店を受けたりした。
結果は面白いほど明暗が分かれ、綾は大手の出版社から見事に内定をもらう。
僕は誰も知らないような、小さな広告代理店へ就職が決まった。
それでもふたりとも当時としては順調だった。
なにしろ6月にはふたりとも就職先が決まっていたのだ。
秋まで就職先が見つからない学生もゴロゴロしていた時代だったから、
僕らはとてもついているカップルと言えただろう。
そして時間はあっという間に流れ、卒論に追われる内に大学4年間は終った。
4年前と同じ、金のたまねぎの下で僕らの卒業式は行われ、キャンパスライフは
終わりを告げた。
この頃には僕らはもう両親後任の仲で、互いの両親と6人で、武道館の入り口の門で
記念撮影をした。振袖に袴姿の綾は、いつもより一段と奇麗で改めて惚れ直したりもした。
そしてこの頃から、ずっと心に秘めていた綾との結婚が徐々に現実味を帯びてきた。
大学卒業とともにふたりとも、4年間を過ごしたアパートを引き払い、お互いの会社へ
通いやすい場所で、再び近所のアパートを借りた。
とは言え、時はリストラ真っ只中で、大幅な人減らしでどこの企業も人手が足りず、
現場は戦々恐々としていたため、新人の僕らも研修が終るや否や、毎日残業で
大忙しの日々が続いた。
必然的に平日なんてほとんど会うこともできず、土日は土日で綾のいる出版業界は
土日なんて会ってないようなもので、僕らが一緒に過ごす時間は大学時代に比べると
10分の1にも満たない時間に減っていった。
どんなに仕事が忙しくても、綾と会えない寂しさは紛れることなどなく、僕は綾との結婚を
どんどん真剣に考えるようになっていった。心配だったのは綾が仕事にやりがいを感じて
いることで、結婚を考える余裕なんて無いように思えたことだった。
ほうほう・・・じっくり読ませるねぇ。おもしろい
就職2年目の夏のボーナスで僕は指輪を買い、綾にプロポーズした。
新宿の都庁の展望台で夜景を見ている時だった。
意外なことにプロポーズはすんなり受け入れられ、綾は専業主婦に
なると言ってくれた。まだ僕一人の給料ではやりくりが大変な時期だったが
「それならそれでパートでもするよ」と彼女は言った。
あれほど熱心に打ち込んでいた仕事を、結婚の為にあっさりと辞めてくれた
理由を、正直僕は計りかねたが、綾の好意はありがたく頂き、その年を持って
綾は会社を退職し、僕らは翌年3月に結婚式を挙げた。
結婚式は多くの友人が祝ってくれた。
綾と出会っていなかったらたぶん結婚式は中々つらいものがあったと思う。
なぜっておそらく綾と出会っていなかったら、僕には結婚式に呼ぶほどの友人は
ほとんどいなかっただろうから。
大勢の人たちに祝福されて、僕らの結婚生活はスタートした。
そしてあっという間に妊娠発覚。
ハネムーンベイビーとまではいかないけれど、結婚5ヶ月目のことだった。
もうこうなると毎日が幸せで、仕事がどんなに辛くても耐えることができた。
産婦人科の先生には男の子か女の子かは言わないように頼んでいたが、
エコーの写真で股間に見事な突起物がみつかり、生まれる前に男の子だと判明。
「実際に生まれるまでは知らずにいたい」と思っていたが、知ってみればそれはそれで
よかったと思う。なにしろ名前を考えるのに辟易していたから。男の子と女の子の
2バージョン考えるなんて重労働はとても無理だった。
梅雨前線が活発なある日に、僕らは新しい命を授かった。
体重3142グラムの男の子。
母子ともに健康でわずか4時間での安産。
あまりの速さに出産の瞬間に立ち会えなかったことが今でも悔やまれる。
「こっちは4時間だって大変だったんだから」と綾には笑って怒られた。
退院後しばらくを実家で過ごした後、綾と息子は僕の待つ東京の部屋へと
帰ってきた。仕事にはますます熱が入り、家族のためにと一生懸命に働いた。
20代も半ばに差し掛かると時間の過ぎる速度がぐんと上がる。
息子はすぐにハイハイを始め、やがて立ち上がり、言葉を発するようになる。
初めての「パパ」。本気で泣いた。
早く兄弟を作ってあげたいねと僕らは願い、夫婦関係もますます良好になり、
幸せの絶頂を迎えたように思えた。どんなことでも乗り越えていけると思っていた。
そしてあの日がやってきた。
・・・・・・・・・・
綾の運転する軽自動車とトラックの衝突事故。
綾は即死、息子は奇跡的に無傷。
会社で連絡を受けて、その後の事はよく覚えてない。
霊安室で氷のように冷たい綾に触れてから、気がつけば葬式も終わり、
綾は骨壷に収まっていた。
49日もあっという間に過ぎ、実家の墓へと納骨。
何がなんだかわからず、ただ息子の世話だけをしていた。
今でもその当時のことはほとんど思い出せない。
綾を亡くし、僕は精神を患った。
死ぬことしか考えられない重度の抑うつ状態。
会社もやめ、傷病手当金の支給を受けながら、ただただ息子の世話だけを
しながら過ごす日々。
息子の存在だけが、僕を死への誘惑から守ってくれていた。
とは言え、本当のことを言えば、息子も巻き添えにして死んでしまおうと
何度考えたことかわからない。
実家の親に息子を託して死ぬことも考えた。
綾の居ない人生など考えられなかった。
抗鬱剤を飲みながら、頭痛と胃痛と激しい倦怠感に襲われる日々。
僕の読む本は死後の世界に関するものが増えていった。
色んな人の本を読んだが、どれも書いてあることはまちまちで、
正常な判断力を失っている僕にはどれもよくわからず、
何が本当のことで、誰が嘘を言ってるのかわからなかった。
そんな地獄をさまようような日々を過ごしていたある日、
綾の出版社時代の同僚から電話が入った。
雑誌やテレビで最近よく顔を見かける、とある霊能力者のA氏と
会うことができるがどうか?という話だった。
その人の本も数冊読んでいた僕はすぐに会う約束をしてもらえるよう
お願いした。
信じるとか信じないとか、そういう事はどうでもよかった。
嘘でもいいからテレビでみる番組のように、綾からのメッセージを
伝えて欲しかった。
2週間後、僕は実家の母に上京してもらい、息子を預けてA氏の事務所、
正確にはカウンセリングルームと言った方がよいのだろうか、を訪ねた。
A氏はテレビ同様、柔和な笑顔で僕を迎えてくれた。
通された部屋は少し薄暗く、お香のいい匂いのする不思議な部屋だった。
部屋に通されるなりA氏はこう言った。
「さあ、そこのソファに掛けて下さい。奥さんがずっとお待ちでしたよ。」
その言葉だけで僕の目にはもう涙があふれ始めた。
嘘か本当かなんてどうでも良かった。
綾がそこに居る。
そう言ってもらえるだけでもう十分だった。
出されたハーブティーを飲み、僕が少し落ち着いたところで、A氏は
死後の世界と、僕と綾の生まれる前からの因縁について話してくれた。
A氏が言うにはこういうことだった。
まず、人間はこの世に修行のために生まれてくる。
それぞれ課題をかかえ、それを克服しより高い精神を手に入れ高等な
魂となるべくこの世に生まれてくると。
そして人は死ぬと大きな魂の元に帰っていき、自分と他の魂との境界は
あいまいになり、まったく別の存在へと変わると。
それぞれの魂は因縁のつながりの強いグループで形成されていて、
そこからまた克服すべき課題をみつけ、魂としてこの世に新たな命として
生まれてくると。
人間には大きく言って8つの苦しみがあるという。
「四苦八苦」という言葉は仏教の言葉だそうで、
「生」「老」「病」「死」の四苦に、その他、ややこしい名前の
4つの苦しみを加えて合計8つの苦しみがあるという意味だそうだ。
僕と綾が生まれる時に抱えてきた克服すべき課題、カルマはその中の「愛別離苦」。
愛するものと離れる苦しみだとA氏は語った。
人は出会った以上、生き別れか死に別れか、いずれにしろ必ず別れはやってくる。
この世の中の全ては流動的で不変的なものなどなく、愛するものとの別れも
受け入れなければならないもののひとつだと言う。
さらにA氏は加えていった。
「あなたと奥さんはね、実は今回で愛し合うのは4回目なんですよ」と。
さかのぼると100年以上前になるという。
僕と綾は、まったく別々の魂のグループから、『愛別離苦』のカルマを克服すべく
この世に生を受け、出会い、愛し合った。
そして僕らを見守る霊たちは、僕らに別れをもたらすのだが、僕と綾の結びつきは
祖先の霊たちの予想をはるかに超えて強く、僕らは別れを拒絶し心中をしてしまったという。
これが僕と綾の長い因縁の始まりだという。
A氏は続けて言う。
「あなた、昔からよく冬の川で心中する夢を見るでしょう。
それが今よりひとつ前のあなた達の心中の記憶なんです。」
子供の頃、誰にも信じてもらえず、唯一綾だけが知っている僕の夢の話を
A氏は知っていた。そしてA氏は続けた。
前世での心中の時、僕は相変わらず愛別離苦のカルマを克服できなかったが
実は綾はその時の生でカルマの克服を終えたのだという。
前世で非常に良い両親に恵まれた綾は、親と不仲だった前世の僕とは違い、
死ぬことによる両親との別れは非常に辛い選択だったという。
結果的に僕と一緒に冬に川に飛び込んだものの、綾の魂はカルマを克服し
この世での仕事を終えたのだった。
「じゃあ何故、綾はまた生まれてきて僕と出合ったんですか?カルマを克服したなら
もう生まれる必要はないのでしょう?」
僕は尋ねた。
A氏はまた柔和な微笑みと共に答えた。
「奥さんはあなたのためだけに、この苦しい世界にもう一度生まれてきてくれたんですよ。」
3度転生してもカルマを克服するどころか泥沼にはまる僕の為に、綾と僕の祖先たちは
ある計画を立てた。一度二人を結ばせて、子供を儲ける。そして綾が死ねば、僕は子供を
おいては死ぬことができず、綾の死を受け入れるだろうと。
当然、子供を道連れにしての後追い自殺も予想されたが、それを回避するためにA氏との
その日の出会いが仕組まれたのだと。
もう涙が止まらなかった。
1時間近く泣いたのではないだろうか。
A氏は最後に綾からの伝言を伝えてくれた。
「綾さんね、こうおっしゃってるんです。今度こそ、私の死を乗り越えて
息子さんを立派に育ててねって、そう言ってますよ。でないと、私は
またあなたと一緒に生まれて途中で死ななきゃならないなんて
冗談まで言ってます。」
僕は泣きながら笑い、確かにそこに綾の存在を感じた。
「綾さんはね、実はずっと過去世の記憶をもって暮らしてたんですよ。
子供の頃に変な言動をしてたとかそんな話をご両親から聞いたことは
ありませんでしたか?」
確かに聞いたことがあった。
教えていない単語を知っていたり、親の知らない人の話をしたりして
少し心配したという話を。
綾はずっと過去世の記憶を持ったまま生きていた。
その話を聞いて、ようやく綾の大人び過ぎた少女時代に納得がいった気がした。
「やがて、あなたにはまた別のパートナーが現れます。息子さんにとっても新しい
お母さんが必要です。時間はかかるでしょうけど、どうか奥さんの死を受け入れて
寿命を全うしてください。」
A氏にそう言われて、僕はカウンセリングルームを後にした。
綾が死んでから8ヶ月が経っていた。
それから2年が経ち、僕は今、ようやく綾の死を受け入れ、
彼女と出会えた幸せと、彼女が残してくれた最愛の息子に感謝し、
楽しい日々をふたりで過ごしている。
仕事はA氏とのカウンセリングの後、半年経って、同じ会社に復帰した。
シングルファザーという特殊な事情を考慮してもらって、事務系の
残業の少ない部署に回してもらった。
最近、4つ年下の後輩の女の子がよく食事に誘ってくる。
休日にも時々内にやってきて息子と遊んでくる。
新しい出会いが訪れる季節なのかも知れない。
泣けた。もう一度かぁ。そうかぁ・・・
僕の話は以上です。
何も言わずに突然淡々と書き出してしまい、
申し訳ありませんでした。
思い出すのがつらく、最後まで書く自信がなかったのと、
話が話しなので荒れる事が予想されたからです。
信じる、信じないは皆さんそれぞれにお任せします。
正直書こうかどうか、さんざん迷った話しですので。
もしまとめサイトに載せていただけるなら、
「福音」というタイトルで載せていただければありがたいです。
長い間、遅筆、乱文でお目汚し失礼致しました。
綴ってくれてありがとう。でしゃばるまいと思っていたが、
琴線に触れるものが多い物語だった。
最後の救い、疑うわけがないだろう?
重ねていう。綴ってくれてありがとう。よい旅を、人生を
出だしはしっかり後の伏線になってたんだなぁ…。
お疲れさまでした。とても心を動かされました。
月並みなことしか言えませんが、息子さんを大事に
してあげて下さい!
何だか鳥肌がたった。凄く面白かったよ。
仏教云々や生まれ変わりというのは正直ピンとこないのですが、
読み応えのある素敵なお話だと思いました。
文章もまとまっていて読みやすかったです。
綴ってくれて有難うございました。
この文章打ちながらまだ泣いてますが。
お疲れ様でした。
>>61辺りからずっと背筋がゾクゾクして、悪寒が止まりません。
とても読みやすい文章でした。
悲しみを乗り越えたら、幸せが待ってますよ。
綾さんに感謝しつつ、息子さんを大切に育ててください。
新しい出会いにカンパイ
75 :
名無しさんの初恋:2006/01/21(土) 01:20:17 ID:SywJ/N6p
やべぇ、携帯と関係無いのに泣いた。
超ガンガレ!
読みやすかった。
お疲れ様です
>>69 ガチかわからんが解脱おめ
自分も五陰盛苦があと少しで終わりそす…
文章巧くて本当にうらやましいです。
いい物語をありがとう!
A氏って江原?w
79 :
名無しさんの初恋:2006/01/21(土) 17:38:07 ID:9uxcsHvy
>>78 そうだろうねえ。
まっ、俺は信じないけどね。
80 :
名無しさんの初恋:2006/01/22(日) 18:08:45 ID:lNs6Eaw+
語り部募集あげ
81 :
名無しさんの初恋:2006/01/22(日) 20:03:32 ID:FlC+hs7Z
このスレではアヤが大人気だなw
女の人に多い名前なんじゃない?
芸能人でもアヤって名前の人沢山居るし。
>>79 まあユングの言う集合的無意識とか阿頼耶識とかにも通じる考え方なんだけどね
禅僧なんかは「座禅中にあきらかに現世の記憶でない記憶、意識に到達することがある」
って言うよ
まあ証明する手段はないが◆bA0TzdCLfkさんが、A氏の言葉で救われたのだけは
動かしようの無い事実
嘘も方便
ついてもいい嘘もあるってことだ
>>83 話に違和感を感じて調べてみたら彼のことがかなり心配になってきた
彼の話が全部本当だとすると、奥さんが成仏できている可能性は極めて低い
自殺した後は徳(経験値)が激減するから本当ならスカイハイみたいに地獄行き
希に人間になるけどなれて人間
江原が過去のことを知る能力を持ってることをガチと仮定するけど、
その程度の能力なら才能と適当な修行で身につく
本物の能力者ならその後どうすればいいか明確に教えてくれるはず
第一、テレビなんかには出てこないとおも
とりあえず奥さんの供養は忘れないで下さい
あと江原の言うことも鵜呑みにしないほうがいいです
亀レスマジレスすまそ、丘板に還ります…
85 :
名無しさんの初恋:2006/01/24(火) 01:06:25 ID:eBZiUsfv
過疎止めage
86 :
名無しさんの初恋:2006/01/25(水) 20:33:53 ID:EthGkXvn
前スレ170ばっちこーい
まぁ江原とか細木って所詮金儲けだべ。
細木は江原より性質がわるけどねwww
過疎りまくり…
89 :
名無しさんの初恋:2006/01/26(木) 23:17:51 ID:yO0h3loF
age
90 :
名無しさんの初恋:2006/01/27(金) 00:18:53 ID:WjMf1FJw
>>84 別に自殺じゃないだろ、
けど、死ぬ事は決められていたんだよね?じゃあ、なに?運命って奴?
