1 :
名無しさんの初恋:
【1人目】先輩の妹、芸人志望
↓
【2人目】友達の彼女の姉、リストカッター
↓
【3人目】俺の高校の教師
↓
【3,5人目】憧れの人の彼女、ピザ
↓
【4人目】サークルの先輩
↓
【5人目】友達の友達の看護婦 ←いまここ
2 :
名無しさんの初恋:2005/11/04(金) 11:53:36 ID:Oe/jY4IC
2ゲト
【4人目】サークルの先輩
半人前という事実
4 :
名無しさんの初恋:2005/11/04(金) 12:08:41 ID:BhXznD86
ピザと交際した経験がある事実
5 :
ちー坊 ◆FYVS.AG0OI :2005/11/04(金) 12:23:49 ID:X+g2q98/
【5人目】友達の友達の看護婦とコスプレでエチしてる事実
6 :
1:2005/11/04(金) 12:41:04 ID:TxkS7oyB
>>4 ピザだが顔は綺麗だ。昔は痩せていた。
>>5 3人目とアンナミラーズならやったが。
一人目から語るかな。一人目の話は一番薄いな。
中学校のときの部活の先輩の妹で、先輩から話を聞いてた。
(妹がお前と志望校同じだとかなんとか。)
んで、実際に俺の一個下なんだがまぁ同じ高校に通うことに。
先輩がらみの話で妹とその友達と俺と俺の友達数人がつるむようになり、
それで俺はその妹の友達が好きだった。
その友達の子に告白したが普通に惨敗。
そのとき相談相手だった妹から告られた。
顔は実際そんなに可愛くないんだがそいつはすげー面白くて気のきいたことが言える奴だったから、
中学校時代にはそいつのファンクラブまであったぐらいで、
ほどなく俺はそいつの話術にはまってしまった。
7 :
ちー坊 ◆FYVS.AG0OI :2005/11/04(金) 12:53:00 ID:X+g2q98/
もうどうでもいい事実
9 :
1:2005/11/04(金) 13:04:10 ID:TxkS7oyB
続き
それが俺の人生初の青春になるわけだが。
二人で近所の川原で寝そべったり、雑貨屋に行ったり月並みな付き合いだったが、
ただ一つ月並みではないことがあった。
そいつは毎日、他の男とメールをしていた。
別に男と話そうがメールしようがどうでもいいんだ。
だが、俺とのデートの最中だろうがおかまいなしにそいつとメールをする。
「彼氏いるってメールしろよ」と俺が言うと、
「いやだよ、メールこなくなっちゃうよ」と彼女は言う。
果ては俺に「今日●●からこんなメール来たんだよ〜♪」と嬉しそうに報告までする始末。
確かに俺と知り合うはるか前からその男とはメル友だったんだがな。
最初は相手のことを愛していたので容認していた。いつか気づいてくれるのではと思っていた。
しかし、半年も経って同じ調子だったので、俺も「どっちと付き合っているのかはっきりしてくれ」とキレた。
そのあともちょっとズルズル続いたが、俺が無理だったので別れた。
一人目終わり。
10 :
1:2005/11/04(金) 13:06:32 ID:TxkS7oyB
>>8 どうでもいいかもしれんが「俺の屍を超えてゆけ」としか言いようがない。
11 :
1:2005/11/04(金) 14:10:02 ID:TxkS7oyB
二人目
一人目と別れた俺はちょっとというかかなり鬱状態になっていた。
俺に彼女がいないと知っていた友達の彼女が俺に「お姉ちゃんと会ってみてよ」と言ってきたので
会ってみることにする。
俺と、俺の友達、その彼女、その姉で遊ぶことに。
正直、その彼女がちょっとかわいかったので期待していた。が、予想の斜め上的に裏切られてしまった。
友達の彼女には似ている。がしかし、決定的に可愛くない・・・。
しかしそんなことお構いなしに向こうに気に入られてしまった様子の俺。
カラオケで俺が歌うと異様にべた褒めされる。悪くない気分にさせられてしまう。
カラオケが終わった後解散、二人きりに。夕食をおごってもらいメールアドレス交換。
しばらくメールが続くわけだが・・・
12 :
ジョジョ:2005/11/04(金) 14:15:59 ID:r+6u0H0n
まぁあれだ…早い話が逝って吉幾憎www
13 :
1:2005/11/04(金) 14:27:18 ID:TxkS7oyB
自分語りする男性は好まれませんよ、っと( ´ー`)
15 :
1:2005/11/04(金) 15:32:09 ID:/Hmkx+nt
>>14 俺は失敗談を吐き出したいだけだ
まぁスレ立てた以上何言われようがまったり書ききりますよ
なんだこのクソスレ
17 :
1:2005/11/04(金) 17:30:18 ID:TxkS7oyB
続き
相手は社会人だから全部おごってくれるってのと、
俺も寂しいってのでメールとか会ったりとか続いた。
そのうち相手がメンヘラーでリストカッターだということが判明。俺もメンヘルだけど。
そのことを知っていた友達はそいつの彼女に「紹介すんな」と言っていたことも判明。
なんだかんだ言って相手の家が居心地よかった。(彼女の母親がすげーいい人で。)
それでなんとなく一緒にいる時間が多くなり、なんとなく付き合うことに。
本当にただなんとなくいるだけで非常に微妙だった。
寂しいから付き合ってるだけだし、お互いに鬱を増幅させあっているのもわかっていた。
二人目おわり
おい、こんなナルシスチックなスレ立てたら、どうなるかわかってんだろうな。
あとでまたくっからよ。覚えとけよ。このクズ野郎が。
19 :
ジョジョ:2005/11/04(金) 20:53:03 ID:r+6u0H0n
たれか削除依頼キボン
まぁ待て。化けるかも知れんw
知れないかも知れん。何がいいたいのかっていうと
まずは続きを見ようって事だ
21 :
ジョジョ:2005/11/04(金) 23:34:54 ID:r+6u0H0n
>>20 …了解だぃ。まぁすぐにネタ切れだろうけどな( ´Ш`)www
22 :
1:2005/11/05(土) 08:08:58 ID:xB3xqvZt
三人目 高校教師の話
二人目と付き合っている最中、まぁ俺にはお気に入りの先生がいて、
担任でもないのに進路の相談とかをしていた。
彼女はみんなに勉強も楽しんでやるべきだと教えていたので、
割と生徒に人気があった。
俺と趣味も合うし、一緒にいてすごく面白い。
けどそういう対象ではないと思っていた。
俺が無事に志望校に合格した時、合格祝いでどっか遊びに行こうという話になった。
もちろん俺と先生だけじゃなくて、先生を慕っていた複数人で、だ。
23 :
1:2005/11/05(土) 19:32:13 ID:xB3xqvZt
遊びに行くことになっていた当日の朝がきた。
俺の家が先生の家から一番近かったので、俺が最初に先生の車に乗った。
次の奴の家に行き、そいつを呼ぶために電話をする。
つながらない。
「寝てますね」「うん、寝てる」
そいつは遅刻魔なので俺と先生の意見は一緒だった。
とりあえず後回しにしてもう一人の家に。
また寝ているといけないので起きてるか確認するために電話をする。
「あ、ごめん、日付間違っててバイト入ってた」
グダグダだ。
「とりあえずまた今度にします?」
「いや、せっかくだし遊ぶ。」
彼女の提案で二人きりでドライブをすることになる。
その時点ではその後のことなんて予想するすべもなかった。
24 :
1:2005/11/05(土) 20:10:14 ID:xB3xqvZt
とりあえずノリで近所の自殺の名所に行くことになった。
晴れた日曜日、そこは観光客でごった返し…てはいないがそれなりに人はいた。
断崖の絶壁の上に立つ。遊覧船が見える。
「北朝鮮に拉致される!」
彼女は遊覧船を指差した。
「先生…アホなこと言わないで下さい。」
この人がこんなことを言うとは思っていなかった。
いつも面白い人だったが、どちらかというと知的なイメージしかなかったので意外だった。
そして俺は何故か少し嬉しかった。
「よし、拉致されに行くぞ」
「先生のおごりでなら」
俺と先生は遊覧船に乗った。
頑張ってるな。何気におもしろいぞ
>>1w
いいじゃないかーっ俺は見てるぞーっ
26 :
ジョジョ:2005/11/05(土) 22:22:01 ID:kwLLCWmb
確かに少し面白い…。はやく次をうp汁!
27 :
1:2005/11/06(日) 08:18:28 ID:dKyUQSiD
遊覧船に乗る。
「これ…思ったより揺れるね…」
うつむき加減で先生が言う。
確かに船ってこんなに揺れるのかってぐらい揺れていた。
「そうですか?俺は結構楽しいですけど」
そう言う俺も正直少し怖かった。
大きな波にぶつかったのか船は大きく揺れた。
「きゃっ」
小さな悲鳴。
彼女の手が俺の胴にまわる。
しがみつかれてしまった。
この瞬間に気づいてしまったことがある。
「彼女はすごく可愛い」
気づいた瞬間から心臓がばくばくと高鳴った。
もう揺れて怖いとか、船頭のトークとか、なにもかもどうでもよくなってしまった。
依然として彼女は俺にしがみついたまま。
その日の俺は世界一挙動不審だったと思う。
(まだまだ続く
28 :
1:2005/11/06(日) 11:23:21 ID:dKyUQSiD
自殺の名所を後にした俺たち。
恥ずかしいので運転する彼女の横顔はなるべく見ないようにした。
道端に何故かコンビニサイズの100万ボルト(電気屋)を発見する。
俺がなんとなく言った「これは500ボルトだろ」発言が彼女にツボる。
笑いころげる彼女。
か わ い い ん で す が
俺は狂ったようにひたすら「この人は俺の先生なんだ」と心で繰り返した。
俺は平常心を取り戻そうとして笑いころげている彼女に違う話題を振る。
そのまま続けろ。
30 :
1:2005/11/06(日) 16:52:56 ID:dKyUQSiD
「ところで先生って普通休みの日は何してるんすか?」
俺は話題をそらそうと必死でこの質問がさらなる墓穴を掘るなんて考える暇もなかった。
「普通にゲームしてるって、知ってんでしょ」
確かに彼女はゲーマーということをみんなに公表していた。
周知の事実を聞いてしまった。彼女が訝しげな表情をする。
「あっ…じゃあっ、どんなジャンル?」
俺はいっぱいいっぱいになりながら言った。
「RPG専門。」
「じゃあFFとかドラクエですか?」
話題がつながり心底ほっとする俺。
「うん、どっちも好きだけど一番好きなのは結構マイナーだから知らないかもね」
「えー、教えて下さいよ!」
今思うとここで問い詰めなければ、運命は変わっていたのかもしれない。
「ロマサガって知ってる?」
な に を す る き さ ま (以下略
「つーか知ってるもなにも俺も大好きですよ!」
「うそっ!マジで!久しぶりに語れる奴に出会ったかも!」
不本意ながらまた彼女を笑顔にさせてしまった。
話も積もり、あっという間に時間は過ぎた。
31 :
1:2005/11/06(日) 19:38:07 ID:dKyUQSiD
二人きりでのデートの後、しきり直しでみんなで遊んだが、俺は彼女と距離を置いていた。
俺は、報われないのを知っていたから。
これは許されない想いだと知っていたから。
春になった。
俺は高校を卒業し、地元を、彼女の元を離れた。
これだけならありふれた思い出話だが、偶然は話を終わらせてはいなかった。
おおっとw
まったりと・・・だがいいぞおもしろいっw
良スレだと思うがなぁ
33 :
ジョジョ:2005/11/06(日) 21:32:49 ID:2RDb3EdQ
ageてく?sageてく?
34 :
【出目金】:2005/11/06(日) 21:56:45 ID:xt8iNE04
まだ今はsageていこう。様子見で
また出た出目金・・・orz
36 :
1:2005/11/06(日) 22:29:13 ID:dKyUQSiD
春になり俺は第一志望の大学に入学した。
ありがちだが、一年次ではほとんど専門の勉強などなく、
ごくたまにある実習も思い描いていたものとは遠くかけ離れていた。
はっきり言って俺は日々を無為に過ごしていた。
なんとなくサークルに入り、
なんとなく二人目とは(会うことはなくなったが)続いていて、
なんとなく勉強もおろそかで。
少しずつ、将来の夢に疑問を持ち始めるようにもなって。
そんな中、入部したサークルの新入生歓迎会で、繁華街に行く機会があった。
適当に集合すれば良かったので、俺は一足先に街へ行き、この辺の地理により明るくなっておこうと考えた。
37 :
1:2005/11/07(月) 00:24:36 ID:Fo0X4d/t
異郷の地を、大学の友達が書いた適当な地図を片手にさまよう。
心なしか足取りもぎこちない。
俺はふと、繁華街に一人で来るのが初めてだったことを思い出した。
ある意味でノスタルジックな気分に浸っていると、とてつもない違和感に襲われた。
見知らぬ街に、よく見知った後ろ姿を見つけた。
「こんな所にいるわけがない」という疑問よりも早く、体が動く。
追いついた後ろ姿に息も絶え絶えに声をかける。
「せ…っ…、先生…っ?」
38 :
1:2005/11/07(月) 08:46:58 ID:Fo0X4d/t
何千回、何万回ってぐらい見た後ろ姿。
やっぱり人違いじゃなかった。
「おー、会えた会えた。」
振り向いた瞬間はきょとんとしていた彼女の表情が、今は満面の笑みになっている。
「なんでこんなとこにいるんですか?」
「メール見なかったの?ホットメール、あの、ホームページにあったアドレス。」
そういえば昔内輪ネタのホームページを作って彼女に見せたことがあった。
「えー、最近パソコン触ってなくて、ホームページも放置だし…」
「そうそう、私はかなり面白かったから更新されないかなーって何度も見てた。」
ちょっとだけ、膨れつらになった彼女に俺はごめんなさい、と言い、待っててくれてありがとう、と思った。
39 :
1:2005/11/07(月) 13:08:28 ID:ELitnsGO
「メール見てないんかぁー、よく出会えたね私ら。」
「本当にすいませんってば・・・」
奇跡のようだ。奇跡・・・
偶然は俺に何をさせようとしているんだろうか。
どうしてた、元気だった、そっちはどう、なんて他愛ない世間話をしながら考えた。
俺は自分から彼女に連絡する手段をもっていなかった。
ホットメールも期限切れで削除されているかもしれない。
俺は決意した。自分の気持ちに嘘はつかないと。
「先生、いつまでこっちにいます?」
40 :
1:2005/11/07(月) 15:11:20 ID:ELitnsGO
「今日だけで仕事終わったからさ、明日観光して明後日の夕方帰ろうかって思ってた。」
今日は金曜日。今日の新入生歓迎会が終われば明日も明後日も俺は暇だ。
言わなきゃいけない。彼女とつながっているための口実を。
「おっ・・・俺でよかったら明日案内させてください・・・!って、俺もこの辺あんまりわかってないけど!」
彼女からの返答は意外なものだった。
「うん、もちろん、ていうか明日暇なら遊びたかったし。メールで連絡とれてたらの話だけど。」
俺 と 会 う の も 予 定 の う ち だ っ て ! ?
離れてても彼女が俺のことを考えてくれていたのが、すごく嬉しかった。
たとえそれが友情に近いものだったとしても。
多分そのときの俺は赤面して、またもや挙動不審だったと思う。
41 :
1:2005/11/07(月) 15:13:35 ID:ELitnsGO
しばらくまた他愛のない話をした後、彼女が切り出した。
「立ち話もなんだし、今からコーヒーでも飲もうか?」
残念ながらその誘いには乗れなかった。
「俺、これからサークルの新入生歓迎会があるんです・・・先生とはもっと話したいけど。」
「いいよいいよ、じゃあ明日、ね。」
ダラダラと過ごしてきた昨日までが嘘みたいだ。
そうだ、世界は美しいのだ!と叫びださんばかりに俺は有頂天だった。
「あ、これ私の番号とアドレス。パソコンのほうのメールにも書いたけど、見てないんでしょ?」
彼女の携帯電話の番号とアドレス・・・
彼女は俺に携帯を渡す。俺の手は嬉しさとなにかよくわからない感情のせいで震えていた。
ふいに手をすべらせて彼女の携帯を落としてしまう。
「わわっ、すいません、本当にごめんなさいっ!」
俺の手が地面の彼女の携帯を拾おうとする。
彼女の手もそれを拾おうとする。
俺の手が彼女の手に触れる。
そのまま彼女は携帯を拾う。
「いいのいいの、もうこれ古いし傷だらけだし。そんなことより早く登録しなさい。」
大好きな人の笑顔が俺を見つめる。彼女は俺の手から手を離す。
当たり前のように、俺の心臓は早く、強く脈打っていた。
俺の気持ちなんてもうバレバレだ。
彼女が俺のことどう思ってるか知らないのに、あんなに舞い上がって・・・
俺は・・・俺は・・・どうしたい・・・?・・・ああもう、頭の中グルグルだ・・・
もう一生会えないかもしれないと思っていた彼女に会えてすごく嬉しかった。
その反面、彼女の一挙一動に反応し、赤面する俺自身をふがいなく思い、複雑な気持ちだった。
42 :
1:2005/11/07(月) 18:34:59 ID:Fo0X4d/t
彼女と別れ、新入生歓迎会も終わった後、俺はメールを二通送った。
一通は、俺の想い人に。
もう一通は、そのとき付き合っていた(二人目の)彼女に。
連絡
彼女彼女書いてると誰が誰かわかんなくなってくるのでテキトーに名前つけることにします。
俺:下村春樹
2番目の彼女:綾香
先生:すみれ
俺だけ名字あるのはすみれさんが途中まで名字で呼んでたからです。
それではこれでよろしくお願いしま。
おまい本当読ませるな・・・・
今ならageでも某スレのようにイケルかも知れないぞ。
だが・・・俺にageる勇気はない。すまんorz
ここは良スレになった事は確かだな。おまいはすごい奴だ
45 :
決別と謝罪:2005/11/07(月) 21:36:51 ID:Fo0X4d/t
綾香へのメールを送る前、俺は悩んでいた。
そのメールの内容はこうだ。
「あやかさんへ。俺はあなたと別れたいと思います。
俺は、本当はあやかさんのこと好きじゃありませんでした。
なんで付き合ったかと言われたら、俺もあなたも可哀想だったから、です。
俺には今日、好きな人ができました。まだまだ相手の気持ちなんてわからないけどその人が大好きです。
だからこんな気持ちであなたと付き合い続けるのはあなたに失礼だと思うから…
今まで本当にありがとう、そして本当にごめん。さよなら。」
彼女は鬱病だった。
こんなメールを送れば何を言い出すかわからない。
もしかしたら彼女の腕にある傷が、また増えるかもしれない。
それでも俺は言わなきゃいけない。
たとえ身勝手だとしても。
綾香が俺を罵倒してもかまわない。
俺は「好きじゃないのに付き合う」という過ちを犯した。そのことへの報いは受けるべきだと思っている。
けれど彼女の場合、傷つける対象が彼女自身になってしまう。
そこまで悩んで、文の最後に、
「このことで自分を傷つけるぐらいなら、どうか俺に怒りをぶつけて欲しい。」
と付け足し、俺は送信ボタンを押した。
46 :
ジョジョ:2005/11/07(月) 22:14:08 ID:5Xr8/Is/
なんてこった!続きが気になりすぎるぜ…。超良スレ(・∀・)
アパートについてすぐ、二通のメールを送る前に、俺は先生が言っていたメールを見るべく、パソコンをつけた。
正直な話、1ヶ月超放置していたのでアカウントは削除されていると思っていた。
アカウントは残っていた。
「岩田より下村へ」
彼女から来たメールのタイトルをクリックする。
「下村へ。
4月の終わりに出張でそっちに行くから、
もし暇があったらいろいろ案内して欲しい。
久しぶりに遊びたいな(^O^)
あと連絡先、
〇〇〇〇〇@ezweb.ne.jp
です。
それじゃあまた。
岩田すみれ」
メールを読みながら俺はかなりにやけていたと思う。
同じ文章を何度も何度も読み返してはふふっと意味もなく笑う。
あのときの俺は完璧におかしかったと思う。
脳内麻薬というかなんというか、まぁアレ、痛い人だった。
俺と遊びたいと言ってくれたこと、
パソコンじゃなくて携帯のアドレスを教えようとしてくれてたこと、
顔文字を使ってること…
勘違いするには十分な要素だ。
俺は携帯を手にとり、昼間教えてもらった彼女のアドレスに宛て、メールを送った。
「下村です。こんばんは、もしかしたらもう寝てるかもしれないけど。
明日すげー楽しみです!」
彼女からの返事はすぐに届いた。
「おー、メール届いた(笑)
明日電話番号も教えなさい☆」
電 話 番 号 っ て 何 に つ か う つ も り
彼女のそのメールが、俺の期待に拍車をかけた。
しかし、俺は平静を装おうとした。…もうバレバレだけど。
「わかりました、ところで明日どこ集合です?
昨日会った所でいいですか?」
疲れた。
これ一通送るのに、書いては消したりを繰り返してしまう俺。
結局あたりさわりのない言葉ばかりになってしまった。
その後、時間も時間なので寝ましょうということになった。
「おやすみ〜(ρ_-)o」
彼女からのおやすみメールに俺はのた打ちまわり、とてもおやすみできる状況ではなかった。
結局眠りについたのは、のた打ちまわって疲れ果てた後だった。
50 :
名無しさんの初恋:2005/11/07(月) 23:18:15 ID:PI409cFB
ツマンネ('A`)
連絡
昔のレスが糞なレスで本当すいません。
けど俺の記憶を辿って書いてるんで記憶が鮮明なものほど多分生々しいです。
一応おっきおっきしたとかそういう表現は省いてますが真実に近づけた方がいいでしょうかね?
あと、俺パソコンも携帯も書き込みに使うんでトリつけたほうがいいですか?
それではもうしばらく、俺の懺悔(なのかよくわからんけど)を聞いてやって下さい…
けっきょくは自己満に過ぎん・・・
53 :
1:2005/11/08(火) 00:53:33 ID:852co1Lp
最初からまぁ、吐き出したいだけだと言ってます。
俺の過ちが誰かの参考になればいいな程度にしか思ってないし。
54 :
翌朝:2005/11/08(火) 09:23:16 ID:p1U/MCBK
彼女とのデートの日がやってきた。
足早に「昨日彼女とばったり出会った場所」を目指す。
余裕を見すぎて、集合時間から30分も早くついてしまった。
俺は、春の朝の空気の冷たさを感じながら彼女を待った。
15分後、彼女がやってきた。
デニムのジャケット、ピンクのタートルネックのニット、白いふわふわのロングスカート。
スカート・・・。
童顔の彼女には、その服装は似合いすぎていた。
「明日はなるべく冷静に振舞おう」なんていう決意はしょっぱなから揺らいでいた。
彼女がかわいくて。
最初のデートから彼女が見せる新しい一面。
ひょっとして「俺だけに」見せているのかもしれないが、そうじゃないのかもしれない。
「待ってた?私が待つつもりだったのに。」
彼女が笑った。
「いやいや、そんなこと先生にはさせられませんよ。
つーか俺待つの癖っていうか、好きっていうか。」
二人で笑った。
昨日、サークルの先輩にこの辺の名所と、デートスポットを聞いてきた。
ぬかりはない。今日、やるしかない。
俺は、俺を奮い立たせた。
55 :
罠:2005/11/08(火) 10:19:42 ID:p1U/MCBK
ありきたりな観光スポットも、彼女とならディズニーランドより楽しいと思える。
俺が観光スポットにいれるツッコミに彼女は本気で笑ってくれる。
彼女もたまにボケてみたりして。
彼女となら、世界のどこへ行っても退屈しない気がした。
俺は、彼女が欲しかった。
心の底から。
欲しかったけれど、手に入るものではないということもわかっていた。
ただ、俺の気持ちを知って欲しかった。
観光スポットを回りながら、最終目的地へ誘導する。
先輩に教わった、川沿いにある公園・・・カップルのだらけの場所。
俺はそこで砕け散るつもりだった。
56 :
罠:2005/11/08(火) 15:59:18 ID:p1U/MCBK
川沿いの道を歩く。しばらくすると大きな緑地と公園が見えてきた。
今日は快晴、絶好のロケーション。
「この辺で一休みしませんか?」
「賛成〜!」
丁度いいところにあるベンチに腰掛けた。彼女は背伸びをする。
「そういえばさ、私こーいうの、結構好きだよ。」
「こっ・・・こういうのって?」少し焦る俺。
「ああ、ごめん、こういう所。まったりしてて落ち着くっていうかね。」
目の前を犬とその飼い主が横切る。
彼女はうっとりとした表情でそれを眺めている。
「犬・・・ほしいんですか?」
俺の突然の質問に彼女ははっとしたようにこっちを見た。
「うん、ちょっとだけね。なにしろこの歳までひとりきりだからね。」
そういって彼女はばつが悪そうに笑った。
57 :
切り出す:2005/11/08(火) 16:12:46 ID:p1U/MCBK
「え・・・じゃあ今は誰とも付き合ってもいないんですか?」
「そうそう、毎日寂しくて寂しくて。」
なんでこんな話してんだろうね、とまた自虐的に笑う彼女。
皮肉にも彼女が寂しい生活をしていることを俺は、すごく嬉しく思った。
「今は・・・寂しいですか?」
「え、どういう意味よそれ?」
「・・・っていうか、俺と遊んでるときは寂しくないといいなって。」
言ってしまった。深読みされたら一発で終わる。
が、しかし彼女はあまり深く考えていない様子だった。
一瞬「え?」という顔をしたが、すぐに笑い出した。
「ありがとうね。うん、今は楽しいぞ。」
「そっか・・・じゃあよかったです。」
「俺がもう2度と先生に寂しい思いをさせません!」
なんてセリフも考えたが、タイミングを微妙に逃した後躊躇してしまった。
58 :
願い:2005/11/08(火) 17:31:40 ID:p1U/MCBK
そのあと、しばらく二人の間には会話はなかった。
気まずくもなく、急かすでもなく、穏やかな空気が流れる。
月並みな表現だけど、本当に「時が止まってしまえばいい」なんて思った。
彼女の横顔を見る。
ベンチの上に置かれた手。
触れたい。
時が止まるなら、彼女に触れているときに止まって欲しい。
俺は俺の欲望に素直になると決めた。多分願いは叶わないけれど。
「なんか、こんなのって恋人みたいですね。」と彼女に話しかける。
そして俺はぼそりと、聞こえるか聞こえないか判らないぐらいの小さな声でつぶやいた。
「みたい、じゃなくて本当に恋人になれたらいいのに。」
おお。いいな・・・甘酸っぱい感じだ。
で酉はつけたほうがいいかな。真実はリアルばれもあるし必要とはしないよ
脚色は物語を綴る上でありだと思ってる。
疑う奴は何をしたって疑うさw捨て置けよ1。コテもつけてくれw
一応トリつけました。
コテは…1じゃだめっすか?
