後悔していることを短編小説風に綴るスレ

このエントリーをはてなブックマークに追加
1名無しさんの初恋
今だから言えることもあるじゃない
2名無しさんの初恋:2006/01/05(木) 01:49:14 ID:Uf+YRxrX
2
3:2006/01/05(木) 01:50:48 ID:nvzU5rY/
どうしてぼくは煙草を買っておかなかったのだろう
今とても後悔している
4名無しさんの初恋:2006/01/05(木) 01:51:06 ID:MXdjRQZX
ここ、おもしろそうなので明日また来る
5人生男子校 ◆Syyq6KO1XA :2006/01/05(木) 01:52:11 ID:S1JrXM52
>>3
珍しく名無しでマトモなスレを立てたのに、汚すなよ
6名無しさんの初恋:2006/01/05(木) 01:52:34 ID:VZ4ELCIM
>>3
キャスターでよければ、一本やるよ
7:2006/01/05(木) 01:54:16 ID:nvzU5rY/
手元に残りは2本きりしかない。
マルボロライトメンソール。
ぼくはその大事な大事な1本をやさしくつまみあげ、そっと口に運んだ。
8名無しさんの初恋:2006/01/05(木) 01:54:52 ID:JFLC1jwZ
好きな子がクロールで息継ぎしてる瞬間の顔にちょっと引いてしまったぼくだった。
9人生男子校 ◆Syyq6KO1XA :2006/01/05(木) 01:55:22 ID:S1JrXM52
純情恋愛板の趣旨に沿った書き込みを切に願う
10名無しさんの初恋:2006/01/05(木) 01:56:51 ID:MXdjRQZX
やっぱ来んのやめた!
11人生男子校 ◆Syyq6KO1XA :2006/01/05(木) 01:57:37 ID:S1JrXM52
今でも後悔しているのはアレだな

ストーカーをしている友人を無意味に煽ったせいで、
女の子達から同じ穴のムジナと思われてしまったこと。
塾とは言え、居辛かったあの日々。
小説風に書くのは困難
12名無しさんの初恋:2006/01/05(木) 01:58:33 ID:VZ4ELCIM
>>11
ちょっ、それは人として最低な行為ですよ!!
13人生男子校 ◆Syyq6KO1XA :2006/01/05(木) 01:59:00 ID:S1JrXM52
>>10
後悔するよ
14人生男子校 ◆Syyq6KO1XA :2006/01/05(木) 02:02:49 ID:S1JrXM52
>>12
自己責任とは言え、今でも後悔している。
ストーカーと言っても、せいぜいは教室内でいつも後ろの席に座るとか、
同じ電車に飛び乗るとか、その程度の可愛いものだけどね。

外で何らかのアクションを起こすには、行動力が足りなかったな
15名無しさんの初恋:2006/01/05(木) 02:05:35 ID:oOHYBh5h
あの方からの、口づけを拒んだこと… 本当はしても良かったのに...

これから先は、別のお話。
16名無しさんの初恋:2006/01/05(木) 02:05:51 ID:MXdjRQZX
そうだね。
明日来て流れしだいで住みつくかも
17:2006/01/05(木) 02:06:33 ID:nvzU5rY/
後悔してないことを後悔することを否定することで無理矢理前向きなつもりになって
なにかから目を逸らせてきたのではないかと後悔することを否定している気がする
18人生男子校 ◆Syyq6KO1XA :2006/01/05(木) 02:10:15 ID:S1JrXM52
>>15
拒んだ後に何かあったのかという方が気になる
19名無しさんの初恋:2006/01/05(木) 02:12:02 ID:RlKamH2Y
あの時何故…僕はあんな先走った事をしたのだろう
「ハハ。冗談だよ」と付け加えていれば…冗談も言えない程興奮してたのかな
君と交した最後のメール