まぁ、俺は生まれ変わりとか信じないけど。
前世での心中=多人数での自殺のことを言っている
文章からは前世が終わった時点で奥さんは成仏していたとある
昔から自殺した香具師は成仏できないとか言われてる罠。
まぁどうでも良いよ、ここはいつから江原スレになったんだか・・・w
93 :
名無しさんの初恋:2006/01/28(土) 18:09:51 ID:TS5hoxiZ
age
94 :
名無しさんの初恋:2006/01/29(日) 01:38:45 ID:DIIJn5Vp
本人がそれで救われたって言ってるんだから、それでいいんだよ。
大切な誰かを無くした人が少しでも救われれば、
俺達がとやかく言う必要はないよ。
95 :
スナコ:2006/01/29(日) 01:43:25 ID:VJ/qPohp
江原さんたちはスゴい…実際人のオーラとかって本当にあるし
一週間くらい前かなぁ…
あるスレで偶然女性と電話する事になったんだ。
たいした話もしてなかったけど、俺は盛り上がってた。
そのこと最近毎日メールしてたまに電話もするようになったんだ。
ありきたりだけど最近そのコが好きなのかどうか分からないけど、気になるんだ。自分の中では「好き」じゃ無くて、寂しい時何でも聞いてくれる女性だから「好き」って錯覚してるんだと思ってる。
けど気になるのは事実なんだ。
よく解らない日本語と感情の俺が、恋なのか知りたくて書き込んでみたよ。
ケータイ厨が長文スマソ
97 :
名無しさんの初恋:2006/01/29(日) 03:25:05 ID:l3F9k+A2
ウケミンな人の心理状態とか好き避けとか、好意を持たれるのが苦手・・とか、
そういうスレにずっと入り浸っていた。
事実、23年間彼女がいたこともなければ自分から他人を好きになったこともなかった。
ほんの時々、好意らしきものを寄せられることはあっても、怖くていつも逃げ回ってば
かりいた。
父子家庭で、中高と男子校で、大学でもほとんど男子校のようなところだったからと自分
に言い訳していたけれども、本当は他人と正面から向き合うのが怖かったんだと今では
分かる。
98 :
名無しさんの初恋:2006/01/29(日) 03:40:34 ID:XEp/D2g1
彼女と俺の距離は約300〜400`くらいです…
彼女には好きな人がいます。
会うのはきっと相手嫌がりそうな気がします。
会える時期が来たらきっとどちらかが何気なく話始めるはずです
片割れは俺なんだけど、今は自信がない。少しづつ近づいてる距離が離れるような行動は…
そんな風に思わなくなったときはきっと耐えれば来るような気がします
100 :
名無しさんの初恋:2006/01/29(日) 06:17:47 ID:gUh47qQb
100(iдi)
いつのまにか新たなストーリーが始まってる…
相手の人がどんな人かキボン
あまり言うと恥ずかしながら2チャソ住民なので詳しく書けませんが、元気が良くていつも聞き手に回ってくれます。たとえどんなに遅くなっても酔ってても、電話したいってお願いしたら家に帰るまで待っててくれるような優しい人です。
…というか漏れ質が悪い…orz
>>99 ↑後半の日本語意味不明に近かったデスネ…
相手も同い年位?
つかスレ違いじゃね?
その前提があって、話を綴ってくれるなら文句はないが
>>97にとりあえず期待
>>106 スレ違いですか…
電話やメールだけの気になる想い。携帯の(気になる)恋なのかと思って書いたんだ
あまり詳しくは相手読んでるかも知れないから書けないんだ。
スレ違いなら去るよ
どうなんでしょう?
いやここに書いていいじゃん!
まじな携帯だけの恋愛話(だと思う)はしたんだが年数経ってて覚えてない。
誰か語ってくれ
112 :
名無しさんの初恋:2006/01/30(月) 22:47:26 ID:pE8JKCMf
文章苦手なんで読みづらいし携帯からなんで書くの遅いけど語っていいかな?
全然いいよ!!綴ってくれ
今から仕事へ向かいます。
先ほどモーニングコールを遅刻防止に貰いました。その時の俺はまだ眠たく、あと少し寝ると言いましたが「そんなこと言ったら駄目!そんなこと言うと嫌いだよ!?」って言われました。その一言がグサッと想像以上に重かったです。きっと…好きなんですよ俺。
きっとその女性が見たらすぐ俺だってわかるんだろうなぁ。まぁ彼女を特定する個人情報出してないから問題ないかな…いつか伝える想いだろうし
116 :
112:2006/01/30(月) 22:58:42 ID:pE8JKCMf
113
ありがと(__)では少々話をまとめるので少し時間下さい。
駄文お許しを次からはユウスケと名乗りますんでよろしく
>>115 もったいない。何でその時好きだといわん。
仕事、行ってらっさ
>>117 時間に余裕が無かったうえに、その時はグサッと来ただけで、切った後に好きなんだなぁって思ったんだ
チャンスのがした…orz
いってきます
119 :
ユウスケ ◆kvG4ejFyq2 :2006/01/30(月) 23:59:06 ID:pE8JKCMf
遅くなりました(__)では語っていきたいと思います…
自分がノリコと出会ったのは短大に入学式だった。
始めの印象はどちらかというと「目つき悪いし言葉使い荒いしこりゃ在学中友達にはなれんな」とか思ってた。
まずうちの短大の説明なんですが自分が通っている短大はどちらかというと内部進学が多い…てな感じ。
つまりは始めからグループが成立してる状態なんで外部進学組は外部組でグループを作り…とまぁ最初は関わる事はなかった。
初めて話したのはクラス(自分の短大にはコース毎にクラス分けしてる)の親睦会だった…
120 :
ユウスケ ◆kvG4ejFyq2 :2006/01/31(火) 00:13:38 ID:3jTIu/Ay
飲み会が始まり1時間程たつと親睦会との理由で席をシャッフルしようとゆうことになり自分の隣にノリコが座ってきた。
その時は「あー目つき悪いこやん↓しかも目のつけてた可愛い子は離れたし…」とテンション下がりまくってた…
まぁ話をしないのもどうかと思い当たり障りのない高校時代の話をし始めた。
どんな話をしたのかはよく覚えてない…W
けどただ覚えてるのは友達の彼氏がクラブの先輩で一度俺の高校の試合を見に来たって話と彼女の家が大学から1時間半かかるってぐらいだった。
121 :
ユウスケ ◆kvG4ejFyq2 :2006/01/31(火) 00:22:09 ID:3jTIu/Ay
自分にとってその試合は自分のミスで先輩の最後の試合にしてしまったという罪悪感で当時いっぱいだった…
飲み会の頃も思い出すのも嫌な思い出で正直この話は避けたかった。
でもノリコは一言「あの試合負けたけど1番その後努力したのはユウスケ君だって〇〇の彼氏(先輩)がそー言ってたで」
と言ってくれた。この一言で自分のノリコに対しての認識は目つき悪い→女からなかなか良いやつに変わったW
それから会えば話をするぐらいの付き合いで自分は特に恋愛感情は持たなかったしノリコもなかったと思う…
122 :
ユウスケ ◆kvG4ejFyq2 :2006/01/31(火) 00:27:11 ID:3jTIu/Ay
そして7月からのある出来事が自分達の関係に変化をもたらした…
っというところで最近は卒論&テスト中で体力なしの状態…続きは明日からということで…orz
これからもお願いしますノシ
>>122 わかりやすくて続きが気になりますねー
いつからケータイだけの恋にかわるのかなぁ…長い物語が始まる予感
>>124 このスレはケータイに関係していなくても構わない。
「ケータイの中だけの恋愛」は元1が立てたスレで、
今もそれを引き継いでいる。
ほとんどの住人は物語を楽しむ為に来ている。
>>1のテンプレよく読むように。
126 :
名無しさんの初恋:2006/01/31(火) 14:08:59 ID:zocPPRqx
このスレ久しぶりに来たw
楓までしか読んでなかったけど
まさかまだ続いてたとは…ww
127 :
ユウスケ ◆kvG4ejFyq2 :2006/02/01(水) 00:10:43 ID:wIOonoP3
7月になるとうちの学科には実習があり、だいたい2人程度に分かれそれぞれの施設で実習を行う。
その班分けでノリコと一緒になった。
その配属の発表日に初めてて携帯の番号とアドレスを交換した。
最初はメールもあまりしなかったが実習が始まると毎日20件以上メールした。
メールの内容は他愛のないものだったが今までのイメージと異なるという点では少しドキドキしていた。
一日が終わると近くのマクドに入り無駄話で2時間以上話す日もあった。
この時から少しずつノリコに惹かれ始めたと思う。
128 :
ユウスケ ◆kvG4ejFyq2 :2006/02/01(水) 00:23:48 ID:wIOonoP3
実習後も自分達はとても仲の良い友達だった。
授業が終われば一緒にカラオケやボーリング(2人きりじゃないけど)へ行ったりもした。
ただ自分にはその頃、彼女がいたため惹かれていると自分でもわかっていたがそれ以上の関係に発展させる気はなかった。
10月になると大学祭の準備が忙しくなりなかなか遊ぶ機会はなかったがゼミが同じだったため一緒にいる時間は長かった。
ただ忙しさに比例して彼女と会う時間はどんどん減っていった。
129 :
名無しさんの初恋:2006/02/01(水) 00:25:17 ID:wIOonoP3
その当時付き合っていた彼女とは友達の紹介で知り合ったがどちらかというと流れの中で付き合った。
そのためはじめは楽しかったが12月頃になるといろいろな理由から付き合っていても自分の中で彼女が負担になっていた。
そんな時相談にのってくれたのがノリコだった。
ノリコはただ話を聞いてくれ自分の望む返事をしてくれた。
それから1ヵ月程付き合ったが自分の気持ちは冷めてたしそんな状態で付き合っていくのも嫌になり1月の末に彼女と別れた。
130 :
ユウスケ ◆kvG4ejFyq2 :2006/02/01(水) 00:50:28 ID:wIOonoP3
自分が余り望まない形で付き合った彼女との事だったとはいえ別れたのは正直ショックでしばらくは彼女を作らないと決めた。
そんな様子を見たからなのかノリコは「ユウスケ君ならいい彼女出来るよ」と励ましてくれたが暫くは気が抜けたようにダラダラした生活をしていた。
別れてから2週間程たった時、別れた彼女からメールが来た。
「別れたけどまだ好きだからもう一度やり直したい。無理やと思うけどもう一度考えなおして」と…
その時自分の中では寄りを戻すか完璧に切れるかとても迷っていた。
131 :
名無しさんの初恋:2006/02/02(木) 21:13:59 ID:xi4DO/6K
美嘉で終了とばかり思っていたのに、まだ続いてたのねw
しかし名作がそれなりにあるよね。
132 :
名無しさんの初恋:2006/02/03(金) 16:48:17 ID:PcFPcQds
age
また書き手不在
134 :
名無しさんの初恋:2006/02/04(土) 04:19:45 ID:V1v1UbOv
放置プレイってやつ?
135 :
◆HXvXASuh4w :2006/02/05(日) 04:41:50 ID:e8kgNjHv
子供の頃から、他の何よりも褒められることが好きだった。
妹と弟が一人ずついて、その二人の面倒を見ている内にそれなりに
他人にどうすれば喜んでもらえるのかを子供ながらに覚えた。
両親共働きで、一人で本を読むことが日課になっていたから、自立
心は早く芽生えたし言葉を覚えるのも速かった。
面倒見がよいことを褒められたり、色んな言葉や漢字を知っている
ことをすごいねと言われる内に、私のエゴはどんどん膨らんでいった。
他人に羨ましがられたり褒められたりすることに過剰に貪欲で、
それを妨げられることを異常に憎悪するようになっていた。
当然、先生や親戚からのウケは抜群によかったけれども、友達
からはいつも疎遠に扱われていた。
人間味がない。
何を考えているのか分からない。
そんな風に影で言われていることも知っていた。
でも、それでも全然構わないと思っていた。
社会的に成功して、他人から賞賛されて。
それだけで幸せになれると信じていた。
高校二年生の夏までは。
136 :
◆HXvXASuh4w :2006/02/05(日) 04:59:04 ID:e8kgNjHv
中学受験の時、産まれて初めて挫折を味わった。
エゴの強さとそれなりに勤勉でもあったおかげで、四年生から通った塾でも
ずっと優等生だった。
私にとって、小学校よりも塾の方が心地よい存在だった。
能力に応じてクラス分けがされ、うえのクラスになればなるほど能力が
正当に評価される。
何より先生に成績を評価されることが嬉しかった。
だから私は、必死に勉強を続けた。
他人から褒められたいために。
私の家はそれなりに裕福だったから、親からも教師からも私学の
進学校(女子高)を勧められた。
でも私は頑なにそれを拒み続け、国立の附属学校に行きたかった。
小学校での女子の言動から、自分は女の子だけの世界では生きて
いけないことを何となく感じていたから。
合格発表の日のことは今でも忘れられない。
学科試験も実技試験も問題なくパスしたと思っていたけれども、
返ってきた結果は「不合格」。
「抽選」という馬鹿馬鹿しい制度によって、私は初めて挫折を味わった。
「抽選だから仕方がないです。」
137 :
◆HXvXASuh4w :2006/02/05(日) 05:06:57 ID:e8kgNjHv
私はそう言って、自分の心をごまかした。
周りの人たちも、そんな私の言葉を聞いて、少し安心したように同調していた。
親も教師も、自分のことを何も理解してくれていないのだな。
産まれて初めて、自分よりも立場が上の人に憎悪を抱いた。
その晩、私は泣き続けた。
誰にも見られないようにこっそりと。
自分の実力や努力ではどうしようもないことがあることを初めて知った。
自分の運の無さを恨んだ。
でも、今は確信を持って思える。
自分の力を超えた範囲で起きる事象を運命だと言うならば、
私はその運命を決して恨んではいないのだということを。
138 :
名無しさんの初恋:2006/02/05(日) 05:08:23 ID:5/TrJEh0
きこうじゃまいか
139 :
◆HXvXASuh4w :2006/02/05(日) 05:26:10 ID:e8kgNjHv
結局、中学校は親と塾のかねてからの思惑通りの私学の
女子校に通うことになった。
私の住んでいる地域には、私立の共学の進学校というものは存在しない。
女子校で上手くやっていけるのだろうかという不安と、進学校故のカリキュラム
の良さとを比較した上で、その学校に通うことにした。
入学式の日、私は入学生代表として祝辞を読んだ。
「ずっと行きたかった学校に通える喜びを噛み締めながら・・」
心にもないフレーズが口からスラスラと出てきた。
読んでいる時、母親と目が合った。
普段笑わない母親の目が笑っている瞬間を、久々に見た気がした。
哀しくなった。
こういう時でないと笑ってくれない母親。
心にもないことを言っている惨めな自分。
式場内のほぼ全ての視線が、主席で合格した私の体に降り注がれる。
周りから注目されて賞賛されて、それが居心地悪く哀しく感じた初めての
瞬間だった。
140 :
◆HXvXASuh4w :2006/02/05(日) 05:40:08 ID:e8kgNjHv
進学校といっても、みんながみんなそんなに勉強ばかりしているわけでは
全くない。
早々と色気づく子や、学校が終わればすぐに家に帰ってだらだらしている子。
部活に精を出す子もいれば、学校から塾に直行して勉強する子もいる。
そんな環境下で、私は小学校の頃から引き続いて「優等生」だった。
正確には、優等生を「演じて」いた。
入学式の日以来、少しずつ自分が無理をしているということを感じる
ようになったけれども、それでも優等生を演じ続けた。
それでも私の予想とは裏腹に、女子校での生活は決して悪いものではなかった。
イジメや登校拒否はあったし、そのたびに私は心が痛んだけれども、少なくとも
私の周りには穏やかな空気が流れていた。
真面目で優しくて親切な優等生。
親友はいなくとも、仲良くはしてくれた。
そんなある日、事件が起こった。
より正確には、事実が明るみに出た。
母親の不倫。
いつも帰りが遅い母親の行動を何の疑いもなく信じていた私。
その日、普段は穏やかなはずの父親が、母親を罵りながら殴っている
ところを私は見た。
141 :
名無しさんの初恋:2006/02/05(日) 12:59:50 ID:92AU9sLH
新たな伝説の誕生ですか?