あと少なくともデートの話で地元はrな地区だとバレてるかと。
今現在の話を早く書いて鬱憤をはらしたいですが
とりあえず悪ノリもしてみます。
>>60 >>53がおまいだとして・・・ではその後綴ったのは誰だ?orz
>>53は間違いなく1だろう。
ならその後は?おまいだと思っていたが・・・?
鬱憤か。悪ノリもいいがここは純情恋愛板だという事だけ忘れないでくれよw
62 :
ジョジョ:2005/11/08(火) 20:43:53 ID:10fq98f2
じゃあコテは…ハルキでよいんじゃない?
>>62 なるほど・・・いいかもしれない。しかしジョジョw
付き合いいいな。魅せられたのかな?このスレにw一緒だ俺も
彼女はまっすぐ前を見て、隣にいる俺を全く見ようとはしなかった。
二人とも言葉を発しない時間が続く。
彼女に俺の声は聞こえたのだろうか。
まっすぐ前をむいたまま、彼女は口を開いた。
「下村…目ぇつぶって。」
俺は彼女の言葉の意味わからず、しばらく戸惑っていた。
「いいから早く…私がいいって言うまで閉じてて…」
なにがどうなって彼女がそうして欲しいのかよくわからなかった。
けれど、彼女の言うとおりとりあえず目を閉じることにした。
すんません全部俺です(´д`;)
名前欄に場面のタイトルって感じで。
>>65 それは失礼した。IDが違うので邪推したよw
なら安心だ。そういう頭で読んでいたからあれ?と思ってね。
67 :
ジョジョ:2005/11/08(火) 21:06:25 ID:10fq98f2
>>63ひさびさの良スレの予感が漏れを掴んで離さないだけさ…w
最後まで付き合わせてもらうぜ!
目を閉じた。
俺の胸の鼓動と鼻息が荒くなっているのを感じる。
1人で舞い上がってすげー恥ずかしいよ、俺。と思う。
まだ…かなぁ。
俺は目を閉じている時間がすごく長く感じた。
ふいに、唇に暖かく柔らかい感触がした。
知っている感触。
これは、唇と唇が触れ合う感触…!
「もう、目、あけていいよ。」
目を開くと、少しぎこちなく笑う彼女がいた。
「ずっとこうしたかったんだ…」
うつむいて、彼女はそう言った。
69 :
ジョジョ:2005/11/08(火) 21:27:03 ID:10fq98f2
接吻キタ━━(゚∀゚)━!
70 :
ジョジョ:2005/11/08(火) 21:31:50 ID:10fq98f2
…悪ノリスマソorz
「ごめん…ごめんね…」
うつむく彼女の目からは涙が一筋こぼれた。
「下村のっ…君の…気持ち…も…っ…知らない…で…っ…」
言葉は嗚咽と混じったが、彼女は続けた。
「ずっ…と…好き…だった…メール…見て…くれっ…な…い…かなって…待って…たの…っ
でもっ…私は…教師だし…っ…歳も…はなれて…るし…」一筋だった涙が、いつしかとめどなく流れ出していた。
愛しくてたまらなくなった。
俺は、泣きじゃくる彼女を抱き寄せた。
「俺も…大好きです、心から。」
気づけば俺も彼女と一緒になって泣いていた。
おおぅ・・・そうきたかぁ
>>ジョジョ
そういうノリ・・・嫌いじゃないぜw
73 :
ジョジョ:2005/11/08(火) 22:06:05 ID:10fq98f2
先生……(*´д`)アハァ…
>>逆転スラムダンク高校さん…じゃあたまにはだしてもよいっすか?ww
そして皆さんが悪ノリできるように
自虐的に尾ひれ付けて書くのが俺の悪ノリww
75 :
ジョジョ:2005/11/08(火) 22:25:35 ID:10fq98f2
>>ハルキさんъ(´ι _` )GJ!www
ひとしきり泣いた二人を夕暮れが包み込む。
彼女の顔が赤く染まる。
「大丈夫ですか?…そろそろ帰りません?」
「…わかった。けど本当は帰りたくない…」
彼女はこちらを向いて目を閉じる。
「もっかいキスしてくれなきゃ帰りたくない。」
困った。
彼女に「おねだり」されてしまった。
彼女の長い髪をかきあげ、くちづけをする。
彼女の匂いがする。
キスをするまで、した後もまるで寿命が縮まるんじゃないかってぐらい心臓を酷使した。
来たときは並んで歩いただけの道を、帰りは手をつないで歩いた。
夕暮れも終わりかけ、青と茶色が混じったような空を二人で見た。
なんとなくJUDY AND MARYの散歩道の歌詞が頭に浮かぶ。
「前よりも優しくなって 見たことない顔で笑う」
そんな優しくて、愛しい気分。
しばらく歩き、彼女の泊まっていたビジネスホテルの前までたどり着いた。
「やっぱり、今夜、一緒にいて欲しい…」
彼女の突然の申し出は俺を驚かせた。
「…俺がなにもしないなんて保証はないですが。」
二人きりで居れば理性が吹っ飛ぶのなんか時間の問題だ。
「いいよ。好きだから。だから一緒にいたいの。」
ホテルから彼女の荷物を引き払って俺のアパートへ向かう。
俺の部屋に着いた彼女は、一目散にに俺のベッドに飛び込んだ。
「ハルキの匂い…」枕を抱いて彼女はこう言った。
「なんか先生にそう呼ばれるのって変な感じ…」
俺はベッドの上、彼女の隣りに座った。
「先生って…私一応彼女なんだからさ。」
「呼び方…どーしよっか?」
そこまで言って俺は当時ハマっていたドラマ「僕の魔法使い」のことを思い出し、
ドラマに出てくるバカップル夫婦みたいになりたいねと彼女に言った。
結果、「はるたん」と「すーたん」で呼び合うことになった。
今考えると…考えなくても凄く痛かったが当人たちは大真面目だった。
「すーたん」
「なぁに、はるたん?」
お互いに照れながら抱きしめあった。
いつ、どのタイミングで好きになったのか、だとか、これからどういうふうに付き合っていきたい、だとか。
話をするのがすごく楽しくて、結局その日は彼女とはなにもなかった。
とりあえずすみれさんとの出会い編はこれで終わりです。
多分付き合ってる最中のこと書いても面白いことひとつもないので、省きます。
ちなみにすみれさんと付き合い始めたとき、
綾香さんからはしょっちゅう「死んでやる」メールが来て大変でした…
が、今なら綾香さんの気持ちが痛い程よくわかる俺orz
80 :
ジョジョ:2005/11/08(火) 23:54:13 ID:10fq98f2
漏れはちょっと聞いてみたi(ry
一年生の夏、俺の友達が彼女に振られた。
そいつとはサークルで知り合い、意気投合し、俺がサークルに行かなくなった後もよく遊んだ。
下宿も近く、食事を一緒にとったりして、ほとんど同居していた。
彼は俺が親友と呼べる数少ない人間だと思う。
そして、俺には同居人がもう一人いた。そいつは夜にしか帰ってこない。
家賃も半分、ほどよく関わり合い、俺にとっては好都合だった。
昼と夜の同居人達は同じ学科(クラス)だった。
俺はまた違うクラスだったので彼らの内情をほとんど知らなかった。
昼間の同居人、広志は、大学に入学してほどなくサークルの先輩と付き合いだした。
表面上はすごく仲のよいカップルだったが、
広志の彼女は俺に「アンタ軽そうだから、一緒に遊ばない?」と言ってくるようなとんでもない女だった。
結局半年近く付き合って、広志は他に男を作った彼女に振られた。
俺は、ああやっぱり、と思うよりも、くだんのこともあり、その女が許せなかった。
「絶対あいつ殴ってやる」と激昂する俺をなだめる広志。
「普通逆だろお前。けどお前のことけなされたのはムカつくし、
あんな女別れて正解!」
当事者なのに何故か冷静で、俺のことまで気遣ってくれる彼と友達であることを誇らしく思った。
それからしばらくの間、俺は努めて広志と食事をとるようにした。
表面には出さないが、酷く傷ついていることを知っていたから。
だんだん広志が心から笑うことができるようになった頃、
彼は同じクラスの女の子とメールのやりとりをしていると嬉しそうに言った。
「今日もアイダとメールしてんの?」
「うん、また変な話題で盛り上がってる。」
広志が立ち直りつつあることを嬉しく思う反面、
俺には素直に喜べない理由があった。
合田 小百合。
広志のメールの相手。
俺は彼女のことを間接的に知っていた。
俺が合田小百合のことを知ったのは、1ヶ月ほど前だった。
1ヶ月ほど前、夜の同居人、真佐人の携帯におびただしくメールが着信する時期があった。
しばらくは放っておいたが、時間を問わず着信するので、俺は睡眠不足になりかけた。
俺は我慢の限界を感じ問いただした。
「マサさん…また仕事のメールッスか…」
「スマン、クラスの女の子に告られて断ったらスゴいことに…」
確かに真佐人はがっしりしていて、顔もそこそこ。
人柄もよくて、(ちょっとだらしなくて、)モテるタイプだ。
「俺は絶対無理なんだけどさぁ、向こうは俺じゃなきゃダメとか言ってきて…
穏便に解決したいから一応メール返すと堂々巡りで…どーしよ、
つーかハルちゃんマジごめん!」
真佐人はすまなさそうに言った。
「わかったよ、とりあえず…頑張れ!」
俺も何故か謝らないといけないような気分になってしまった。
携帯電話の画面が彼ごしにチラリと見えた。
正直、こんなにしつこくメールを送ってくるような女ってどんな奴かなって好奇心もあったけど、
俺から見た、というより見えてしまったという表現のほうが正しい気がする。
そこには、「合田 小百合」の文字が映し出されていた。
しばらくして、俺は広志と食事をとる回数を減らしていった。
広志は基本的に一人でいるのが好きな奴だからだ。
それでもたまには彼の下宿に遊びに行ったり、向こうがこっちに来たりしていた。
彼は、依然としてアイダとメールをしているようだった。
俺は、少しだけ真佐人とのことを言おうかと思ったが、
二人の関係を気まずくはさせたくなかったので止めることにした。
しばらくそういう、(俺だけかもしれないけど)緊張した時期が続いた。
しかし、決定的なことが起こった。
学園祭の前日、俺は広志の下宿に泊まりに行くことになっていた。
夕方になり、彼の部屋まで酒と食料を片手に向かう。
玄関にたどり着いたとき、そこには広志の姿があった。
少し大きめのかばんをもって、靴をはいて。
明らかに今から俺と飲もう、という格好ではなかった。
「ごめん、今日は勘弁して。」
俺の返答も待たずに広志は足早に去っていった。
きっと、アイダの所に行くんだろうな、と俺はなんとなく思った。
俺は彼がとられるようで、すこし悔しかった。
次の日、学園祭1日目。
うちの大学の1年生クラスは強制的に劇をやらされる。
俺のクラスは恥ずかしがりやが多いせいか、劇に関わる人数が少なかった。
俺も最初は面倒くさそうなので、関わらないでいるつもりだったのだが、
同じクラスの有沢ちゃんという女の子に頼まれて照明係をすることになった。
自分たちの出番は最後のほうなので、みんなで客席から他のクラスの劇を見ることになった。
いくつか上演された後、広志と真佐人のクラスの劇がはじまった。
演目は「セーラームーン」で、男も女も中学校のときのセーラー服を着ていた。
セーラージュピターが登場した瞬間、「あれってアイダじゃん!」と隣の有沢ちゃんが驚く。
「アイダって・・・合田小百合?」
「うん、そうだよ、うっわ・・・あんな格好してるってあたしも人のこと言えないけど。」
俺は、アイダの姿を目に焼き付けた。
劇が終わったどさくさにまぎれて問い詰めようと思ったからだ。
関係者控え室になっている教室の前で、俺はアイダを待ち伏せた。
しばらくすると、ぽっちゃり系の女の子が俺の前を通り過ぎた。
「合田さん!」
アイダは凄く驚いた様子だった。
無理もない。彼女は俺の顔は知らない。
「俺っ…ハルキ、下村春樹!
広志と友達で、真佐人と同居してる。」
最初は合点のいった様子だったが最後まで聞いて、彼女は戸惑った顔をした。
「君がどういうつもりか聞きたくて。」
俺が言うと彼女は初めて口を開いた。
「もしかして…今までのこと全部知ってる?」
・・・ふぅー。やってるなw
そのタイトルをコテにするやり方、すごくおもしろいな。期待させるw
いいぞ。いいアイデアだ
>>73 勿論さ。おまいさんはいい奴だなw俺たちは見てる、楽しんでるよって
書込みするのはいい事だと思う。
俺は早くに寝ちゃうからwジョジョがいてくれて助かるw
俺もすげー助かりますw
一時はdat落ちするならしてしまえと思ってたので(´д`;)
ちなみに今の話は俺が何回バカやっても慰めてくれる人たちの話です。
一応伏線のような感じでもあります。
一応、有沢ちゃんは現在進行形でキーパーソンです。
それもそのうち書くつもりです。
>>90 そういってくれるとジョジョも俺も助かるよ。ありがとう
ほほうw伏線か・・・もう一度さらうかw
楽しみが広がるばらしだなw頑張れよー
92 :
ジョジョ:2005/11/09(水) 22:16:58 ID:C+slCnnd
>>90こんな(・∀・)イイスレをdat落ちなんて…そんな事はさせないぞっっww
しかしなんて気になる展開なんだ…ハルキ文才ありすぎ注意だよ!w
続きが長そうだったので控え室の隣の空き教室に移った。
視界の端に学園祭の喧騒が映る。
「一応俺が知ってるんはー…君がマサさんに告ったんとヒロちゃんとメールしてること。」
「うん…それは確かに。」
続けて俺は確証もないのに付け加えた。
「あと、ヒロちゃんが昨日君の所に行ったこと。」
言葉を発した後に語気が荒くなっていたことに気づくと、彼女は半分泣きそうな表情をした。
「あぁ、ごめん、責めるつもりはないんだ。」
本当は、昨日のこともあって、彼女をちょっぴり責めたかった。
「下村…君の…目的は何?」
アイダがうつむいたまま呟いた。
痛いところを突かれた。
俺は、少し考えなくてはならなかった。
広志も、真佐人も、俺には大切な友達で。
「マサさんのことももちろん大事だけど、俺はヒロちゃんを守りたい。
俺は何があってもあいつの味方だし、二度と悲しませたくないんだ。」
これが俺の結論だった。
「だから、1ヶ月とか、あんまり時間経ってないのに、君の気持ちはどうなんだろうって。」
アイダはゆっくりとこっちを向いた。
「ヒロ君、いいな、うらやましいよ。」
「こんなに心配してくれる友達がいて、本当うらやましいよ。
私も、ヒロ君に幸せになって欲しいって思ってるし。」
さっきまでとは違い、アイダの警戒心も解けたようだ。
「じゃあ、話すよ、長いかも、だけど。」
ちょっと考えるそぶりをしながら彼女は話し始めた。
「一ヶ月前は、わたしは確かに真佐人のことが好きだった。
好きで好きでどうしようもないぐらい。で、真佐人は優しいから、いちいち応対してくれて、
私もちょっと望みあるのかな、なんて思ったりして。それは知ってるよね?」
俺は黙ってうなずいた。
真佐人の優しさには、ちょっと思わせぶりな所もあることは知っていた。
「そのしばらく後かな、なんていうか、一週間ほどずっとヒロ君が落ち込んでて、
その時点ではただのクラスメートだったんだけどさ、んー、
ほっとけなかったんだよね、そういうの。わたしの性分なんだけどさ。
そんで、なんか困ってない?って聞いたの。そしたら、彼うなずいて。
今言いにくかったらここにメールしなよってアドレス交換した。」
俺は、罪悪感でいっぱいになった。
彼女は悪者なんかじゃなかった。むしろ、広志を助けようとしていたんだ。
「ごめん、俺、重要なところ勘違いしてたのかもしれない。」
ほうほう・・・いいねっだが甘く切ないな(TДT)
>>92 頑張ってるねwそういうのがいいと思うんだよね
「違わないよ、確かに自分でもちょっと無節操だったと思うし・・・。」
アイダは目を逸らした。
俺は、そういう気持ちと、罪悪感とを知っていた。
だから、アイダのことも助けてやりたくなった。
「好きなんだろ?理屈じゃないんだろ、とにかくヒロちゃんのこと好きなんだろ?」
頼む、そうであってくれ、と願うかのように俺は叫ぶ。
なんでだろう、前はあんなに寂しかったのに、今は違う。
目の前の女の子と一緒に笑う広志を見たいと心底願った。
「うん。スキだよ。下村君には許してもらえないかもしれないけどさ。」
「そんな・・・っ、そんなことない、俺、君にも幸せになって欲しい!」
頑張れ・・・
アイダは俺が勝手に想像していたより遥かに可愛い女の子だった。
顔が、じゃなくて、性格が、だけど。
「俺に手伝えることとかあったらなんでも言って!」
「うん、ありがとう、本当に嬉しい・・・です。」
彼女は心底ほっとしたような表情をした。
「ところで、いつもヒロちゃんって俺のことどういうふうに言ってる?」
ひと段落ついたので、俺は前々から気になっていたことを聞いた。
「え・・・お酒一口飲んだだけでべろんべろんになっちゃったり、
止まってる車に自転車でつっこんだり・・・するような人?」
・・・本当のことだけに何も言えない俺がいる。
そんな俺に代わって彼女はフォローを入れてくれた。
「けど、ちょっと間抜けでもかわいいんじゃない?」
・・・フォローになってないような気もする。
気を取り直して・・・
「・・・まぁ、じゃあ、俺もヒロちゃんとマサさんがモメないようにがんばるから、
アイダもちゃんとケリつけないと。辛いかもしんないけどさ。」
「うん、頑張ってみる。後悔しないように。」
その後、結局アイダと広志と真佐人の関係はちょっとこじれた。
自分に気があった奴がいきなり他の男になびくなんて、釈然としないのもわかるし。
けれど、最終的には真佐人も納得して、二人はちゃんと恋人同士になったのだった。
・・・よく考えると俺、役に立ってなかったような気もする。
でも、二人が幸せそうなら、いいかと思った。
でも、二人が幸せそうなら、いいかと思った。
それがおまいの心の宝になったんだ。
だが・・自転車で車に突っ込むのは勘弁なwあれはやられると困る。
キレていいのか笑ってていいのかw
最近はやんちゃしてませんよww
いわゆるドジっ子なもんで母性本能くすぐりまくりんぐw
ぐらい思ってないと自己嫌悪で死にそうなぐらいorz
うん。わかったw
ドジッ子かーいっだが母性本能に作用するのはいいかも知れんw
そしてそんな事を思うオサーンはもう寝るね。また明日ー
明日も俺の懺悔に付き合って下さい…w
って明日は更新できるか微妙っすけど、
彼女さんの隙をついてできるだけ書きますんでw
アイダと広志が付き合うようになって少し時間が経った。
そんなある日のこと、俺は広志の様子がおかしいことに気づく。
「どした、なんか隠してない?」
俺の問いに彼は首を縦にふった。
「実は、今日さー、さゆちゃんとマサが映画行ったって…」
アイダは映画を見るのが好きだが、広志というとそうではない。
そして、真佐人は超がつく映画マニアだった。
「こういうの、不毛だってわかってるけど…なんかヤダ。」広志が俺に愚痴をこぼし始めた。
105 :
ジョジョ:2005/11/11(金) 00:42:49 ID:QT2q6KPX
うわぉ…ヒロシ〜!頑張れ〜!!!!
/*----------------今現在の話なので本編とはあんまり関係ありません-------------------
今日は俺の誕生日だった。
日付が変わり、俺の誕生日になった瞬間、俺は携帯電話の画面を睨んでいた。
誰かからメールが来ないかって、期待に胸を膨らませながら。
・・・誰からもメールが来ない。
正直ちょっとがっかりした。
じゃあ、明日の朝かな、と思い俺は眠りにつこうとした。
瞬間、俺の携帯から着信音がした。
「ぉめでとぅ★☆これヵらもヵっこぃぃはる君でぃて下さぃ」
最初の彼女、彩香からのメール。
俺も一応彼女に誕生日メールを出したけれど、単純に覚えてくれていたことがうれしかった。
それから、もう一通メールが来る。
前の彼女、瑞貴からのメール。
俺は、本当は瑞貴のことを許せなかった。
だからこそ俺は気持ちを整理するためにここに俺の話を書いていた。
「ハルキにとって、またいい1年だといいね。」
内容はともかく、彼女からメールが来たことに意味があった。
俺は、「うん、来年もいい友達でいよう。」と送信して眠りについた。
朝早く、HGの着声「メールフゥーッ!」で俺は目が覚めた。
俺の一番大事な彼女からのメール。
「☆ハッピーバースディ★21才おめでとう!これから色々大変になるけど、
次の私の誕生日も、はるちゃんの誕生日も一緒に祝えたらイイナ!
じゃあ、今晩待っててね。 さやこでした。」
感情を表に出すのが苦手な彼女が精一杯書いた文章。
俺は、うれしくってうれしくって何度も何度もディスプレイを見た。
その後アイダから、「今日、誕生日?」というメールが来て、
朝食を食べている時に真佐人から「今日の夜部屋にいる?」と聞かれ、
いないと答えると「俺のサプライズが〜」と悔しそうに言われて、
登校途中の広志に「おめでとう」とすごくいい笑顔で言われて。
すみれさんにメールを送ろうとした。
「俺、一応21になったよ。」
けど、やめた。どうせ返事は返ってこない。
彼女は俺のしたことをいつになったら許してくれるのだろう。
それでも、俺は生きている。
俺はこの世に生まれたくなんてなかったよ。
けど、生きている限りは精一杯生きなきゃとも思うよ。
だから俺は今日もジタバタしてる。
-----------------------------ここまで--------------------------------------*/
「俺だってさゆちゃんが他の男と話すぐらいはいーさ、
けど、二人きりで遊びに行くなんてないだろ?
自分だって俺が他の女の子と話すだけで嫌そうな顔するくせに・・・
よりによって遊びに行った相手は相手だし・・・なんでだーーーーっ!!」
広志は怒っている様子だった。
鈍感な俺が見ても矛盾している。
けれど、広志はそれをアイダに言えないでいる。
それが恋ってやつなんだろうな、と思いながら理不尽だとも思った。
いっそ、広志が言えないなら俺が言ってやればいいんだ、と思う。
俺が言わなきゃ。
これで壊れるにしても、治るにしても、少なくとも広志はスッキリすると思うから。
奇遇だな。俺もジタバタしてるぞw誕生日だったのかい?
おめでとうっ産まれた事に感謝と祝福を。
そして出会えた奇跡に乾杯
綴ってるね。気になってたんだw読ませてもらうよ。
>>105 ただいまwまったく同感だよ
110 :
ジョジョ:2005/11/11(金) 22:58:29 ID:QT2q6KPX
>>ハルキ
誕生日おめでと〜!