無題
「明日までにアレ返さなかったら犯すぞ」
20人生男子校 ◆Syyq6KO1XA :2006/01/05(木) 02:14:13 ID:S1JrXM52
>>17
要約すると、今までの人生に後悔するべきことは無かったと思いたい
わけか
21人生男子校 ◆Syyq6KO1XA :2006/01/05(木) 02:17:43 ID:S1JrXM52
>>19
脅迫罪の成立する余地があるな。
しかし、そこまで言わしめた「アレ」の内容が気になる
22人生男子校 ◆Syyq6KO1XA :2006/01/05(木) 02:21:20 ID:S1JrXM52
その日彼女から送られて来たメールは、普段のAA入りとは違う、
激しく素っ気無い内容だった

彼女『次の休みは体を貸してもらおう』
俺「どのようなご用件で?」
彼女『それはひみつであります』
俺「りょうかいであります」

妙な迫力に負けて、力仕事やらされるかもとガクブルしながら
返事した俺をよそに、休み当日の早朝、
夜勤明けの職場から真っ直ぐ俺の家に来た彼女は、
ぽやぽやした顔で「やくそく、やくそく」と嬉しそうに呟きながら
俺をベッドに引っ張り込み、そのまましがみ付いて
幸せそうに眠ったのでした
23名無しさんの初恋:2006/01/05(木) 02:22:46 ID:vqlUFKWV
>>22
それは後悔の欠片も無えほんわかエピソードじゃねえかよ・・・
24名無しさんの初恋:2006/01/05(木) 02:25:42 ID:J5yrbZTc
頭の中に彼の存在を置く事はしたくなかった。
わき上がる感情を抑えるのは容易いことではなく、ただ彼を前に時が過ぎるのを待つしか出来ない。
何て無様な人間だろう、
何て弱い人間なんだろう。
涙腺がゆるみじわじわと目頭が熱くなるにつれて、彼への気持ちまでもが高まっていった。
後戻りは出来るだろうか。
25人生男子校 ◆Syyq6KO1XA :2006/01/05(木) 02:25:53 ID:S1JrXM52
>>23
自分にはこういう経験が無かったことについて、後悔している
26名無しさんの初恋:2006/01/05(木) 02:26:40 ID:J5yrbZTc
あ、後悔を詳しく書きわすれた(´・ω・`)
27人生男子校 ◆Syyq6KO1XA :2006/01/05(木) 02:27:25 ID:S1JrXM52
のであります
28人生男子校 ◆Syyq6KO1XA :2006/01/05(木) 02:30:38 ID:S1JrXM52
>>24

恋に落ちる気はなかったのに落ちてしまったということかな。
おそらく。
落ちてはいけない理由なぞもありましたか
29名無しさんの初恋:2006/01/05(木) 02:31:01 ID:RlKamH2Y
>>21
あぁ大したものじゃないさ
只の漫画だよ。週〇刊少〇年ジャ〇ンプのな
ちょっと返す期限が遅れた程度サ
ハッ、笑っちまうぜ…
30人生男子校 ◆Syyq6KO1XA :2006/01/05(木) 02:33:45 ID:S1JrXM52
>>29
南無
31名無しさんの初恋:2006/01/05(木) 02:35:58 ID:vqlUFKWV
素っ裸でいりゃ別れたって抱きたくなる
抵抗されたって力で負けるはずなんてない
気持ちとか劣情とか色んなものが入り混じって何も言えやしない
乱暴なセックス
爪なんて立てたことの無いお前が背中につけた引っかき傷
最後になんて言えばよかったんだよ
呟くような「帰るよ」
交わす視線は交わることもなく閉められたドア
なんて言えばよかったんだよ
言葉なんて幾らでもあるはずなのに
言葉が見つからずに閉めたドア
32ウタ ◆uA0YgGAIyo :2006/01/05(木) 02:36:44 ID:oq+mCNGz
要するに
腹が減れば食うとか
喉が渇けば飲むとか
煙草には火を点けて吸うとか
其れ等と感覚的には同じだった。
中古のストラトを買った夜と
其れは大差ない程の喜びだった。