142 :
◆HXvXASuh4w :2006/02/05(日) 20:35:54 ID:e8kgNjHv
怖かった。
聞きなれない大きな声に、怯える妹と弟。
その二人にはとりあえず「大丈夫。」
そう言って、私はリビングに行き、そこで父親が母親を殴っている
ところを見た。
怖くて、ガラス越しに呆然と中を眺めることしか私には出来なかった。
気づいた時には、横になってぐったりとしている母親と、机につっぷし
て泣いている父親と、そんな光景が目の前にあった。
父がつっぷしていたのは、いつもみんながご飯を食べていた食卓。
両親ともに忙しかったから、家族みんなが揃うのは週に一度二度だった
けれども、それでも家族みんなが揃って話をしながらご飯を食べるのは、
好きだった。
立って眺めていることに居た堪れなくなって、部屋にそっと入って行った。
父親と、ようやく意識を取り戻したらしい母親は、私の顔をじっと見ていた。
無言だった。
暗くしずんだ目。
いかにも偶然を装って、そんな目には気づかないフリをして、冷蔵庫からお茶を持って部屋に戻った。
弟も妹も、さっきまであんなに怖がっていたのに、私が部屋に
戻るとぐっすり眠っていた。
私は大丈夫。
この子達には悲しい世界を見せたくない。
私が大丈夫だったら、この子達も大丈夫なのだと。
その日は怖くて眠ることは出来なかったけれども、そんなことを考えながら
一晩過ごした。
朝になってリビングへ行くと、いつもと変わらず母親が朝ご飯を作っていた。
143 :
◆HXvXASuh4w :2006/02/05(日) 20:43:10 ID:e8kgNjHv
父親は出張だから、もう家を出たのだと。
ご飯を作りながら、母親はそう言った。
いつもと変わらない口調で。
私はそれが嘘だと分かったけれども、何も言わなかった。
その日から少しずつ、母親は家に帰ってこないようになった。
「お姉ちゃん、最近お母さん帰ってくるのが遅いね。」
本当は帰ってくるのが遅いわけではなく、帰ってきていないの
だということを私は知っていたけれども、妹の言葉に私は、
「そうやね。仕事が忙しいんやろうね。」
そう言って、嘘で返した。
その頃から父親はお酒に溺れるようになっていった。
母親が帰ってこない日。
弟と妹が寝静まり、私が勉強をしていると、決まって父親は
私のところにやってきた。
そして難癖をつけては、暴力を浴びせた。
言葉の暴力の時もあれば、容赦なく殴られたこともあった。
子供にとって親は絶対的な存在。
際限なく浴びせられる暴力を受けながら、私は黙ってそれに
したがっていた。
弟と妹に暴力が及ばない限りは、平気だった。
そう思っていた。
144 :
◆HXvXASuh4w :2006/02/05(日) 20:54:43 ID:e8kgNjHv
母親が家に帰らなくなってから二年後、私が高校一年生の時に両親は離婚した。
別れる少し前から、弁護士がよく家に来た。
財産分与の話や、私達の親権の話。
父親に無理矢理同席させられて、そんな話を聞かされていた。
今から思うと、父親は母親に対する憎しみを私に植え付けたかったのだと思う。
そうでもしないと、心の平静を保つことがきっと出来なかったのだろう。
私達の親権は、結局父親が持つことになった。
稼ぎの多かった母親から慰謝料と養育費までも、ある程度もらうことで
離婚は成立したらしい。
養育費をもらわなければ過ごしていけないほど生活に困っていたわけで
はなかったけれども、そうでもしないと父親は気がすまなかったのだろう。
母親が引っ越す日、めっきり会話することがなくなった私に一言彼女は言った。
「恭子ちゃんがしっかりしているから、安心して三人を任せられるわ。」
と。
産まれて初めて、他人に対する憎悪を全身で表現し、彼女のことを睨みつけた。
言葉は何も浮かばなかった。
ただ彼女を睨んだ。
すでに母親と呼ぶことも憚られた。
私の視線を受けて、彼女は怯えているようだった。
そのまま何も話さずに、彼女は家を出て行った。
それが私が彼女を見た最後だった。
145 :
名無しさんの初恋:2006/02/05(日) 20:55:48 ID:92AU9sLH
・・
ちょ・・・リアルすぎて悲しくなる
ここからどう恋愛話になっていくのか楽しみだな。
148 :
名無しさんの初恋:2006/02/05(日) 21:10:17 ID:92AU9sLH
何なんだよ、これは。
149 :
名無しさんの初恋:2006/02/05(日) 21:12:05 ID:92AU9sLH
楽しみとか言うなよ・・orz
つづきまだー?w
151 :
◆HXvXASuh4w :2006/02/05(日) 23:26:41 ID:e8kgNjHv
その次の日に、私は部活をやめた。
みんなの食事を作ったり、掃除をしたり。
勉強もしないといけない。
部活をやる時間なんてとてもなかった。
引き止められたけれども、
「勉強をもっとしたいから」
そう主張して、先生には笑顔を貫いてやめた。
もっと早く走れるようになりたかったのに。
みんなと走れるのは気持ちがよかったのに。
その日また、家に帰って夜中に泣いた。
人の噂というものはとても広まるのが早い。
私の両親が離婚したらしいということは、三ヶ月
もしない内に学校に広まっていた。
それまで親友はいなくとも友達はいた私。
でも今度は友達すらいなくなった。
きっと悪意ではなかったのだろう。
でも、両親の離婚という現実に対して、私にどんな
言葉をかければいいのか、みんなきっと分からなかった
のだと思う。
たとえ言葉をかけられたとしても、私はきっとどんな顔をして、どんな
言葉を返せばいいのか困惑したことだろう。
152 :
◆HXvXASuh4w :2006/02/05(日) 23:30:19 ID:e8kgNjHv
誰かが悪いわけではなかった。
でも、毎朝ご飯を作って学校に行って、帰り道に夕飯の買い物をして。
家に帰ると家事を一通りこなした後に、自分の勉強をして。
そうこうしている内に、私は少しずつおかしくなっていった。
その頃には弟も妹も、彼女を思い出して泣くこともなくなっていた。
「お姉ちゃんがいるからいい・・」
そんなことも言っていた。
私が二人を守るのだと思っていた。
ある日、勉強をしている内にお腹が猛烈に痛くなってきた。
少し前から生理不順や食欲不振で体調が悪かったけれども、
ずっと我慢していた。
でもその日は我慢の限界を超えて、立っていることも出来ず
に台所でそのまま倒れた。
私を見つけた妹がびっくりして、何度も私の名前を呼んでいる
のが聞こえた。
目覚めた時には病院のベッドの上だった。
ストレス性の、急性の胃腸炎。
病院のベッドで寝転びながら、夏休み中でよかったと。
そんなことを考えていた。
学校のある間なら、きっとまた私は周りから同情とも
遠慮ともとれない態度を取られ、そして深く傷つき寂しく
なっただろうから。
153 :
◆HXvXASuh4w :2006/02/05(日) 23:38:07 ID:e8kgNjHv
退院してからすぐに、時々おばあちゃん(父親の母)が
家に来るようになった。
唯一私が甘えることのできる人。
「恭子ちゃんは無理をしないでやりたいことをやっていればいいんだからね。」
そう言って、いつも笑顔で家事をして、妹と弟の面倒を見てくれた。
病院にお見舞いにきてくれた時のことは、今でも覚えている。
わんわん泣きながら、私の手を握って、「ごめんね。ごめんね。」
そう繰り返していた。
おばあちゃんは何も悪くないのに。
父親はそれを見ながら泣いていた。
本当は心の優しい人なのだと思う。
でも、寂しさや裏切られたつらさに耐えられるほど心の強い人では
なかったのだろうとも思う。
おばあちゃんが家に来るようになったおかげで、私の負担は格段に
減った。
そして夏休み明けから塾に通い始めた。
私立の子向けの、進学塾。
幸い勉強だけはしてきたから、すんなりと溶け込むことが出来た。
そこには数学と英語、そして古文を習っていた。
古文の先生の名前を高瀬先生といった。
初めて見た時、背が低くて眼鏡をかけていて、でも背筋をいつも
ピンと伸ばしていて気分のいい人なのだなと思った。
数日後、自販機の前で彼と二人きりになることがあった。
私は彼のことを覚えていた。
彼は私のことは覚えていなかったらしい。
154 :
◆HXvXASuh4w :2006/02/05(日) 23:47:17 ID:e8kgNjHv
高瀬先生は、タバコを吸いながら本を読んでいた。
確か物理の本だったか何かだと思う。
古文を教えているのに、どうしてこんな本を読んでいる
のだろうと、疑問に思った記憶がある。
私の視線に気づくと、彼は片手で眼鏡の位置を上に戻しながら、
ぽつんと言った。弁解するように。
「物理は大学でやっているだけで、本当は古文の方が好きなんだ。」
と。
会話として成り立っていないし、理由もなく弁解がましい彼の言葉を
聞いて、私は笑ってしまった。
「そうなんですか。」
どう反応してよいか分からなくて、そんな不自然な答えが口をついた。
でも、久しぶりに笑った。
つくり笑顔でもなく、久々に笑った。
155 :
名無しさんの初恋:2006/02/05(日) 23:52:18 ID:92AU9sLH
早くも悲しい結末の匂いが・・
156 :
名無しさんの初恋:2006/02/06(月) 00:19:47 ID:YDqcfgNa
寝たのかな?
ノシ・・
先生との恋愛話なのか?
続きまだかよw
綴る事で自分の中で整理がつくのかな。
吐き出して癒される何かがあるなら、綴ってほしい。
自分をことさら傷つけるなら、やめてほしい。
オジちゃんに聞いて欲しいのかもよ。。。
160 :
名無しさんの初恋:2006/02/07(火) 00:01:42 ID:rtm65kQg
今日はないのかな
161 :
名無しさんの初恋:2006/02/07(火) 06:20:36 ID:9G/M6e0/
親父の気持ちが良くわかる俺は32歳バツ一
離婚原因は想像どうりですよ…
>>161 イキロ
漏れも半年前にリコンした32歳×1
離婚原因は想像どうりですよ…
現在テラウザがれてます…orz
>>164 お疲れさまでした。いい物語だった。
楽しみでした。今後の物語に期待しているよ
166 :
◆HXvXASuh4w :2006/02/08(水) 23:28:28 ID:hqjRQP9M
高瀬先生は、いつも塾の自販機の前で煙草を吸っていた。
フィリップモリスのエクストラライト。
いつか聞いたことがある。
「煙草、好きなんですね。」
今から考えると、とても間が抜けた質問だ。
いつも吸っているのだから、嫌いなわけがない。
「煙草が好きなわけじゃないけど、煙草を吸っていると心が落ち着くんだ。
嗜好物というより、空気のようなものかな。」
高瀬先生は私の目を見ないで、ぽつんとそう答えた。
「鰓が無いから、空気がなければ生きられないのだろうね。」
私が返答につまっていると、高瀬先生はそう続けた。
今度は私の目をしっかり見て。
睫が長くて、少し潤んだ、とても綺麗な瞳をしているな。
高瀬先生の瞳を始めて真っ直ぐに見た時、私はそう思った。
高瀬先生は本当に本を読んでいるのか読んでいないのか、よく分からなかった
けれども、とにかく右手で本を、左手で煙草を持って、自販機の前
のベンチに座っていた。
私が側に行くと、いつも少しだけ私の方を見て、そしてすぐに目を
そらした。
話しているうちに、慣れてきたのか私の方に目を向ける。
でもそれはいつも同じ作業で、先生の「慣れ」は会う度にいつもリセット
されるみたいだった。
167 :
◆HXvXASuh4w :2006/02/08(水) 23:38:03 ID:hqjRQP9M
私は人前で泣いたことがなかった。
プライドの高い私は、泣いている自分を見られることが嫌だったし、
他人が自分のことを理解してくれるという期待もなかった。
泣いている自分には何の価値もなく、ただニコニコとして優秀である
ことだけが自分にとっての価値なのだと思っていた。
一番期待して頼れる両親にいつも儚い願いをかけてはそれを踏みにじられ
てきた私にとって、それが少しでも快適に生きていくための手段だった。
望むも望まないもなく、私の容姿は母親によく似ていた。
痩せっぽちで肉付きの悪いところや、いつも潤んでしまう目。
そのせいもあってか、いつも私は父親の憎しみの標的となった。
でも、父親似の弟と妹が父親の悲しい憎しみの標的から外れるの
なら、それでもいいと思っていた。
思い込んでいた。
直接の標的にさえならなければ、不幸にさせることはないと思っていた。
父親はいつも妹達のいないところで私に暴力を浴びせていたから、妹達は
そのことを知らないとばかり思っていた。
同じ屋根の下に住んでいて、そんなはずもないのに。
168 :
◆HXvXASuh4w :2006/02/08(水) 23:43:54 ID:hqjRQP9M
その日の父親は、いつもより不安定で、暴力的で、そして今までになく
激しく私を殴った。
もちろん妹達が寝静まった後で。
理由はもう覚えていない。
きっと取るに足りないような理由だったのだろう。
いつになれば終わるのだろう。
そう思いながら、すでに痛みを失った私には、意識もなかった。
方程式や英単語や、その日に習ったことを思い出していた。
痛みを麻痺させるために。
いつまでも終わることがない暴力。
今日はいつもより長いな・・そう思った時、急に父親の暴力が止んだ。
もう終わったのだろうか。
そう思って父親の方を見ると、父親は私の方を見ていなかった。
父親の視線の先を見ると、そこに泣いている妹がいた。
そしてその後ろに隠れるようにして、泣いている弟がいた。
その日、私の家は壊れた。
妹と弟さえ幸せでいれば満たされるのだと信じていた、私の心も壊れた。
169 :
名無しさんの初恋:2006/02/08(水) 23:50:42 ID:jOTyLGG6
なんかマジでせつなくなってきたな
リアルすぎて本当に悲しい
171 :
名無しさんの初恋:2006/02/09(木) 00:16:33 ID:rVL26LWP
徹底的にくらい。終わりも暗そう
子供は親を選べないからね・・・
173 :
名無しさんの初恋:2006/02/09(木) 20:20:12 ID:rVL26LWP
おーい
174 :
346:2006/02/09(木) 20:27:04 ID:E9/kg7N1
虐待は辛いね。俺もいろいろあったが
今はこうして笑ってる。
幸多かれと祈る。産まれたからには生きてれば勝ちだ
暗すぎる('A`)
恋愛話まだー?
176 :
名無しさんの初恋:2006/02/10(金) 08:46:11 ID:QQfSFKwH
続き続き
続き希望
178 :
◆HXvXASuh4w :2006/02/10(金) 23:20:35 ID:LYykL/nB
無言で出て行く父親。
目を合わそうともせずに、そのまま私の前を、そして妹達の
前を通り過ぎる。
残された部屋で私は、泣き続ける妹達を見て呆然としていた。
遠くで父親が車を出そうとするエンジン音がする。
私が必死で守ろうとしていたものは何だったのだろう。
そんなことを考えながら、私はただただ、妹達を抱きしめて
謝っていた。
「ごめんね。ごめんね。」
と、何度も何度も。
何に対して「ごめんね」と言っていたのか、今はもう覚えていない。
ただ、その言葉だけが私の頭に浮かび、口から発せられた。
179 :
◆HXvXASuh4w :2006/02/10(金) 23:28:02 ID:LYykL/nB
次の日も私は、学校と塾に遅刻することもなく通い、いつもと変わら
ぬように勉強をしていた。
現実から目を逸らすために、現実から逃避することは出来なかった。
逃げてしまうといつまでも現実に追いかけられる気がして、怖かった。
塾が終わってからもしばらくの間、私は教室に残って勉強をしていた。
特に難しいことをやったわけではなかったけれども、何かをしていない
と落ち着かなかった。
家に帰るのが怖かった。
延々とその日に習ったばかりのガウス記号やら軌跡の問題やら、何の目的
もなくただ淡々と解き続けた。
私はまだ泣いていなかった。
180 :
◆HXvXASuh4w :2006/02/10(金) 23:39:56 ID:LYykL/nB
時計は22時を指していた。
そろそろ強制的に教室を追い出される時間だ。
もう帰らないと。
そう思って帰り支度をして教室を出る。
いつもよりも丁寧に丁寧に、後片付けをして教室を出た。
周りにはもう誰も残ってはいなかった。
廊下を出てエレベーターが停まっていることを確認し、
そのまま非常階段の方に私は向かう。
明るい廊下から薄暗い非常階段へと進む。
建物のドアを閉めて、廊下から漏れていた明るい光から
遮断された時、私の中で何かが切れた。
一日、いや、もっとずっと我慢していたものが一気に噴き出した。
その日は雨がぽつりぽつりと降っていたけれども、傘をさすこと
も忘れて、私は泣いた。嗚咽をかみ殺すことすら出来ずに泣いた。
今までの嫌だったことや、悲しかったこと。
全てが頭の中を駆け巡った。
理性やエゴや、そんな感情を持つことすら出来ずに、ただただ
悲しくて悲しくて、私は泣き続けた。
どれくらいの時間、泣き続けたのだろう。
ふと気づいた時、雨はもう私の上に降り注いではいなかった。
もう雨がやんだのだろうか。
我に返り上を見上げると、見慣れない黒い大きな傘があった。
後ろを見ると、そこには高瀬先生が立っていた。
彼は少し困惑したような目で私を見つめながら、何も言わずに
立っていた。
181 :
名無しさんの初恋:2006/02/10(金) 23:52:53 ID:QQfSFKwH
ぽかーん
とんでもない展開に・・・w
183 :
名無しさんの初恋:2006/02/11(土) 08:45:40 ID:WtsS5zL0
ついに恋愛モードに突入か?
キタ━━(゚∀゚)━━!!
185 :
名無しさんの初恋:2006/02/12(日) 00:44:33 ID:d1EUD9HL
ageてしまえ
186 :
名無しさんの初恋:2006/02/12(日) 00:55:15 ID:Fl1/mZLq
続きを求める
夏。
彼と別れ、ひきこもりになった。食べては吐いて、ODを繰り返す。そんな毎日だった。
その頃の記憶はない。途切れ途切れに聞こえる歌が、今でも頭の中で流れてきては、吐きそうになる。
秋。地元では祭りがあったので、親友と出かけることにした。
ふらりと入ったドラッグストア。
睡眠導眠剤を探す私。久しぶりに外に出たためか、はたまたその店がはじめてだからなのか――
薬の位置が全く把握出来ず、私は独りウロウロしていた。
多分、周りから見れば完璧なオカシナ人だっただろう。
「何してんの早く行こうよ」
親友が言う
慌てる私。ここで私の阿呆が出た。
ガッシャン!