俺は、携帯と格闘していた。
「ちょっと話あるから明日学校で、いい?」
本当はメールで聞こうかとも思ったけど、はぐらかされたら終わりだ。
俺は確かめなきゃいけないし、アイダに広志を想う気持ちがあるなら
広志の気持ちを伝えて、どうすればいいかアドバイス位はするつもりだった。
アイダからの了解メールはすぐに返ってきた。
次の日、俺はアイダと並んでベンチに座っていた。
広志達のクラスから離れた場所。気づかれたくなかったからだ。
「お節介かもしんないけどさ、言わなきゃダメなことがあるんだ。」
アイダは次に来る言葉を予想したのか、俺と目を合わそうとはしない。
「昨日、マサさんと二人きりで遊びに行ったよね。」
気づいてほしくて、二人きり、という単語を強調した。
アイダはこくんとうなづいたが、依然として俺と目を合わそうとはしない。
「自分はヒロちゃんが他の女の子と話すだけで嫌だと思うくせに、
男と二人きりで遊びに行くなんてないんじゃない?よりによってマサさんだし。」
俺に権利なんてないのに大人気なく責めたてる。
それが二人のためだと思ったからだった。
「わかったよ…好きだから我慢する。」
アイダが呟いた。
好きだから。
好きだから束縛したい。
好きだから束縛したい気持ちを我慢しなきゃいけない。
思考回路がこんがらがって俺は軽くめまいを覚えた。
とにかく二人が幸せならいいのだ。
果たして我慢することが幸せと言えるのか…
俺はとやかく考えるのを止めた。
おっとっすまん出かけてたが・・・
なんかゴクリッ・・な展開になってるなっ
アイダに釘を刺した後、しばらくはまた元どおりになった。
しかし、ほどなくして広志とアイダのメール交換の頻度は減った。
俺が広志に会いに行くと、彼はサークルの話しかしなくなっていた。
なんとなくだけども、嫌な予感がした。
俺は、単純に最近会っていないから気持ちが少し離れたのかなと思っていた。
しかし、それは違っていた。
冬休みが始まって、俺は地元に帰るために駅にいた。
新幹線を待ちながらすみれさんに「やっと会えるね」とメール。
俺が向こうに着くころには、彼女が駅で待っていてくれているはずだ。
親に嘘をついて、一日だけすみれさんのアパートに泊まるつもりでいた。
俺は駅のホームでうつむいて立っていたが、内心はとても嬉しい気持ちでいっぱいだった。
俺というやつは、会っている最中より会う直前の時間のほうが好きなのだ。
そんなうきうきした気分で、すみれさんからの返信を待つ。
昔は四六時中マナーモードにしていたので、俺はしょっちゅう携帯電話を開けては閉めていた。
何回かメールをやりとりして、何十回か携帯を見て・・・新しいメールが来ていた。
新しいメールは、すみれさん専用のフォルダではなく、通常の受信ボックスに届いていた。
「誰だろう・・・」
俺の指がボタンを弾くと、ディスプレイには馴染みのある名前と、馴染みのない単語。
「合田 小百合
件名:たすけて」
↑タイトル間違い、「失ってゆく気持ち 2」です。
/*-------------------------ついでに私信--------------------------
このスレを発見してしまった俺の大切な人たちへ。
っていうか俺の恋人へ。
まさかこんなことになっているなどと思いもよらなかったでしょう。
誕生日の記述から、この話は70%本当だと気づいたと思います。
っていうか登場人物の脚色以外ほとんど体験談ままです。
君には幻滅されると思います。
それでも知っていて欲しいとも思います。
だから俺は君にこのスレの一部を見せました。
スレタイさえ見てなければ検索できないと思うけど・・・。
本当に君が好きです。
かけがえのない人だと思います。
だから俺はこのスレを見せたことを後悔していますし、
やっぱりこのスレを見せてよかったとも思います。
もしも無理だというのならば受け入れてくれなくてもいいです。
でも、こんな俺だけどできることなら愛していて欲しいです。
-----------------------------私信終わり----------------------------*/
「さいきんヒロくん冷たい><; シモムラは理由とか知らない?よね?」
メールの内容は、予想の範疇内であった。
理由はもちろん知らない。
俺なりには推測していたけど、俺は広志じゃないからわからない。
「ごめん、わからんわ〜。けど、最近会ってないんだろ?
会えばきっと楽しいって気持ち思い出すと思うよ!!」
今思えば、無責任だったのかもしれない。アイダにとっても、広志にとっても。
むしろ俺がそう思っていたかっただけなのかもしれない。
「うん・・・がんばってみるよ(^^)ノ」
「おう、俺そろそろトンネルだから切るわ〜」
トンネルに入り、俺の携帯から電波はしばらく遮断された。
それとともに俺の頭の中は彼らの行方からしばらく遮断された。
119 :
逆転スラムダンク高校:2005/11/14(月) 20:00:47 ID:0/wYICL0
>>117 ってかageようぜw
見つかっちゃおうぜ?ごめんな。今ならいいだろう
このスレ、どうにもならず下がってく気もw
いいじゃないか。ごめんね。たまにはサプライズしておまいの存在を
知らしめたかった。こんないいスレもあるんだってね
ありがとうおいさん…忙しいのにな
さて今日は今日で書けそうなこと溜まるしまだまだ続きそうなのでよろしくお願いしますw
いやいや。今日はもう店じまいして一杯やってる時間だよw
うん。今後も読ませていただきます
トンネルを抜けると、ありきたりな表現だが、そこは雪国だった。
しかしそこは俺の故郷ではなく、新幹線から特急電車に乗り換えるための駅だった。
特急は指定席ではなかったので、俺は駅のホームを走った。
少し余裕があったので、走りながら携帯を見ることにした。
この駅を出発すればまたトンネルなので、連絡がとれなくなる。
すみれさんと少しでも多くメールしておきたいからだ。
自分に空メールを送る。
メールが届く。
4件。
うち一件は自分が送ったもの。
すみれさんから一通、もしかしたらアイダからありがとうとかいうメールがもう一通…
にしても計算が合わないのである。
受信ボックスを見た。
そこには、見たくなかった現実があった。
ゴクリ・・・
文学でくるとはなぁw
メールボックスには広志からのメールが来ていた。
「相談」というタイトルだったと思う。
「お前、今は暇?相談したい事あるんだけど」
何について相談したいのかはわかりきっていた。
けれど、その時点での結論はずっと知らされてはいなかった。
いや、俺が知ろうとしなかった。
「何でもいいんさいな、電波ある限り答えるし(笑)」
苦し紛れでおどけた感じのメールを送る。
彼からの返事はすぐに来た。
「俺、ハルにしかこんなこと言えないわ…
さゆちゃんのことだけどさー、もう好きじゃないかもしらん。」
予想の一つにはあったことだが、やはりショックだった。
「で、お前はどうしたいんだ?つーか、かもって何だかもって。」
俺は一縷の望みを託しメールを送った。
彼からの返事が来る前に、電車はまたトンネルにさしかかった。
トンネルを抜けた。
俺は焦る手つきでもう一度自分にメールを送る。
自分のメールにひっかかってきた広志からのメールを読む。
「俺は・・・まだわかんない。彼女に対しての興味は薄れたけど、
俺のこと助けてくれたし、イイ子なんだってわかってるし。」
広志は迷ってなんかいなかったのかもしれない。
本当は、別れたくてしょうがないのに、義理があるから別れられない。
「本当は別れたいんだろ。」
俺はアイダにごめんと心のなかでつぶやき、メールを送信した。
「うん、やっぱりわかってしまったか(汗
最近はメール来てもうざいとしか思えなくて。
けど、彼女は好きでいてくれるしなー・・・。」
返事が来るまでに電車はかなりの距離を進んだ。
ほんの少しの迷いが彼の心にあったせいだろう。
/*-------------------業務連絡-------------------------
↑うわーまたタイトルミスorz 揺らがないもの 2で。
-----------------------------------------------------*/
ほんの少しの迷い。
そのほんの少しというのは、彼女のためのものではない。
心が離れたまま付き合っていることは、彼女にとって失礼なことだ。
もうこれは一時の迷いなんかじゃないんだ。
俺は俺に言い聞かせた。
「スキでもないんに付き合うんはおかしいっていうかね、
アイダにとっても失礼やと思うわ。少なくとも俺は別れたほうがいいと思う。」
このメールを送るまでに、また電車は進み、見覚えのある景色が目に入るようになっていた。
俺は泣いた。
声を出さないように。
窓際の席でよかったと心底思った。
広志から「わかった、ありがとね。」というメールを受け取る頃には、
俺は地元の駅のホームに立っていた。
立ちつくそうかと思ったけれど、改札では俺の彼女が待っている。
俺は、しばらく泣くのを我慢して、すみれさんのもとへと足早に歩いた。
彼女が視界に入った瞬間、俺は全速力で駆け寄り彼女を抱き寄せた。
俺は泣いていた。今日あったこと、これからのアイダのことを考えて。
すみれさんは「どうしたの」とあまり深く聞かずに俺の頭を撫でた。
アイダ編終わりです。
うれしいことに今でも彼女とはいい友達です。
そして彼氏さんとラブラブだそうです。よかったなw
広志は「もう人に合わせるの面倒くさい、もう恋なんてしない」
と言っていますが、多分恋はしていると思います。報われないかもだけど。
俺は広志がどんな選択をしようと、何も言わないでおこうと思います。
・・・本当はちょっと反対ですけどねw
去年の夏、俺はインターンシップに行くことになった。
指導教員に言われてしぶしぶ、といったところだったが。
今までずっと言う機会がなかったが、俺は服のデザイン関係の勉強をしている。
(ちなみに大学は美工系で、広志達は建築をやっている。)
当然、そういう分野の企業に行くことになっている。
インターンシップというのはある意味なんでもアリで、
学生を無償で雑用に使う企業もあれば、「お給料付き勉強会」を開く企業もある。
俺の行った企業は、「お給料なし勉強会」だったのでマシなほうだった。
まぁ、交通費や宿泊費は全部出るからね・・・。
インターンシップには同じ分野のいろんな大学から30人ほど学生が来ていた。
たまたまなのだが、男が異様に少ない。(大学では半分程度いる。)
30人いる中で男は5人だけ。
想定していたのよりもずいぶん少なく、俺は(他の男達も)焦っていた。
・・・・(´;ω;`)
悲しいね。ままならんね・・・
俺も悲しかったお(´ω`;)
事実なのでハッピーエンドにしようがない(´・ω・`)
うん。綴られるままに堪能させていただくよ
俺を含めた男性陣は焦っていた。
男が少ないということで、必然的に「誰が一番かっこいいか」の議論を日常的に聞くハメになったからである。
女性陣の評価では、俺はどうやら「3番、見た目バカっぽいけど可もなく不可もなく」だそうだ。
バカっぽいと言われるのは慣れているのでそれ程気にはならなかった。
ところで、インターンシップの内容は、勉強会と共同制作及び発表であった。
会社はテキスタイル(材料とか、布)方面の事業を主に扱っている。
そのため、俺の専門外であるような作業をしていた。
結局グループにはそれを専門的にやっている子達が多いので、俺は足を引っ張ることになった。
俺はなかなか負けず嫌いなので遅くまで会社に居残り勉強をすることにした。
定時になると一人、二人と宿舎に帰っていき、最終的には俺ともう一人になった。
「なぁ、君もこれから勉強するん?」
ちょっとハスキーでかわいい声。それが俺に向けられたものだと気づき驚く。
「あ・・・ああ、うん。君もするの?」
俺も初対面の人に物怖じせず話しかけられるほうだが、先手を打たれてしまった。
「隣、いい?」「いいよ。」
最初に声を掛けられたときはわからなかったが、声の主はかわいい。
決して華やかさはないけれど、整った目鼻立ち、やわらかい笑み。
それと、彼女についてもう一つ気づいたことがある。
何故か他人のような気がしなかった。
ただ、それは彼女の名前のせいだったと思うのだけれど。
「君は・・・確か合田さんだよね?」
気心知れた友人と同じ苗字だったので、他の子より先に彼女の顔を覚えていた。
「んーん、ゴウダ。ここに来てからみんなにアイダさんって呼ばれるけどね。
あたしは合田咲。サキとでも呼んでくれぃ、シモムラ君。」
「サキちゃんは専門何やってんの?」
「普通にテキスタイルとか、洋裁とか。」
「じゃあなんで居残りしてんの?俺は専門じゃないから全然わかんなくてさー。」
「んー、普通にやれてるけど、せっかくだしね。インターンなんてなかなか経験できないじゃん。」
自分と同い年なのに・・・。
こんなに一生懸命に勉強している彼女を見て、俺は情けなくなった。
「でもさ、やらなくていーときは力抜くけどね。」
「ほほぅ、なんか悟ってますなー。」
「んーそうかねぇ?よくわかんないや。」
彼女は努力家で、かつなかなかノリが良くて面白い子だ。
「へぇー、ハルキ君はアタマいーんだね。」
俺の勉強ノートと資料、そして制作中の作品を彼女は横から覗き込む。
彼女は俺に理論や技術を教えてくれていた。
「えっ、なんでさ。」
「だって教えたことわりとすぐわかってくれるし。」
「いや、そりゃあ下地があるからさ。軽くは勉強してたし。」
軽く、じゃなくて相当勉強していたけれど、
結局専門外だったので実際に作業環境がなく、理論しか身につかなかったわけで。
今回実際にやってみることでかなり理解度が上がったのであった。
「サキちゃんは自分の勉強しなくていいの?」
彼女は俺のことばっかりに構ってくれていたので自分のことが疎かになっていた。
「別に〜、教えるのも勉強だと思ってるし!」
彼女は笑ってそう言った。確かに人に教えると自分の理解も深まる。
それに、彼女は最初から比べると、帰るころには教えるのがちょっと上手くなっていた。
「じゃあ、また明日も特訓ね。」
彼女が笑う。俺は手をふる。
俺は友達ができたことと、明日も誘ってくれたことが嬉しかった。
サキちゃんかわいいな
いいねぇ。甘酸っぱいねぇw
確かにイイ子でしたおw
ただこの話は恋愛というよりも友情かな…
お互いに境遇という点では誰よりも理解しあえる存在であることは確かww
うんうん。いい出会いであり付き合いだったわけだ
なんとなくわかるよ。いいね
141 :
ジョジョ:2005/11/17(木) 01:18:53 ID:iEtinaQu
ひさびさに覗いてみたら話がすごいすすんでる…orz
しかしハルキは文才が半端ねぃなぁ…
中途半端ですw
多分インターンシップの状況とか上手く書けてないしorz
また一日が始まり、昼間のグループ作業が再開する。
「ちょっと、まだそんなトコやってんの?早くしてよね。」
俺に罵声が飛ぶ。
同じグループで一番デキル女。
「わかってるし。」
俺は淡々と返す。少なくとも他のグループよりは早く進んでるっていうのに。
「つーか、あの女明らかに仕事の量少ないじゃん。確かに早いけどさ。」
俺は同じグループのほかの子に愚痴を言う。
「下村君は頑張ってると思うよ、少なくとも平均よりはちゃんとできてると思うし。
たしかにあの子はここにいる中で一番詳しくて技術あるかもだけどさ。」
「ありがとねー、そう言ってもらえるとホント助かるよ。
けど、やっぱ俺責任転嫁しないでちゃんとやり遂げます。愚痴るけど。」
俺は笑ってそう言った。
昨日、サキに教わった精神。俺も強くならなきゃと思ったから。
隣のグループをちらりと見る。
サキは真剣な顔つきで作業をしている。
彼女の姿を見ていると本当に俺も頑張らないとな、という気分になる。
インターンシップに参加しているのは30人。
15人2グループに分かれての3日間の講義日程が終了した後、
5人6グループに分かれてグループ作業の日程が始まった。
サキと初めて言葉を交わしたのは4日目、グループ作業が始まった日の定時後。
グループ作業というのは、いくつかの課題と材料が与えられていて、
どういう手段でもよいので課題をこなせというものだった。
グループが一丸になって課題を順番にこなすのもいいし、
一人が一つの課題に取り組んでもよいことになっていた。
俺のグループでは、2人と3人に分かれて課題を半分ずつやることに決めた。
俺は3人組、成り行きで俺が舵取り役に、残り二人の女の子がアシストしてくれていた。
そしてあの女は2人組で作業をしていた。
勿論俺は勉強していたが、実際にやるのは初めてなのでてこずる部分も多く、迷惑をかけていたと思う。
けれど、サキとの勉強のおかげで平均程度の実力は持っていた。
「おーつかれっ!」
定時になり、またサキとの勉強時間が始まる。
「おう、お疲れ様。」
「今日は頑張れたかい?」
「ん、まぁ、それなりにね。昨日教わったおかげ。そっちは?」
「相変わらず難航してますねー。
そっちみたいに一通り指定だけして作業やらせてけばいいかもだけど。」
サキのグループでは、彼女が指示を出しているが他に指示が出せるような人間がいないので効率が上がらない。
一つの課題に取り組めるのは指示者と作業者2人程度だったので、その場合暇になる人間ができてくる。
「やっぱねー原理わかってないと指示出せないから、こっちは作業できる子はいるけど・・・って感じ。」
「じゃあ俺達のとこは丁度いいわけね。」
「そうそう、つーかハルキ君すげーし、やったことないっつってバリバリだし。」
「いやいや俺は原理しかわかんないからさー、しかも西崎さんには怒られるし。」
俺は今日のいざこざをやっと聞いて欲しい人に聞いてもらえて上機嫌だった。
怒られた記憶を聞いてもらうことが嬉しいって、矛盾してると思うけれど。
お・・・おおー。
いいねぇ。なんかさわやかだなぁw
かわいいなぁ
>>141 ついてこいよーっ
「にっしーはさ、完璧主義者なとこあるんじゃないのかなって思うけど。」
「・・・なんで、会って5日とか?なのにわかんの?」
「宿舎で相部屋だからさー、毎日観察してるのさ。」
「え・・・っ!?」
宿舎の部屋は二人部屋。(男は5人全員で雑魚寝だが。)
嫌な偶然だ。
「悪い子じゃないよ、ハルキ君が思ってるほど。確かにキツいとこはあるけどさ。」
「そっか、サキちゃんがそう言うならそう思っときます。」
サキの言動には、人を(もしかしたら俺だけかもしれない)動かす力があった。
それは何故か考えてみたら、簡単なことだった。
俺の間違いを正しながら俺の意見にも賛同してくれている。
俺はそういう接し方もあるのか、と凄く感心した。
「そういえば課題どこまで進んだ?」
「あー、俺達は3から5までやってるわ、今4終わって5で詰まってる。」
「ふむふむ・・・ちょっと見せてくださいな。」
サキは俺の課題用ノートを見ている。
本来ならここで教わるべきなのは俺のほうなのに。
「やっぱりハルキ君って筋いいね、こういうひらめきってあたしはできないや。」
「そんな・・・結局さ、完成すればいいから結構適当だよ。」
実際俺のやり方はグダグダだった。
でも、それをそういうものだとちゃんと認めてくれるのが嬉しかった。
その、「嬉しい」という気持ちは友情なんだろうか。
もしかしなくても俺はこの子に惹かれている。
この子の強さ、大きさ、ひたむきさ。
それでも彼女は「自分はまだ弱い」という。
そういう、向上心も。
友達としての尊敬だよな、と俺は俺に釘を刺した。
・・・ふむふむ。
いい子だなぁサキちゃん。
何故踏みとどまるのかなぁ
時系列的に・・・
そのとき俺はすみれさんとw
ごめんorz
俺が把握し切れてなかったのかな
明らかに俺の説明不足っすorz
ちなみに話の順番は時系列的にやってますから、
付き合いだした話の後別れの話が入らない限り
その話の時点では付き合ってます。
了解したwまた一度頭から拾いなおすか
説明ありがとうっ
「し・・・下村くんって、軽くオタク・・・だよね?」
7日目の作業終了後、同じグループの女の子・・・宮下さんが俺に声をかけてきた。
初日の自己紹介での「俺はゲーマーです」発言を覚えていたのか。
「オタクっつってもゲームとかだけどね。まぁ偏見はないけど。」
なんでそんなことを聞くのだろうか。真意を察しかねる。
「えーと、買い物付き合って欲しいんだけど・・・。この辺の夜は怖いし。」
断る理由もないので軽くOKし、サキに「今日はごめん」と告げて宮下さんと買い物に行く。
が、俺がバカだった。
その前の謎の確認事項について考えてみればわかるのに。
俺は異世界にいた。
生まれて初めて(ではないが意識したのは初めて)同人誌やそういうグッズを売っている店に足を踏み入れた。
「ねー、ゲーム好きだったよね、コレ知ってる?おもしろいよ!。」
昼間と明らかにテンションの違う宮下さん。
昼間はパっとしないのに、今の彼女の笑顔は可愛いと思ってしまう。
俺、おいてけぼり。
嬉々として店内を物色する彼女を軽く見守りながら、
俺も適当な本を手に取る・・・。
エグい。
うほいいおとこやらな(以下自主規制
俺、本当においてけぼり。
人生において、「時が止まってくれたら」と思うことは多々あったが、
「早く時よ過ぎ去れ」と願うことはこれ以外にもうないと思う。
買い物が終わり、嬉しそうに帰途につく宮下さん。
「ありがとう、ずっと来たかったの、けど夜だし怖いしね。」
彼女は地方出身なので、夜の東京を怖がるのは無理もない。
まぁしょうがない、と俺は思った。
もし、サキにこんな趣味があったら・・・と思うと俺はぞっとしたが、
それでも嫌いにはならない気がした。
知り合って1週間しか経ってないし、彼女ですらないのにそう思ってしまう。
彼女という言葉にさしかかり、ふと、俺はすみれさんのことを思い出した。
俺は一体何をしているんだろう。何がしたいんだろう。
すみれさんへの感情はすでに愛情に近いものになっていた。
サキへの感情も、恋に近いものになっていたような気がする。
ちょっとの理性が、それを友情にしていた。
宮下さんと買い物に行った次の日。
作業中、サキの態度はいつもよりそっけなかった。
5時になり作業が終わるとすぐ、俺はサキに声をかけた。
「なんか今日そっけなくない?」
彼女は立ち止まったが、黙ったままだ。
「ハルキ君にはあたしの気持ちなんてわかんないよ。」
やっと口を開いた彼女の言葉。
「昨日…宮下さんと遊んだのがイヤだった…?」
彼女は首を縦にふった。
「だって…俺には彼女いるの、サキちゃんも知ってるじゃん。」
サキはすみれさんのことを既に知っている。
俺が教えたから。
「けど、さとみちゃんは知らない。」
「え…どういう…」
突然宮下さんのことを口にされたので俺は驚いた。
そして、サキは続けた。
「わかってるけど嫉妬しちゃうんだよっ!…君に。」
おお・・・・すまん。昨日はちっとリアルでごたついてこれなんだ。
おお・・・ぶっとばすリストに追加していい?おまいをw(ジェラシーファイヤー)
すいませんお(´ω`;)
けど最終的には俺空回りです。
つーか全部の過程話したら俺のダメさがバレます(´д`;)
ダメとかいうない。自分を卑下すんなw
まだまだ楽しませてもらうよ?