当たり前の事を当たり前と感じた事に対して
一体誰が文句を言える?
至極当たり前のように
誰もが本日を生活してるし
其の大半は当たり前な事象の積み重ねだ。

血液が血管を流動する事や
胃腸が食物を消化する事に
一分一秒感謝する筈も無い。
部屋に布団が在る事や
其の布団で就寝し起床し
行動する事をだ。
其のように本日まで少なくとも
何らかの経験を経て成長した事をだ。

例えば目が覚めても隣に誰も居ないと嘆く彼女に
当たり前の事は無いのだと説くのが妥当か?
布団が在る事に感謝せよと諭すのが正解か?
彼女の隣には誰も居なくなってしまった。
要するに僕は彼女を抱いた。
当たり前に。

救われなければ祈るだろう。
当たり前だ。
33名無しさんの初恋:2006/01/05(木) 02:37:40 ID:RlKamH2Y
ただ俺はその出来事のお陰で少し大人になれたと思う
積極的から消極的に恋愛スタイルは変わっちまったが…リアルの女にゃ言って良いこと悪いこと…
それが学べた気がする
そんな気がしたんだ…ほんのちょっとな…
34ウタ ◆uA0YgGAIyo :2006/01/05(木) 02:39:02 ID:oq+mCNGz
人生にチャンスボールが3球在るとしたら
まずバットを振るべきだとは友の教えだが
恐らく僕は2球を既に見逃していた。

ああすれば良かった。
こうすれば良かった。
そう思う時ほど
其れは絶好球だったように思えて
バットを振らなかった自分を悔いるのだが
少なくとも過去に2球は絶好球が在ったし
友の教えに添うなら僕には残り1球しか無かった。
彼女は鋭敏な才能と魅力に溢れ
其れで居て愛敬が在った。
何より美人だった。

再会は偶然だった。
クレオメ・スピノウサで再会した彼女は
黒色のロングスカートとブーツを履き
当時より長く艶やかな髪を結い上げ
カシスソーダを手に座って居た。
其れが彼女で在ると理解するのに苦労はせず
僕はクレオメ・スピノウサと偶然の再会に感謝した。
彼女の席に寄り声をかけると彼女は驚いた表情を見せた。
当たり前だ。
数年振りだ。

店内は薄暗く
Linkin ParkとSUM41が交互に流れて居た。
悲嘆と歓喜が同時に訪れる事が人生には時々在る。
例えば彼女の左眼が視力を失って居た事がそうだ。
薄暗い店内から漏れる電光に照らされ
彼女の右眼は紅色で左眼は灰色だった。
35人生男子校 ◆Syyq6KO1XA :2006/01/05(木) 02:39:06 ID:S1JrXM52
>>31
未練ですか
セックスすればいまだに相手が自分の支配化にいるのだと
錯覚することは出来るね
確かに

非生産的だし、相手の品位を著しく傷つける行為ではありますが
36ウタ ◆uA0YgGAIyo :2006/01/05(木) 02:41:30 ID:oq+mCNGz
彼女と僕の関係に不自由など無かった。
彼女も僕も時間を持て余して居たし
だからこそ此のような店で再会した。

クレオメ・スピノウサは地下に在り
其れ成りに店内は清潔で簡素だ。
ダーツゲームが設置されては居るが
プレイする者など殆ど居らず
静かに曲を聴き酒を飲む。

EVANESCENCEが流れた頃に
僕はブラッディメアリーを注文し
彼女は其れを聴いて薄く笑った。
理由も目的も必要なかった。
左眼の理由を問う事もなかった。
彼女も理由を語る事はなかった。