有り得ない有り得ない。すぐに店員が駆け付けてくる。
白い白衣の男性が来た。
「大丈夫ですか」
私は、恥ずかしさと緊張で口をパクパクさせて、小走りでその場を去った。
私はメンヘラーです。
対人恐怖症、不眠、自傷癖があります。私自身、信じてはいませんが、かいりの様です。
良い年をして、漫画の様な阿呆な事をしている自分が恥ずかしかった。床には棚から落ちた商品が
転がっていた。
次の日、そのドラッグストアに出向いた。
もちろん、親友と一緒に。
私と親友の付き合いは6年前に逆上る。
中学時代からの親友だ。ぽっちゃりしている親友は、見た目とまんま、
穏やかで優しい子だ。外見がぽっちゃりだから、恋愛にも苦労しているみたいだった。
でもあの子は無くことはなかった。いつも私を支えてくれた。笑いかけてくれた。
腕の傷も、入院した時も。何の偏見もなく接してくれた。
彼には理解されなかった。だから、やっぱり人間なんて信じれないと。
男は体だけ求めてるんだと、私の理解者は親友だけだと
固定観念が京成されていた。
店に入ると、白衣の店員さんと目があった。
動悸が激しくなる。視線恐怖症、っていうのかな。逃げたい衝動に駆られた。
「いらっしゃいませ」
白衣の店員さんは言った。
親友が私の手をひく。
「昨日、お店の商品ばらまいてしまったんですけど、すいません」
親友は言う。店員さんは笑いながら、「大丈夫ですよ」と
言った。
「ちょっと私買い物するから」
親友はそう行って店内をうろつきだした。
独り残された私に、その店員さんは言う。
「何かお探しでしたか?」
「あ、え、ぁ…あの…眠剤を…」
「ドリエルですか?」
はっ(゜ロ゜)
これは新しい物語だったのか…
綴る時間が被らない事を祈る
語り部達よガンガレ
夏が終わり、私はそろそろ失恋から立ち直ることを決意した。
彼との思い出は全て押し入れにしまっている。
あの日から、眠薬を飲まないように気を付けていた。それは、あの店員さんの言葉のおかげだった。
10月17日、午後3時。
連絡が来なくなった…
っても40分くらいだけど。最近相手のメールは一言返信が多かったんよね。
いつもは早くメールくるのになぁ…ハァ…orz
197 :
◆HXvXASuh4w :2006/02/14(火) 22:27:48 ID:hCjkMz/q
どうしてこの人はこんなところにいるのだろう。
私がそう思った矢先、高瀬先生は
「風邪・・ひくといけないから・・」
そう言って、少しだけ私に近づこうとした。
体の1/4ほどまだ雨の下にあった私の上を、黒い大きな傘で
覆おうとする。
「大丈夫ですから。」
初めて泣いているところを見られた恥ずかしさも手伝い、
私はそう言って立ち上がり、とにかくその場を立ち去ろう
とした。
泣いているところを見られても、傘に全てが覆われてしま
いさえしなければ、自分を保てる気がした。
「大丈夫って・・」
いつもと同じ静かで落ち着いた声で、高瀬先生は続け、そして絶句する。
階段でうずくまって、雨が降っていることも忘れて、それでも大丈夫だ
なんて、それが嘘だということは誰が見ても分かるだろう。
「大丈夫です。」
そう話を一方的に打ち切って、私はそのまま歩いて立ち去ろうとする。
近づかれるよりも、誰かに心の中に入られることが嫌だった。
正確には、嫌というよりも、とにかく怖かった。
そんな私の腕を高瀬先生は、いつもの先生からは想像もつかないような
強い力で引っ張った。
後々になって言っていたっけ。
「あの時君の腕を離せば、そのまま君がどこかに行ってしまってもう
会えないような気がしたんだ。」
と。
198 :
◆HXvXASuh4w :2006/02/14(火) 23:06:35 ID:hCjkMz/q
「寺川さんが大丈夫じゃないことくらい、普段の寺川さんを見ていれば
すぐに分かるよ。」
腕を強くつかまれて逃げ去ることも出来なくなった私は、高瀬先生の
言葉を聞きながら、この人は私のことを一体どれだけ知っていると
いうのだろう。知っていると思い込んでいるのだろう。
そんなことを考えていた。
何も知らないし、分かっていないくせに。
そう思うと、私の中に急速に怒りが湧いてきた。
何も分からない人間に、中途半端に理解を示されるほど、
私にとって屈辱的なものはない。
他人に土足で心を踏み込まれることに、激しく私は反発した。
「私のことなんて何も分かってないくせに!分かりもしないのに、
人の心の中に踏み込もうとしないでください。今まで一人で上手
に生きてきたんだから、今更近づいてこられても迷惑です。」
そう言って高瀬先生の顔を睨みつけると、一瞬緩んだ彼の腕を
逃れて私は走ってその場から去った。
逃げるように立ち去った。
雨は強くて、傘を持っていない私はズブ濡れになってしまった。
でも、そんなことを気にするには、その日の私の心はもう痛み
すぎていた。
もう追ってはこないだろう。
そう思ってスピードを緩めると、しばらくしてまた雨が止んだ。
後ろを見ると、やっぱりそこに高瀬先生がいた。
199 :
名無しさんの初恋:2006/02/14(火) 23:09:06 ID:PGnKYyRJ
綴り手達よ・・よければ登場人物が誰に似ているかとか書いてくれれば感情移入しやすいのだが。
あと、区別つきにくいからコテハンつけてくれ。
200 :
寺川 ◆HXvXASuh4w :2006/02/14(火) 23:19:34 ID:hCjkMz/q
固定をつけました。
芸能人は全く知らないのですが、おううちななこ?という人に
似ていると言われたことが何度かあります。
高瀬先生はわかりません。
分かりにくくてすみません。
今日はそろそろ寝させていただきます。
ごめんなさい。
201 :
名無しさんの初恋:2006/02/14(火) 23:53:33 ID:PGnKYyRJ
大河内奈々子?
牡丹と薔薇保守
203 :
名無しさんの初恋:2006/02/16(木) 14:20:06 ID:nX8isT9r
age
204 :
寺川 ◆HXvXASuh4w :2006/02/17(金) 00:14:40 ID:5fyLx9s9
どうして?
私は無言で、高瀬先生を見つめる。
どうしてこの人は、私の心に入ってこようとするのだろう。
拒絶したのに、それでも何故私の心に入ろうとするのだろう。
優等生ではない私には何の価値もないのに。
そんなことを考えながら、私は高瀬先生を見つめていた。
さっきまでの怒りはもう失せていて、ただただどうしてという
思いだけが私の胸に残っていた。
先生は無言のまま私を、黒い大きな傘に入れ、そしてそのまま歩き出した。
私はそれに抗う気もなくなり、ただただ彼が何を考えているのかを知りたく
て、高瀬先生について歩いた。
駅までの道の途中、どこで買ったのか高瀬先生はポケットからコーンスープ
を取り出して私に渡した。
「暖まると思って。」
そうぶっきらぼうに言いながら。
205 :
名無しさんの初恋:2006/02/18(土) 16:31:55 ID:y8yHNFcJ
age
206 :
名無しさんの初恋:2006/02/20(月) 21:02:13 ID:qzAcjIk4
捕手
207 :
名無しさんの初恋:2006/02/23(木) 00:05:52 ID:8Nu/TlIj
ほしゅ
208 :
名無しさんの初恋:2006/02/23(木) 02:52:27 ID:++kL+q51
このスレ大丈夫か?
最近途中で放り出すヤツ大杉
210 :
名無しさんの初恋:2006/02/23(木) 22:42:22 ID:D4u35oln
自分で書いててツマラン事に気付いたんじゃない?
そんなこと言うなって、待ってる人もいるよ
中途半端に書き込まないで、ある程度まとまってから書き込めばいいのに。
213 :
名無しさんの初恋:2006/02/25(土) 14:29:02 ID:46gsjLyT
まあまあ、その人の都合ってのもあるからね。
書き始めたからには完結して欲しいけど。
きちんと最後まで語ってくれるヤツ募集。
中途半端はイラネ
215 :
名無しさんの初恋:2006/02/26(日) 17:09:59 ID:nnuUeNZ5
まとめサイトってないの?
216 :
名無しさんの初恋:2006/02/26(日) 17:10:56 ID:nnuUeNZ5
217 :
1:2006/02/26(日) 21:21:43 ID:7FY2Pjg3
>>3のまとめサイトには何話か収録してありますよ。
218 :
名無しさんの初恋:2006/02/27(月) 10:37:31 ID:DORvx3Hc
219 :
名無しさんの初恋:2006/02/27(月) 10:47:22 ID:A2E3CuQd
思うに規模は違えど電車男以前からこの手のスレはいくつも
あったけど、きれいに完結出来たのは電車男くらいだったのかもね
ハルキのスレは綺麗に完結してるよ。
隆です。
お久しぶりです。
ここに書いた文章をとある出版社に手直しして送りました。
一応ご報告まで。
マジっすか!楽しみですね。
224 :
名無しさんの初恋:2006/03/02(木) 10:23:30 ID:q3G8mlUg
>224
おさーんの子供だなw
久しぶりに来てみれば、何か静かになってますね( ̄○ ̄;)
盛り上がらないなら、また自分の恋愛を綴ろうかな…?
>>227 どうもッス、スレ見ました。
そして、読みましたm(_ _)m
なかなかのプレイボーイですね(笑)
自分も客観的に見るとけっこうとっかえひっかえやってるタイプかもなんで楽しく読ませていただきましたm(_ _)m
新しい恋愛…一応彼女はできたんですが、3ヶ月もしないうちに別れてしまいました( ̄○ ̄;)
やっぱまだそんな時期じゃないのかなって思ってます(^_^;)
229 :
名無しさんの初恋:2006/03/05(日) 22:56:11 ID:5aAxsfzL
大地さん期待age
このスレこれで終わるのかな('A`)
とりあえず美紀待つのが最終目的だから保守
かなり過疎化してますね(-.-;)
スラダンさんとかいないのかな?
今回の物語はマミさんの時に比べてかなり短いんで一日一日ゆっくり綴っていこうと思います。
233 :
大地 ◆oWouGftk5w :2006/03/10(金) 00:28:38 ID:nD2iLAh8
2004年12月。
大学の短い冬休みのため、俺は地元に帰ってきていた。
たった2週間の冬休みのうちの、たった1週間を共にした智子との日々。
俺はその頃、マミさんへの気持ちを抑えられずに苦しむ毎日を過ごしていた。
どこかに寄り添う場所を探していた。
何かに助けを求めていた。
そうしないと自分の居場所が足元から崩れ落ちていきそうで怖かった。
あの頃の俺なら、誰に声をかけられてもヒョコヒョコついていき簡単に騙されていただろうと思う。
それくらい…弱っていた。
234 :
大地 ◆oWouGftk5w :2006/03/10(金) 00:30:20 ID:nD2iLAh8
冬休みも3日程過ぎたある日、一通のメールが届いた。
「久しぶり、よかったら近々遊ばない?」
それは中学時代の同級生。
俺がかつて恋をしていた女性、智子からのメールだった。
俺は快諾した。
特に下心も恋心もなく、ただ単純に遊ぶつもりで誘いを承諾した。
これが悲劇の始まりだったのかもしれない。
後日、待ち合わせ場所に30分早く着いた俺は智子を待った。
今日の予定は「食べ歩きの旅」と称した、デパ地下グルメやカフェなどで1日中食べて過ごすという内容だ。
もちろん、俺の胃袋がついていく自信はこれっぽちも無かった。
この頃は食べ物を見るだけでお腹がいっぱいになるという不思議な現象が起きていたので、何日もの間食事らしい食事をしていなかった。
それでも、気のおけない友達との食事なら少しは食べることができるだろうと踏んでこの食べ歩きの旅を決行したのだ。
智子が来た。
会うのは高校の時以来か…すっかり大人びて綺麗になった彼女を見て女性の成長の早さを実感し、また逆にまだ成長しきれない自分の子供臭さを恥ずかしく思った。
待ち合わせ場所に来た智子は、
「早いね、けっこう待った?」
と聞いてきた。
俺の後には来たものの、まだ約束の時間の10分前だったので待った時間は大した気にはならなかった。
「大丈夫、そんな待ってないよ」
と、少し作り笑い気味で答えた。
すると、智子は俺の目を見たまま顔色を変えず、
「そっか、じゃあ行きませう!」
と、昔からの口癖で答えてくれた。
そして、二人の「食べ歩きの旅」はスタートした。
237 :
大地 ◆oWouGftk5w :2006/03/11(土) 01:24:22 ID:gomR9fdL
人が集まることを期待age
238 :
名無しさんの初恋:2006/03/11(土) 05:13:31 ID:X7Ker+Oy
期待age
239 :
名無しさんの初恋:2006/03/12(日) 01:10:48 ID:josqecgv
期待しまくりage
240 :
大地 ◆oWouGftk5w :2006/03/12(日) 01:27:46 ID:tMsgOqMA
まずはお腹を慣らそうということでドリンクカフェ(?)に向かった。
新鮮…かどうかはわからないが、生の果物をその場でジュースにしてくれる。
俺は苺ミルクを頼む。
無類の甘いもの好きな俺にはたまらない逸品だ。
智子はオレンジジュースを頼む。
言うまでもなく果汁100%だ。
少しすっぱかったらしく、
智子「ケホ」
と少しむせていた。
智子「大地くんは、相変わらず甘いもの好きなんだね」
俺「俺から甘いもの取ったら何も残りませんよ(笑)」
なんて会話をしながら、ゆっくり苺ミルクを飲み干す。
二人とも飲み終わると、
俺「そんじゃ、次行きますか?」
と、俺がきりだし別の店に向かった。
241 :
大地 ◆oWouGftk5w :2006/03/12(日) 03:47:19 ID:tMsgOqMA
次に向かった先はケーキ屋。
智子はこの店のタルトが一度食べてみたかったらしい。
一通り商品を見終わると、キャラメルタルトにするか苺タルトにするかで迷っている。
智子「友達が苺タルトがおいしいって言ってたんだけど、キャラメルもおいしそうじゃない?どっちにしよぉ〜!」
俺はそんな智子の仕草を可愛いと思いつつも呆れながら、
俺「わかったわかった、じゃあ俺がキャラメル食べるから苺頼みな?後で分けてあげるから」
横にいる俺の方を向き、
智子「いいの?」
と聞いてくる。
俺「いいよ」
智子「じゃあ、そうしませう!」
嬉しそうな顔しやがって…
などと思いつつ、タルトを頼んで席についた。
> 〜しませう
腐女子にこういう喋り方好きな奴いるよな
個人的にいらいらする
243 :
名無しさんの初恋:2006/03/13(月) 07:30:24 ID:PiXAAKos
さらにage
童貞の俺は「しませう」なる呪文を発する女子を見たことが無い。
245 :
大地 ◆oWouGftk5w :2006/03/14(火) 01:35:06 ID:/uPQ66rW
席に着いて数分後、タルトが来た。
俺「いただきます」
早速ほおばる。
智子も苺タルトを一口食べる。
俺「おいしい」
智子「うん、おいしい」
キャラメルタルトは少し苦味があったが比較的アッサリしていて後味も悪くない。
そういえば、智子にタルトを分けてあげるのを忘れていた。
俺「どうぞ」
俺はキャラメルタルトが乗った皿を智子に差し出した。
それを智子は、待ってましたと言わんばかりの嬉しそうな顔で食べる。
智子「うん、おいしい!」
俺は黙って智子の苺タルトを一口いただく。
智子は何も言わずに見届ける。
俺「こっちもなかなかだね」
そういえば、智子は俺に何か話したいことでもあったんだろうか?
そんな疑問がふと頭をよぎる。
246 :
大地 ◆oWouGftk5w :2006/03/14(火) 01:37:50 ID:/uPQ66rW
俺「そういえば、彼氏さんとは最近どうなの?」
急に切り出した質問に驚きもせず、智子は少しうつ向いて答えた。
智子「う〜ん、別れたんだよね。」
驚かされたのは俺の方だった。
俺が知ってる彼氏とは高校の3年間のほとんどを一緒にいたはずだ。
たまに話した時に、かなりのラブラブっぷりを発揮してたのを覚えているので、にわかに信じがたい話だった。
聞けば、つい一週間ほど前に別れたらしい。
俺「それで、俺に何か相談したかったとか?それとも…気晴らし?」
智子「…どっちともかな?まぁ、また後で話すよ!」
一瞬の間を置いて智子が答えた。
その微妙な仕草でわかった…落ち込んでる。
自分もそうだから、敏感に察知できる。
何かを相談したい訳じゃなく、アドバイスがほしい訳じゃなく、話を聞いてもらいたい。
できれば…、同情してもらいたい。
そんな気分なんだろう。
俺は、智子の不満や不安の受け皿になると決意した。
247 :
大地 ◆oWouGftk5w :2006/03/15(水) 02:55:14 ID:qY5OylQU
次の行き先は、とあるカフェ。
少しお腹を落ち着かせるため、お茶でも飲もうということになった。
俺はこのチャンスは逃すまいと思った。
智子から真相を聞く、そしてできれば慰めてやろうと思った。
店に入りドリンクを頼む。
智子はアイスティー、俺はアイスココア。
席に着くと、俺はすぐに智子に聞いた。
俺「なんで彼氏さんと別れたの?」
口に含んだアイスティーを飲んでから、智子は答えた。
智子「わからないけど、別れたくなったの。飽きたのかな?」
俺「何に飽きたの?」
智子「どうなんだろうね?自分でもよくわからないんだぁ…」
智子の気持ちはわからなくはない。
俺にも経験がある。
相手との将来を考え始めると、急に不安になり別れたくなることがある。
智子のそれが俺の場合とは違っても、決して遠いものではないだろう…
248 :
名無しさんの初恋:2006/03/15(水) 04:23:57 ID:A4+ikrX+
239
249 :
名無しさんの初恋:2006/03/15(水) 04:28:51 ID:A4+ikrX+
250 :
大地 ◆oWouGftk5w :2006/03/16(木) 10:59:01 ID:Y6zNoHgp
智子「ところでさ!」
俺「ん?」
智子が話題を切り替えた。
まだそんなに詳しくは話したい気分じゃなかったのかも知れない。
智子「大地くんは彼女いないの?」
俺「いないよ」
智子「え、じゃあ好きな人とか」
俺「好きな人くらいならいるよ」
少し胸が痛む。
脳裏によぎるのはマミさんの顔。
こんな瞬間に自分が本当に好きなんだと再認識させられる。
不意にこの場から逃げ出したくなった。
智子「大地くんが好きになるなんて、どんな人?」
俺「秘密、智子がいろいろ話してくれたら教えるよ」
これ以上踏み込まれたら危険だ。
俺は智子がまだ何も話す気がないことを逆手にとって、やりすごした。
パソが壊れてからこのかた、いまだ綴られていたとはな。
いいじゃないか。素敵な物語だ
大地さんの前の話はどこにあるの?