「俺に嫉妬…っ?!」
彼女は宮下さんじゃなく、俺に嫉妬している。
「だから…あたしはさとみちゃん…が…好きっ。」
尻すぼみになりながらサキは言い切った。
「えぇっ!?…それって…?」
「友達以上。恋愛感情。」
サキの目には迷いはない。
俺は驚いた。けれど、嫌悪感は全く無い。
彼女もまた、マイノリティ(虐げられる者)であったから。
今となってはそれが俺たちの奇妙な連帯感、絆、感情だったのだと思う。
161 :
ジョジョ:2005/11/20(日) 23:20:12 ID:d5iSKXhY
サ…サキたん…そんなオチは想像できなかったぜ…ww
「出会ったばかりで、よく知ってるとは言えないけどね。」
二人きりの作業場。
サキは静かに話しはじめる。
「話せば長くなりそうだけど、ハルキ君には話しておきたいんだ。」
さっきまでの苦しげな表情は消えていた。
いつものまっすぐで強いサキだ。
俺はサキの目を見て、静かに頷く。
「あたしは小さい頃からずーっと人とは違ってた。
女の子が好きだったのね。つまりは。
それで、今まで、今もそれを隠して生きてきた。」
スイマセンこんなオチでw
けどそれも妖しい魅力でテラモエスと言ってみるテスト
彼女は俺にとっちゃそういう対象ではないですがw
「何回か男の子とも付き合ったことあるけど、やっぱり違った。
人と違うってこと、すごく悩んだ。親にも言えないし。
いつのまにか、あたしは自分に嘘をついてた。自覚してたのに。
そうして、嘘をついて、いっぱい友達をつくったよ。
けどね、皆本当のあたしを好きになって友達でいてくれてるわけじゃない。
あたしがつくった嘘のあたしをあたしだと思ってる。」
サキは淡々と続ける。
「あの子は、自分の好きなものをスキだとちゃんと言える。
理解されないこともわかってるだろうし、それを恐れてもいない。
理解しない人間も責めることはしない。
あたしなんかよりもずっと、自由に生きてる気がして羨ましかったよ。」
気丈に振舞っていたが、結局サキの目には涙がうかんでいた。
俺も泣きそうだ。
俺にもそういう過去はある。
小さいころ、会話の輪に入れずいわゆるイジメにあっていたこと。
運動ができず、専ら絵を描くのが好きだった俺。
人と違うものを好きだと言うことはいかにつらいことか。
「そう。最初は羨ましかっただけ。
最初の自己紹介で、あの子は自分がオタクだって言ってたじゃん。」
「ごめん、あのときの自己紹介マトモに聞いてなかった、眠くて。」
サキはもう、とつぶやき、呆れたような顔をした。
俺はごめん、と笑う。
サキがさっきまでの張り詰めた表情ではなくなったことが嬉しかったから。
「まぁ、言ってたのよ、だからあの子に聞いたの。
どうしてあんなに堂々と言えるの、って。」
すまん。最近ちっといろいろあって来てなかった・・・・
がエライ事になってるなぁw
サキちゃん・・・幸せになれる日を願うばかりだ
「あの子は、わかってくれないならそれでも構わないし、でもどこかに自分を見つけてくれる人がいるはずだから、
だから自分は探すだけだ、って言ってた。
自分から言わないでも、同じ境遇での人、分かり合える人はいるはずだから、って。」
そこまで言い切って、サキはこっちを向いた。
俺に初めて見せるようなすごくいい顔。
好きな人や尊敬できる人に向ける顔。
「すごく好き…なんだね。なんかそんな気持ち伝わってくる。」
やっぱり俺は戸惑っている。
けれど、サキの気持ちは本物だから、受け入れてあげたいと思った。
「うんっ、大好き。理屈じゃなくて、さとみちゃんと一緒にいたいんだぁー…。」
今のサキは本当に可愛いと思う。
「一緒にいたい」対象が俺だったら…何もかも捨てていいと思ってしまいそうだ。
「ごめんね、変な話聞かせて。」
サキは、照れくさそうにあははっ、と笑った。
「大丈夫。実は俺にもそういう人に理解されない部分あって苦しんだことあるし。
だから、俺もサキちゃんと宮下さん助けたい。
…余計なお世話かもしんないし、力になれてないかもだけどさ。」
俺も照れくさそうに、あははっ、と笑った。
「ハルキ君は何が好きなの?もし、嫌じゃなかったら教えて。」
169 :
ジョジョ:2005/11/24(木) 07:37:03 ID:j1Dop1yr
さぁ…どうでたんだ!ハルキ?
「まぁ、なんていうかな、俺は昔から絵描くのが好きだったんだ。
だから今もデザインとかやってんだけどさ。あんまり上手くないけどね。
そんで運動できないし、そうやって一人でずっと絵ばっか描いてたから、
結局小学校の頃ずっとイジメみたいなのにあってて。
そのまま中学校いっても、友達いなかったし。最終的にはできたけどね。
高校行ったりするうちに人との付き合い方も覚えたし。多少ね、多少。」
言い切ったら、ちょっと恥ずかしくなってしまった。
「あたしたち、似てるかもね。」
サキは笑って言った。
「けど、ちゃんと貫いて、それでいろいろ覚えられたって羨ましいな。」
「そんないいモンじゃないよ。結局嫌われる奴には嫌われんだし。」
二人で笑った。
彼女に感じていた魅力や親近感は、「同類」に感じる安心感だったんだろうと思った。
家族よりも近いかもしれない、絆。
うんうん・・・・そうかぁ。故に絆か。
すごいなぁハルキ。いやおもしろいと思うよ
すいませんなんだか最近遅筆で…
VIPの下柳スレに俺が適当に描いた絵置いてあるんでよろしければw
そのうちこれにも挿し絵とかつける予定です
それから俺とサキは、部屋が閉まるまで語りあった。
あっという間だった。
俺にとっては生まれて初めての大切な人。
趣味が合う奴とか、そういうんじゃなくて根本的な悩みを共有しているただ一人の人。
俺はサキの想いが叶ったら…と願うようになった。
それからしばらくして、インターンシップが終わった。
グループ内のいざこざもあったけれど、なんとか課題を仕上げることができた。
発表もなかなか上手く出来たと思う。
その晩、お世話をしてくれた会社の人たちと、参加学生達でささやかな飲み会をした。
いいんだ。自分のペースで綴ってね
VIPとかはよくわからんwこっちで挿絵にして欲しい。
ほほう・・いいふいんき(何故か変換ry)だなw
飲み会が始まり、一人一人終わりの挨拶をする。
サキは、大変だったけどいい経験ができたとかそういうことを言った。
相変わらず勉強に対してはストイックだ。
俺は俺で、迷惑かけてごめんなさい、ありがとうとか的外れなコメントをしていた。
(俺には基本的に波風立てないように謝る癖がある。)
数少ない男の一人だったから「誰がタイプ?」と質問されてしまった。
仕方ないのでとりあえず会社の世話役の人を指名してみた。
西崎さんは、確か最後はしおらしく「ありがとう」と言っていた気がする。あまり覚えてないけど。
そして、終盤にさしかかり、宮下さんの番。
「えっと…下村君…何回か一緒に遊びに行って、楽しかったし…お友達になって下さい…ッ。」
176 :
ジョジョ:2005/11/26(土) 18:14:10 ID:owZYj29F
宮下さんキタ━━(゚∀゚)━!
うお・・・・
だが謝る癖はおまいのいいところであると思うが直したほうがいいかなw
ううっどうなるんだろうw宮下さん
瞬間、俺の目は点になった。
周りからは「告白?やっちゃった?」ヤジがとぶ。
君は楽しかったのかもしれないが俺は明らかに微妙なリアクションとってただろうが。
というツッコミを心の中で彼女に送った。
止まっていた俺の時間が動き始めた頃には騒ぎは収束していた。
俺はサキが気になり彼女のほうを見た。
彼女は隣の席の子と談笑していた。
完璧すぎる笑顔。みじんの動揺もない。
彼女の培ってきた嘘の笑顔。
俺のせいなのかなぁ…。
釈然としない気持ち。
さっきまでの楽しいムードは消えてしまった。
もしかしたら俺の勘違いかも知れない。
だって彼女は「友達」とまでしか言ってない。
飲み会が終わった後、彼女を待ち伏せる。
一縷の望みを残して。
彼女がなんであんなことを言ったのかも聞かなきゃいけないし、
「友達」にはなりたいよとも伝えてあげたいから。
独りよがりな部分もあるけど、俺の尊敬する人の愛する人だから。
会場の出口の横で、俺は携帯電話を弄りながら彼女を待つ。
メールの相手はすみれさんだ。
サキにもメールしようかと思ったが、なんて言葉を送ればいいのかわからなかった。
待ち伏せる俺のそばを、彼女が横切る。
面倒なことになると嫌なので背後から素早く肩をたたく。
「宮下さん、ちょっとさっきのことで、いいかな?」
俺は彼女を通路の奥、誰も来ないような場所に誘導した。
「さっきのこと、俺も確かに友達にはなりたいよ。
けど、あーいうトコで言うのは微妙じゃないんかな、あくまでも個人的な話だし。」
俺はほんの少しだけ苛立っていたので、咎めるように言った。
「なりふりは…構ってられないよ。
もう話す機会もないかもしれないし。
それに…私どうしていいかあんまりよくわかってないの。
だって、人をこういうふうに好きになるのは初めてだから。」
彼女は、訴えるように俺の目を覗き込む。
予想した中で一番悪い答え。
今俺の頭は残念ながら目の前にいる君じゃなくて、君のことを想ってる人のことでいっぱいです。
そんで俺には最愛の人もちゃんといるので俺の心はいっぱいいっぱいです。
俺の、サキの気も知らないで…
そうやって彼女にまくしたててしまいそうになったが、俺は敢えてサキのために我慢した。
すいません。ちっと忙しくてこれませんでした
おおー・・・すみれさん。うまいなぁ。かわいいじゃないか。眼鏡はいいよねw
こうなるとみんなのビジュアルイメージが欲しいがどうか?w
おまいとサキさん。宮下さんを早急にきぼんw
早急に作成中ですw
おおー。絵心あるっていいなぁw
すごくビジュアルが付くとイメージが広がる。新しい手法だっ
なんか感動したwそうかぁ・・・こんな顔かぁw
格好いいなハルキwぶっとばすリストに記名だっorz
サキちゃんは下?宮下さんが上?俺的イメージではw
そうですw
サキが下で宮下さんが上。
かっこよかないですよ、真佐人とか広志見た後に俺だとorz
特に広志なんか平山あや似で中性的美人ですよ(´д`;)
「ちょ…ちょっと待って…俺にはちゃんと彼女いるし。」
この言葉を言うまでに俺はかなりの時間を要したと思う。
ハッキリ言って俺は内心穏やかではない。
多分、一般的に自分の友人が想いを寄せている人間から想いを寄せられるのはかなり歯がゆいことだ。
俺が本当のことを伝えても彼女の表情は変わらない。
「サキちゃん…だよね?
二人が仲良くしてたの知ってるし、私はダメもとっていうか。
私の気持ち、知っておいて欲しかったの。」
その瞬間、俺の何かが切れた。
「何なんだよ!そんなんエゴじゃないか!
ダメだってわかってんなら言うなよ。少なくともあんなとこで言うなよ。
言うなら俺一人に言えよ。お前のせーで傷ついた人だっているんだよ!」
息も絶え絶えに、俺は言いたいこと全部を彼女にぶつけた。
「そんで、俺の彼女はサキちゃんなんかじゃねーよ・・・。」
目頭が熱い。
彼女は俺が怒っているのにきょとんとしている。
「じゃあ・・・誰が傷ついたの?私は傷つけた覚えないけど・・・。」
「一番お前に振り回されて傷ついてんのはサキちゃんなんだよ!
・・・これ以上言ったら裏切ることになるから・・・とにかく本人から聞けよ。」
つ
http://i.pic.to/4bgh4 なんとなくテスト期間中でヤケになって描いちまいました。
俺の彼女の沙耶子ちゃんです。すげー美人なくせに変な子です。
「はいはいわろすわろす」とか言います。
彼女との話もそのうち。
おおおー・・・いいのかハルキ?
サキちゃん心配だなぁ・・・いやぁーどうすんだよ。やべw
テスト期間なら勉強せいw
おおー?美人だなぁ。俺タイプかもwしかしねらーかよっ
愉しみに待つとしよう。
ところでね。ひとつ相談がある。ここで語られる物語。教えたい香具師らが
いるんだ。
【聞こう】ケータイの中だけの恋愛3【じゃないか】
http://love3.2ch.net/test/read.cgi/pure/1131513327/l50 ここなんだけど・・・。紹介していいかな?それにより、荒れる可能性も否定は
できない。だがこの物語。俺とジョジョだけで愉しむには惜しい。
考えてみてください
テストは去年ゲロ吐くぐらい頑張ったので今年は余裕しゃくしゃくです。
一応内定貰ってますのでw
そのスレは俺もずっと見てました。
紹介してもらえるなんて光栄です…が出来ればsage進行でお願いしますw
おお。それは頼もしいな。なんか前に一夜漬けとかいってた香具師が
いてねwハルキは真面目だったのね。
ああ、あっち見てたのかwいつか切り出そうと思っていたんだ。
sage進行も含めてじゃあ紹介していいかな?
いい香具師が多いが、荒れる危険もあるで躊躇してたんだ。
じゃあ宜しくお願いしますw
俺も頑張りますんで
紹介してきた。
心配は尽きないが・・・おまいなら大丈夫だろう。
俺は最後まで付き合うしw
だがみんなきっと喜んでくれるだろうと思ってる。
頑張って欲しい。ありがとう
俺はポケットに手を突っ込み、携帯を取り出した。
電話帳からサキのアドレスを探し、電話をかける。
「直接話せ、今すぐ話せ。」
俺はサキにコールしながら彼女に言った。
ほどなく電話はつながる。
「もしもしハルキ君…?」
「ごめん、俺、さっきので宮下さんにキレた。
そんで、ややこしくした。本当にごめん。
今から彼女に代わるから、言いたいこと全部言いなよ…。」
サキは、要領を得ない感じで、えっ?と聞き返したが俺は答えなかった。
俺は黙って携帯を宮下さんに突き出した。
彼女はそれを受け取り、もしもし、と言う。
196 :
ゴリラ:2005/11/29(火) 22:12:32 ID:7cWwqUbr
>>ハルキ
ケータイの中だけの恋愛からやってきますた。すごい読ませますな。
荒らさないので楽しませてくれ。っというか仲間に入れてくれ。
すごい続きが気になるぞ。絵もうまいしうらやましいぜ。
>>逆転スラダンさん
誘導ありがとうございます。このスレ面白いっす。
いろんなところで見かけるので勝手に知り合いですw
>>195 ゴクリ・・・なんか切ない三人だなぁ(´;ω;`)
>>196 おっとありがとう。いいだろう?!・・・と自分の手柄のようにw
是非綴られる物語を愉しんで欲しい。
すごいと思うんだ。知り合い認定受けたっwよろしくっ
だが俺はもう電池切れだorz明日愉しませていただく。おやすみなさい
スラダンさんの誘導で来ました。
ハルキさん、優しい人なんですね。
友達や彼女を思う気持ちがすごくわかります。
最後までお付き合いさせてください。
(ROM中心だけど)
ここは平和でいいねw
あらしいないし。
ROM専ですが、楽しみにしてますよ
漏れも綴ってたくなるね・・・
200 :
織姫:2005/11/30(水) 03:44:03 ID:ZKf07Jb6
私も誘導されてきました。やっと今たどりついた。前へ進めるようになったら、いつかかいてみたいな。
201 :
名無しさんの初恋:2005/11/30(水) 12:51:14 ID:aGAfxeTL
>>196 どうぞまったりしていって下さいw
あのスレよりは拙い文章ばかりかもしれませんが。
>>197 おいさん、いつもいつも有難うw
>>198 優しい…のか?自己中かもしんないす
けどがむしゃらに生きてますw
>>199 ここは板の超底辺ですからw
最初は文章の書き方わかんなくて荒れてましたね
>>200 俺は前に進むために書いてます。
少なくとも書き始める前よりは辛くなくなった…かな。
/*--------------------------------------------
自分でageちまったOTL
携帯の弱点…すんません(´・ω・`)
----------------------------------------------*/
携帯を渡した後、俺はぼんやりと宮下さんを見つめた。
「あの…さとみだけど、下村君が…代われって…。
なんか…よくわかんないけど傷つけてごめんね…。
もし、イヤじゃないなら理由…教えてくれないかな。」
サキが彼女と何を話しているのかは全くわからない。
しかし、サキは言うべきことを言えたようだった。
彼女は目を丸くして驚きながらもサキの話に相づちをうつ。
俺はぐったりとして壁にもたれかかりながらその様子を見る。
「正直…びっくりしたよ。けど、嫌じゃないよ。
それでも、私がそういう感情を持てるかはわかんない。…まだ、ね。
じゃあ…友達っ、友達になろっ!」
しばらく会話が続いた後、彼女は電話を切り俺に返した。
そしてまた俺の目を覗き込むように見て彼女は口を開く。
「ごめん…そんなこと全然知らなかったから…。
それと、ありがとう。話、させてくれて。
結局君とも友達になりたいんだけど…」
俺は何も言わず、ただ頭を縦に振った。
俺と宮下さんが建物の外に出ると、サキはそこで待っていた。
俺たちに気づいてサキは振り向く。
「なんか・・・二人の顔見たくなったんだぁ。」
そういうと、彼女は会社の敷地内をぐるりと囲むフェンスを指差した。
彼女は走ってフェンスの土台になっているコンクリートのへりに腰掛ける。
俺も走って、フェンスをつかんでへりによじ登る。
宮下さんはそこまでゆっくり歩いていき、サキの横に腰掛けた。
「今日でもうお別れかぁ。あたしは頑張って京都まで帰んなきゃ。」
背伸びしながらサキが言う。
「私も神戸・・・もっと遠いや。ハルキ君はこっちの大学だったよね?」
宮下さんは斜め上、ずっと遠くを見つめて言った。
「そうそう。すぐ家に帰れる。けどまた自炊の生活に戻るなー。」
俺はつかんでいたフェンスを離し、へりから飛び降りた。
いろんな話をした。お互いの生い立ちとか、これからの目標とか。
こんなに判りあえるのに。こんなに楽しいのに。
もう、2度と会うことはないかもしれない。
そんな切ない想いで過ごす夜はすぐに更けて、宿舎に戻らなくてはならない時間が来た。
シンデレラみたいだな。
宿舎に帰る途中ふとそう思った。なんでそう思ったのかはよくわからない。
魔法みたいな時間が嘘みたいに消えて、今までの生活に戻るからそう思ったのかもしれない。
まんまるの月は夜空に浮かび、3人を照らした。
>>198-200 ようこそ。ありがとう書き込みしてくれて。
言ったはいいが誰も来なかったらどうしようかと内心困ってたw
ロムでもいい。いや、本来は愉しむべき姿勢として正しいと思います。
俺はやいやいと声援や感想をいいたいだけでw
どうぞ愉しんでください。ありがとう
そして、いつの日にか綴ってください。
>>201 礼をいわれるような事なんかしてないよwおまいの物語をみんなが愉しむんだ。
こちらこそありがとう
>>203 いいねぇ・・・・すべてを理解した三人の、一生心に残るであろう一時。
青春だなぁ。オサーンにも心に消えない思い出がある。なんかつられて思い出すなぁ。
いいなぁ。いい。
一応番外編はここで終わりです。
彼女たちはまだそういう関係ではないものの、しょっちゅう二人で遊んでいるそうです。
今度からまた本編に戻ります。
本編のために一瞬だけ一昨年の夏の話をします。
しかし その後 幸せになったと聞く
という歌の歌詞を思い出す。それはよかった・・・
綴ってくれハルキw愉しませてもらう
一昨年の夏、俺の大切な人が死んだ。
交通事故だった。
多分俺はちゃんと彼の死を理解していない。
現在進行形で彼がまだどこかに生きている気がしてならない。
彼は俺の友達だった。
同時に彼は俺の憧れの人だった。
彼は格好よく、面白い冗談も言うし、頭も良ければ運動もできる。
だから彼はモテていたし、綺麗な彼女もいた。
あの頃、俺は切実に彼のようになりたかった。
彼が逝く少し前、こんなことがあった。
学校で彼と鉢合わせたとき、すれ違いざまに彼は俺の耳たぶをつかんだ。
「お前、ピアスしてんのか。」
彼はまるでお気に入りのおもちゃを見つけた子供みたいに笑って言う。
「してるけど、どした?」
俺がそう答えたすぐ後、彼は耳をつかむのをやめ俺の耳元で呟く。
「ピアスしてると女に耳噛んでもらえねーだろが。」
そう言って彼は流れるように方向を変え、去っていく。
彼の香水がほのかに香った。
女じゃなくても赤面してしまうぐらい格好いい奴だ。
俺は次の日からピアスを身につけるのをやめた。
あの頃の俺にとって彼は絶対だった。
ここは泣ける2ちゃんねるですか?
210 :
ジョジョ:2005/12/01(木) 00:56:06 ID:y4tonU1G
>>209 2ちゃんの歴史に残るかもしれない良スレであることは保証する。ww
まあ、あんまり持ち上げずに
黙って聞こうよ。
いいところで、
コテのレスが入ってたりすると
正直流れをぶった切るなと思う。
書いてる方としてはレスポンスあったほうが嬉しいです。
流れを重視したいのであればこちらで書いた後一応ドアブログあたりにまとめます。
それはそうですよね。
ただ、合いの手を入れるようなレスは
書いてる本人(ハルキさんじゃないですよ)の自己満足じゃないかなって。
話がある程度まとまった段階で感想をのべるのが
聞き手のマナーじゃないですか?
コテの存在はスレッドが荒れる原因になる
と言われるのがわかる気がします。
何とも言えないです…
この話だって結局自己満、俺自身のけじめのために書いてるんで…
俺自身が一番構ってちゃんなのかもしれないけど。
勿論聞いてもらうためには話を工夫したりはしますが…
う〜ん、ハルキさんの話は聞きたいよ。
登場人物の誰もが魅力的で、
読んでいてひきこまれる感じがするから。
だからどんどん綴って下さいと思う。
でも、コテとハルキさんの対話を聞きたいのではなく、
ハルキさんの自己満足だけにつきあいたいんだ。
って、波風立ててる自分が1番迷惑ですね。
書き込みはこれで最後にします。
ありがとうございます。
そう言って貰えると本当に嬉しいです。
ここがこれからどうなるかは分からないですが…
俺はひたすら面白おかしく書くだけだと思います。
ルールは住人に任せたいと思います。
籠手さん達も含めて俺の原動力だから。
けどしばらくは俺自身もコメント控えると思います…。
自分もスレ汚しすまそ
217 :
名無しさんの初恋:2005/12/01(木) 03:47:09 ID:mtxzstZD
誘導されてやってきました!!
昨日から読覇しました!!
続き楽しみにしています。
彼と知り合ったのは春先、大学に入ってすぐだった。
その日、俺は暇を潰すために大学の図書館でインターネットをしていた。
俺はなんとなく自分の大学の名前を検索する。
ディスプレイの検索結果には「○○大ちゃんねる」の文字。
ああ、ここにもやっぱりあるのか、なんて半ば呆れながらリンクをクリックした。
リンク先には教師の悪口や、どの科目を履修すればいいかなどの役に立つのか立たないのかわからない情報がひしめいていた。
俺はやっぱり、なんとなく一つのスレッドを見る。
「誰でもいいから今すぐ構って、ミスド奢るから。
構ってくれる奴は15分以内に図書館前に集合!」
最新の書き込みだ。
投稿者は「M」という名前になっている。
投稿日時は…ついさっき、5分ほど前。
ここで書き込んだのか、と俺はぼんやりと思った。
そして俺の頭の中は、こんなところにこんなことを書き込む奴の顔が見たいという好奇心と、
あわよくば奢ってもらえるという期待でいっぱいになる。
俺は飛び出すようにして図書館の入り口に向かった。
図書館を出た。
建物に沿うようにして植わっている桜並木に目が移る。
一番図書館の入り口に近い桜の下に、男が立っていた。
少し遠く、気づかれないぐらいの距離でその男を観察する。
俺は本当に、この人なのかと考えた。
遠巻きにみる限りではスラッとした長身で、顔も整ったいい男だ。
そんなマトモな人間があんな掲示板に書き込む訳が…、と思ったが辺りには彼しかいない。
俺はもう少し様子を見ようと思った。
彼の立っている桜と扉にむかって反対に生えている桜の下に立つ。
しばらく時間が経った。
俺は、桜の花びらが風に煽られて散るのを眺めていた。
不意に、俺の肩が叩かれる。
はっと現実に戻った瞬間、俺の目の前には彼の顔があった。
おっと新展開。結果がわかっていてそれに進む展開かぁ。
愉しませてもらうよ。
さて・・・危惧した通りになった訳だが。ごめんなジョジョ。おまいは悪くない。
どうしたものかね。オチスレでも確保する?
できれば合いの手は入れたいんだが・・・もう小一時間で寝るがw
一応昨日のこともあるのでドアブログのアカ取りました。
ブログならコメントして貰っても流れには関係ないですし。
それに画像をうぷするのに都合がよいです。
スタイルとしては、今まで通りに携帯でスレに書き込んで
その後PCでブログに再録、編集するという形で。
一応ブログでは初期エピソードも綴り直す予定でいます。
うん。出来上がったら教えてね。楽しみにしてるよ
「君、今ヒマ?」
目の前にいる男が突拍子もなく問い掛ける。
俺は状況をのみこみきれず、怪訝な顔をした。
「あ…まぁ暇ですけど。」
「じゃあ俺と遊ぼうや。」
掲示板の人ですか?と言おうとしたが、
けの字を言う前に俺はぐいと手を引かれる。
事態は完璧に彼のペースで進行していく。
しばらく手を引かれるままにしていると大学の敷地を抜けて、街へ出る。
気がつけば俺たちはカラオケボックスの前に立っていた。
「俺が奢るからさ、付き合ってよ。」
彼はそう言ってずんずん建物の中に入っていく。
俺には特に断る理由もないのでしぶしぶ彼に付き合うことにした。
「そういえば名前、なんて言うの?