僕と彼女の会話の大抵はくだらなく
過去を追憶するような物が大半だった。
例えば学生時代の席替えの時に
密かに友人とクジを交換して
僕は彼女の隣に座った。
其のような若さ故の暴露話と言った具合だ。

当時の僕は彼女の左側の席に座って居た。
窓際から3番目と4番目の席だ。
当時の僕等が一番よく話したのは
深夜番組と音楽雑誌に関してだった。
37人生男子校 ◆Syyq6KO1XA :2006/01/05(木) 02:43:27 ID:S1JrXM52
>>33
そういうのはあるかもね。
相手のことを傷つけたことと、相手との関係を失ったことは
消えない傷だと思うが、後悔しながらもそれを無駄にしない
ように生きていってくれ
ノシ
38ウタ ◆uA0YgGAIyo :2006/01/05(木) 02:43:28 ID:oq+mCNGz
JIMI HENDRIXが好きだった。
僕は確かそうだった。
彼女はどうだったか。
NIRVANAが好きだった。
僕のブラッディメアリーに
こっそりと唇を付けると
彼女は薄く舌を出し笑った。

彼女がNIRVANAを好んだのは
其の繊細で鋭敏で大胆な楽曲以上に
其れ等に含有されたドラマでは無かったか。

当時の僕は彼女の左側の席に座って居た。
現在の僕は彼女の右側の席に座って居る。
彼女は4杯目のカシスソーダを飲み干し
其れからこう言った。

今の私には昔の君が見えないわね。
だって私の左眼は見えないのだもの。
こうして君を眺める事が出来るのは
私の残した右眼のお陰ね。

其の声は実に空虚な響きで
彼女は僕に言ったのだけれど
恐らく僕に言った訳では無かった。

朝ね。
目覚めても誰も居ないのよ。
仮に隣で誰かが寝てるとしてもよ。
私の左側には何時も誰も居ないのよ。
尤もそんな相手は居ないのだけどね。
彼女は笑って言った。
39ウタ ◆uA0YgGAIyo :2006/01/05(木) 02:46:03 ID:oq+mCNGz
黒色のスカートの上から
彼女の白い肌の線をなぞり
脚に触れ
腰に触れ
腕に触れ
肩に触れ
首に触れた。

首筋から耳朶に指先を伸ばすと
彼女は柔らかく拒むように
右肩を上げ
眼を閉じた。

唇に触れると
やがて歯に触れ
そして舌に触れた。

彼女は僕の指を淡く愛撫し
僕は其の様子を遠く眺めた。
其の間、僕等は衣服も脱がず
延々と遊戯する子供のように
只、そうして居た。

唇付けるとカシスの味がした。
音は無く
温度も湿度も無い。
薄明かりの中で僕等は只、そうした。

彼女の右眼は紅色く
ひたすらに僕を眺めた。
彼女の左眼は灰色く
ひたすらに僕を逃した。
40人生男子校 ◆Syyq6KO1XA :2006/01/05(木) 02:46:55 ID:S1JrXM52
それ、何てエロゲー?

・・とか言ってみるが、実話だったりもするのかな。
41名無しさんの初恋:2006/01/05(木) 02:47:24 ID:vqlUFKWV
>>118
同じタイトルの別の曲はわりと聞くぞ
42名無しさんの初恋:2006/01/05(木) 02:48:04 ID:vqlUFKWV
誤爆だあよ
43ウタ ◆uA0YgGAIyo :2006/01/05(木) 02:48:12 ID:oq+mCNGz
彼女の上着のボタンを
ゆっくりと3つ外すと
彼女の下着が見えた。
彼女の首筋に唇付けし
肩口へと舌を這わせた。