253 :
大地 ◆oWouGftk5w :2006/03/18(土) 11:43:59 ID:jLnDVujD
更新遅れてすいません、最近たてこんでるもので…
>>251 あ、お久しぶりですm(_ _)m
最近全然見ないから離れていったのかと思いました( ̄○ ̄;)
>>252 過去の物語は
>>2あたりにあったハズです。最近携帯でも見れるようになったんですよ、ありがたい!
254 :
1:2006/03/18(土) 19:51:52 ID:bYsHpIV7
255 :
252:2006/03/19(日) 11:09:31 ID:0XEnIM+e
ありがと。行ってくる。
256 :
名無しさんの初恋:2006/03/19(日) 12:21:42 ID:TllBesN8
久々に来たけど寺川は本当に途中で放り投げたんだね。
257 :
大地 ◆oWouGftk5w :2006/03/20(月) 01:24:57 ID:4pCUsBBz
その後はしばらくくだらない話が続いた。
時間は午後5時を回っていた。
そろそろ晩飯の時間だ。
俺は智子に相談する。
俺「今日は夜飯どうする?」
智子「ん〜、どこでもいいよ!」
一番困る返答…
悩む俺。
俺「居酒屋でいいか?」
智子「うん、いいよ」
まぁ、断る理由はないだろう。
とりあえず、「いい時間」になるまでゲームセンターで時間を潰すことにした。
その後、俺と智子は近くの居酒屋に入り御飯を食べることにした。
いいね。綴られるままに読ませていただく。
年度末の波に飲まれているが、そのうち乗るからw
259 :
名無しさんの初恋:2006/03/23(木) 01:14:51 ID:VTBokjNx
キャッチャー
260 :
大地 ◆oWouGftk5w :2006/03/23(木) 10:07:08 ID:mqCJo+nI
居酒屋に入り30分。
飯も進み、酒も飲み交わす。
雰囲気もよくなってきた所で話をきりだす。
俺「何で別れたんだ?ホントに飽きたのか?」
智子「私ね、飽きたのかも知れない…何かいつも一緒にいるから、それにお互いがスゴい束縛しあってて…それに疲れたのもあるかも」
俺「なるほどね、二人は結婚とか考えてなかったの?」
智子「結婚したかった…ていうか、結婚するもんだと思ってた…あれだけ一緒にいたら、嫌でも考えてしまうよね、やっぱり」
俺「でも、飽きてしまった…と」
智子「う〜ん、どうなんだろ?自分でもよくわかんないな(笑)」
俺は思った。
「若いなぁ…。」
あたかも自分が何でも経験してきたかのように。
261 :
大地 ◆oWouGftk5w :2006/03/23(木) 10:24:36 ID:mqCJo+nI
その後も会話が続き、結局俺は智子にマミさんとのことを話すハメになってしまった。
あまり思い出したくないことをほじくりかえされて、少し不機嫌な俺に智子が言った。
智子「ねぇ、私と付き合わない?」
…
え?
俺「何言い出すんだ、いきなり!」
智子「だって、何かかわいそうだから…」
かわいそうって…簡単に言うなよ…
大体かわいそうだから付き合おうって何だ?
俺のイライラは限界付近まで一気に昇りつめた。
智子「私がよりどころになる。私が助けてあげたい。」
他にも何か色々言っていたが、この二言が一番印象に残っている。
というより、この二言しか覚えていない。
大地さんに質問です。
417 :大地 ◆oWouGftk5w :2005/12/31(土) 17:27:57 ID:6jF+s4KZ
そして、俺とマミさんは惹かれ合うまま肌を重ねた。
↑
コレはマミさんとHしたという事でおkですか?前の話引っ張り出してすみません。
>>262 そういうことでオッケイです。
一応純情恋愛板だからエロ描写は控えようと思い、自主規制しました(笑)
264 :
大地 ◆oWouGftk5w :2006/03/24(金) 09:18:14 ID:szgjL/0S
智子の言葉が胸に突き刺さった。
助ける?俺を?智子が助けてくれる…?
そう考えた瞬間に俺は答えた。
俺「いいよ、わかった。」
俺は智子に賭けた。
俺を助けてくれることを、よりどころになってくれることを期待した。
それは暗闇の中にうずくまった俺に射した一筋の希望だった。
他に何もすがるものがない俺に与えられた最後のチャンスのようにも思えた。
そして、俺と智子は交際をスタートした。
265 :
大地 ◆oWouGftk5w :2006/03/24(金) 09:31:20 ID:szgjL/0S
その日の夜から二人はかなりの量のメールをした。
その内容の大半は俺とマミさんについての話。
俺がマミさんから離れるには相当の覚悟と時間が必要だ。
そういう話になった。
覚悟…やはりマミさんのことを考えると胸が苦しくなる、離れる覚悟を持つとなると尚更だ。
その話の流れから、翌日ピアスの穴を開けようという話になった。
「左耳のピアスは勇気の証」古いジンクスだ。
でも、何もしないよりもマシな気がした。
何かのキッカケで気持ちが変わってくれれば…それがジンクスであろうと自己暗示であろうと関係なかった。
それがキッカケになってくれれば、俺はツラい思いから逃げることができるかも知れない。
そう、「逃げる」ことができるかもしれなかった。
>>266 いえいえ、ちなみに今綴ってる話は…
「晩秋の寒さが〜」から「一月中旬〜」までの間の物語です、確認のためm(_ _)m
268 :
大地 ◆oWouGftk5w :2006/03/26(日) 10:23:14 ID:uRDUmE5c
翌日、俺と智子は街に出た。
もちろん、ピアスの穴を開けに行くためだ。
俺はこのピアスに何を願うのか考えていた。
勇気…
マミさんから離れる勇気…?
学校を辞める勇気…?
夢を追う勇気…?
考え出せばいくらでも出てくる。
欲張りな俺の悪いところだ。
とりあえず、考えるのは後にしてピアッサー(っていうのか?)を探した。
探すと意外に早く見つかり、そのショップの店員に近くの耳鼻科を紹介してもらった。
耳鼻科に着いて受付を済ませると、智子と話をする。
智子「ねえ、大地くんは何をお願いするの?」
俺「ん〜、考え中。智子は?」
智子「んふ、秘密♪」
俺「まあ、人に言うと効果なくなりそうだからな(笑)」
こんな会話をした気がする。
269 :
大地 ◆oWouGftk5w :2006/03/26(日) 10:35:04 ID:uRDUmE5c
しばらく会話をしていると名前を呼ばれた。
先に俺が診察室に入る。
どうも病院の雰囲気は妙に緊張して苦手だ。
椅子に座って待っていると、少し太ったおばちゃんが来た。
慣れたような手付きで耳を消毒し、俺が自分でつけた印の場所にピアスの穴を開ける。
俺は甘く見ていた。
友達や周りの人はみんな口を揃えて「痛くない」と言うので、まったくの無防備で臨んだ。
ピアスの穴を開ける瞬間…
ガシャン…痛っ。
痛い、ものすごく痛い。
耳たぶを貫かれる感覚が妙にリアルに感じられた。
「なんだ、このおばちゃんがヘタクソなのか?」なんて思った。
俺がことを終えて診察室から出ると、不安げな顔をした智子がこっちを見ていた。
270 :
大地 ◆oWouGftk5w :2006/03/26(日) 10:49:13 ID:uRDUmE5c
智子「…痛い?」
俺は智子の表情がおもしろくて、左耳を押さえながら冗談混じりに言った。
俺「めっちゃ痛い、覚悟した方がいいよ…」
智子「ええぇぇ!?どうしようどうしよう、やめようかなぁ?」
俺「まぁ、ここまできたなら開けてこいよ!」
俺は智子の肩に手を置いて、イタズラっぽく笑った。
智子の顔がだんだん泣きそうになる。
俺「ついてってやろうか?手繋いであげるよ(笑)」
智子「大丈夫、頑張る!」
「○○さぁ〜ん」
智子が呼ばれた。
緊張気味の智子は不安げな顔のまま診察室に消えていった。
ピアス開けるだけなのに神妙なきれ方w
272 :
大地 ◆oWouGftk5w :2006/03/27(月) 10:16:49 ID:vD4eOzMb
智子「痛い…ホントに痛いよぉ〜…耳ガシャンて、耳ガシャンて…」
診察室から帰ってきた智子は泣きそうな顔をしながら俺に訴えてきた。
やっぱり智子も痛かったか、しかも両耳だ。
俺は智子の頭を二回叩いて髪をグシャグシャした。
俺「大丈夫か?」
智子「痛い!」
俺「大丈夫だ、俺も痛い(笑)」
だから何だ思う。
智子の気休めになる言葉が思い付かなかった。
さっきから左耳がジンジン痛んで集中できない。
みんな、これを痛くないと言うのだから驚きだ。
その後、俺と智子はアクセサリーショップへ足を運んだ。
いいぞ。おもしろい。
綴ってくれ。書かない夜もちゃんと読んでる
スラダンさんへ
以前、とあるスレで親切に気を使ってもらって
ありがとうございます。
何ヶ月か前のことだけど、今になってお礼を言いたくなりました。
>>273 >いいぞ。おもしろい。
そう?
貴方がイイ人なのはわかるけど、無理矢理盛り上げなくてもいいんじゃない?
276 :
大地 ◆oWouGftk5w :2006/03/28(火) 10:06:13 ID:0ZTqBG9O
アクセサリーショップへ向かう途中も智子は横で「痛い」を連発していた。
俺と同じで、耳たぶを貫かれる感覚が嫌だったらしい。
しばらく歩くとアクセサリーショップに着いた。
前日の夜にメールでお互いにピアスをプレゼントしあおうと約束したのだ。
俺と智子は後で待ち合わせをして、お互いのピアスを買うためにそこで別れた。
俺は智子に似合いそうなピアスを探した。
どの売り場もピアスを照らすライトが眩しくて眩暈がする。
それでも智子に似合いそうなピアスを探した。
そういえば、智子の好きな色を知らない。
でも、智子に似合う色はある。
青や藍、そして水色…マミさんが好きな赤とは対照的な色。
>>275 俺も、おもしろいと思うが。
貴方がイイ人じゃないのはわかるけど、無理矢理盛り下げなくてもいいんじゃない?
278 :
大地 ◆oWouGftk5w :2006/03/29(水) 08:49:09 ID:K++LhOCp
見つけた。
小さくておしゃれなデザイン。
雫の形をした水色の石がついている。
一度コレと決めたらなかなか決意が変わらない「思い立ったが吉日生活」な俺だから、智子に似合うのはコレしかないと思った。
いや、自分で決めつけた。
今この瞬間にこのピアスを見つけたことはきっと運命なんだと考えるといてもたってもいられなくなり、その勢いで店員に「コレください」と言った。
そして、プレゼント用に包装してもらい、それを手に待ち合わせ場所へ向かった。
279 :
大地 ◆oWouGftk5w :2006/03/29(水) 09:55:23 ID:K++LhOCp
待ち合わせ場所に着いたが、智子はまだいなかった。
けっこうサバサバした性格かと思いきや、意外と優柔不断なところがある。
きっと、ピアスを選ぶのに迷っているのだろう。
それが「俺のため」と思えば、それだけで嬉しかった。
それだけで自分の存在価値をもらえたような気がして、世界から自分が認められたように晴れた気持ちになった。
結局俺は30分待った。
さすがに途中で心配になって探しに行こうかと思ったが、そう思ったと同時に智子が現れた。
智子「ごめんね、かなり迷っちゃったよ。」
俺「知ってた。遅いから探しに行こうかと思ったよ…いいの見つかった?」
智子「うん、カッコイイの買ってきた!ホントいいよ、自分が欲しいくらいだもん!」
俺「そんなにか!じゃあ…俺が買ったのはいらないか?」
智子「いる!それとは話が別!」
俺「わかった、じゃあどっかでご飯食べながら交換するか?」
智子「そうしませう。」
そして、また前日に引き続き居酒屋でご飯を食べることにした。
>>274 ありゃ。いえいえどういたしまして。
別に数ヶ月前の俺はきっと感謝して欲しいとか思ってなかったと思うんでw
気にしないでくださいね。貴方のためになったなら何よりです。
>>大地
おもしろいぞ。何より今の時期、楽しみがあるってのが重要さw
帰ってきて、あっあるっていう喜びが何よりなんだよねw
ただ感謝だ
>>280 毎度のことながらスラダンのお兄さんにはお世話になってますm(_ _)m
書き手の方も同じなんですよね、あ…感想書いてある。とかで一喜一憂したりするんですよo(^-^)o
282 :
大地 ◆oWouGftk5w :2006/03/30(木) 08:17:57 ID:7E1CUAxf
食事が始まって30分。
やっぱり何か始めるならこれくらいのタイミングがちょうどいい。
俺は体の横に置いておいた袋をとりだし、向かいに座る智子に差し出した。
俺「はい、プレゼント」
智子「ありがとう、じゃあわたしからもプレゼント!」
智子も袋をとりだし、俺に差し出した。
黒い小さな紙袋。
受け取って少しだけ中を覗く…が、やっぱり何も見えない。
俺「じゃあ、一緒にあけよっか?」
智子「賛成です!」
袋の中には黒い箱、フタを上に持ち上げて開く…何か結婚指輪みたいだ。
プロポーズされた女性はこんな心境なんだろうかと考えると不思議な気分だ。
開いた箱の中にはシルバーのピアス。
少しゴツいデザイン(ちょっと表現しづらいので想像にお任せします)、そして水色の丸い石。
>>281 水臭いこというないw
俺は一ファンとして、多くのROMってる人達の代弁してるだけだよ。
284 :
大地 ◆oWouGftk5w :2006/03/32(土) 06:11:54 ID:5RW+5gyi
智子も箱を開けて中身を見た。
どうやら同じ色の石に気付いたらしく、「奇遇だね」と笑ってみせた。
俺は「奇遇だね」と言い、智子に笑いかけた。
智子は「早くつけたいなぁ〜」としぶると、呑もうかとグラスを持ち上げた。
俺は「乾杯」と言い、智子と二度目の乾杯をした。
智子「何に乾杯?」
俺「ピアス記念日に乾杯(笑)」
まだ痛む耳たぶに祝福をして、俺と智子は遅くまで飲み明かした。
285 :
大地 ◆oWouGftk5w :2006/04/02(日) 03:32:08 ID:XOIZ++PA
翌日、前日の酒は残っていないが爆睡したため昼過ぎに目を覚ました。
携帯を見ると智子からメールが来ていた。
「おはよう、昨日は楽しかったよ♪またご飯食べに行こうね!てか、まだ耳痛いよぉ〜…」
耳…あぁ、そうか。昨日ピアスの穴を開けたんだっけ。
俺は自分の左耳を確かめる。
…痛っ!!めっちゃ痛い…
俺は智子にメールを返した。
「おはよ、今起きたよ。俺もめっちゃ耳痛いわ…」
俺はピアスの穴を開けて何か変われるだろうかと、ふと考えた。
そんなにすぐ変われる訳がない。
だけど、すぐにでも変わりたい自分がいる。
すぐにでもマミさんのことを諦めて、すぐにでも智子のことだけを見つめることができたのならどんなにいいだろうと思った。
俺は智子にいろんな話をした。
マミさんとの出会いから、お互いに惹かれあい、決して結ばれない恋をしていることを。
そうすることで、この想いを昇華できればいいと…そして、智子に理解してもらいたい、助けてほしいと思っていた。
会話はすべてメールだったけど、こんな自分勝手で一人よがりな会話を智子は一日中ちゃんと聞いてくれた。
286 :
大地 ◆oWouGftk5w :2006/04/03(月) 09:43:22 ID:xb9wZAqG
2005年元旦。
俺は智子と初詣にでかけた。
地元では有名な神社で、正月ともなれば多くの参拝客で賑わう。神社へと続く道もまた然り。
なかなか進まない人の列にゆっくりと流されながら、俺と智子はお互いに離れないように手をとりあって神社を目指した。
しかし、人混みが苦手な俺はすぐに具合が悪くなってしまう。小さな頃からそうだった。
授業を受けている最中や休み時間などにふと自分がひどくちっぽけな存在に感じられてしまい、自分なんていなければいいと考えてしまう。
そう考え出すと、もう何もかもが嫌になって吐気をもよおしてしまう…よく同級生や担任に迷惑をかけた記憶がある。
何が原因かと問われれば何が原因かはわからないが、とにかく「大勢の中の『独り』」になるのがダメなのだ。
俺はとりあえず初詣を済ませるまでは我慢することに決め、今はこの時間を楽しむことにした。
287 :
大地 ◆oWouGftk5w :2006/04/03(月) 09:51:21 ID:xb9wZAqG
智子とのくだらない会話や行動に全神経を集中させ、「大勢の中の『独り』」にならないように努めた。
それから30分くらいかかっただろうか?ようやく神社の境内までたどり着いた。
どうでもいいことだが、あのお賽銭を投げ入れる場所のブルーシートが雰囲気を壊していると感じるのは俺だけだろうか?