あと何科の何回生?」
カラオケボックスの一室に落ち着いて、やっと彼が聞く。
「えっと…服デザの一年、下村です。」
「そっか、俺は工デザだわ。三回生。倉田雅裕。」
彼は選曲本のページをペラペラめくりながら言った。
雅裕、という名前を聞いたところで、掲示板の書き込みのことを思い出す。
「あの…掲示板の、Mって人ですよね?」
わかっていたけれど、俺は確認をした。
俺のセリフを聞いて彼は、しまった、という顔をした。
「バーカ、お前そういうことは早く言えよ。
新手のナンパみたいでハズカシかったじゃないか。」
彼はちらっと こっちを向いて、すぐ機械のほうに向きなおす。
どうやら曲が決まったようだ。彼は歌い出す。
彼は確か、ラルクの「花葬」を歌ったと思う。
彼が歌っている間、俺はずっとあることを考えていた。
お気に入りに追加した・・・だがこれはどうやってコメントすればいいんだ?orz
掲示板みたいのはないのか?wすいません
記事のすみっこあたりに「コメント」ってところがあるのでw
すいません不慣れでorzお手数かけます
彼の歌は、お世辞にも上手いとは言えなかった。
歌わなければ格好いいのに、と思うぐらい。
彼が歌い終わり、俺が予約した曲の前奏が流れはじめる。
その間に、俺はさっき考えていたことを彼にぶつけた。
「なんか…辛いことでもあったんですか?」
普通そうでもしなきゃ、友達でもない初対面の人間なんかとは遊ばない。
どうやら図星だったようで、彼はまたしまった、という顔をした。
そうこうしているうちに前奏が終わり、歌がはじまる。
俺の歌が終わった。
彼はちょっと羨ましそうにこっちを見る。
「すげーな、上手いな。」
「これしか取り柄ないですから。
もうね、本当に歌うの大好き人間ですから。」
俺はなんとなく自分の言ったことが恥ずかしくなった。
二人は休みなく歌う。
前奏と間奏の時間で会話をする。
前奏のあいだに俺が問い掛け、間奏のあいだに彼から返事が返ってくる。
まるでメールみたいに。
確か3時間ほど歌い続けたと思う。
歌の合間に、俺は彼の話を聞いた。
231 :
名無しさんの初恋:2005/12/03(土) 10:14:05 ID:ZdkpkvQM
これは泣けるホモ話ですか?
「今日はさ、リサが補習くらってんのよ。
終わるまで待ってろって言うから暇で暇でしょうがなくてさ。
律儀に待つ理由なんてないのにこうやって待とうとしてるワケ。」
歌い始める前に彼は、あ、リサって俺の彼女ね、と付け足した。
彼とリサは長い付き合いだということ、
彼がリサのことを本当に大事に思っていること、
それでもお互いにやっぱりムカついてしまうところもあること。
それと、彼の元彼女とリサは同じクラスなのに本当に険悪なこと。
そんな話だった。
俺には到底わからないような話だった。
そこまで大事に思える人は俺にはいない。
それが本当に悔しかったし、羨ましかった。
彼は言いたいことを言い尽くしたのか、スッキリとした顔になった。
「ありがとう、また遊ぼうや。」
こうして、俺は彼と友達になった。
彼と友達になって半年。
彼が死んで、リサは取り残された。
俺とリサとは友達と言える程仲良くはなかった。
けれど、お互いのメールアドレスは知っていた。
俺は、リサが心配だった。
だから、たまにメールも送ったし、彼女と遊んだりもした。
リサはいつも煙草を吸っていた。
赤いパッケージのマルボロ。
体にまとわりつくはずの煙の匂いは、
彼女の香水と混じってなぜかいい香りになっていた。
ブルガリのプールオム。彼と同じ匂い。
「最近肺が痛くてしょうがないんだよねー。」
学校の空き時間、煙草をくゆらせながらリサは言う。
俺は、しょうがない、と思った。
俺の見ている限りでは、リサは絶えず煙草を口にしていたから。
「・・・死にたいの・・・?」
「・・・そうかもね。」
彼女は首をかしげながらこっちをみた。
そして、小指にはめた指輪を撫でるようにして触る。
それは、彼からの贈り物だった。
まだ彼女が彼にとらわれている証拠。
「そんなことっ、あの人が望むわけないし!」
俺は、怒鳴りつけるように言った。
もちろん、彼の意思なんて知らない。友人としての、俺の願いだ。
「あはは、アイツなら確かにもっと楽しんどけって言うハズだわ。」
リサは言う。
強がりを言う。
笑った顔の向こうには諦めがちらりと見える。
「とにかく、俺が別のいい男連れてくるから、それまで待ってなさい!」
「うん、期待しないで待ってる。」
その時のリサは、まだ冗談を言えた。
すいません。週末出かけていました
ほほう・・・彼がちっと薄いがw展開はスリリングだなぁ。
ブルガリかぁ。いいよねぇあれ。俺はシャネルだがw似合うか否かは別としてねっ(´;ω;`)
まとめブログ変えたの?後でいってみようw
いや、元の文章をいじくり倒してたら
全然違う文章になったって意味ですw
実はこっちでは結構勢いに任せて書いてるんで、
ブログではちまちま直しまくってます。
ああ、そうかぁw
でもいろいろ相違を探す楽しみもあるってことね。
酔っ払いの俺は今は無理だがorz
ごめん立てられなかったorz
じゃああのスレはどうなってしまうのでしょう…(´д`;)
>>235 ハルキの周囲にはいつも女あり。うらやましorz.
でも、楽しませてもらっているよ。続き、期待しちょるよ!
>>240,
>>241 スラダンの兄いがしくじったみたいなので、「【〜】〜4【〜】」として
スレを急遽立てました。だれも立ててくれないので少しあせったーあ。
>>242 乙です。俺がでしゃばったばっかりにorz
この場を借りてお詫びします。
そして将太にテラワロス
それと周りに女ばっかりかと言われるとそうじゃないですね。
学校は半々ぐらいっす。
些細なことで「うはwwフラグ立ったww」と思ってしまう真中体質の成せる業ですorz
244 :
名無しさんの初恋:2005/12/05(月) 06:05:38 ID:I0DR6NjU
>>243 将太だけど何がおかしいんだ?俺は一生懸命だ
>>244 ガチで本人すか?
そして本人と中断した人って同一人物?
つ[将太の寿司]
という漫画があることに気づいていない人は多いのだろうかw
俺は中断しますレスしか見てなかったからてっきりネタかとスミマセン
じゃあここいらで流れを元に戻します。
246 :
名無しさんの初恋:2005/12/05(月) 08:16:32 ID:I0DR6NjU
ガチの将太だ!いや寿司職人はホンマ!てかケータイ〜のまとめサイトさっきみたけど、あれは俺もウケたWあれは確かにテラワロスだな。すまなかった。
リサは、日を追うごとに病んでいった。
それでも俺は、リサへの態度を変えることはなかった。
そんな中で、だんだんすみれさんとの関係がこじれていった。
いや、自分で勝手にこじれるようにした、と言ったほうが正しいのだろうか。
俺は、遠距離恋愛特有の寂しさに耐え切れなくなっていた。
会いたいときに会えない。
声が聞きたいときでも電話もできない。
メールすら、欲しいときには返ってこない。
仕事と俺、どっちが大事ですか、なんて不毛な質問はしない。
最低限、おはようとおやすみのメールはしていた。
それでも俺には足りないように感じた。
「だからホントさみしーんですってば。ほんとに。
で、どうしようもないからその友達にメールしてるっていう。」
「とりあえず落ち着きなさいって、コーヒーでも飲みな。」
昼下がりの学校、服飾デザイン科の建物の一角にある小さな部屋に俺はいた。
アイダによく似たこの部屋の主は、コーヒーを煎れた。
彼女はコーヒーを煎れながら、元から細めな目をもっと細めて遠い目をした。
その人、町田百合香と俺とは郷里が同じだった。
そして、偶然にもユリカはすみれさんと同じ高校に通う友達だったという。
そのせいもあってか、俺はユリカによく懐いている。
すみれさんが俺の恋人であることを、彼女は知らない。
けれど、他の人よりに言うよりも事情をわかってくれる気がした。
だから確証もないけれど、彼女に愚痴を言うことは多かった。
「そんで・・・その友達から付き合おうよ、みたいなメールが来ちゃって・・・。」
「遠くの他人か近くの恋人・・・か。」
ユリカは遠い目をしたまま、コーヒーをすする。
「付き合おうよ、みたいなメール」は、リサから来たものだ。
実際には「セックスしようよ」だったのだが。
その時点で、リサは相当病んでいた。
綺麗だった外見も、体重が増えて変わり果てた。
(それでも並以上であることに変わりはなかったが。)
そのメールが来たとき、俺は本当に驚いてどうしていいかわからなかった。
とりあえずどうしたの、と聞いてみると男に振られたそうだ。
「重たいのが嫌なんだって。
アタシはもっと安心したいよ・・・。」
受話器の向こう側のリサは、泣いているのか笑っているのか判らないような声で言っていた。
致命的ミスorz 「遠くの恋人か近くの他人」ですたorz
いろいろお騒がせの上に寝てしまった俺・・・w
あっちはまぁなんとかなったでヨシとしよう。
そのうち俺がここ貼るから堪忍よハルキ。
そして
お手数かけましてすいません
>>242。その後の顛末もまこと申し訳なす・・・
将太、お前wイッチョ前になれよー?応援してるぞっ
そして綴られる物語。リサちゃん・・・・(´;ω;`)
「決めるのは君だけど、後悔はしないようにね。
ときに、君は詰めが甘いから。」
そう言いながら、ユリカはまだコーヒーの入ったカップをテーブルに置く。
見透かすようにこちらを見て、座った膝の上に手を組んだ。
「…なんで先生にそんなことわかるんですか。」
「テストとかテストとかテストとか見てるとさ。
よく、やり方は合ってるけど採寸の数値間違えてるじゃない。
君がそれで30点損するのはザラじゃない。」
ユリカは自分の理論を自信ありげに言い切った。
俺は反論できない分、余計に腹立たしくなった。
ふくれつらをした俺を見て、ユリカは笑った。
その瞬間、コンコン、とこの部屋の扉を叩く音がする。
扉が開き、すらりとした長身の女性が顔をだす。
ピンストライプのスーツに身を包み、漫画の単行本を手にするという妙な組み合わせ。
「マッチー、デスノ返すよ。」
「あ、椿ちゃん、ずっと貸しっぱなしでよかったのに。」
椿と呼ばれた女性は、ユリカの部屋に入るとすぐ辺りを見回した。
椿はユリカの教員仲間だ。
「ここっていっつも片付いてるねー。って、シモムラいたの?」
片付いた部屋にひとしきり感心した後、椿はやっと俺に気づいたようだ。
「椿ちゃんの仕事場は書類でいっぱいですもんね〜。」
ユリカはもう一人分のコーヒーを用意しながら言った。
「んでっ、シモムラはなんでここにいんの?」
「恋愛相談、椿ちゃんもいぢめてあげて。」
椿の問いに俺が答える間もなく、ユリカはさらっと言った。
ユリカの言葉を聞いて、椿はまるで悪いいたずらを考えるような顔つきになった。
少し邪悪でありつつも純粋に楽しんでいるような、そんな顔。
椿と目が合った俺は、少しどきりとしてしまった。
「なんで悩んでんの、おねーさんに言ってごらんなさい。」
意地悪っぽい笑みをたっぷり浮かべる椿。
・・・多分、何か言えば絶対につつかれてしまう。
俺が躊躇しているうちに、ユリカがあっさりと口を割った。
「遠距離恋愛が寂しいんだってさ。」
椿はこっちをじろりと見つめる。
「お前、ついてんだろが、女々しいぞ!」
・・・俺はあなたみたいにサバサバと割り切れないんです。
そう言おうと思ったが、またユリカが割って入った。
「苛めていいって言ったけど苛めすぎだよ〜、かわいそうに・・・。」
・・・むしろあなたが増長しているんですよ。
そう言おうと思ったが、またひどい目に遭いそうなのでやめることにした。
「だって・・・周りにはすっげーいちゃついてるカップルいっぱいいるし・・・。
けど俺の彼女は寂しいときでもそばにいてくれないし・・・。
彼女がいるから、どこへも行けないし・・・。」
俺は自分を守るように反論した。
今思えば幼稚な理論だが、その時の俺にはすみれさんとの絆は重荷でしかなかった。
「プレイボーイだな、お前。
別れちまえよ、そんなんならさ。遊んだほーが楽しいって。」
俺の気持ちなど全く考えずにそう言って、椿は声をあげて笑う。
けれど、彼女の能天気さは俺にとっても心地よい。
その後結局、二人にはこっぴどくからかわれてしまった。
思慮深いユリカとおおらかな椿。
彼女たちのそばは本当に居心地がよかった。
実際にユリカの部屋には絶えず誰かが居座っている。
椿まで、俺と一緒になって長居をしている。
そうこうしているうちに、雨が降り出してきた。
冬の天気は変わりやすく、傘を持たない俺は慌てふためく。
「シモムラ、寄り道してもいいなら送ってくけど。」
椿が申し出る。
俺はお願いします、と答えた。
「若い男を連れまわしてどこに寄り道?」
「ヒミツでーす。」
ユリカの冗談に、椿は俺の肩に腕を回しながら答えた。
椿も冗談のつもりだったのだろう。
けれど、何故か俺の心臓は大きな音を立てて動き出す。
>>255 読んでる俺の心臓も、ドクン、ドクン、と鳴り出したー。
とりあえずすみれさん編はまとめ終わりました。
スレより綺麗に終わらせることができてよかたよ。
一応もう一度誘導をば
つ[
http://blog.livedoor.jp/ore_mattari/] それと、カテゴリ別にアーカイブを分けて見やすくしてみました。
現スレでの登場人物プロフィールも追加(記事として)してあります。
アーカイブが古い順に並ばないのはライブドアのせいですwwww
椿の黒い車が、青梅街道を西に走る。
昼過ぎの道は思ったより空いている。
「f;zfkjごbm、sふじこdklgbんふ・・・!!!」
俺は声にならない声をあげ、心臓をばくばくと高鳴らせた。
「こんぐらい普通じゃない。」
けろりとした顔をして椿はどんどんアクセルを踏み込む。
どうやら彼女はスピード狂のようだ。
「やめ・・・死にたくない・・・うわああああああああ!」
普通の道路を、高速で出すようなスピードで走る。
ちなみに、俺は絶叫マシーンが大の苦手である。
「騒ぐなって、騒ぐと余計あぶないよ。」
たしなめるように椿は言った。もうどうにでもしてくれ、と俺は思った。
車は猛スピードで奥多摩に向かって進んでいた。
進むにつれて、自然が色濃くなっていく。
「へぇ・・・こんなところもあるんだ。」
なんてことを思えたらよかったのだろうが、怖くてそれどころではなかった。
車は奥多摩湖に着いた。
出発してから小一時間がすぎていた。
本当は大学からならば、もっと時間がかかるのだろうと思った。
椿の無茶苦茶なドライビングテクによって所要時間はかなり短縮されていたから。
車から降りると、俺を脱力感が襲った。
何もしていないはずなのに、どっと疲れた気がする。
「寄り道の目的地って、ここですか?」
間延びした声で、俺は尋ねた。
「そうだよ、気分転換、気分転換っと。」
椿は背伸びをしながら湖のほうへ歩いてゆく。
冬で、平日の昼間ということもあってかそこに人はほとんどいない。
初めてくる場所なのに、俺には何故か懐かしく感じられた。
それは、その景色と故郷の景色を重ねていたからだった。
出発した時には土砂降りだった空は、晴れあがっていた。
やっぱり冬の天気は変わりやすい。
椿は湖のふちをぐるりと囲むコンクリートの塀に腕を置いた。
俺も、まだ少し濡れたままの塀にもたれかかった。
ここで不意に気になったことがあった。
「そういえば、まだ4時ですよ。仕事…いいんですか?」
不安げな顔をした俺を、彼女はけらけらと笑い飛ばした。
「こないだ日曜出勤したから今日は休暇だって。
結局仕事してたけどね、何かもったいないけど。
だから休暇の天寿を全うしにきた訳だ、わかったかね君?
今日が終われば、また聞き分けのないガキ共の子守。
今日ぐらいは、全部忘れてリセットしないと。」
彼女はまた、少しだけ豪快に笑う。
「けど、シモムラは素直で割と可愛い部類だけどな。」
椿はそう訂正して、俺の頭をくしゃっと撫でた。
俺は、なんとも言えない気持ちになった。
最近忙しくてなかなか来れません。すいません
ほほう・・・新展開?しかしいい人生よのぅ(TДT)
椿さんイラストイメージきぼんw
絵をブログに追加wwwww
それではまた宜しくお願いします
マジ?w
あまり来れないも知れないけど楽しませてもらってるよー
ありがとうっ
264 :
ゴリラ:2005/12/08(木) 00:20:23 ID:hUL6C0jE
ずっとひっそりロムってたわけだが…お前さんは本当にいい暮らししてるな。
毒の俺にはうらやましいかぎりだ。少しでいいから分けてくれw
椿さんのキャラもまたいいな…。
クリスマス?なんですかそれ。
俺もクリスマスを皮切りに6ヵ月の遠距離恋愛が始まりますorz
ちなみに学校は男女比半々ぐらいです。
恋をするためにはやっぱり些細なことで「フラグ立った」と思えたほうがw
すみれさんのこと、リサのこと。
そして、俺の心に染みとおるように入ってくる椿のこと。
頭がぐるぐると、罪悪感でいっぱいになってゆく。
「そんな顔するな。」
泣き出しそうに歪んだ笑顔の俺を励ますかのように椿は言った。
もう一度、ぐしぐしと俺の頭を撫でると、「命令だからな」と付け足した。
「それにしても、なんでそこまで頑張るんだ、お前は。」
「・・・わかんないです。約束、だからかな。」
「約束って?」
「俺が卒業したら結婚しよう、って。一年前に約束したんです。」
すみれさんと付き合いだしたのは一年と8ヶ月前。
ずいぶん昔のような、それでいて全然時間が経っていないような気がした。
「わかんないな、もうちょっと遊んでもいいと思うけど、ワタシは。」
塀に頬杖をついて、小さくあくびをしながら椿は言った。
「好きなもんは好きでしょーがないじゃない。」
「俺には・・・わからないです。
裏切るみたいで、きっとそんなことはできないと思う。
それに、彼女との将来を見てみたいって気持ちもまだ大きいから。」
俺の答えはもう出ていた。
たとえ間違っていたとしても、俺は待っていると決めていた。
「じゃあさ、さっきの、付き合いたいって言ってた子のことは?
何とも思ってないワケ?どっちが好きなの?」
椿は好奇心たっぷりに聞いた。俺は少し困った。
「その人のことは・・・なんとも思ってないです。
ただ、友達として立ち直って欲しいって気持ちはあります。」
好きなものは好き、そう言えたらどんなにいいかと思った。
俺の気持ちが目の前の女性に傾き始めていたのは明白だったから。
「最近の若いコの考えることはわからん。
ま、それが結論なら頑張ってみればいいんじゃない?」
結論が出ていることが気に食わないらしく、椿は少し強引にしめた。
「じゃあ、聞きますけど、先生は遊んだことあるんですか?」
ふてくされる椿に、俺は聞いた。
もしかしたら自分を正当化できるかもしれない、なんていうズルい気持ちから。
「あー、あるある、そんなの普通に。
いや、まあ誰かと付き合ってるときに他の誰かとってのは無いけど。
誰とも付き合ってないときに、相手を決めないで・・・とかならね。」
さっきまでふてくされていたのが嘘のように、彼女は生き生きとしている。
「折角だし、試すか?」
椿はにやりと笑って言った。
「な・・・何をですか・・・?」
俺には純粋に意味がわからなかった。
「だから、お前が、ワタシと、浮気。」
椿は「お前が」で俺に指を指して「ワタシと」で自分の胸に手を当てた。
「そ、そそそっ、そんなっ、俺なんかからかっても面白くないですよっ!」
俺は焦った。全く予期などしないような言葉を聞いたから。
「いーや、面白いね、実に面白い。」
自信満々に言う椿。
「俺はあなたのオモチャですか!」
俺のツッコミに椿は大きくうなづいた。
>>268 うーん!?なんだかエッチな甘酸っぱい雰囲気いっぱーい!!
「そろそろ帰るか、シモムラも元気になったことだし。」
椿は背伸びして、駐車場へ向かった。
いつの間にか、考えすぎて悲しくなるような気持ちは消えていた。
「先生、ありがとうございます。」
椿の後ろ姿に声をかけた。
きっと椿は、俺のことを励ましに連れてきてくれたんだな、と思った。
「お礼は・・・あっ、そうだ、服作ってよ。課題扱いでいいから。
このあいだのテスト赤かったからその分も埋めてあげる。」
「え?デザインとか型とかどーすんですか、先生のサイズ知らないし、
それに俺デザイン上げるのすげー遅いですよ。」
「バカ、誰がデザインさせてやるって言ったよ。
この前いい絵が書けたんだけど作る時間ないから、お前に任せる。
服デザで近年稀に見る職人だってオジサン(教授)たちも言ってるし。」
「そんな、買いかぶりすぎですよ・・・。」
彼女は勢い良く振り向いて言った。俺は照れる。
ちょっと図々しくて、マイペースで。
普段人に気を使わないような彼女が、俺に気を使ってくれている。
彼女が、どんどん俺の気持ちに入り込んで来るんだ。
もう優しくなんてしないで欲しいと思うし、もっと知りたいとも思う。
矛盾した感情の中で、脆弱な俺は翻弄される。
もう一度椿の運転に付き合い、俺は自分のアパートにたどり着いた。
部屋に入り、おもむろに携帯電話を取り出した。
携帯には、リサからのメールが着信していた。
「ねえ、今週の金曜日暇?友達で集まって鍋しようと思ってるんだけど。」
友達、というのは俺とリサと雅裕の共通の友達だろう。
最近彼らにも会っていないし、彼女と二人きりではないようなのでOKした。
次の日、椿にデザイン画と型紙をもらった俺は深夜まで作業室にいた。
デザイン画はともかくとして、彼女の手がける型紙は丁寧で、作る方にも親切だ。
俺は意気揚々と彼女に贈る服を作っていた。
褒められたことが嬉しくて、いつもの倍近く気を使って。
すみれさんからのメールにも返事を返さずに、本当に没頭していたと思う。
服を作っていると、時間がすごく早く経つのがわかった。
本当に俺は、作るという行為が好きだから。
そして、あっという間に約束の金曜日になった。
金曜日の夕方、俺はリサのアパートを訪ねた。
大学からかなり離れて郊外にある彼女の住処は、綺麗で立派な建物だった。
部屋のインターフォンを押すと、彼女が顔をだし、俺を手招いた。
彼女の部屋はとても広く、調度品は多いほうだったが片付いて見えた。
「へぇー、こんないい暮らししてるのか。」そう思いながら俺は辺りを見回した。
「座ってよ」とリサはソファーを指差して言った。
俺がソファーに腰掛けるとすぐに、リサは鍋の仕度をしはじめた。
「何か手伝おうか」と聞くが、彼女はいいの、と答えた。
テレビを見たり、ゲームをしたりしていると、
ふとかなりの時間が経過していたことに気づく。
この部屋にはまだ「友達」は来ていない。
さすがに鈍感な俺も、リサの思惑に気づいてしまった。
「どういうつもり?」
俺はリサに尋ねた。リサは、ソファーの俺の隣に腰掛けた。
「ごめん、騙したみたいだけど、今晩は二人きり。」
273 :
名無しさんの初恋:2005/12/09(金) 18:02:59 ID:ZjJXPtUO
しらける事いうけど
この物語はホントに実体験?
一応実体験+妄想ですw
「バス、もう出てないから。」
憤慨して部屋を出ようとする俺に、リサは淡々と告げた。
「なにもしないから、今晩は一緒にいてよ。」
冬の真夜中に、一人で野宿ができる程俺は強くなかった。
「怒ってる…よね。」
リサの問いに、俺は黙って頷いた。
二人で鍋を平らげた後、リサは薬を飲み、煙草に火をつけた。
「どっか悪いの?煙草なんて吸ってるから。」
「違うよ、これは抗うつ剤。」
リサは、薬と煙草に頼らなければ生きていけないぐらいに病んでいた。
何故そこまで病んでしまったのか。
何故そこまで雅裕にとらわれるのか、そのときの俺には理解できなかった。
「なんで、そんなんなっちゃったんだよ!」
俺はコタツに向かい合って座るリサに、責めるかのように問いかけた。
276 :
名無しさんの初恋:2005/12/10(土) 15:47:17 ID:mJDZ1ptM
やっぱ妄想も少しは入ってたんだ。でも俺はハルキが書く物語好きだし
楽しみにしてます。
いやな質問してわるかったな!気にせずがんばってくれ!