白く細い肩肌が現れると
上着の袖を更に下ろした。
彼女の左腕に花弁。

彼女の左腕には花のタトゥが在った。
アイリスなのと彼女は小さく言った。
僕はアイリスに唇付けた。
人は時に酷く愚かだ。

女性が花弁や時間に
何らかを重ねたがる事を
僕は知らない訳では無かった。

僕はアイリスに唇付けた。
其れだけの事だった。

彼女は僕に触れ
更に僕に触れた。
僕も彼女に触れ
更に奥に触れた。
撫で
舐め
噛むように
食むように
そうして僕等は濡れた。
44ウタ ◆uA0YgGAIyo :2006/01/05(木) 02:50:27 ID:oq+mCNGz
僕は彼女の中で果てた。
そうして彼女の左側で眠った。
全ては当たり前の事で在るべきで
人生における3球のチャンスボールが
僕には残り1球で在ったというならば
最善の行動で在った筈だった。

目覚めると彼女の姿は既に無く
テーブルには手紙と金銭が置かれて居た。
僕は煙草に火を付けると其れ等を手に取った。
アナスイの香りがした。

彼女は右眼で何を観て
また左眼で何を観てた。
目覚めても誰も居ないと嘆いた彼女は
左眼に映る僕をどう眺めたのだろうか。

アイリス。
何もかもを当たり前だと信じる事が
悪い訳では無いだろう。
大半の事象が其の上に成り立ってる。

心臓の鼓動や血液の流動や
心身の健康や日常の往行が
其の上に成り立ってる。
其れが健全だ。
45ウタ ◆uA0YgGAIyo :2006/01/05(木) 02:51:34 ID:oq+mCNGz
当たり前が当たり前では無くなったら?
僕は祈るだろう。
僕は彼女を祈るだろう。
何らかの救いを祈るだろう。

だけれど其れ以前から
彼女は延々と祈ってた。
誰より祈ってた。

僕は煙草の火種を潰した。
薄く細い煙は上へ巡った。
僕は其の薄く細く巡る白い煙へ
せめてもう少しだけ消えないでくれと
酷く愚かな祈りを繰り返すだけだった。
46名無しさんの初恋:2006/01/05(木) 02:53:09 ID:isArM7v3
( ゚д゚)ポカーン
47人生男子校 ◆Syyq6KO1XA :2006/01/05(木) 02:59:01 ID:S1JrXM52
それは後悔した話?

祈っていた彼女を救えなかったことを後悔しているのだろうか
いつも隣にいることで
48名無しさんの初恋:2006/01/05(木) 03:01:09 ID:isArM7v3
いや、むしろコレはエロゲ……



。・゚・(ノД`)・゚・。
49名無しさんの初恋:2006/01/05(木) 03:03:11 ID:vqlUFKWV
最近のエロゲはこんな感じなの?
こんなんで勃つの?
50人生男子校 ◆Syyq6KO1XA :2006/01/05(木) 03:09:09 ID:S1JrXM52
勃起はしなかったな
51名無しさんの初恋:2006/01/05(木) 03:12:21 ID:JFLC1jwZ
人生とはバッドエンドしかないエロゲである
52名無しさんの初恋:2006/01/05(木) 03:12:27 ID:czTa4qEk
「そこへマジレンジャーが」まで読んだ
53ウタ ◆uA0YgGAIyo :2006/01/05(木) 03:12:56 ID:oq+mCNGz
要するに
失敗の理由を探して居た。

何が正解で
何が不正解だったのか
知りたかった。

何を言えば君は消えなかったのか。
何を成せば君は消えなかったのか。

テーブルに残された
手紙やら金銭やら記憶やら
アナスイの香りやら
其れ等だけが何時まで経っても消えやしない。

過去に戻って遣り直したいだなんて
言える程の子供では無かった。
全部を認めて突き進みたいだなんて
言える程の大人でも無かった。

穏やかに歪むならば
緩やかに狂うならば
其れだって構わない。
只、せめて。

そうして僕等は、失敗の理由ばかり求めた。
54ウタ ◆uA0YgGAIyo :2006/01/05(木) 03:16:25 ID:oq+mCNGz
僕は友人の部屋に通った。
階段の前には何時もミズキという子が居た。
その内に其処で僕等は互いに腰を下ろして
意味も無く会話をするように成った。