そんなことを考えつつ、俺はお賽銭を投げ入れ願い事をする。
「どうか少しだけでも前に進めますように…」(ホントにこんなお願いをしてしまった俺はアホです…)
願い事も終わり隣を見ると智子はまだ願い事をしている。しばらく眺めていると、目を開けてこっちに振り向いた。
ほうほうほうw
いいねぇ
289 :
大地 ◆oWouGftk5w :2006/04/05(水) 07:32:35 ID:WzxsJeD6
智子「じゃ、行こうか♪」
俺「うん」
「何お願いしたの?」なんて、ありきたりな質問はしないんだな。と思った。
俺と智子は今来た道を戻る。来る時はあんなに並んでいたのに、なぜか帰る時には並ぶことはなかったりする。
それでも人はたくさんいるわけで、俺は次第に具合の悪さにフラフラしだした。
「大丈夫?顔色悪いよ?」と問う智子に「大丈夫」と精一杯の笑顔で返した、その時。
智子の肩越しに見覚えのある後ろ姿、アレは…
姉ちゃん(マミさん)?
いや、そんなハズはない。今マミさんは地元にいるハズだ、こんなところにいるハズがない。
頭ではわかっていても確かめなければ納得できない。追い越して顔を確認しようと、自然に早足になる。
智子「どうしたの!?」
智子の一言で我に返った。同時に激しい自己嫌悪に襲われる。俺は何をしているんだ?冷静に考えればマミさんではないのは確認しなくてもすぐにわかる。
そんなにマミさんのことを想っているのか?仮にも彼女である智子の隣で。
290 :
大地 ◆oWouGftk5w :2006/04/07(金) 09:45:21 ID:qrW+P6mH
マミさんに似た後ろ姿を見つけた時から息が詰まっている。鼓動の音が自分でハッキリわかる程高鳴っている。
それらが相乗して更に吐気が増していく。
これ以上この場にいたらおかしくなってしまう、壊れてしまう。
俺は向き合う智子に抱きつくような形で持たれかかり、「ダメだ、どっか休むとこ…人のいないとこがいい」と耳元で呟いた。
「え!??」智子は明らかに動揺した様子で辺りをキョロキョロしている。当たり前だ、さっきまで普通に参拝していた人間が突然そんなことになったら動揺しない方がおかしい。
俺は溜め息にも似た深呼吸をひとつついて智子に言った。「タクシー乗ろう?」そのままタクシー乗り場へ歩いた。途中、何も話すことなく智子の腕を引っ張った。
291 :
大地 ◆oWouGftk5w :2006/04/09(日) 12:41:45 ID:c6mMuzk9
着いたのは街中のラブホテル。
部屋に入るとすぐにトイレで嘔吐する。乗り物酔いしやすい体質もあり、タクシーの中でも更に具合が悪くなった。
しばらくトイレで格闘した後フラフラしながら部屋に戻る。きっと顔色が悪かったんだろう、智子は「大丈夫?」を連呼している。
智子の声を無視して俺はベッドに倒れこみ、そのまま寝てしまった。
どれくらい寝ただろうか、目を覚ました俺の目の前には智子の寝顔があった。なるほど「天使のような寝顔」とはよく言ったものだ。
さっきまであんなに慌ててたのに…重たい体をゆっくり起こすと軽い目眩。そして、マミさんの残像。
それらを吐き出すように溜め息をつく。当分この自己嫌悪からは逃れられそうにない…冷蔵庫に入ってたミネラルウォーターを飲みながら考えた。
「もう体調大丈夫?」
背後の声に振り返ると、智子が起きていた。俺は精一杯の余裕の表情を作ると、
「大丈夫、ごめんね?」
と返した。
保守⊂(゚Д゚⊂⌒`つズサー
すまん。なかなかこれんが・・・
まとめて読む楽しみがあるね。
続きが激しく気になるぜ
滞っててすいません、何か体の調子が悪くて…復活したらまた綴りますm(_ _)m
えー俺何気に毎日見てるのに・・
何気に毎日チェックしてるのに
297 :
大地 ◆oWouGftk5w :2006/04/13(木) 10:32:50 ID:cYqepMfW
俺は智子のいるベッドに戻ると、智子の隣に横になって智子の方を向いた。智子は「ん?」と少し目を見開いて「どうしたの?」と目で訴えてきた。
俺は何も言わず智子を抱き寄せた。
智子は少し躊躇った後に俺を抱き締めた。
前に智子の言った「助けてあげる」という言葉が胸に響いて、とてもやるせない気持ちになった。
罪悪感と猜疑心、救いを求める心と自己嫌悪…いろいろな想いが複雑に絡み合って俺の心を蝕んでいくのがわかる。
何も考えずに…何の抵抗もなく、誰よりも純粋に誰かを愛したい。そう思った。深い深い心の奥底で必死でもがいていた。
俺は智子の胸の中で少しだけ泣いた。
バレるかバレないか、ギリギリのところで涙を流した。
そして、智子を抱いた。
何も考えず…ただ本能の赴くままに、そうしないといけない気がしたから…
298 :
大地 ◆oWouGftk5w :2006/04/13(木) 10:35:42 ID:cYqepMfW
>>295>>296みたいなレスがあると、やっぱり頑張らなきゃって思いますね、でも具合の悪さが文面に出てる気がします(笑)
大目に見てやってくださいm(_ _)m
おk。楽しみにしてるから頑張ってくれ。
300 :
大地 ◆oWouGftk5w :2006/04/17(月) 11:07:26 ID:LYLS57MY
それからしばらくの後、軽い頭痛で目が覚める。どうやらまた寝ていたようだ。
その「行為」の後に襲ってきた罪悪感や自己嫌悪に目をつぶって眠りにおちた。
あの罪悪感はきっと智子だけじゃなく、マミさんに対しての罪悪感でもあると自覚していた。智子との関係を「浮気」と思っているのだろうか?きっとそうなのだろう、そうでなければこの罪悪感に説明がつかない。
そして、そのまましばらくの間天井を眺めながらボンヤリしていると、隣にいた智子が強く抱き締めてきた。
智子「どこ見てるの?」
俺「ごめん、起こした?」
智子「ううん、起きてた。どうしたの?ずっと心ここに在らず?って感じだけど…」
俺「ちょっとね…」
こんな醜い本心を智子に言うことなどできるはずもなく、俺はまた自己嫌悪の渦にのまれていった。そして、何度も繰り返し心の中でつぶやいた。
「姉ちゃん、助けて…」
301 :
大地 ◆oWouGftk5w :2006/04/17(月) 11:09:58 ID:LYLS57MY
その日の夜。
俺は智子に自分のことについてをありのままに話した。小さい頃から言い知れぬ孤独感を抱えていたことや、そういう心の異変が体の異変に繋がりやすいということ。
そして、そうなった経緯となる過去を。
あれは小学一年の時だった。今まで楽しく一緒に暮らしていた筈の母親が急に姿を消した。朝起きれば必ずあった母親の姿が突如なくなった。
父親は「すぐに帰ってくる」と言っていた。俺はその言葉を信じて過ごした。学校から家に帰れば、今日こそ母親が家にいるんではないか、家のドアを開ける時は期待に胸を膨らませていた。
しかし、そんな期待も無駄に終わり父親の帰りを一人で待つ日々が続いた。
その後も結局母親は帰ってくることはなく、いつも帰りが遅い父親も子供を育てる余裕がなくなり、俺は祖父母の家に預けられた。
302 :
大地 ◆oWouGftk5w :2006/04/17(月) 11:11:26 ID:LYLS57MY
そして、初めての転校。
周りの環境がガラリと変わった。
一番最初に出くわした難関は「言葉」だった。普段から標準語しか使わない俺には祖父母の暮らす地域の方言が何一つわからなかった。
クラスメイトの輪に入り会話をしても、一人だけついていけないことなどよくあった。
そして、この学校は公立の学校だけあって幼稚園、保育園の時からの友達、幼馴染みなどがたくさんいた。
共有できないものがたくさんあった。
言葉だけじゃない、時間、思い出、感情…俺はそれを悟った時に「大勢の中の独り」になった。
「大勢の中の独り」ということを実感した瞬間に、気持ちが落ちて激しい頭痛と吐気が出てくる。ずいぶん迷惑をかけたと今更ながらに思う。
家では、祖母はいつも母親の悪口を言っていた…「あんな人は大嫌いだ」と、「あんな人は母親ではない」と。
俺はその度に「うん」と答えた。父親が厳しい人で、大人には逆らってはいけないと教え込まれていたから。
しかし、心の中ではやはり母親は母親だと思っていた。必ず迎えに来てくれると思っていた。
303 :
大地 ◆oWouGftk5w :2006/04/17(月) 11:13:25 ID:LYLS57MY
一年後、祖父母の家を出て今度は叔父の家にお世話になることとなった。今思えば、定年が迫っていた祖父母夫婦の老後生活に俺は邪魔だったのかも知れない。
そして、また転校だ。
一年…方言にもやっと慣れていろんな人間関係が出来始める時期だったのに、すべてリセットだ。
やはり最初の難関は「言葉」だった。
同じ県の中なのに、方言が微妙に違う。同じ言葉でも意味がまったく違ったり、意味は同じでも言葉がまったく違うものもあった。
友人もまた一から作り直しだ。
また、あの現実を突きつけられる。「大勢の中の独り」という現実。
小学三年にもなると、それが顕著に表れてくる。あまりにも共有した時間が少なすぎるのが原因なのは明らかだった。
「転校なんてしなかったら…」「幼稚園からみんなと一緒だったら…」何度も考えては落ち込んだ。
そして、叔父の家にお世話になって数ヶ月後、いきなり父親と母親が現れた。
久しぶりの両親との再会に、感激して大泣きした記憶がある。やっと帰ってきてくれた、やっと迎えにきてくれた。そう思うととても嬉しかった。
304 :
大地 ◆oWouGftk5w :2006/04/17(月) 11:16:53 ID:LYLS57MY
両親が帰ってくるとすぐに、俺は叔父の家を出て両親と暮らした。
自分達の家を建てるため、一時的に違う地域に引っ越した。もちろん転校もした。
だけど、両親がいたから我慢できた。あの時は間違いなく「幸せ」だったから。
わからない言葉や、置いてけぼりも我慢した。笑い飛ばすことができた。
家ができて、また前の学校に戻った。
それからは家族水いらずの日々が続いた。
なに不自由なく、仲良く暮らしていた…ように思われていたが、歯車は既に狂っていた。
父親と母親が口をきかなくなり始めた。最初は気にしていなかったが、日毎に両親の機嫌が悪くなっていく。
夜、俺が寝たあとに二人が喧嘩をしているのを知った時のショックは大きかった。
いつからすべてが狂い出したのだろうか?もしかしたら、俺が産まれた時にはもうすべてが狂っていたのかも知れない。そう思うことも少なくなかった。
そんな思いを抱えてやりきれない気持ちになった時には、決まってベッドの中に潜った。
この頃からベッドの中と深い眠りの中は俺の逃げ場所だった。
305 :
大地 ◆oWouGftk5w :2006/04/17(月) 11:17:55 ID:LYLS57MY
ある日、俺は母親にこんなことを言われた。
「大地、友達いるの?」
俺には母親が何を言いたいのかわからなかった。とりあえず「いるよ、いっぱい」と答えた。
母親は「親友っているの?」と返してきた。
俺はその当時一番仲の良かった友達の名前を告げた。
すると母親が「ホントにその子は大地のことを親友だと思ってるの?」と言った。
小さい頃から引越しや転校の連続で幼馴染みすらいない俺にはツラい言葉だった。
学校に行けば友達はいる、だが周りの人に比べて交遊期間があまりにも少なすぎる。
そんな俺を「親友」と呼んでくれる人なんかいないんじゃないか、子供ながらにそう思った。
絶望…あの感情はまさにそれだった。あろうことか、母親に絶望を教わった。
俺はその日ベッドの中で声を殺して泣いた。
今でも残る、心に深く刻まれた傷ができた瞬間だった。
306 :
大地 ◆oWouGftk5w :2006/04/17(月) 11:20:06 ID:LYLS57MY
それから程なくして両親は離婚した。
俺は母親に引き取られることになり、家を出ることになった。
転校が決まり、そのことをクラスメイトに告げると決まって「なんで?」と聞かれる。
俺は「親が離婚したから」と明るく話した、顔で笑って心で泣きながら話した。
時に子供の無邪気さは残酷で、だんだんと心がボロボロになるのが自分でもわかった。
胸に突き立てられたナイフを自らの手で抜いて、その傷を広げてまたナイフを突き立てる。そんな心境だった。
そして、家を出る日の前夜。
俺は父親に「今までお世話になりました」と挨拶をした。礼儀作法を厳しく教えてくれた父親だからできることだった。
父親は背中を向けたまま、「母さんのこと守ってやるんだぞ」俺にそう告げた。
その声が微かに震えていた。
父親が泣いてる姿を見たのは後にも先にもこの時だけだった。
俺は父親の最後の言葉を深く胸に刻みこんだ。
307 :
大地 ◆oWouGftk5w :2006/04/17(月) 11:21:43 ID:LYLS57MY
転校してからしばらくは孤独な日々が続いた。何度も経験した孤独。
「大勢の中の独り」
昔からの友達同士でいろんな思い出話をする…決して中には入れない不可侵領域。
授業中に出てくる思い出話…その度に言われる「あ、大地君はまだいなかったんだもんね」というお決まりの聞き飽きたセリフ。
共有したものが、共有した時間が、あまりにも少なすぎて新たな「共有」に繋がらない世界。
その中で必死にもがいて笑って過ごした。
いつの間にか愛想笑いが…愛想笑いだけがうまくなっていた。
小学六年…思春期の始まりであり、他人の目を強く気にするようになる年頃。
そんな中でも見つけた初めての恋。お互いに好きだったのはわかっていたのに、幼さ故になかなか言い出せずに時間がかかってしまい…付き合ってすぐに別々の中学に行き、終わってしまった恋。
俺は思った。「いつか別れは必ず来る。どんなに想い合っていても…どんなに強い「繋がり」があっても。俺が父親と離れたように…俺はいつかは独りになるんだ。」
大きな孤独は俺の心に絶望だけを映し出し、絶望は俺の孤独をさらに増長させた。
すいません、携帯止まってました(笑)
けっこう書きためた分を綴りましたm(_ _)m
だんだんとトラウマチックな話になってきて気分も落ち込みがちです(笑)
あまり泣かせないでくれよ…
310 :
名無しさんの初恋:2006/04/18(火) 01:30:17 ID:O0JAIUdO
いいねぇ・・・
大地をいろいろとイメージするのもまた楽しいw
綴ってくれ、これからも
312 :
大地 ◆oWouGftk5w :2006/04/20(木) 14:26:37 ID:3GmLLcb6
俺はこれが俺の言い知れない孤独感の基盤だと智子に言った。
智子は「私には想像できない世界だ」と言った。そして、「私にできることがあったら言ってね♪」と言った。
そこでメールが途切れた。
翌日、俺は起床後すぐにおはようメールを送った。
かし、しばらく経っても返事がこない。
いつもこの時間には起きてるのに…少し不安にはなったが、あまり気にしないようにした。いろいろな言い訳を考えて寂しさを紛らせた。
結局その日は一日、智子からメールがくることはなかった。俺は「今日はどうした?何か用事でもあったのかな?おやすみ」とメールを送って寝ることにした。
私事ですが、自分がマミさんとサヨナラしてから今日でちょうど一年が経ちました。
いまだに過去に縛られてる自分を客観的に見ると憤りを感じます。最近ではマミさんへの強い気持ちが勝手に膨らんで、それがとんでもない方向へ向かって突っ走っていくこともあります。
でも、何とか日々を過ごしていけてるのはこのスレッドに出会えたことも大きな要因だと思ってます。
このスレッドに書き込むことで、マミさんへの想いを昇華できれば…
そう思って綴り始めた自分が、大切なことに気付いたのは…ここで綴られていた物語を読んだり、自分が綴った物語を客観的に読んだ時でした。
これから、マミさんとの関係はどうなっていくかはわかりません。もしかしたら、もう二度と会えないかも知れません。
それでも、俺はマミさんのために(自分のためにも)できる限りのことをしようと決めました。
そして、今の物語ももうすぐ終わるので、もう少しだけ見守っていてくださいm(_ _)m
長々と申し訳ありませんでした。
ここでは俺は独りではありませんでした…ありがとうございますm(_ _)m
いいんだ。気にすんなw
みんな楽しんでる。どうぞ綴ってください。
そうだね。独りじゃないさ。綴り終わってもしよければ、俺の巣においで。
みんないい奴だ。独りじゃないぜ?