けど大筋は変わってないですよ。
変えたのは細かい台詞とか設定だけですね。
じゃなきゃここまでキチンと書けないしw
あとは広志かユリカか鹿子に読まれたらリアルバレしてしまいますねw
鹿子はまだ出すか出さないか決めてないサブキャラですが。
すいません。忙しさにかまけてこれませんでした。
こっちにはあまり書くな、との事でしたがwご報告までに
申し訳ないですが、報告程度のことならブログのコメント欄にお願いします。
質問や感想、要望ならまだしも、スレと全く関係のない報告だけだと、
また気分を悪くされる方が出てくると思うので…
俺が言えたことじゃないですが、どうか書き込むなら感想や要望も一緒にお願いします。
すまんorz何故か見れないんだブログ。
あと、あっちに誘導だしました。事後報告で重ねてすいません。
リサちゃん・・・俺的には椿がwしかしドSなんだよなぁw
「後で、全部教えてあげるよ。
どうしてアタシがこんな風になったのか。」
リサは寂しげに、食器を片付けながらつぶやいた。
彼女と彼の間に、どんなことがあったのか、俺には知る由もなかった。
俺の中で、雅裕は理想の、そして潔白な人だったから。
食器を一通り片付けたリサは、突拍子もないことを言い放った。
「ていうか、アタシ寝るわ。」
「えっとー…さっきの話の続きは?
そして俺はどこで寝れば、ふとんはアリマスカ?」
さっきリサと飲んだ酒が回り、俺は何がなんだかわからなくなった。
「布団はあるよ、ただしアタシの一つだけ。
添い寝してくれたら、話してもいいよ。
あ、あと、暖房消しちゃうから。」
そう言って、リサはニィっと少し歪んだ笑顔をした。
その日は真冬。
そして土曜日は昼からバイト。
酔っ払っていた俺の判断は、「布団で寝なきゃマズい」だった。
リサは軽くシャワーを浴び、パジャマに着替えた。
風呂に入りたければ入れ、と言われたがそんな気分にはなれなかった。
俺は、リサの大きめな布団の隅っこで、うずくまって彼女を待った。
なんか泣いた。リサちゃんは自分を傷つけてる。
その気持ちはわかるが余計辛くなるだけだ
「そんな端で、縮こまってないでよ。」
支度を終え、布団に入ってきたリサが言った。
いつもの香水と煙草とは違う、シャンプーの匂いが広がる。
「手、繋いでくれない、これから話す事、けっこうツライから。」
リサは、布団の中の俺の手を取りささやいた。
彼女の手は、震えていた。
俺は、いたたまれなくなって彼女の手を優しく握った。
「ハルは、マサヒロがどうやって死んだか知ってる?」
部屋の電気は消えていた。
だから彼女がどんな表情でいるのかはわからなかった。
俺は、小さく「知らない」と答えた。
285 :
名無しさんの初恋:2005/12/11(日) 11:50:56 ID:0vM0hAhC
スラダンうざい。
このスレ汚しが...
>>285さん
一応あの人がいたから、このスレもここまでやってこれました。
彼は一応この板の良スレ認定人みたいなものだと思います。
過度に自分語りになったり、スレに関係のない事をレスするようであれば
俺から注意を促したいと思います。(ある程度は目をつぶりますが)
もし、どうしても嫌で、彼の存在を見たくないと仰られるならば
まとめブログの方で話が綴られるのをお待ち下さい。
それと、あなたがageてそういうレスをすることはスレ汚しに全く相当しないか、
と言われれば自信を持って否定はできないと思われます。
彼のことを指摘される前に、ご自分がsageて発言されるようにお願いします。
申し訳ありませんが「まったり」進行で宜しくお願いします。
「アイツは、浮気相手を庇って死んだ。
スピード出し過ぎて突っ込んで来た車にはねられて、ね。」
リサの手は、酷く震えた。
「それで、そのオンナだけ生き残った。
話してみたけど、いい子だったよ、その子。
騙して付き合ってたのはアイツだった…。」
淡々と、話を続けるリサ。
彼女の体の震えは酷くなったが、声の調子は変わらなかった。
夜目が利いてきて、そのうち彼女の表情がわかるようになった。
彼女は、泣きそうで、泣けないそんな顔をしていた。
「もう、いいよ。無理して話さないで。」
俺は思わず、震えるリサの身体を抱きしめた。
288 :
名無しさんの初恋:2005/12/12(月) 02:07:26 ID:Vg33VvjG
それは済まんかった。
sage進行だとは知らず...。
言い訳じゃないが
sage進行とはどこにも書いてないからね。
289 :
名無しさんの初恋:2005/12/12(月) 02:10:26 ID:Vg33VvjG
と言ったみたわけだが、
>>191 にsage進行って、ちゃんと書いてあったな。
ごめんよ。もう消えるよ。
ドンマイケル!
>>288 ドンマイケル!
俺以外の人への中傷はしちゃダメですが、俺への中傷はしていいですよ。
あと感想と要望、批判もお待ちしておりますwwwwww
>>290 マイケルよりHG派です。
この前住谷氏と付き合っている夢を見てしまった俺。
実にヤバイです。(いや住谷普通にかっこいいけどさ、素顔は。)
「ハルだけだよ、真剣にアタシのこと構ってくれるのは。」
抱きしめた腕の間から、深いトーンの声がする。
彼女の腕は、人間の感触を確かめるように俺に触れた。
そして、「もっとくっついてよ」と言って彼女は俺を強く抱きしめた。
「アタシはもう、きっと誰のことも好きにはなれない。
それでも、わがままかもしれないけど、ハルにはそばに居て欲しいんだ。
この前みたいなメールも、いろんな人に送ったけど、
きちんと返事してくれて、心配してくれたのハルだけだから。」
そう言い切ると、彼女は安心したのか眠りに落ちた。
俺も、彼女を抱きしめたまま「いつもと同じような浅い」眠りに落ちた。
俺が目覚めると、腕の中にはもうリサの姿はなかった。
いつも眠りが浅いから、気づかないはずはないのに。
多分、今朝は「楽しい夢」を見たのだろう。
リサは既に朝食を作って俺を待ち構えていた。
二人分の朝食。なんだか同棲しているみたいで、どきっとした。
コタツに座り、二人で向かい合って朝食をとった。
二日酔いで、そして寝ぼけた頭で彼女の顔をぼんやりとみつめた。
昨日は俺もリサもいろいろと我慢をしたんだと思う。
リサは、「好きだよ」とは言ってくれなかった。
俺も、「一緒にいてあげるよ」とは言えなかった。
眠りにつく前、腕の中にいるリサの鼓動が高鳴るのを感じながら、
俺は、遠くで眠っているであろうすみれさんに想いをはせていた。
リサは俺にとって大切な人だ。
けれど、どこまでいってもリサは雅裕の彼女でしかなかった。
だから、友達としての「大切」。
身体はリサを抱きしめているのに、心はすみれさんを想っている。
そしてリサにもまた、哀れみのような、愛しさのような感情を抱いている。
俺はそんな矛盾に耐えられなくなっていた。
これは、この行為は、浮気と呼ばれてしまうのだろうか。
考えれば考えるほど、恐怖が俺の中を駆け巡った。
「俺は、すみれさんを失いたくないよ。
彼女との未来を失いたくないよ。
だから、今日一日のことだけ、黙っていてもいいよね。」
俺は、心の中でそう結論を出したのだった。
だからこそ、リサに「一緒にいてあげるよ」と言えなかった。
俺は表面上、何事もなかったかのようにリサの部屋を後にした。
それからまた数日は、椿のために服をつくる毎日だった。
すみれさんは丁度忙しい時期らしく、ほとんどメールを送ってはこなかった。
思えば彼女とは3ヶ月以上会えていない。
それでも俺は、満ち足りた日々を送っていた。
寂しくはなかった。
すみれさんも、リサも、椿のことさえ愛していたから。
けれど、罪悪感を感じないといえば嘘になった。
すっぱりとすみれさんとの「役に立っていない関係」を切り捨てれば良いのかもしれない。
けれど、それをするには彼女に情が移りすぎていた。
俺は彼女たちのことを同じぐらい深く愛している。
それなのに何故一人を選ばなくてはいけないんだろうか。
そんな葛藤の中で、俺は苦しんでいた。
ずっと昔、彩香が言っていたことが少しわかった気がした。
一週間ほど作業を続けて、椿のための服が完成した。
我ながら上出来で、今まで作ってきたものの中で1、2を争う出来だと思った。
「ありがとうね、やっぱりシモムラに任せてよかった。」
俺が彼女に服を渡すと、彼女は嬉しそうにしてくれた。
嬉しそうな彼女を見ていると俺まで満たされる気がした。
こんなのはエゴでしかないんだろうけれど。
思えばモノをつくるという行為すら、エゴなのかもしれない。
それは自分のエゴイズムを形にするという行為。
俺がちっぽけだからこそ、この世界に何らかの影響を及ぼしたいと思うんだろう。
俺がいなければ、この世界に存在しないモノを創りたいんだ、きっと。
「何難しい顔してんだよ。」
そんなことを考えていたら、椿が声をかけてきた。
「いや、俺って物を作ってないと生きていけないのかもしれないなって。」
「じゃあ、作れ作れっ。」
彼女は能天気に笑った。俺もつられて笑った。
椿と一緒にいると、嫌なことを考えなくてすむから楽しい。
タイムチャート乙!
しかしそんなに女が周りにいるとはどんな星の元に産まれたんだおまいはorz
基本的に友達(または知り合い)は多いですね、男女問わず。
あと、女性のヘアメイクとか服とか考えるの好きで自分でも妹とか母とか友人にします。
そういう趣味があるので、女性と趣味の話では盛り上がれますねw
まぁ接点としてはそんなとこですかね。
「思ったより上出来だったから、今度何かおごってやるよ。」
しばらく談笑した後、椿が思い出したように言った。
「わかりました、期待しておきます。」
俺はそう言って、期待に胸を膨らませながら帰路についた。
多分、二人きりでのデートなんだよな。
そう思うと身体が熱くなった。
彼女に褒められた、食事に誘われた、たったそれだけのことが嬉しかった。
俺の心の中は、椿のことでいっぱいになった。
椿が教鞭をとる授業中も、ずっと彼女に見とれていた。
勉強をしていないわけではないが、最低限以上のものは頭に入らなかった。
そんなある日のこと、自分の部屋でぼんやり過ごしていると携帯が鳴りはじめた。
すみれさんからの着信。
久しぶりの彼女との会話は弾んだが、やがてこじれ始める。
「だいたい、はるたんは子供だからわかんないの。」
「バカにすんのもたいがいにしろよ。」
きっかけは何だったのか、もう今となっては覚えていない。
確か、お互いの価値観が違っていたことが原因だったと思う。
俺が思いやりだと思ってしたことが、彼女を怒らせた。
話し合えばわかるのに、いつまでたっても彼女は理由を言わなかった。
「言わなくてもわかるでしょ、そのぐらい気づいてよ。」
「気づけないよ、どうしようもないし。
俺はいままでなんでも遠慮なく言われるような環境で育ってきたんだから。
言われればちゃんと直すよ、それは当たり前。
だけど、どこが悪いか言ってくれないで、悪い悪い言われたら本当にムカツクよ。」
結局、俺が「もういいよ、言うとおりにすればいいんでしょ」と言って、
強制的に通話を終了させた。
あのまま話を続けていても堂々巡りにしかならないことを知っていたから。
あんなに愛していたのに、つまらない意地をはりあうのが悲しかった。
電話を切った俺は、彼女との終わりが近づいていることを感じた。
けれど、その時の俺は我慢をするつもりでいた。
一緒にいると楽しいし、誰よりも俺のことを理解してくれている気がしたから。
良スレ発見!!
すみれさんとの電話から数日、俺の精神は壊れ始めていた。
いつまで続くかわからない寂しさに耐えて、椿に心惹かれる気持ちを抑えて。
俺の中での均衡と答えは当然崩れ始めていた。
時間が過ぎるごとに、椿への想いは大きくなっていった。
「ねえ、また週末泊まりにきてくれないかな。」
そんな矢先に、リサからのメールは届いた。
本当はリサと会うことをためらう気持ちはあった。
これ以上、リサまで俺の心の中に踏み込ませたくないから。
「うん、行くよ。」
それでも、崩壊しかけた俺の心がはじき出した答えは、彼女に縋ることだった。
一秒でも多く、椿のことを忘れていなくてはならない。
一秒でも多く、寂しい気持ちを埋めなくてはならない。
だからこそ罠だとわかっていても、リサに会いたいと思った。
週末、俺はリサの部屋にいた。
相変わらず部屋は片付いていて、広かった。
俺がテレビを見ている横で、リサは食事の用意をしている。
いろいろな不安からの逃避をして、俺は久しぶりに安心することができた。
すみれちゃん。リサちゃん・・・(TДT)
おまいはひどい奴だ
メンヘラのする(した)ことですから('A`)
この辺はどうも書きづらいっす…
完璧に俺がぶっ壊れて、悪者だったから。
批判覚悟での「同じことはもう二度としない、させない」っていう主張ですね。
痛いやorz
けど書かなきゃ。
俺の感想はあくまで綴られる物語に対するものだよw
その辛い話をも綴るおまいをリスペクトしているとも。
食事が終わり、俺は食器を片付けようとする。
そんな俺を、リサは「アタシが全部やるよ」と制止した。
俺は少しだけ申し訳ない気持ちになりながらもこたつに座ったままでいることにした。
皿を洗う水の音が消えて、リサは部屋のキッチンになっている部分から戻ってくる。
彼女はさっきまで自分が座っていた場所には戻らなかった。
向かい合って反対側、俺の座っている隣に座ろうとした。
けれどこたつに二人の身体は収まりそうにない。
リサはそのまま、俺の真後ろに膝立ちをしたまま、もたれかかるように俺を抱きしめた。
「抱きしめ合おうよ。」
耳元で、彼女はちいさくそう囁いた。
身体に伝わるリサの鼓動は終始ゆっくりとしたものだった。
「そういう」感情が本当にないということを覚って少し悔しくなった。
俺は、彼女の言葉に返事を返さないことにした。
「ねえ、何とか言ってよ。」
俺の肩に顔を乗せた彼女の長いふわふわした髪が、身体にかかる。
「・・・利用してるだけだよね、俺も、リサも。」
「そうだよ。だから、寂しいなら抱き合えばいい。」
俺の出した問いに、リサは即答した。
「俺を好きになってくれないなら抱けない。」
「好きにはなれない。そんな感情は要らない。」
俺は心のぬくもりが欲しかっただけ。
そして、彼女も身体のぬくもりが欲しかっただけ。
二人とも、だんまりのまま時間だけが過ぎていった。
ふいに、リサの腕が俺の身体から離れた。
諦めてくれたのだろうか…?
少し物足りない気持ちになった俺は、リサのほうを振り向いた。
「何?やっぱり寂しいんでしょ。」
机の上にある煙草とライターに手を伸ばし、彼女は煙草をふかしはじめていた。
ところどころ煙に隠れた顔には、してやったりという笑みが浮かんでいる。
寂しさを見抜かれて、俺は自分が情けなくなった。
「…煙草なんて吸うのやめろよ。そのうち死ぬぞ。」
俺は俺を正当化するためにそう言い放った。
つまりはここに来た理由を「彼女のため」にしたかったから。
「抱いてくれたら、やめるよ。」
煙草を灰皿にねじりつけ、髪をまるでかきむしるようにかきあげる。
そんな一連の動作の中で、リサは淡々と言葉を並べた。
「気持ちはいらないからね。アタシをあんたの彼女だと思って。」
彼女は、彼女の服のボタンを外し、スカートを脱いだ。
あとには一糸まとわぬ姿の彼女がいた。
「そんなことして、何になるの?」
すでに俺の服を脱がしにかかっている彼女に問いかけた。
問いかけることはしたが、抵抗はしなかった。
心のどこかで「こうなること」を望んでいた自分がいたから。
「キス、させてよ。思い出したい。」
服を全て脱がせ終わった彼女がつぶやく。
結局彼女は、さっきの質問に答えてはくれなかった。
果たして「思い出す」ことが本当の目的なのだろうか。
人に触れた感触を思い出すことなのか。
雅裕のことを思い出すことなのか。
愛するという感情を思い出すことなのか。
彼女の唇が俺のそれに触れた。
じかに抱きしめる彼女の身体は、とても暖かくて柔らかかった。
頭は冷淡な感情で占められているのに、堰を切ったように欲望が膨らんだ。
そのまま俺は、欲望に任せて彼女を抱いた。
気持ちよくはなかった。
完膚なきまでに、愛されていないことに気づかされたから。
目が覚めた。
昨日のことがどうか嘘であってほしいと願った。
けれど、それは嘘であるはずも無い。
リサは「明日までいてもいい」と言った。
俺は「もう帰るよ」と返事をした。
俺は机の上にあった、赤いマルボロのケースとライターとを鞄にしまった。
「もう、やめろよ」と言ったけれど、多分聞いてはくれないだろう。
玄関の前で、もう一度だけキスをした。
長い、長いキスだった。
もう二度とこの部屋には来ない、俺はそう決めた。
冬の並木道を、バス停までひとりで歩いた。
バス停が見えたとたんにバスは走り去ってしまった。
待合所のベンチに座って、リサの部屋からもってきた煙草を手に取った。
なんとなくライターでそれに火をつけて、ふかすふりをした。
生まれて初めて吸った煙草の味は辛かった。
どちらかというと、辛いより苦しい、だけど。
煙草を吸いながら俺はふと、「世界で一番孤独だな」なんて考えた。
すみれさんに隠しておくつもりはなかった。
俺は当然戒めをうけなければならないと思っていた。
携帯電話を取り出すと、メールが届いていた。
「おはよう」というすみれさんからのメール。
俺は、「別れよう」と返事を出した。
とりあえずこれで一区切りです。
なんかあんまり感想とかもらえないんで正直ヘコんでます。
あと、帰省するんでしばらくブログは更新できないと思います。
こっちは一応書き続けるので宜しくお願いします。
316 :
修行中:2005/12/21(水) 15:13:18 ID:kvQC2R5t
>>315 いや、読みいってしまいましたよ。こちらが変にレスすると流れぶった切ってしまうんで・・・
続き楽しみにしていますね。
>>315 毎日楽しみに見に来てますよ。
読んでて続きが気になるし、しっかりとした構成になっています。
ただ
>>316さんと同じで、レスしないだけで応援はしてます。
頑張ってください。
おまいが怒るから控えていたというにその仕打ちorz
ブログには顔出してなかった。すいませんw
帰省かぁ。親孝行したれ。いるだけでいいと思う。大事にしてやれ
>>316 俺は気にしていない、ですが他の人が気にしちゃうみたいですね。
前に「流れを切っての雑談は見たくない」という意見があったので、
やっぱりこういうチャプターの間に返信すればいいのでしょうかね・・・。
>>317 ありがとうございます!しっかりした構成・・・なってないと思うな(^ω^;)
よくよくレスを見返すと穴だらけで、後で直したくなってくる部分ばかりですから。
俺はイキオイで文章を書く癖があるので・・・表現とか伝わりにくかったり。
ブログでは心ゆくまで修正してますので、またそちらも宜しくお願いします。
>>318 感想や話への質問とは「関係が殆ど無い」レスでなければ怒りはしませんお(´・ω・`)
むしろ、物語の上で矛盾しているかなと思う点や、わからない点があったら
どんどんつっこんでもらいたいぐらいなので。
一応帰省すればまた家事ざんまいですwwwwwww
すみれさんと別れてから二週間が経過し、俺はメールアドレスを変えた。
というのも、はやく以前の自分と決別したかったからだ。
自分が犯した過ちとはいえ、やはりすみれさんを失ったことは大きかった。
そして、あわよくばそれをきっかけとして誰かに構って貰えればとも思っていた。
電話帳の片っ端から、「メールアドレスを変えました」というメールを送った。
すぐに何人かからは「登録したよ」というメールが返ってくる。
その中に、「なんで変えたの?」という内容のものが二通紛れこんでいた。
メールの差出人は二人とも、同じサークルで同じ学科の先輩だった。
一人は、渉というサークルのムードメーカー的存在。
そしてもう一人は、瑞貴というごくごく地味な優等生。
渉は何を考えているのか顔に出てしまうタイプだが、瑞貴は何を考えているのかわからない。
というのも、彼女はいつも誰にでも平等に優しく接する。
そしてファッションにかける情熱は半端ではないのに彼女自身は服装に無頓着だからだ。
俺は二人に、「失恋記念です」と半ばやけっぱちになりながら返事を出した。
渉からのメールはすぐに返ってきた。
「まぁ頑張れよ、俺なんかモテたことすらねーし(汗 じゃあ寝ます。」
俺は彼に感謝しながら「おやすみなさい」というメールを送った。
そして、渉へのメールを送ったのと入れ違いになるようにまた一通のメールが届く。
「大変だったねー、こんなテストの真っ最中に。
二年はキツいし、特に。けどこれ終われば楽だよ!」
届いたのは瑞貴からのメールだ。
「心配してくれてありがとうございます、そして心配ついでに過去問…」
厚かましくも、俺は優等生である彼女に去年のテストの問題をねだった。
いつもの彼女であれば断ることはないと踏んでの判断だ。
案の定、彼女は快諾してくれた。
「わかったよ。けど、他の人には見せないでよ。」
最後の「条件」が気になり、俺は「どうしてですか」と聞いた。
「恥ずかしいからねー。」
彼女の言葉に、俺は耳を、ではなく目を疑った。
彼女のクラスには四十人余りが在籍している。
そのクラスで、彼女は三位という成績を常に維持していた。
確かに、俺のクラスでは先生の都合でテストの点数にインフレが起こっていた。
どのくらいかというと、ドラゴンボールの戦闘力における「それ」ぐらいに。
それでも、彼女の成績は見劣りなどするはずがなかった。
「何が恥ずかしいんですか?まさか点数なんて言わないで下さいよ(笑)」
俺は単純に、彼女が恥ずかしがる理由を知りたくなってしまった。
少し後に来た彼女からの返答は、彼女らしい高尚なものだ。
「たまに、答えに自分の思想入ってるから知らない人には見せたくないの。」
「そんなモノですか?瑞貴さんの思想って…熱心て感じ?(笑)」
「んー、確かにそうなのかもね。自分でもバカみたいだって思ったりするし(笑)」
ここまでメールの交換を繰り返して、俺はあることに気づいた。
瑞貴とこんなに長く話をするのは初めてだということだ。
その頃の俺には彼女が少し、ほんの少しだけ怖かった。
だからこそ好んで必要以上の会話をすることはなかったからだ。
325 :
逆転スラムダンク高校:2005/12/25(日) 21:14:43 ID:yu4XSOkW
すみれさん(TДT)
無念age
すいません。出かけてました
俺が瑞貴に感じていた怖さは、彼女の表情に起因していた。
彼女は、いつでも誰に対しても笑顔だった。
彼女に貼り付いたような笑顔は、「心からのもの」なのか。
それとも「保身のための仮面」なのかは俺にはわからなかった。
そして、笑っていても、腹の底では俺達をバカにしているのかもしれないと思っていた。
その時の俺は、彼女がそうだと断定するには彼女を知らなさすぎた。
誰にでも優しいってのは弱さなんだと思う。
悲しい防衛なんだと思うよ
「そういえば、瑞貴さんにこんなにメールすんの初めてかも。」
「そうだね、出会ってからは長いのにね(笑)」
瑞貴と出会ったのもまた、大学に入学してすぐのことだった。
クラスで仲良くなった近畿という奴に手を引かれて行ったサークルの体験会。
そこに、彼女はいた。
近畿が俺と広志を連れて来たのは、英語を学ぶサークルだった。
外国人教師を囲んでの茶話会、小さく分けられたグループで、俺と瑞貴は出会った。
「いつか、自分が思った通りのデザインの飛行機を作りたいの。」
それが、教師に話を振られて、彼女が発した第一声だった。
「そういやあの時、なんで『飛行機作りたい』なんて言ったんですか?