ミズキは通りを通る野良犬を待って居るだけだし
僕は友人の部屋に行く途中なだけだった。
別段、其れだけだった。
友人の部屋から漏れる音楽に合わせては
僕等は何となく宛もなくウタを唄った。

野良犬は現れなかった。
彼女の行方は解らなかった。

其の日
ミズキは階段の途中に腰を下ろし
薄くて黒い表紙の本を読んで居た。
よく晴れた少し風の在る午後だった。

歩きながら其の姿を確認すると
僕はミズキの座る3段ほど下に
何となく腰を下ろした。
豪朱の部屋からはPachelbelが流れて居た。
ミズキは何も言わなかった。
僕も何も言わなかった。

この街には古い塔があった。
変わらず遠くに塔は見えて居た。
最後に塔に登ったのは何時だったか。
55ウタ ◆uA0YgGAIyo :2006/01/05(木) 03:17:55 ID:oq+mCNGz
恐らく15歳の頃だった。
あれは春の終わりだった。
蒲公英が枯れて居たから
確か其の筈だ。

僕等は学校の美術の授業の一環で
原始林までスケッチする為に歩いた。
其処には、木や、池や、塔が在った。

僕等は各自に自由な場所を選び
其処でスケッチブックを広げた。

其処には彼女も居た。
彼女は野原の中に座り
草と花を丁寧に描いた。

僕は池の辺に座り
皆に知られぬように
野原や彼女を熱心に描いた。

何度描いても上手く行かない部分が在り
僕は其処ばかり何度も消しゴムで消した。
何度も消しては描いて、描いては消した。
其の部分だけ紙が破れて描けなくなった。
其れでも描いた。

やがて休憩時間になり
僕は友人と弁当を食べた。
食べ終わると塔に登った。
よく晴れた少し風の在る午後だった。
56ウタ ◆uA0YgGAIyo :2006/01/05(木) 03:18:51 ID:oq+mCNGz
此処からは全てが眺められるのに
僕は其れを絵の中に収める事さえ出来なかった。
僕等には何度描いても上手く行かない部分が在り
何度も消しては描いて
何度も描いては消した。
そうして紙が破れても、諦め切れずに描き続けた。

結局
僕が描き上げたのは
単なる野原の風景だった。
破れた部分は野原の色に塗られた。
其れだけの絵だった。

やがて絵は教室に張られた。
級友達の晴れ晴れとした絵の中で
僕の破れた部分だけが実に惨めだった。

彼女の絵が在った。
彼女の絵は一面の野原で
其の真ん中に一輪の花が咲いてた。
僕は其れを眺めた。

やがて絵は僕等に返された。
僕は絵を丸めると鞄に閉まった。
もう惨めな気分に成りたく無かった。

其の日の放課後は掃除の当番だった。
最後の点検が終わり級友達は帰った。
誰も居なくなった教室で
僕は鞄から絵を取り出し
最後に少しだけ眺めて
僕の絵を破ろうとした。
57ウタ ◆uA0YgGAIyo :2006/01/05(木) 03:22:24 ID:oq+mCNGz
不意に声がした。
彼女の声だった。
教室に彼女が居た。
放課後では在るけれど
此処は僕等の教室なのだから
別に不思議な事では無かった。
だけれどあまり良い場面では無かった。