勝手に代弁しないでくれよな
316 :
名無しさんの初恋:2006/04/23(日) 14:01:00 ID:Lj7B8FFJ
保守
前の“盛春”読んで泣きました。
一人の人をそれだけ好きになるって中々できないし、素晴らしいことだと思う。
お手軽に相手を見つけてまた次に…っていう今の世の中はちょっと寂しいですね。
そんな時代だからこそ大地さんにはマミさんに対する想いを貫いてほしいです。
きっとお二人とも素敵な方なんでしょうね。
318 :
大地 ◆oWouGftk5w :2006/04/25(火) 09:37:15 ID:XeifCFp1
翌日の朝、目を覚まし携帯を見ても智子からの連絡はない。俺は少し不安になりながらも気にしないようにして過ごすことにした。
それから数時間後、昼すぎに智子からメールが届いた。
「返事遅れてごめんね?ちょっと話したいことあるんだけどいい?」
メールを読んですぐに直感した。
「フラれる…?」
俺はこみあげる不安を押さえながら、精一杯明るく返事を返した。
「何かあったんじゃないかと心配したじゃないか、話って何だ?」
智子からの返事は少し時間が経ってから来た。その時間がまた不安をあおる。
「うん…悪いけど、私と別れてほしいの。」
やっぱりか…心の中で呟きながら智子にメールを打つ。
「どうして?何かあったの?」
引っ掛かるのはやはり「理由」だ。昨日の今日でそんなに早く心変わりした理由が知りたい。
容易に予想はできるのだが、本人から直接聞いて確信を得たい。返事は少しの間を置いて返ってきた。
319 :
大地 ◆oWouGftk5w :2006/04/25(火) 09:43:04 ID:XeifCFp1
「昨日の夜にね、元彼からヨリ戻そうって言われたの。前からちょこちょこそれらしいことは言われてたんだけど、昨日マジメに言われて断れなかったの。やっぱり一番愛してくれてるのは彼だけなんだって、一番愛してるのは彼だけなんだって思ったらね、断れなかった。」
「そうなんだ…いいよ、別れるよ。嫌だって言っても困るでしょ?(笑)」
あくまで明るく返事を返す。
何でそうするのかはわからない、ここでキレても一応正当性はある。でも、智子が俺のことを傷つけたと思ってほしくなかったから。
それに、話をこじらせたくない。別れるなら後腐れなく別れたい。そのための偽善だった。
だから、明るく別れを告げた。
「ありがとう、ごめんね?やっぱり一番お互いのことわかってるから離れられなくて…」
「はいはい、わかりましたよ。しょうがないよ、ずっと一緒にいたんだもん。情が移ってるんでしょ?それじゃ敵わないわ(笑)」
320 :
大地 ◆oWouGftk5w :2006/04/25(火) 09:44:48 ID:XeifCFp1
情が移ってる…か、マミさんもそうなんだろうな。情が移ってるから、新しい恋愛に踏み出す余地なんてないんだろうな。それはやっぱり「しょうがない」ことなんだろうな。
マミさんとの関係を考えると、必ずたどり着く結論…今までなるべく考えないようにしていた結論を、今また深く思い知らされた。
智子「ホントにごめんね?うん、情が移っちゃってるよ…やっぱり側にいなきゃ落ち着かないの」
俺「そんなに謝られたら逆に虚しくなるだろ?(笑)まあ、ここらでスッパリ別れましょうよ。」
智子「そうだね、短い間だったけどありがとう。楽しかったよ、じゃあね。」
俺「じゃあね、お幸せに!」
321 :
大地 ◆oWouGftk5w :2006/04/25(火) 09:47:38 ID:XeifCFp1
こうして、俺と智子は短かった付き合いを終わらせた。
いつも、「情」に負ける。いつも、「時間」に負ける。そう考えた。
その時、不意に涙がこぼれた。
「もっと早くに出会っていれば…」
小さい頃から何度も言われて、何度も自分に言い聞かせていた言葉だ。
もっと早くに出会っていれば、もっとみんなといろいろ話せたのかな?
もっと早くに出会っていれば、もっと友達と仲良くなれたのかな?
もっと早くに出会っていれば、マミさんは俺に振り向いてくれてたのかな?
そして、俺は自分の運命を恨んだ。
自分の運命を恨み、自分の存在を否定し始めた。そして、深い自己嫌悪の渦に飲み込まれていった。
智子と別れたのに、こんな時でも頭に浮かぶのはマミさんの顔だった。
俺は何度も何度も頭の中で繰り返した。
「姉ちゃん、助けて…」
これで終わりですm(_ _)m
何か消化不良な感じは拭えないですけど、これが精一杯です(^_^;)
自分のトラウマ(?)を掘り起こすのはなかなか大変なんです(笑)こんな短い文章なのに、まとめるのに一週間もかかってしまいました( ̄○ ̄;)
今まで読んでくれてありがとうございましたm(_ _)m
文章考えるのって本当重労働ですよね。お疲れ様でした!
実は私もいつも『前の誰かに勝てな』くてフラれてばかりいるんですよね。
大学ではミスになったりしたけどそんなの意味ない。
一人の人に深く愛されたい。あぁ…
>>323 思い出ってものはホントに残酷なもので、キレイであればあるほど時間の経過とともによりキレイになっていきますからね…
「前の誰か」に勝とうとしたらダメなんですよ、きっと。「今の相手」を全部包みこんであげるくらいでないと…
時には、「前の誰か」を思い出して落ち込んでしまうこともあると思うけど、そんな時にはそばにいてあげるといいと思います…時間はかかるけど、一番の近道だと思いますよo(^-^)o「急がば回れ」って言いますしね(笑)
325 :
大地 ◆oWouGftk5w :2006/04/28(金) 19:09:20 ID:s2DQpCZb
新作期待
323です。優しく誠実な大地さんはきっといい人と結ばれると思いますよ。
大地さんとマミさんがうまくいきますように。
あぁ、私がもうちょっと若ければなぁ…
誠実なら別の女性を代用品にしないと思う。
そんなに重度の未練を抱えて別の女性と付き合うなんて失礼。
ものすごいエゴ。読んでて不快だった。
作者さんは女性と付き合うのは時期尚早では?
もしくはあなたの未練を承知の上で、それこそあなたを包み込んでくれるほどに
愛してくれる女性じゃないとだめなんじゃないかと。がんばって。
一女性としての私見です。
そうですね、誠実か誠実じゃないかで言えば誠実ではないです。誠実なフリをするのは得意です。だから、周りの人に「誠実だ」言われることは多くても、そんな自分が嫌いです。
未練を引きずることに苦しむ時もあれば、未練を持つことに心地よさを感じることもあります。
それは一概にどっちが良くてどっちが悪いかなんて言えないから、未練を断ち切ることもできないのかな?と考えたりします。
結局は
>>327さんの言うとおりエゴなんでしょうね、「自分が望むままになればいい」みたいな。
俺はエゴイストで偽善者だって自覚がありますから(笑)
人間誰でもエゴイストで偽善者な部分はあると思います。
特に恋愛なんかの場面では自分をよく見せたいからそうなりやすいと思う。
マミさんは話を聞いた限りではとても魅力的で、いわゆるファム・ファタール的な女性ですよね。
私も代用品にされた経験あるからわかるけど、かなり辛そうだった。私もそれをわかってて自分をごまかしてたから。
もう自分の本当の気持ちに嘘つかないとわかったからいいんじゃないかな。
マミさんが魅力的な女性には思えなかったけどな。
彼氏と他の男の間でどっちつかずなことしてる最低女。
この板に「彼氏いるのに他の人を好きになった」ってスレがあるけど、
そういう人たちボロクソに叩かれてるよ。
他に目が行ったのならさっさと彼氏と別れろってね。
彼氏にものすごく失礼。
大地が仮にマミさんの彼氏になったとして、隠れて
貴方の時と同じように他の男とキスしたりいちゃつかれたりしてたら
どう思うんだ?
自分の場合に限ってはそんなことないって言い切れる?
俺の目に映ったマミさんはすごく魅力的な女性でしたよ、かなり偏った主観ですけど…
そりゃ人間だから悪いところなんて腐るほどありますよ、それでもいい所もいっぱいあって、いい所をいっぱい知ってるから好きなんですよ。
「浮気をする女」って一言で片付けるのは簡単です、実際に浮気をされたらイヤなのも否定できません。
でも、それがマミさんを諦めるキッカケになったりマミさんを好きじゃなくなる原因にはならないんです。
マミさんだって心の中で葛藤はあっただろうし、悩んだりもしたと思います。俺だって葛藤したし、悩みました。
できれば、そんな葛藤や矛盾だって愛してあげたいって思うから、俺は今でもマミさんのことを想ってしまうんです。
…ちょっと感情的になってしまいましたね、申し訳ないです(^_^;)
智子にはホントに申し訳ないと思いますが、そんな彼女も去年結婚して幸せに暮らしてるそうです。
少し前に「あの時はごめん」と智子に言ったら「私は何もされてない、私の方こそ何もできなくてごめん」と言われてしまいました。
>>329 すいません、ファミ・ファタールの意味がわかりませんでしたm(_ _)m(笑)
ファム・ファタールの意味ですが、直訳すると「宿命(運命)の女」です。
男性を魅了して遠心力でもって振り回したのち、いいタイミングで手を離す…みたいな感じでしょうか。
こんなことを書くとボロクソ言ってるように見えるかもしれませんが
悪い意味だけではないと思います。
イギリスのロックグループ、ロキシーミュージックによく出てきます。実際ブライアン・フェリーはそういう女性と付き合っていたようです。
>>333 ファム・ファタールでしたね(笑)
わざわざご説明ありがとうございますm(_ _)m
「宿命の女」か…確かに聞えは悪いように感じるけど、恋愛に能動的な女性の象徴みたいな印象も受けますね。
きっと「宿命の女」ってのは「宿命(運命)を追い求める女」みたいなニュアンスもあるのかな?
>>331大地
そうじゃなくて、自分が聞きたいのは
「彼氏」の立場になった時に、隠れて浮気されても呆れたり幻滅したりしないか?ってこと。
>「浮気をする女」って一言で片付けるのは簡単です、実際に浮気をされたらイヤなのも否定できません。
でも、それがマミさんを諦めるキッカケになったりマミさんを好きじゃなくなる原因にはならないんです。
これは、今の大地、言ってしまえば「間男」の立場から考えて言ってることでしょ?
彼氏の立場として考えてもこんなことが言えるかな。
実際に浮気されても奇麗事ばかり言ってられるかなってこと。
自分が彼氏になったとき、他の男に自分の時と同じことをされてもいいというのなら
もう何も言わないけどさ。
すまん。遅くなった。
素敵な物語を綴ってくれてありがとう大地。
とても楽しかった。
いい人生をと、祈らせてもらう。
よい旅を
>>337 こんばんは。ほほう。ありがとう、GWだし
読ませていただくよ。楽しみだ
>>335 もし、俺がマミさんの彼氏だったとしてマミさんに浮気をされたら、正直ツラいし怒ると思う…俺も人間だから嫉妬するし、マミさんを独占したい。
でも、浮気されたから幻滅したりするかなって考えるとそうでもない。実際にその場面に直面したことがないから想像できないっていうのもあるけど…
>>335のレスを見てからいろいろ考えさせられた。俺の主観で見たマミさんと客観的に見たマミさんを比べると「こうも違うものか」と感じた。
それでも想いを貫きたいのは綺麗事なのか?マミさんの彼氏から見てみれば「綺麗事」ではなく「汚い本音」なのだろう…
マミさんの彼氏の立場に立って考えたのは初めてではないが、いい機会だった。
>>335ありがとう、そしてハッキリ「答え」を出せない未熟な自分を許しておくれ。
>>スラダンのお兄さん
毎度お世話になっとりますm(_ _)m
そして、今回もいろいろとありがとうございます!
話の内容が内容なんで叩かれまくるだろうなって思ってたんですけど、応援してくれたりする人もいたり、いろいろな意見に触れることができたりで、意外で嬉しいです(笑)
やっぱり見守ってくれる人が一人でもいると心強いものですよo(^-^)o
これからも(図々しいけど)よろしくm(_ _)m
よく見せてもらってます!俺は大地がマミさんに思いを貫くのは綺麗事だとは全然思わない!
自分が本当に愛した人を忘れることは本当に難しいというか無理だと思う!それ以上愛する人が表れても心のどこかにはあるはず!
心の中に思う人がいるからって他の女と付き合わないなんて人はそんなに強いとは俺は思わない! 日本語おかしいな… 長文スマソ
綺麗事がどうのこうの論議になってるけど
人を愛すること自体が人間のエゴなんだから綺麗か汚いかと分けようとすることがおかしい。
生きるとは、そういうこと(自分の汚い部分も認める)なんじゃないの?
自分が100%正義で潔癖だったら間違いなくその人は社会で生きてはいけないと思う。
傷ついたり傷つけられたり、愛することはそんなに綺麗事じゃないよ。
子供じゃないんだし、人を好きになる気持ちは簡単に止められないことわかるでしょ。
>>341 俺を擁護してくれようとしたんだよな?
ありがとう、助かった。
>>342 確かに「愛」なんて実体のないものに綺麗も汚いもないのかもね、でも実体がないからこそ「愛」を夢見て「愛」に綺麗なものであってほしいと思う気持ちもある。
俺だって子供じゃないから、人間の汚さを知ってると思う。(程度は違うと思うが)だからこそ綺麗な「愛」を追い求めてる。
そういう風に、叶わない夢を「綺麗事」と言うなら少し悲しい気もしてきますね…
344 :
名無しさんの初恋:2006/05/02(火) 04:11:11 ID:d3YJH5Iu
“恋人が浮気したらどうする?どう思う?”
愚問。そんなことはその場にならないとわからない。
愚答。想像だけだから「それでも自分は相手を嫌いにはならない」と言える。
恋人付きの人を避けて恋愛できればそれに越したことはないかもしれないけど、
なかなかそううまくは世の中できていない。感情は止められないしね。
横恋慕って言葉は悪い言葉に聞こえがちだけど、横入りした人間を選ぶかどうかは相手が決めること。
冷たい言い方になるけど、より魅力のある方が勝ち残るのだろう。
綺麗とか汚いって言葉は、恋愛には存在しないのかもしれない。
>>337 私はスラダンお兄さんではありませんが、良い情報をいただいたと感謝しています。ありがとう。
ひさびさに素晴らしい物語に出会えました。
あげてしまいました。ごめんなさい!
擁護したつもりが反論されてしまったわけだが。
ここの住人一人一人が「綺麗事」の定義が違っているように思う。
上の女の言ってる綺麗事はつまり「自分を正当化したり自己陶酔してる」って意味なんじゃねーの?
大地の言ってる綺麗事は「愛は純粋で永遠だと思いたい」っていう願望。
漏れが言った綺麗事は上の女の言ってる“綺麗事”に対しての反論。
それと愛は実体がないんじゃなくて、相手に対しての自己投影(わかりやすく言うと素晴らしき勘違い)と
愛されたい・愛したい欲望から来ている。その自分の汚さに気付いた人間は(つづく)
に気付いた人間は受け入れるか、自分の心の不純を責めて自己嫌悪
もしくはもっと深刻になると自分を消すしかない。
漏れはそれが受け入れられずに死を選ぼうとした。
人間は自分や世間の汚さをある程度“ま、いっか”と受け入れて生きていかなければならないようだね。
そうやって少しずつ少しずつ汚れながら大人にならなきゃいけないみたいだ。
人間や世間の汚れを受け入れられない私はまだモラトリアムから脱せられていないのかもしれない。
今私は自殺する気はさらさらない。
私が一番言いたかったのは自分の中の矛盾や汚れと“こうありたい”との間で格闘しながらも
理想に近付こうと、もがき進む姿こそ尊いのだ、と。
大地よ、悩むことなかれ。己の信じた道を突き進むのだ。
以上、中年の主張を終わります。
みんな、いいヤツばかりじゃねぇか(ToT)
ちくしょう、叩かれると思って構えてたらとんだ肩透かしじゃねえか( ̄○ ̄;)(笑)
この機会にみんなに相談があるんだ。
もうすぐ俺の誕生日がくる、同時にマミさんの誕生日もくるんだ。
メールを送りたいと思うんだが、何て送ったらいいだろう?
去年は「誕生日おめでとう」と一言だけ送ったんだ、「ありがとう」と返ってきたメールに何も返信できなくて結局無視する形になってしまった…
今年は少し頑張ってみようと思う。
みんな、俺を後押ししてくれm(_ _)m
>>335だけど上の女って俺のこと?