変なこと言う人だなーって、ずっと覚えてました(笑)」
彼女と出会った時の事を思い出して、彼女の発言の真意を問いたくなった。
彼女の特殊な将来の夢。
「変な人か、あはは(笑)ちょっと長いよ、それでもいい?」
「いいですよ!是非とも聞かせて下さい(笑)」
「なんていうか、なぁ、小さい頃から空を飛びたい願望が強かったのね。
パイロットにもなりたかったけど、体力ないし、技術者になるにも文系だし。
じゃあ、次に好きなデザインで有名になって、頑張ろうって思ったのさ。」
瑞貴さんは・・・違うかなぁw
前向きな感じがする。健気な感じだ・・・
瑞貴から届いたメールを読み終えた。
そして時計がすでに4時を回っていることに気がつく。
「納得しました!ありがとうございます。
もう、こんな時間だから寝ましょう。」
俺は彼女に、そう返事を送った。
我ながら、時間を忘れていたことに本当に驚く。
メールと並行してやっていたテスト勉強の道具を片付けながらそう考えた。
「わかったよ、また明日ね。明日はこっちにも聞きたいことあるから(笑)」
彼女の、「また明日」という言葉が純粋に嬉しかった。
そして今晩だけではなく、また明日もメールが続くことが。
次の日は、ずっともうろうとした頭で過ごさなくてはならなかった。
瑞貴に4時まで起きていてもらったことを、俺は申し訳なく思った。
そんなことを考えていると、廊下で偶然に彼女とすれ違う。
「おはよ、昨日はいろいろ、ごめん。」
すれ違いざまに彼女の少しぶっきらぼうでぼそぼそとした声が聞こえた。
すれ違いざまだったので、彼女を引き止めることはできなかった。
俺は、遠ざかる彼女の後ろ姿に向かってメールをしたためた。
「謝るの俺のほうですから、てゆか、感謝したいぐらい。」
メールを送信してほどなく、休み時間が終わり講義が始まる。
授業が退屈なことと、寝不足なことで、俺はすぐ限界に達しそうになった。
それでも耐えなくてはいけないと思い、机の下に忍ばせた携帯に手を伸ばす。
昔はすみれさんからのメールが届いていたディスプレイ。
もう届くことのないメールを待つことが、最近の日課になっていた。
いつも通り、期待せずに携帯を開くと着信のない画面が見えるはずだ。
それでも、その日はその限りではなかった。
随分返事の早い瑞貴から、メールが届いている。
その事実が俺には嬉しくて、何よりも心強かった。
メールの内容が気になる(・ω・;)
「こっちも暇だったから、そんな気つかわなくていいよ。」
彼女から送られてきたものは、意味があるようでないようなメールだった。
それでも、俺にはそれがすごく嬉しいことに思えた。
「瑞貴さんも、メールは返さなきゃ気がすまないタイプ?」
俺が送ったメールは、彼女への確認だった。
きっと十中八九そうなのだろう、そうでなければメールは続かない。
そして、俺にとって「続く」ということこそが大きな意味を持っていた。
ノートを取りながら、机の中の携帯を気にした。
メールを送ったばかりなのに、彼女からの返事が届く。
「どうしてわかったの?もしかしてそっちもそう?(笑)」
俺は間髪を入れずに、瑞貴に返事を送った。
「俺は何でもお見通しですから(笑)
あ、メール面倒だったらやめてもらっても。」
最後の文章は瑞貴への牽制だった。
きっと彼女の性格だから、そう言えばメールを止められなくなるだろうと思った。
彼女とは友達でしかないから、俺に強制する権利はない。
それでも、彼女から送られてくるメールは一筋の光だった。
自分勝手だけれど、俺が孤独から抜け出して一人で歩き出すための光。
「昨日言ったけど、聞きたいことがあるのさ。
だから少なくともそれを聞くまではつきあってもらうよ(笑)」
予想通りの彼女からの返事に、俺は嬉しくてたまらなくなった。
337 :
名無しさんの初恋:2005/12/31(土) 18:35:33 ID:apGL280M
hjhu
338 :
名無しさんの初恋:2005/12/31(土) 18:36:39 ID:YPASWNv/
ええのぉ。。。
「聞きたいことって、なんですか?」
優等生の瑞貴が、劣等生の俺に聞きたいこと。
俺は、それを知りたいという好奇心に駆られる。
彼女の質問に答えたところで、メールを終わらせないという根拠のない自信もあった。
しばらくノートをとりつつ、携帯電話を気にする。
いつもの瑞貴らしくなく、返事が来るのに時間がかかっている。
俺の目線がノートと携帯のディスプレイを行ったり来たり。
何度もそれを繰り返して、やっと彼女からのメールが届いた。
「付き合うって、どういう感じだった?
あ、変なこと聞いてごめんね、ただの好奇心ね。」
340 :
名無しさんの初恋:2005/12/31(土) 20:25:43 ID:I5A+SKQo
>>1 いいなあ〜。俺は中学の時、いじめられて空手習い始めて(喧嘩に)強くなって、ずっと喧嘩と空手ばかりして
今も大学で空手部の主将してるけど、まだ女と付き合ったことない。今年で大学卒業して引退するけど、まだ童貞
ハルキみたいに青春したかったよ(全く出会い無し)
「え…、瑞貴さんって沢谷さんと付き合ってるんじゃないんですか?」
その頃の彼女のそばには、いつも沢谷という男がいた。
沢谷はオタクで、明らかに女性に免疫のないタイプだ。
俺と渉は、瑞貴が沢谷をたぶらかしているのだとよく冗談を言っていた。
「違うって(笑)あれは私の片思い、になるのかな?」
「え、じゃあ瑞貴さんが沢谷さんを好きだったってことすか?」
「まぁ、そうなるね(笑)
だから恋みたいな気持ちはわかるけど、付き合うってことがわかんないのさ。」
>>1 良スレだ。大晦日にいいもの見させてもらったよー。
これからも(´・ω・`)ガンガレ
実は俺もロマサガ好きだったりするわけだがスレ違いなので自粛(ぉ
あけましておめでとうございます。
今年も「俺また」をよろしくお願いします。
>>337 補充どうも(´∀`)
>>338 最終章まではまだまだありますが、頑張りマスオ!
>>340 つ【いちご100%】
女性と付き合うためには、惚れっぽいことが必要だと思いますw
俺みたいにカッコ良くなくても彼女はできるし逆もまた然り。
桃栗みかん万歳!
>>342 年越しは実家でロマミンの紅の暴君様に閃かせてもらってました。
いや、ちゃんと日付変わる瞬間にさやちゃんにメールしましたお(^ω^)
電話もできたし、今年は幸せっす!九州弁おにゃのこはテラモエス
>>343 こ ろ し て で も う ば (以下略
ではなくて、あけおめ〜。
タイラントは技道場には最適ですね〜。二つの月の神殿前には必ず行くw
ダークが序盤で変幻自在覚えた時は感動w
…っと、語りだすと止まらないので強制終了。スレ汚し失礼
「付き合うって、大好きな人と一緒に居られるから、
あったかくて、楽しくて、嬉しいって感じでした。」
「そんなにいいものなの?
じゃあなんで別れたりしたの?」
瑞貴は、ものの見事に俺の罠にはまってくれる。
俺は理由を聞かせるために、敢えてそれを「楽しい」ことだと教えた。
「それは、好きだっていう気持ちが薄れたからです。
俺はその人と付き合ってからいろいろ努力したんです。
成績も上がって、筋肉もつけた。全部彼女のために、彼女が言ったから。
それでも彼女は何一つ変わってくれなかったんです。
そしていつのまにか、彼女のためにしていたことが彼女を怒らせるようになって。」
震える左手は、携帯を握りながら文字をはじき出していった。
ゆっくりと、ゆっくりと、すみれさんに何度も嘆願したことを思い出して。
彼女はついに、誰にも許さない心を俺にまで許さなくなった。
彼女が好きだという気持ちが薄れた一番の理由。
けれど、瑞貴にはそれを言わないでおくことにした。
メールの送信ボタンを押した。
瑞貴に伝えるという行為がすみれさんを責める気持ちを俺から逃がした。
あけましておめでとうございます
「辛かったんだね…。」
瑞貴からのメールを受け取ったと同時に、講義が終わった。
俺は机に突っ伏して手を伸ばし、メールを打つ。
「辛いです、けど、一緒にいられたら楽しいから…。」
「何やってんの、行くぞ。」
メールを送信した瞬間に、近畿の声で俺は現実に引き戻された。
「今、瑞貴さんとメールしてた、過去問くれって。」
「…あの人がくれるのか…?」
近畿は少し怪訝な顔をしたが、俺は嘘をついているわけではない。
「くれるらしい。」
「じゃー、おれにもくれ。」
「だめらしい、失恋記念の俺限定。」
「なんじゃそりゃ。」
近畿が小さく笑ったので、俺も笑った。
久しぶりに笑ったような気がする。
きっと、瑞貴に聞いてもらって大分楽になったから笑えたのだろう。
そんな風に言うのならこれの雑談スレでも作ったら?
>>348 俺が言いたかったのは、「ここはスラダンさんのスレじゃない」ってことです。
確かにずっと応援してくれているのには感謝していますが、
最近のレスは個人的な報告が多いように見受けられました。
そうなればおのずと彼を叩く人が出てきて、
お互い嫌な思いをするようになると思いました。
だから、雑談用とまとめも兼ねてブログを作成しましたが…。
最初は確かに、俺はただ「書ければ」いいと思っていました。
それでも最近いろいろあって、この話を出来るだけ沢山の人に読んでもらいたいと思うようになりました。
それは、俺にどうしても伝えたいことができたからです。
(それは最終章に書く予定です。)
だからこの話をもっと面白くするために皆さんの意見や感想が欲しいと思いました。
それでもスレが険悪な雰囲気になればそれもままならないと思い、
彼に注意を促した次第です。
俺のわがままかもしれませんが…、すいません。
>>349 スレ汚しになるのは承知の上でハルキさんに一言。
まったりと自分のペースで進めて行くのは構いませんよ。
ただ話の進みが遅すぎて、
スラダンさんが合いの手を入れようにも入れようがないから、
結果として個人的な報告になってしまうんじゃないでしょうか?
「話をもっと面白くするために皆さんの意見や感想が欲しい」と言われるけど、
話が一段落しないと書けないもんですよ。
理想を言えば、今までの2,3日分を一気に投下して
「今日はこれで終わりです」みたいに書いてくれると、
意見や感想を言いやすくなって嬉しいです。
>>350 了解しました。
頑張ってみます、貴重な意見有難うございます!
ただ、俺は基本的に「まとめる」ということができない人間なのと、
現時点で手元にあるツールが携帯だけなので、本当に「できる限り」になってしまいますがご了承下さい。
「それでも、ちょっと憧れるかな、恋人とかって。」
次の講義が行われる教室に着き、ノートと教科書を広げながら携帯を見た。
当たり前のように届いている瑞貴のメールを見て、俺は少しにやけた。
「瑞貴さんの恋人になれる人は羨ましいですね。」
「な、なんでさ、私なんかモテないし(笑)」
「いや、純粋にそう思いますよ?
勉強できて真面目で、最近かわいくなってきてるし。」
彼女は、今年になって変わった。
出会った頃は地味で暗いイメージだったけれど、
日を追うごとにだんだんとあかぬけて綺麗になってきていた。
相変わらず貼り付いたような笑顔は好きになれなかったけれど。
「そんなこと言われても、困るよ(笑)」
俺がメールを送ってから、瑞貴がメールを送るまでに少し時間が経った。
きっと彼女は動揺している、俺は確証もないのにそう思う。
「もっと自分に自信を持てってことです。」
「でも、出会いとか無いし…。どうすればいいのかな?」
思っていたよりもずっと、彼女は純粋な人間なのだろう。
それに気づくと、急に彼女が身近に思えてきた。
そして俺は、そんな彼女に「恋」という感情を知って欲しいと思った。
「じゃあ、今日から俺が瑞貴さんの恋愛の先生です(笑)」
彼女にメールを送る口実とばかりに俺はそう提案した。
俺は椅子をめいっぱい下げてもたれかり、机の下に隠した携帯とにらめっこをしていた。
「なーににやけてんの、まあいつものことだけど。」
隣の席に座る近畿が小さな声で言った。
瑞貴との会話を続けるという方向にもっていくことができ、
上機嫌になった俺の頬はゆるまずにはいられなかった。
「ひどいし、俺はこんな顔なんだってば。」
「いいけど、おれはお前の分までノート取らないよ?」
近畿の言葉に促されて、俺の意識はしぶしぶ授業に復帰した。
そして彼女の返事に気がついたのは、授業が終わった後だった。
「あ、そういえば過去問、持ってきたから今すぐサークル部屋に来て欲しいな」
瑞貴からの返事が「提案」について全くふれていないのを残念に思った。
もしかしたら余計なことをしたのかもしれないという不安が頭をよぎる。
それでも彼女が呼んでいるから、面と向かって確かめればよいことだ。
放課後の廊下を、足早に彼女が待つ部屋に急いだ。
早く、確かめたい。
気持ちが体を急かすほど、彼女のことが大事になっていた。
彼女は俺から孤独を取り払ってくれるから。
「ちょっと、遅かった、ね。」
たどり着いた部屋では瑞貴が待っていた。
肩で息をする俺に、彼女特有のぼそぼそとした声が聞こえる。
今日はここまでっす。
つかれたお(^ω^)
ハルキさんお疲れ様!
女の子が垢抜けていく様子を
身近に感じる事ができるのっていいですよね。
しかもそれはハルキさんが原因なんでしょ?
読んでいてワクワクします。
瑞貴はすっとこちらに手を伸ばす。
その手には沢山のプリントが抱えられていた。
「はい、これ過去問。役に立てて。」
実際に会うと、やっぱり彼女は無愛想な口調。
「あっ、ありがとうございます!
あと遅れてごめんなさい。」
俺は彼女から問題を丁重に受け取った。
その瞬間に、彼女の少し長い前髪と眼鏡の間から目がのぞいた。
今までまじまじと見ることがなかった彼女の顔。
そのくっきりとした二重の大きな目には、長いまつげがひしめいていた。
「なに、見てるの?」
視線に気がつき、俺の見ている瞳が俺を見る。
「いや、まつげすげー長くて、可愛いなって。」
俺は特に何も考えずに、思ったままを彼女に伝えた。
「…っ!」
意表をつかれたという表情をして、彼女は声にならない声を出した。
彼女の顔が、見る間に赤らんでくる。
「ちょっ…と…そんなこと、言われても、困る。」
赤くなって焦った彼女を見ていると、こちらまで焦ってくる。
俺の顔まで熱くなっているような気がした。
「だっ…だから、可愛いなーって思ったからそう言っただけですってば。」
俺はどもりがちになりながら、下心を否定した。
「そんなこと誰にも言われたこと、ないよ。」
唸るような低いトーンで瑞貴は呟いた。
「だから俺が可愛いって言ってます。
俺はデザインはできないけど、センスはいいって言われてますよ、
それでも信じられませんか?」
彼女の目をまっすぐに見て、恥ずかしいぐらいの真顔で俺は言った。
俺に気圧されたのか、彼女は「うん」と言ってこくりとうなづいた。
まだ顔を赤くしたままの彼女の肩に手を置いて、俺は口を開いた。
「勉強、一緒にしましょうよ。
そしたら絶対みんな瑞貴さんのこと可愛いって思うし、彼氏だってできます!」
彼女は、もう一度こくりとうなづいた。
「…ありがと。」
この日を境に、俺と瑞貴の奇妙な関係が始まった。
そして次の日からはテストも始まった。
毎日真夜中まで勉強をしながら、彼女とメールをする。
忙しかった、それでも以前のような寂しさや虚しさは感じなくなっていた。
そうして何日かが過ぎ、テストも終わりにさしかかった頃、
俺はサークルの部長である鹿子に呼び出された。
今日はここまでっす。
>>357 彼女が垢抜けたのは、その時点までは彼女の自発的なものです。
それでもまだまだ地味な人でしたが。
鹿子がいるサークル部屋には既にいつもの面子が揃っていた。
どうやら部屋についたのは俺が最後だったようだ。
「今日は、四年生のお別れ会のネタ出しやります!
去年は運動会だったけど、みんな頑張って考えてね!」
全員が揃ったことを確認して、鹿子は大きな声で言った。
そういえば、もうそんな時期なのだと思い出した。
部屋がざわめきはじめた。
各自、近くにいる人間と相談している。
俺にも隣にいた近畿のぼそっと尋ねる声がした。
「お前、なんかまた変なこと思いついた? おれにはサッパリだ!」
彼は開き直り、ふんぞり返る仕草をしてばつが悪そうに笑った。
「任せとけって。」
俺はニヤリと笑って彼に言った。
「かのちゃん、俺思いついた!」
「ハイ、一番乗りのハルキ君言ってみましょー!」
「料理大会って、どうかな?」
俺の提案に、各々が顔を見合わせた。
みんなの表情は悪くない、興味はあるようだ。
「それって、どんな感じになる?」
渉が少し間の抜けたトーンの声で聞いた。
「俺達が何チームかに別れて好きな料理作るの。
そんで作った料理を四年生とみんなで食べる。
チームはくじで決めて、下手すりゃ愛エプのインリンみたいになる!」
すかさず俺は渉の質問に答えた。
「いいね、それで行こう!」
鹿子がツルの一声を発した。
彼女は俺の提案を、「みんなが楽しめる」と判断したようだ。
企画が決まって、一旦集まりはお開きになった。
あとは鹿子が全て指示を出してくれる筈だ。
部屋を出る時に、俺は部屋の反対側にいる瑞貴を見た。
そして、彼女にまたメールを送った。
「俺、こう見えて料理はかなり得意ですよ(笑)」
「私も苦手じゃあないな、弟と妹に作ったりするから。」
間もなく瑞貴からの返事が届いた。
廊下を後ろから追い抜く彼女に、俺は軽く目配せをした。
彼女はさりげなく振り向き、笑顔を見せる。
もう昔のように、それは作ったような笑顔ではなくなっていた。
恥ずかしくも、俺の心は瑞貴の笑顔に少し揺さぶられた。
そして俺は、遠ざかりゆく背中に、衝動のままメールを送信した。
「じゃあ、勝負ですね!もしかしたら同じチームになるかもしんないけど(笑)
きっと瑞貴さんは料理すごく上手だろうし。
瑞貴さんの彼氏になれる人は羨ましいなー、本当に(笑)」
そして改行を繰り返して最後に一文付け足した。
「↑みたいなこと書いたら、ちょっとドキドキしないですか?
人ってこういう風に好きにさせるんですよ、使ってみて下さい(笑)」
最後の文に彼女が気づかなくても、気づいても構わなかった。
俺には、あんな笑顔ができるようになった瑞貴が気になって仕方がない。
それに、彼女は俺の理想を集めたような人だということに気づいたから。
>>363 おおー。晴れ着もいいねぇ。華やかだ
Gペン最強だぞw
369 :
名無しさんの初恋:2006/01/09(月) 23:30:37 ID:b3EGsD2X
あげときますか
保守
「ちょっと、騙されそうになった(笑)」
彼女からの返事に、俺はほんの少しだけ落胆した。
しばらくしてテストは終了し、その次の日にはお別れ会が開かれた。
大学に人知れず存在していた「調理室」を借り、俺たちはそこに集まった。
四年生とはこれでもうマトモには会うこともないだろう。
俺は感傷にひたることはなかったが、さすがに瑞貴たちは寂しそうにしていた。
「今日は、ハルキ君の提案で料理大会をすることになりました!
チーム決めのくじ作ってきたから、みんなひいてね。」
鹿子がこちらに向かって歩き、くじの入った箱を回した。
俺は瑞貴のことを考えながらくじをひいた。
「下村君、どのチームだった? 私、Aだけど。」
不意に瑞貴の声がした。
わざわざ俺のところまで聞きにきてくれたことが少し嬉しかった。
そして、俺の手のひらにも「A」と書かれた紙きれ。
メンバーの一人が早く帰らなくてはならなかったので、時間はひどく限られていた。
俺のいつもの思いつきで、早々に作るものはハンバーグと決まった。
買出しに行くために、大学の構外に出る。
朝も早くて、いつものスーパーはまだ開いていない。
ルールでは各自好きな店に買出しに行っていいことになっていた。
「ねえ、どこに行くの?」
危うい記憶を頼りに歩く俺に、メンバーの一人が聞いた。
「ごめん、結構うろ覚えでヤバイかも。」
「私、道、聞いてきた、けど。」
俺が力なく答えた瞬間、息をきらせながらそう言ったのは後ろにいたはずの瑞貴。
「下村君、この辺知らないよね。」
彼女は小さな声で、俺に確認をとった。
瑞貴のおかげで無事に買出しを終えることができ、大学までの帰途につく。
店を出ようとした瞬間、雨がぱらぱらと降り始めた。
降り始めた雨はすぐに勢いを増し、さっきまでの空とはうってかわっていた。
「早く帰らなきゃ、先いくね!」
さっきまで、空は晴れ上がっていて、誰一人として傘などは持っていなかった。
待てど暮らせど晴れる気配もないので、みんな急ぎ足で店を出て行く。
「いかなくて、いいの?」
最後まで動こうとしない俺に、瑞貴が聞いた。
俺は首を横に振って、鞄の中を漁り始める。
「一緒に行きませんか、折り畳み傘だけど。」
持っていた折り畳み傘を開いて差し出し、俺は彼女にそう言った。
「みんなに、ちょっと悪い、かも。」
傘の中、雨の音にかき消されないよう、瑞貴は声をいつになく張り上げた。
「俺の傘ですから、俺が瑞貴さんを入れてあげたいって思ったから大丈夫。」
「キミが、濡れちゃってるから、大丈夫じゃない。」
傘を持つ俺の体は、彼女を守るために半分雨ざらしになっていた。
「そうだ、いいこと思いついた。」
瑞貴はくるりとこちらを向いて、唐突にそう言った。
何のことなのだろう、などと考える暇はなかった。
同じ傘の中で、彼女に気をつかってめいっぱい離した体。
そうやって俺が保っていた距離を、彼女はゼロにした。
「ほら、くっつけば、二人とも入れる。」
そう言って得意げな顔をして、至近距離で彼女はこちらを見上げた。
「どこでそんな高等テクニック覚えたんですか?」
「じゃあ、これでいい?」
「もー、すげぇカンペキですよ!
でも勘違いするかもしんないから、好きな人以外にはやっちゃダメっす。」
驚きと恥ずかしさで、俺は笑うことしかできなかった。
すごくドキドキさせられる反面、もう彼女には俺なんて必要ないのかとも思った。
「・・・勘違い、してよ。」
信じられないぐらい大胆な言葉が、瑞貴の口から発せられた。
くっつくという行為自体も、平生の瑞貴のイメージとはかけ離れていた。
彼女と接触している部分から、心臓の振動が伝わるぐらいにドキドキする。
「ちょっ、ちょ、そっ、そんなっ、マジで言ってますかソレ?!」
「私は、十分・・・勘違いしたけど。
この間のメール、さ、もし私が最後の行、読まなかったら・・・どうしてた?」
戸惑う俺の問いかけを妨げるかのように、彼女の声。
たどたどしい口調ながら、スルドくて、困ってしまうような質問を投げかける。
「・・・スイマセン、降参です。」
「私の、勝ち。」
ほんとうに、ほんとうに嬉しそうに、彼女は笑った。
帰りは、くっついて手をつないで帰った。
「私が勝ったから言うこと聞いて」といわれたから。
本当はキスもしたかったけれど、急いでいたからできなかった。
大学に戻ると、皆濡れ鼠で待っていてくれた。
瑞貴はたまねぎのみじん切りを高速でやってのけた。
俺も負けじと普通の速さでみじん切りをしてみた。
サッパリ勝負にはならなかったけれど。
冗談だけど、俺と瑞貴は皆に「パパ」と「ママ」で呼ばれてしまった。
帰りが遅かったことを勘ぐられたのだろうか、と思ったけれど気にしないことにした。
その後丸一日みんなで遊んで、朝まで飲み明かした。
みんなが解散した後、二人でこっそりと近所の公園で待ち合わせをした。
そして、そこで俺は瑞貴のはじめてのキスをもらった。
朝帰りの寝ぼけ眼をこすりながら、二人は長いキスを交わした。
キスの仕方がよくわからないらしく、唇が離れたときにはお互いよだれでべとべとになった。
とりあえずこれで一区切り・・・
伏線はりすぎてダメっすねー、尾田病が進行しつつあるorz
ハルキウラヤマシス
俺もそんな恋がしてみたい…と既婚の俺が言ってみるw
379 :
修行中:2006/01/12(木) 19:47:01 ID:rlp3I4IA
漏れもウラヤマシス
俺もそんな恋がしてみたい…と毒男の俺が言ってみる
・・・・・すまんぱくった。許せ
>>378
380 :
名無しさんの初恋:2006/01/13(金) 06:22:19 ID:8Q8qeQ7P
age
キチガイ
>>378 嫁さんと励んで下さいw
近しいけれど他人であることを忘れなければマンネリには陥りません!
と、真佐人と同居してたときのコツを言ってみるテストw
>>379 つ【真中体質】
これがあれば日常生活でフラグ立ちまくりんぐww
あと、決めるのはゆっくり決めないといけですけど、きっかけは焦って探したほうがいいですねw
>>380 ageないでくらさい(´・ω・`)
>>381 キチガイメンヘラですが、何か?
つかケータイスレ消えてるし…どーしたんでしょうか(´д`;)?
何か板全体のトラブルで脱兎落ちしたみたいよ。
ageた者です。朝見た際、スレの一番下にあり、新スレがたった際
dat落ちの危険があると愚考しました。しかし是正されたようで無用の心配
でした。すいませんでした
>>383 70スレだけ生き残るなんて・・・運ヨサス俺
このスレがなくなったら俺人生オワタ(^o^)/でしたからwwww
>>384 このスレをいつも影ながら守っていただいて本当にありがd!
これから怒涛の鬱展開が続くと思うので、その前にちょっと小ネタでも
はさんでみようかと思っております。
俺「すーたん、スト2やらん〜?」
す「いいよ♪」
快諾する彼女、キャラクターはザンギエフを選んだ。
プレイを続けてまもなく、彼女のテクによってゲージは着実に削られた。
俺が操る本田の命が風前の灯になったとき、彼女はここぞとばかりに叫んだ。
す「いっくよ〜、スーパーうリアッ上!!」
俺「ヲタ女モエスwwwwww」
ザンギュラの必殺技、スーパーうリアッ上によって俺の本田はくず折れた。
どうみてもインド人を右にです。本当にありがとうございました。
(わからない人は「ゲーメスト」でググって下さい。)
>>386 ザンギ使い・・・俺的メガヒットw
漢の中の女と俺認定!