僕は再び絵を丸めようとした。
すると彼女は僕にこう言った。
絵を見せて。

僕は絵を見せた。
とても惨めだったけれど
本当は彼女に見せたかった絵だった。

僕は僕の絵を広げ
彼女は僕の絵を眺めた。
放課後の教室はとても静かで
遠くから部活動の笛の音が聴こえた。

彼女は何も言わずに僕の絵を撫でた。
彼女は僕の絵の破れた部分を撫でた。
58人生男子校 ◆Syyq6KO1XA :2006/01/05(木) 03:23:25 ID:S1JrXM52
BUMPの歌詞みたいだな
59ウタ ◆uA0YgGAIyo :2006/01/05(木) 03:24:04 ID:oq+mCNGz
どうしても描きたい風景が在って
だから何度も描いては消したんだ。
やがて紙は破れて描けなくなったけど
どうしても僕は其の風景を描きたかった。
だけど破れてしまった其の部分には
僕は色を塗るしか無かったんだ。

そう言うと僕は何となく笑った。
僕は何となく笑うしか無かった。
彼女は何も言わなかった。

彼女は彼女の鞄の中から
丸めた彼女の絵を取り出すと
其の絵を僕の絵の横に広げた。

野原に咲く一輪の花。
其れは僕が何度も見た絵だった。
一輪の花の色が焼き付くような
本当に、綺麗な絵だった。

遠くから笛の音が響いて居た。
僕等は机を挟んで相対し
互いに何も言わなかった。

彼女は彼女の絵を手に取ると
実に静かに其れを破り始めた。
絵を破る音は教室に響いた。
60ウタ ◆uA0YgGAIyo :2006/01/05(木) 03:24:57 ID:oq+mCNGz
円を描くように破られた彼女の絵を
彼女は僕の絵の破れた部分に乗せた。

一輪の花。

彼女は僕を見ると
少しだけ微笑んだ。
僕等は何も言わなかった。
只、其の新しく生まれた絵を眺めた。

素敵な場所ね。
彼女は言った。
一度行ってみたい。
彼女はそう言った。

彼女は新しく生まれた
僕と彼女の絵を丸めると
静かに其れを僕に手渡した。

何時か行こうよ。
受け取りながら僕は言った。
何処かに在るよ。
そう信じては疑わなかった。

やはり彼女は何も言わず
本当に少しだけ微笑んだ。
61名無しさんの初恋:2006/01/05(木) 03:27:39 ID:isArM7v3
くだらない唄とベストピクチャーみたいな感じがする
62ウタ ◆uA0YgGAIyo :2006/01/05(木) 03:33:37 ID:oq+mCNGz
背後からミズキの声がした。
先程の本を読み終えたようだった。
僕はポケットから煙草を取り出した。
ミズキが退屈そうに大きな欠伸をした。
僕は笑った。
よく晴れた少し風の在る午後だった。