男なわけだがww決め付けないでくれ。
自分に対する反論も一理あると思う。
自分は大地を叩きたいんじゃなくて、マミさんは客観的にはそんなに
いい女には見えないよって言いたかっただけ。
マミさんの彼氏的立場になったことのある人間なので。
一言言いたかっただけだ。煽ってスマンカッタ
マミさんの人間性に関わらず、大地さんの行為はちょっと非生産的かなーと俺は思う。
(というか俺はどっちかというと誰彼構わず好きになるのでマミさんのことを言えない…)
しがみついてる場所から離れたら、知らないうちに理想の場所にたどり着けるかもしれない。
どうしようもない動機で恋人探しをしてた俺の前にだって、有り得ないぐらい良い彼女が現れたし。
だから、勝算が無いなら「他に行く」のもアリかな〜と思う。
もしかしたら、マミさんよりも(じわじわと)好きになれる人が見つかるかもしれない。
(悲しいけど、気持ちが後からついてくるっていうケースは多々あるから。)
とりあえず
つ【やらないよりやって後悔】
個人的には後押しはしたくないけど、引き止めもしませんお。
当たり前かもしれないこと偉そうに言ってすんませんでしたorz
>>FEMEE FATALE
そのうち、自分の汚れた部分や矛盾した気持もも受け入れて愛せるようになるといいな、そしたら素敵な恋愛ができるかも知れない。
「汝、己を愛するが如く隣人を愛せよ」
人を愛するには、まず自分も愛してあげなきゃいけないんだと思う。
頑張れ、いや頑張ろう、一緒に。
人生まだまだこれからだ(笑)
そして、ありがとう!あなたの意見に触れることができて良かったo(^-^)o
どうも1コテ専用の相談スレと化しつつあるが自粛してもらいたい。
このスレの趣旨からずれてるし、Newストーリーを書こうと待っている人がいるかもしれない。
今の雰囲気では書き込みづらいと思うのだが。
絶対言われると思った。
では、さらばです。
新作期待してますm(_ _)m
>>354 >絶対言われると思った。
なんだよその捨て台詞・・・態度悪いぞ?
>>353の言葉に「きついな〜そこまで言わなくても」と感じて
スレの雰囲気が悪くなるんじゃないかと心配してたけど、貴方の捨て台詞はなお悪いよ。
ここまで貴方のこと応援してきたけどその一言で幻滅した。
>>354 言われると思ったなら謝罪の一言くらいあっていいんじゃないか?
2ちゃんでモラルを問うのも何だけどこの論争を引き起こした人でしょ?
スレ汚しスマソ
いや、事の発端は私の発言なんだ。
済まなかった。だからもう終わりにしよう。
あと、私の場合はかなり根が深いから立ち直れるかどうかわからない。
もうこれは男性不信という病気かもしれない。
というわけで
糸冬 了
新作期待
359 :
名無しさんの初恋:2006/05/06(土) 01:10:08 ID:LjHYc/pL
また過疎ってきたな…
まったり待てばいい。
いろいろあっても、それでいい。それがいい。
>>358に言われちゃったがw
綴られるのを待とう。ただ、聞くだけだ。
361 :
名無しさんの初恋:2006/05/07(日) 23:24:35 ID:HfTUF8gj
保守
362 :
名無しさんの初恋:2006/05/11(木) 09:15:01 ID:0KfJzkQD
ほしゅ
363 :
名無しさんの初恋:2006/05/13(土) 09:16:00 ID:rp61BzHz
ほ
364 :
名無しさんの初恋:2006/05/17(水) 18:19:58 ID:kgFUg33X
う
365 :
逆転スラムダンク高校 ◆ZMp2Jv9w5o :2006/05/17(水) 19:08:42 ID:JOcP9dBo
う・・・?!w
え、ええーっ?
し?
ゃ
367 :
名無しさんの初恋:2006/05/20(土) 22:00:19 ID:7ecqboS5
の
368 :
名無しさんの初恋:2006/05/21(日) 17:35:56 ID:Mj9Z+/GL
ほす
綴られる物語を待つ。別に焦りゃせんw
ほす
371 :
逆転スラムダンク高校 ◆ZMp2Jv9w5o :2006/05/29(月) 19:19:04 ID:ISqnmPgZ
たまにゃageて天日干し
372 :
名無しさんの初恋:2006/05/29(月) 19:20:10 ID:60Pu4JU8
初めてみたこのスレッド
携帯の中だけの恋愛というスレタイに惹かれてやってきました
と、いうのも自分も過去にスレタイ通りの経験があるからです
もし良かったら文才は無いけど自分の体験談を書いてみようかと思います
待ってました。
375 :
373:2006/06/01(木) 01:00:36 ID:HzHcNvWg
あゆちゃんに逢ったのは今から2年以上前の17歳の時。
その頃僕はちょうど15の時高校を中退して働き始めた歌舞伎町のクラブを辞め、
実家に帰り大学に入学する為に予備校に通い始めた頃だった。
そしてとても精神的に不安定な時期でもあったと思う。
それは、上のような事情もあって家にはとても自分の居場所など無く、
予備校でもなまじ夜の世界などに居たせいか、
選民思考とは違うけど自分から同年代の人間たちと壁を作ってしまい孤立し、
そして何をしても中途半端で根性の無い自分を憎み、
女の子とも適当な付き合いしかできず、傷つけてしまう自分に苛立っていた。
そんな事を一度も考えた事無い人から見たらバカみたいに思うかもしれないけど
その時は夜中に一人になるといつも自分は生きていて良い人間なのか真剣に考えたりしていた
今思うとそんな17歳という子供でもなく、かといって大人にもなりきれない時期に
彼女に逢えた偶然とそんな僕を支えてくれた彼女に心から感謝している。
376 :
373:2006/06/01(木) 01:01:14 ID:HzHcNvWg
その日も例によって夜中に一人悩んでいたと思う。
どうしても耐えられなくなり、電話やメールで弱音を吐けるような人間が居ない僕は
携帯のキャリアを変えて舞い上がってた事もあり、
生まれて初めて出会い系に登録してみる事にした。
そのサイトではプロフィールに写真をアップロードする事ができたので
アップしてる人間の写真は閲覧できるようになっていた。
メールだけといってもどうせするなら可愛い子が良いなー
なんてアホな事考えながらプロフィールを見て回っていると
一人とても気になる子を見つけてしまった。
割と遠くから撮られたその写真の被写体はおそらくギャグであろう
制服姿にサングラスという姿にとても特徴のある満面の笑みを浮かべていた。
377 :
373:2006/06/01(木) 01:02:00 ID:HzHcNvWg
写真一枚から彼女にとても好感を抱き、できる事なら仲良くなりたいと思いメッセージを送った。
内容は色々考えたはずなんだけど最終的に何を思ったかこんな事を送ったと思う・・・
「結婚してください!お姫様!」
返信がくるまでは物凄く緊張した。
いきなり飛ばし過ぎたかなー!最初はもっと真面目な感じでいった方がよかったかも!
なんて馬鹿な事考えながら短い間に何度も何度もリロードした。
そしてタイミングが良かったのか15分くらいで返事が来た
もしかしたらその返事を読んだ時に僕は恋に落ちたのかもしれない
「あらカッコイイ王子様!もちろんですよ、ふつつかものですがこんな私で良かったらもらって下さい^^」
378 :
373:2006/06/01(木) 01:08:07 ID:HzHcNvWg
コピー間違えて一つ文章抜かしました
376と377の間にこの下の一文を入れて読んでくれるとありがたいです
見た目が気に入ったと言ってしまえば実も蓋も無いけど、
とりあえず書いてみましたが文章書くことにあまり慣れていないので
多くは短い間に多くは書けませんがマイペースでやっていこうと思うのでどうぞよろしくお願いしますっ
おっ!久々の物語
楽しみにしてるよ
380 :
373:2006/06/01(木) 08:02:42 ID:HzHcNvWg
あゆちゃんは京都に住む僕と同い年の17歳で高校2年生
と言っても知り合った時はもう高校は冬休みに入っていて
春から新3年生になる子だった。
住んでいる場所こそ東京と京都と離れていたが、
不思議とたった数回のそれも自己紹介のような
メッセージをサイト内でやり取りをしただけで、
僕は彼女に対してとても親近感を抱いた。
メールだけで相手の何がわかると思う人もいるかもしれない。
それは僕自身も当然の事だと思うし間違ってはいないと思う。
実際に面と向って話したとしても相手の事を理解する事は難しいのに
どうしてメールのやりとりだけで相手を理解できる道理があるだろう。
だけども単にメールをするだけでも相手と自分のフィーリングの一致というか、
人間的に合うか合わないかくらいは分かるもので、
僕は直ぐにそれを彼女に対して感じ、彼女も僕に対してそれを感じてくれているように思った。
そして僕らはどちらからともなくその夜の内にサイト内でもメッセージから
携帯のアドレスを交換し携帯でメールをするようになった。
381 :
373:2006/06/01(木) 08:03:19 ID:HzHcNvWg
あゆちゃんはとても綺麗な文章を書く子で、
割と長めのメールも破綻せずに上手くまとめて送ってきてくれる
きっと賢い子なんだろうと僕は思った。
そういえばどことなく写真からも品性が感じられた気がする。
その上たまに言う軽い冗談がとても可愛かったりもする。
2ちゃんを知ってか知らずか(たぶん知らなかったと思う)
たまに彼女が使うなんか良く見るとちょっと変な2ちゃん系の顔文字がたまらなく可愛かったのを覚えている。
(;' Д`)←なんかちょっと歪んでる
382 :
373:2006/06/01(木) 08:04:12 ID:HzHcNvWg
最初の頃のメールの内容はお互いがどんな事を好んで、
どんな考え方をする人間なのかについて良く話していた。
そしてお互い本を読む事が好きな事。昔同じロックバンドが好きだった事。
ピアスを空けるとなぜか妙に落ちつくから気が付いたら穴を空けてしまっている事を知った。
僕はあゆちゃんとの共通点をとても喜んだと同時に悲しくもなった。
なぜなら僕が本を読むのは本の世界にいる時は嫌な事を考えなくて済むからであり、
そのバンドが好きだったのは世間に迎合できないフロントマンの感性に共感していたからであり、
ピアスを空けてしまうのはきっとどこかで誰かに心配されたかったからである。
きっとあゆちゃんもどこか満たされていないんだろうと直感でそう気付いてしまったのだ。
もしかしたら向こうも僕に対して同じ事を思ったのかもしれない。
お互いの過去の事や家の中での出来事に対して聞くような事はしなかった。
383 :
373:2006/06/01(木) 08:23:23 ID:HzHcNvWg
2週間くらいそんな感じでメールをしていたと思う
もうその頃はあゆちゃんとのメールだけを楽しみに毎日を送っていた。
僕はおかしくなってしまったのかもしれない、
彼女からのメールを読む度に胸がドキドキして嬉しくなってしまうようになっていたのだ。
その日はあゆちゃんのメールには珍しく三人称が入った。
内容はというと、あゆちゃんには実は付き合ってる彼氏がいるらしいのだが、
その男がなかなか悪い奴らしくてあゆちゃんは色々傷つけられているらしいのだ
だけど今までズルズルと付き合ってしまって来てしまっていたらしい。
そこで今日やっと別れる事を決心し、今から会いに行って来るから勇気を下さい。
と、そんな感じだったと思う。
そこで僕は、あゆちゃんはもっと価値のある人なんだからその人にあゆちゃんは見合わない、
頑張って下さい、いや一緒に頑張ろう、僕も今適当な付き合いを全部清算する事にしたよ、僕も今から行って来る。
そう言ってあゆちゃんを送り出し、自分も適当な付き合いをしていた女の子に別れを告げに行った。
384 :
373:2006/06/01(木) 08:23:58 ID:HzHcNvWg
僕は別れ話を告げてから直ぐにあゆちゃんに
気持ちを伝えたくなり直ぐにメールを打ち始めた。
「君が居なかったら僕はずっと苦しんで駄目な人間のままでした。
今もまだ強い人間とは言えないけどあゆちゃんのおかげで一歩踏み出せました
心から感謝しています。」
直ぐに返信が返ってくると思っていたけど、
どうやら長引いてるらしく返事は夜まで無かった。
こんな事言うのもあれだが、
自分も別れ話をして来た女の子を上手い事かわしてその日の内には寝てた事も
無いわけでは無いので、急にとても不安になった。
そして夜そんな僕の不安を鮮やかに消し去ってくれるような一言が返ってくる。
「私も純くんが居たから一歩踏み出せました。これからも二人で頑張りましょうね
だって私たちは夫婦なんですから^^」
ありがとう。綴られるままに読ませてもらおう。
一喜一憂させてもらうよw
保守
387 :
逆転スラムダンク高校 ◆ZMp2Jv9w5o :2006/06/05(月) 18:50:07 ID:ofWHerkj
干しあげ。梅雨の合間のな
確かに・・・orz
綺麗にまとまっているような気もするな
390 :
名無しさんの初恋:2006/06/06(火) 21:48:05 ID:l0+TIRiG
え?マジ終わり!?
391 :
名無しさんの初恋:2006/06/07(水) 19:21:38 ID:Iu6ZNXuG
終わったっぽいね('A`)
低迷でつね
393 :
名無しさんの初恋:2006/06/10(土) 22:42:14 ID:dZJShdDK
あげ
保守
395 :
名無しさんの初恋:2006/06/16(金) 14:59:47 ID:BGOZaD7u
捕手
396 :
名無しさんの初恋:2006/06/20(火) 23:18:27 ID:vmKW5WOb
保守
397 :
名無しさんの初恋:2006/06/25(日) 15:38:39 ID:ZlSXnlrH
保守
みんな待ってるんだな。
綴られる物語を。誰って?お前だよw
399 :
名無しさんの初恋:2006/06/27(火) 23:09:20 ID:3Msmrgmv
臭っ
それはいわない約束でw
このスレ最初からずっと見てて
いつか語り手が過疎った時にでも、自分も書きたいと思ってたんだけど、
皆の文章が上手すぎて、恥かしくて書けない‥orz
402 :
名無しさんの初恋:2006/06/29(木) 22:18:24 ID:t/kIA1L8
403 :
名無しさんの初恋:2006/06/30(金) 16:04:15 ID:eEEwqTGP
えらそうに・・・
404 :
名無しさんの初恋:2006/07/01(土) 23:04:20 ID:a1eyj2hL
大地くんどうなったんかな・・
まとめ読んでこのスレで発見出来た時は嬉しかった
また戻ってきて欲しいなり(´・ω・`)
正直、大地にはもう来ないでほしい。
ひとりよがりな相談レスでこのスレ荒らした上に、
心配して忠告した人に対して捨て台詞吐いて逃げるなんて言語道断。
407 :
405:2006/07/02(日) 22:14:16 ID:0frxeFov
>>406 そか…(´・ω・`)ショボン
それでもマミさんとどうなったかだけは知りたい漏れブランカorz
大地、きらいじゃないな。
まぁ諍いはやめようよw
綴られるままに、感謝だよ。
409 :
逆転スラムダンク高校 ◆ZMp2Jv9w5o :2006/07/06(木) 21:26:06 ID:Z0VBIoEN
むっちりage
語感だけです。すいません
410 :
名無しさんの初恋:2006/07/10(月) 00:16:10 ID:uGyAnjte
ほす
まだまだ待ってる。
綴られるその物語を
412 :
名無しさんの初恋:2006/07/16(日) 22:27:02 ID:FBqzz/a8
キャッチャー
保守
414 :
逆転スラムダンク高校 ◆ZMp2Jv9w5o :2006/07/24(月) 23:02:54 ID:GLqIRwjI
梅雨はじめじめするからたまにゃage
415 :
名無しさんの初恋:2006/07/28(金) 20:51:44 ID:f78FITow
hosyu
保守
417 :
名無しさんの初恋:2006/08/04(金) 19:02:31 ID:DdMRz58T
保守
私事ですが、ケコーンする事になりました。
馴れ初めはmailゲームwケータイはあまり関係なかった。
なんだそりゃって人はググッてくれ。そんな郵便ゲームもあったのよ。
419 :
名無しさんの初恋:2006/08/05(土) 00:29:35 ID:wuY5LTxO
オサーン、おめ!!
色々あったんだろうけど、乗り越えての幸せだな。
嫁さん大切になぁ〜
421 :
逆転スラムダンク高校 ◆ZMp2Jv9w5o :2006/08/08(火) 20:22:42 ID:I0PcvA1x
ありがとー。報告は気恥ずかしいから勘弁な。
ついでにage。何はなくとも1000まで行こう
422 :
星 ◆HPyFqJcNpk :2006/08/11(金) 19:03:55 ID:HNsKPpgL
ご無沙汰してます。
スラダンの兄さん、結婚ですか?びっくりしました!
とりあえず、先を越されましたが『おめでとう』を言わせてください。
良き父となるでしょうねw
本当におめでとうです♪
>>422 星さんだ…!
もうお目にかかれないと思ってた(ノд`)
お元気ですか??
424 :
名無しさんの初恋:2006/08/18(金) 11:15:14 ID:x7d6wyef
遅ればせながら兄さんオメ!!あと星さん、これからも顔出してくださいね!
ご無沙汰ー
>>422 ありゃお久しぶりwありがとう。
まぁ落第しないよう頑張るよw
>>424 ありがとう。リストラされないよう(ry
結婚する二ヵ月前に別れた俺が来ましたよっとorz
保守
429 :
名無しさんの初恋:2006/08/30(水) 02:28:25 ID:fAoaek54
( ゚д゚)ポカーン
保守
431 :
名無しさんの初恋:2006/09/06(水) 09:38:46 ID:xOcDCJ5K
( ゚д゚)ポカーン
(⌒∇⌒)ノ
age
保守
435 :
名無しさんの初恋:
( ゚д゚)ポカーン