様々な約束が果たされぬ侭だった。
様々な欲求が満たされぬ侭だった。
様々な理由が告げられぬ侭だった。

穏やかに歪むならば
緩やかに狂うならば
其れだって構わない。
只、せめて。
そうして僕等は、失敗の理由ばかり求めた。

退屈そうにミズキが言った。

「全部何処かで繋がってるんだって」
「何の話」
「さっき読んだ本に書いて在った話」
「へぇ」

友人の部屋からはPachelbelが流れて居た。
季節はまだ夏だった。
僕等は綿毛の代わりにシャボン玉を飛ばした。
友人の部屋の洗剤は水っぽくて駄目だ。

よく晴れた少し風の在る午後だった。
63人生男子校 ◆Syyq6KO1XA :2006/01/05(木) 03:37:56 ID:S1JrXM52
村上春樹風味か
64名無しさんの初恋:2006/01/05(木) 03:47:16 ID:Vs1FvgC+
ごめんなさい
65名無しさんの初恋:2006/01/05(木) 03:52:32 ID:ecIxDknH
スレ主に乙
66人生男子校 ◆Syyq6KO1XA :2006/01/05(木) 03:57:45 ID:S1JrXM52
>>65
大したことはしていない
67名無しさんの初恋:2006/01/05(木) 03:59:10 ID:JFLC1jwZ
もっと読む気の起きるようなの書けよ。
68名無しさんの初恋:2006/01/05(木) 10:32:11 ID:JRF9e4Yx
短編だっつってんのにwww
ごめんスレ主ここダメだわ
69名無しさんの初恋:2006/01/05(木) 11:34:40 ID:RlKamH2Y
短編でもこれぐらいの長さのは時々見かけるな
ただそれとこれの違いは読む気になるからならないから
これはぶっちゃけ読む気にならん
70人生男子校 ◆Syyq6KO1XA :2006/01/05(木) 23:44:04 ID:v8qIoop2
空気のように手放してはいけないものを手放してしまいましたが、
今はすっかりエラ呼吸できるようになりました。
71名無しさんの初恋:2006/01/06(金) 00:07:07 ID:0E9UgKnT
その日もいつもと同じ、普段通りの授業になるはずだった。
だが、そうはならなかった
その日が四月一日であったばっかりに…。
そして、軽い気持ちでエイプリルフールというどうしようもないイベントに乗じてしまった俺がいたばっかりに。

せっかくのエイプリルフールだ、軽い嘘でもついてやろう。
なんでもないことで盛り上がるいつものように、今日もこれをネタにクラスが沸くに違いない。
俺はそう思ってクラスの女の子に嘘をついた。
72:2006/01/06(金) 00:19:01 ID:lk5eAvNi
指先をまるめ、ポケットに突っ込む
カラカラした紅葉を踏む音が心地よく響き、私は口元を緩める。
あと10秒足らずで、その笑みがコンクリートによって打ち砕かれるとは
思いもしなかった。
73名無しさんの初恋:2006/01/06(金) 01:37:43 ID:zADY1t2i
生まれてきてごめんなさい
74名無しさんの初恋:2006/01/06(金) 02:27:46 ID:x/V4DdJB
高校2年の秋のことだったか。
昼の授業も全て終えて校舎を出ると、土砂降りの雨だった。
傘を持っていなかったので止むまで待つことにしたのであるが、
何時まで待っても止む気配がなかったので、しょうがなく雨に濡れながら
駅に向かって歩いていると、後ろから同じクラスの女生徒がやってきて、
彼女の傘に入れてくれた。
その子はそこそこ可愛くおれも好意は持っていたので、嬉しかった。
高校から駅までは約10分ほど歩くのだが、雨で足元が悪いためその日は15分ほど
二人一つの傘の中にいたのであるのだが、その間俺は何を話したのかといえば、
勉強のこと、学校の授業のことやら先生やらの話ばかりをおれがほとんど一方的に
話していたのであった。愚かなことに。
あまりにも恋愛にたいして臆病であり、また無頓着でもあったといえばよいの
であろうか、まったくどういうことを話せば女子が喜ぶのか皆目見当も付かなかった
のであるから、当然の結果であると言ってしまえばそれまでなのだが。
もちろん、彼女とおれとはその後何の発展もなく、卒業を迎えたわけであるが、
もしあのときにおれがもっと気の利いた話をしていたとしたのなら、
果たしておれと彼女は付き合ったのであろうか。
そのことを今でもときたまに悔いることがある。
75名無しさんの初恋:2006/01/06(金) 02:32:50 ID:Hifi6Uo4
>>74
特に無かったと思う
76名無しさんの初恋
199○年12月27日
明日で仕事納め。同僚との話に花が咲き、つい言ってしまった。
好きなタイプはメガネかけてて真っ赤な口紅をして少しあからめた
ほおでミニスカで俺を誘惑しちゃう子がタイプだなと。
そんなやついないよとか変態だとか散々言われた。
次の日、驚くべく光景に目を疑った。
女子社員のひとりがメガネをし、はやらない真っ赤な口紅に
あからめたほおをし、ミニスカで俺におはようございますと…
周りの社員はみんな気付いていた。俺はどうしていいか
わからなかった。

あの日、俺が素直でいれば君はまだひとりではなかっただろうに…