だが本田で立ち向かったおまいにも漢を見たw
本当にありがとうございました
俺「先生〜、スト2やりませんか〜?」
つ「あー、いいよ、やってやろーじゃないの。」
暇だからという理由で二つ返事を出した彼女、キャラクターはガイルを選んだ。
彼女は即座にコマンドを入れる。
それから10分が経過した。
しかし、画面にはまったく動きらしい動きは見られなかった。
つ「男ならかかってきなさいよ〜!」
俺「いや、あり得ないから、ムリですから。」
画面の右下には、しゃがみこんで待ち構えるガイルの姿が。
どうみてもこの女ドSです。本当にありがとうございました。
(わからない人は「待ちガイル」でググって下さい。)
389 :
みずきと!:2006/01/13(金) 20:36:48 ID:a4YHCtAi
俺「みーちゃん、スト2やろうよ?」
み「ヤダ。時間の無駄。」
全く興味がないようで、本当に嫌そうな表情をする彼女。
俺「参加賞・・・今日、せっかく板チョコ大量に買ってきたのに、なぁ・・・。」
俺はつぶやいた。
心なしか瑞貴の身体がぴくりと震えた気がした。
俺「みーちゃんの大好きなエアインタイプがどっさりあるのに、なぁ・・・。」
俺は畳み掛けるようにつぶやいた。
瑞貴の身体はわなわなと震えだした。
み「しょうがない、やってあげる。」
俺「(・・・単純だなぁ。)」
どうみてもメロです。本当にありがとうございました。
(わからない人は「チョコがないと生きていけない」と思って下さい。)
俺「さやちゃん、スト2一緒にやろ?」
さ「いいよ〜??」
趣旨がわかっていないようで、二つ返事をする彼女、キャラクターはダルシムを選んだ。
さ「ハル君、これ、どーやってやんの?」
俺「とりあえず適当にボタン押してみ。」
俺に言われたとおりに適当にボタンを押し出す彼女。
すると突然、右でパンチやしゃがみを繰り返していたダルシムが忽然と消えた。
その瞬間、ダルシムの身体が俺の操る本田の背後に現れた。
さ「何これ!ガンジーさんが消えた!!」
俺「(ヨガテレポートだな・・・ってガンジー違うし、ダルシムだよ!!)」
さ「おもしろい〜、またさっきのできないかな?」
またまた適当にボタンをガチャガチャと押す彼女。
すると突然、ダルシムの口から火が吐き出された。
さ「おぉ〜っ!!スゴイ、ガンジーさんスゴイよっ!」
俺「(ョガフレイムだな・・・いい加減訂正してあげた方がいいのかな・・・)」
さ「おもしろい〜、もっと他にもできないかな?」
全く勝負にならないどころか、彼女の中で違うゲームになっていることを悟った俺。
しょうがないので、「彼女を観察する」というエロゲを開始することにした。
どうみても天然です。本当にありがとうございました。
(わからない人は「関わり合い」にならないほうがいいタイプかもしれません。)
各自の性格でるプレイ笑ったw
しかもストUって辺りが俺的に分かり易すぎw
長い春休みも目まぐるしく終わりを告げ、新学期がやってきた。
新年度初登校の日、俺は当たり前のようにユリカの部屋に腰を落ち着けていた。
ユリカは相変わらず「また来たの」と言って俺にコーヒーを淹れた。
「結局、あれからどうなったの?」
彼女がダイレクトに気まずくなるような質問を投げかけてきた。
照れ隠しのような表情をして、俺は斜め下を向いた。
「ダメだった、ってことね。ついでに新彼女もゲットってところかなー。」
いともあっさりと俺のジェスチャーは解読されてしまった。
「なんでわかるんですか。」
「下村はわかりやすすぎるから。」
いともあっさりと断言さえされてしまった。
俺がショックに打ちひしがれていると、部屋のドアがノックされ、開く。
そこにいたのは白いフリルのついたブラウスと、茶色のチノパンを纏った人物。
思いがけない来客が、思いがけない姿でこの部屋を訪れた。
「先生、久しぶり、なんとなく来てみた。」
「へっ・・・・・・っ、そのしゃべり方は池田さん!?」
瑞貴はこくりと静かにうなずいた。
ユリカは、変貌を遂げた瑞貴に気づかない様子だった。
それもそのはずだ。
少しだらしなく長かった髪は、すっきりとした茶髪のボブになっていた。
そして、トレードマークの眼鏡が取れて、大きな目が白日のもとにさらされている。
「えええええっ?瑞貴さん?」
付き合っていることは内緒なので、俺もしらじらしく驚いてみることにした。
「一体何があったっていうのこの娘は!?」
ユリカは憔悴しきっている。
「メガネ取ると目パッチリだったんですね〜。
近畿なんかメガネ取ると目が3なんですよ、3ですよ!」
俺は驚くフリをして、近畿の秘密をさりげなく暴露してみる。
「ええと、春休みのうちに内定とったから、イメチェンしてみた・・・ました。」
そしてかなり恥ずかしそうに、瑞貴は言う。
その時、もう一度ドアをノックする音が響いた。
「マッチー、たすけてぇー!」
次に部屋を訪れたのは椿だった。
「なになに、どうし・・・」
「んぶふぁっ!?」
ユリカが何かを言おうとした瞬間、瑞貴と対面した椿が噴出した。
「・・・池田ちゃん・・・だよねぇ?」
椿の問いかけに、瑞貴はこくりとうなづいた。
「変わったねー、さては男でもできたかっ?」
椿のその言葉に、瑞貴は顔を赤らめた。
「図星だね、あ、じゃあちょっとマッチー一緒に来て、早く!」
「はいはい。」
けらけらと笑いながら、椿はユリカの腕を引っ張って部屋を出ようとする。
「あっ、シモムラ、今度どこ連れてって欲しいか早く決めとけよ!」
捨て台詞を残して、椿は部屋を後にし、部屋には俺と瑞貴だけになった。
「いっちゃったねー、ってかよく気づいたよね、椿さんも。」
二人きりになって初めて、俺は瑞貴のほうを見た。
しかし、瑞貴の様子がおかしい。明らかにしかめつらをしている。
「どうしたの、一体?」
「わかんない。」
「わかんないって・・・もしかして怒ってるの?」
「それもよくわかんない、けど、ヤダ。」
「何が嫌なの?」
「えっと・・・山城先生と仲よさそうにしてるの、ヤダ。」
彼女のそのセリフを聞いて、俺は笑い転げてしまった。
「なんで笑う?」
「みーちゃん、それは『嫉妬』だって。」
「『嫉妬』・・・? そんなの、したこと、ない。」
「だから、今椿さんに『イヤだ』って感じたのが『嫉妬』。」
「そうなのか・・・。『嫉妬』してしまった。ハルキに醜いところを見られてしまった。」
俺は、たまらなくなって彼女を力強く抱きしめた。
「大丈夫。もうそんな気持ちにはさせないから。断ってくるから。」
そう言うと、しょげ返っていた彼女の顔が、ぱっと明るくなった。
「うん、約束だよ。」
とりあえず小ネタ投下はこれでおしまいです。
で、しばらくはまた鬱な話になっていくと思いますがまたよろしくお願いします。
398 :
名無しさんの初恋:2006/01/16(月) 19:47:04 ID:uJBq+SMS
あげときますか
>>398GJ
俺もそろそろやるかと思ってたw
しかし・・・ハルキぶっ飛ばしたいなぁ(TДT)w
400 :
修行中:2006/01/16(月) 21:29:41 ID:DKcxlu+w
あああ・・・ハルキウラヤマシス。
出会いはあるけど、痛いのばっか・・・・
>>400 そんなあなたの12日の書き込みが
このスレを救った。
きっといい出会いがあるよ☆
>>401 細かい突込みですみませんが、
修行中さんはsageてるから
ダット落ちしなかった事と
関係ないんじゃないのではないでしょうか?
>>402 需要のないスレがdat落ちします。
スレ一覧の下位でも、定期的な書き込みがあれば落ちません。
事件の直前に書き込みがあった70スレが生き残ったと思われます。
スレ汚しスマソ
>>398 あがったけどナンもなかったっすね。
最終章に向けてage進行にしても大丈夫かな・・・?
>>399 いつも乙です
ぶっ飛ばされるとたぶん弱いです。運動神経ないですから。
けど筋トレは体型維持のためには欠かしません。(洋服が勿体なくなるから
>>400 あっはぁああ
俺も痛い出会いありましたお・・・。
ぶっちゃけ友達からのスタートでも上手くやれば付き合えるとおも
女の子を如何に信頼させる(時間をかける)か、がキモですから。
>>401>>403 そのシステム知らなかった・・・教えてくれてありがd
>>402 お互い勉強になったお(^ω^)
ROM暦は長いけどあんまり書き込むことはなかったんで知らないことばっか俺orz
瑞貴と付き合い始めて半年、季節は秋になった。
付き合い始めた頃に、彼女の母が飼い始めた子犬も、大分大きくなった。
春には彼女に紹介してもらい、新しいバイトを始めた。
お盆には家に帰ったけれど、夏休みは時間があれば毎日のように会った。
ふたりで人の押し寄せる花火大会にも行った。
毎日が充実していて、順調で、彼女をいとおしいと思う日々が続いた。
俺はそれが幸せだと思っていた。
そしてそれは、疑いなく俺の手の中にずっとあるものだと思っていた。
秋になり、俺はバイトの中でも新人とは呼ばれなくなっていた。
俺のアルバイトは派遣社員だったので、会社は同じだが瑞貴とは離れ離れだった。
俺は俺の「いつもの店」で人間関係を作り、それなりに楽しくはやれていた。
406 :
修行中:2006/01/17(火) 17:40:56 ID:6qC+GodD
>>404 レスdクス!
一つ訂正させてもらうけど、俺のは出会った相手が人間的に痛かったということなんだよ。
ある日、俺はたまたま瑞貴と同じ店で働くことになった。
彼女の「いつもの店」に、俺は行ったことはない。
けれど、俺は少し安心していた。
その頃の彼女は、ことあるごとに職場の話をしていてくれたから。
いつも話に付き合ってくれる優しい社員、ドジだけど憎めない後輩。
そして、優しい社員が彼女のことを「みーちゃん」と呼ぶこと。
今思うと、それを知ったときにはもう手遅れだったのかもしれない。
それでも俺に二人の気持ちを知る術などはなかった。
だから、俺は間抜けにも意気揚々と瑞貴に会いにいくつもりで出勤した。
しかし出勤すると、聞いていたのとは全く違う環境がそこには広がっていた。
出勤したばかりには浮かれていた俺も、30分すると意気消沈した。
バイトも、社員も、「いつもの人たち」で固まっているのが見て取れる。
よそ者の俺にはわからないような用語をならべて指示を出される。
何のことかわからずにオロオロする俺に、社員がキレ始める。
瑞貴はそれを見ていなかった。
言ったところで、俺が悪者になるだけだろうから止めた。
軽く絶望したところで、一人の社員とおぼしき男が近寄ってきた。
「君、名前は?」
「はぁ・・・下村、ハルキですけど。」
「ふーん、ハルキって感じだね。まぁ、よろしくね。」
会話の間に、俺は彼を観察して直感的に思ったことが二つあった。
「この男は俺と姿形がかぶる。」ということ。
そして、「しかし性格はあわない、こいつは『敵』だ。」ということ。
悲しいことにその直感は神がかっていたことがまもなく証明されることになる。
409 :
零れ落ちる 4 ◆4M6Rk66zgY :2006/01/17(火) 18:00:55 ID:rXKWucUw
一日働いたけれど、俺の立場は全く良くはならなかった。
その理不尽さは俺を疲弊させ、悲しく腹立たしくさせた。
そして俺は、瑞貴に慰めてもらおう、やっぱり愚痴も聞いてもらおうと思い立った。
バイトが終わってすぐに、先に仕事が終わって帰宅していた彼女にメールを送った。
「電話、してもいいかな。」
「今、忙しい。あとで。」
待てども待てども、これを最後に彼女からの返答が来る気配はなかった。
俺にはそれがまた腹立たしく、許せなかった。
俺はあろうことか、もう一通メールを送ることにした。
「早くしないと、別れるよ。」
根拠のない自信。
彼女が俺を必要としている、という自信。
それがあったからこそ、こんなに強い言葉が使えたのに。
410 :
零れ落ちる 5 ◆4M6Rk66zgY :2006/01/18(水) 14:55:45 ID:Rv9nKCzY
真夜中に、携帯電話の着信音が鳴った。
待ち焦がれた瑞貴からのメール。
そこには、信じられないような言葉があった。
「じゃあ、別れようか。」
何故、疲れ果てた俺がこんなメールを受け取らねばならないのだろう。
悲しくて、辛くて、ただ涙が溢れてきた。
本当に今日はいいことがないんだ。
彼女にまで、こんなことを言われてしまうなんて。
理由を聞かなくては。
荒々しい手つきで、俺は瑞貴に電話をかけた。
「もしもし。」
抑揚のない、いつもの彼女の声が聞こえた。
411 :
零れ落ちる 6 ◆4M6Rk66zgY :2006/01/18(水) 15:01:00 ID:Rv9nKCzY
「もしもし。」
俺はできるだけ、平静を装って話すように心がけた。
それが、俺のせいいっぱいの反抗だと思ったから。
「あのさ、メールのこと・・・本気で言ってるの?」
「・・・うん。」
「なんで?」
「・・・」
理由を聞くと、彼女は押し黙った。
「ねぇ、なんでなの。」
語気を荒げて、理由を急かす。
「・・・好き・・・じゃなくなったから。」
412 :
零れ落ちる 6 ◆4M6Rk66zgY :2006/01/18(水) 15:15:09 ID:Rv9nKCzY
「じゃあ、なんで俺のこと好きじゃなくなったの?
それも答えてくれないと納得しない。
もしそれが、直せるものだったら、直ったら、また付き合ってくれる?」
「うん・・・わかった。」
俺は、瑞貴が俺のメールに怒って、気持ちが一時的に揺らいだだけだと思っていた。
そして、彼女のためにならばどんな努力も厭わないと思っていた。
「私が、嫌だったのは、っていうか、やっぱりハルキは周りからみたらヘンな奴だから。
だから、付き合ってるの、恥ずかしいと思ったし・・・。
ハルキはさ、皆と笑うところとか、いっつもズレてて、常識だって無い。
それが私には許せないんだ。」
「うん、直すよ。頑張って直すよ、だから一緒に居させて下さい。」
彼女の注文に、俺は涙まじりに応えた。
本当に好きで、大事でしょうがなかったから。
だから、俺のアイデンティティを捨ててでも失いたくなかった。
413 :
零れ落ちる 8 ◆4M6Rk66zgY :2006/01/18(水) 15:18:56 ID:Rv9nKCzY
俺のアイデンティティ。
俺は、俺のことを本気で友達だと思ってくれる人間しか傍に置きたくはなかった。
だからこそ、俺は周りの人間には俺の全てをさらけ出していた。
俺の特殊な生い立ちとか、環境とか、そういうものまで受け入れてくれる人は少ない。
それでもなお受け入れてくれる人は、やっぱり大事な人だと思えるから。
ある意味信念のようなやり方を、彼女には否定された。
その時、「彼女は俺自身を否定したのだ」と気づいてしまえばよかったんだろうけれど。
結局逃げ場を失った悲しいという気持ちは、広志に聞いてもらうことにした。
そして彼女とのことも。
もちろん、その時の俺の中ではもう結論は決まっていたのだけれど。
414 :
零れ落ちる 9 ◆4M6Rk66zgY :2006/01/19(木) 15:10:47 ID:j+EnnqTE
「ふざけんじゃねーって感じ。別れろ。イマスグ別れろ。」
「いやいや、俺は別れないよ。」
俺が事情を話すと広志は憤慨した。
当事者よりも怒り狂う彼を見て、俺はなんだか可笑しくなって笑った。
「ハルはさ、今の状況わかってんの?」
「わかってるって。」
「それでもヨリ戻したいなんて、どうして言えるワケ?」
「そこまでしてでも、みーちゃんが好きだから。
まぁ、丁度良いのかもしれないな、俺の生き方って敵も作りやすいし。」
「上手くいくかもわからないのに・・・。」
うわごとのように呟き、広志は怪訝な顔をして明後日の方向を向いた。
と思ったが、とたんにくるりとこちらを向く。
「俺だったら、自分の価値観否定するような女とはぜってー付き合わねー。」
そう強く言い放って、彼はまた明後日の方向にそっぽを向いた。
俺にはほんの少しだけ、広志のことが「わからずや」に思えた。
けれどその言葉は、彼なりの思いやりだったんだろうと思う。
先を見据えて、「俺が傷つかないように」するための。
さっさと削除依頼だしとけよ。
416 :
零れ落ちる 10 ◆4M6Rk66zgY :2006/01/19(木) 15:27:24 ID:j+EnnqTE
瑞貴に一方的に別れを告げられてから、2週間ほどが経った。
学校でも彼女とすれ違うことはなく、会えない日々が続いた。
彼女を取り戻す日を夢見て、彼女の理想どおりになるために頑張っていたけれど、
思い通りにならない俺自身を嫌いになってしまいそうな、苦悩の日々を過ごしていた。
そんなある日、久しぶりに彼女と学校の廊下ですれ違った。
「今日、時間ある?」
先に話しかけてきたのは、彼女のほうだった。
放課後。教室からは隔離されたサークルの部屋には、もう誰も居なくなった。
それを確認して、二人は鍵が開けっ放しの部屋に忍び込んだ。
「ごめん・・・ね。」
無造作に置かれた椅子に腰掛けるや否や、彼女は嗚咽を漏らし始めた。
「ダメ、なの?俺、すっげー努力した。みーちゃんのために努力したのに。」
「・・・っ・・・っく・・・」
泣きじゃくる彼女に、俺は必死で訴えはじめた。
それでも虚しいことに、俺にはなんとなく判ってしまった。
「もう、ダメなんだってこと」が。
>>415 もっと上手い文章を書けるよう精進します。
でも、俺は止める気はありません。
「ああ、ダメなんだ、もう。」
無気力に俺はつぶやいた。
それを聞いて、瑞貴は首を縦に振った。
衝動にかられて、俺は彼女にキスをした。
といっても、それはただ「唇を押し当てた」だけに過ぎなかったのだけれど。
フったほうなのに、泣きじゃくる彼女。
フられたほうなのに、妙に冷めていた俺。
彼女を追及する訳にもいかず、その日は諦めることにした。
「如何ともしがたい理由」という「決定打」はまだ突きつけられていない。
その事実が俺に仮初めの希望を与え続けた。
俺もだ。
俺も楽しみにしてるとも
>>419 >>420 >>421 マジでありがとうございます。
そう言ってもらえることが本望というか、生きがいというか。
(詳しくは最終章で触れます。)
それから後、いつともなく俺は瑞貴の制作を手伝うようになった。
お互いに補いあい、もっと成長しあうことができたなら、また彼女の心は戻ると思ったからだ。
彼女はディティールを考えるのが得意だが、コンセプトを思いつくことは苦手だ。
そして俺は全くその逆だった。
熱心な彼女は服の世界だけを見続け、怠惰な俺はそれを嫌い他の世界ばかりを見続けてきたから。
彼女と付き合うようになり、俺はすこし勤勉になって、彼女はすこし視野を広げるようになった。
その「成長」がすみれさんと別れたことを正当化して、罪悪感を溶かした。
これで良かった、と思えるようになったことが本当に嬉しかった。
それは後悔に基づいた感情でしかなかったのだけれど。
だから余計に、俺には瑞貴が必要だった。
2、3日、瑞貴の制作室に入り浸る生活が続いた。
俺が必死だったせいか、彼女の制作は随分早く出来上がった。
「頼まれてくれて、本当ありがと。」
完成した作品を前に、嬉しそうな顔をして彼女は呟いた。
「惚れ直した?」
「…ごめん。」
俺の言葉を一蹴すると、彼女はしばらく押し黙った。
「ねえ、友達じゃあ、ダメ?」
「なんで…好きな人いないならまた俺を好きになってよ。」
俺の問いかけに一瞬だけ躊躇して、彼女は真実を口にした。
「…好きな…人は、いる…から。」
その言葉を聞いた瞬間、俺の頭は真っ白になった。
と同時に、激しく怒りがこみ上げてきた。
「さんざん期待持たして…そんなの酷くない?
俺だってテスト近くて暇じゃないのに、こんなこと頼みやがって…
新しい男できたなら早く言えよ、さっさと別れてやったのに、このクソ女!」
罵声とともに、俺は彼女と二人で完成させたばかりの作品を切り裂き始めた。
そのドレスを、ズタズタになるまで持っていたハサミで切り裂いた。
後には、原型を留めずボロボロになった布地だけが残った。
激昂した感情の中で、そのドレスは俺の心みたいにボロボロだ、と思った。
そして、泣き出した彼女を見て、心底嬉しいと思ってしまった。
ウワー・・・
気持ちは分からんでもないな。
自分の恋愛遍歴を書いているのは前向きな気持ちからだよな?
初期から見ているが、話が楽しみなのに加えてお前の状態が心配でしょうがない。
所詮俺の杞憂で終わるだろうけど…。
スレ汚しスマン。
みんな心配ありがとす(´・ω・`)
気づいたらこんなことにw
俺はもう大丈夫っす、メンヘラの俺を受け止めてくれるさやちゃんという彼女がいてくれるから。
瑞貴も地雷踏みまくりだけど彼女なりに俺を傷つけまいと思ってやってたんかなって思えるようにもなったし。
あと、この話をするのには意図もありまつ。
ではバイトの休憩中なんでまた夜に書きますね
「ほら、やっぱりそうなると思ってた。」
広志は悲しげに呟いた。
あれから2日、俺はずっと彼の部屋に置かせてもらっていた。
「俺ってハチ子みたいだねー、今ちょうど映画始まりそうだけど。」
「それ、喜んでいいことじゃないし…てかお前開き直んなよ。」
バイト先の奴に恋人を寝取られて、親友に慰めてもらう。
多摩川に身を投げようとした所まで、「NANA」にそっくりだと思った。
「元気出せ、お前は今回は悪くない。」
今回は、にアクセントを置いたことに悪意を感じたが、その言葉は暖かかった。
「けどやっぱ女は面倒くせー、俺はもう誰とも付き合えないわ。
ホント相手に合わせることほど無意味で疲れることは知らんね。」
「寂しいこと言うなよ…もしヒロちゃんが女だったら、俺が絶対そんな寂しいこと言わせないけど。」
「うほっ。」
「やりません、やれる訳がない。てか無理。」
「正直、ちょっと貞操の危険を感じた。」
広志のそばにいるのは、気分が楽だった。
けれど、いつまでもそこに居られる訳ではないことを、俺は知っていた。
>>429は慌てて書いたんでその前にちょっと抜け落ちたところありました。
そんで文章のタイトルも間違えました・・・。
>>429は「存在を保つ」で。
あと抜け落ちた部分も置いておきますね。
「零れ落ちる 14」
後で知った話だが、相手は瑞貴のバイト先の社員だった。
俺に僅かな敵意を持って接してきた男は、彼女がよく口に出した「優しい人」だった。
奴は俺と彼女が付き合っていることを知っていながら、瑞貴に手を出したらしい。
あんな男に負けたこと、俺にはそれがどうにも腑に落ちなかった。
普通なら顔も見たくなどないと思うだろう。
けれど、俺は瑞貴を傷つけたくてしょうがなかった。
毎日彼女のメールアドレスに、彼女を罵倒するようなメールを送信した。
しかし、そんな攻撃も幸せな彼女には取り合われるはずはなかった。
すぐに俺を傷つけるだけだと知って、メールを送ることは止めた。
けれどたちまちに俺はどう身を振ればよいのかわからなくなってしまった。
どうやって生きていけばよいのかということが。
生きることが面倒になった。
けれど生きなければならなかった。
それは意地でしかないけれど、瑞貴より幸せにならなくてはいけなかった。
広志は一週間も庇ってはくれやしないだろう。
例え友達でも常に他人と行動を共にすることは、彼にとって苦痛でしかないから。
だから2日一緒にいてくれたことは彼にとって非常に骨の折れることだっただろう。
あれから3日。
昼過ぎにたまたまアイダと出会った。
俺は何事もなかったかのような顔をして「フられたよ」と彼女に告げた。
アイダも俺の話を聞いて、やっぱり怒ってくれた。
けれどそれだけではダメなんだ。
瑞貴に気遣ってもらいたいんだ。瑞貴じゃないとダメなんだ。
一番大事な人に慰めてもらわないと満たされないんだ。
アイダと会話をするうちに、俺は自分の求めるものに気がついた。
まるで不治の病。
薬は絶対に手には入らない。
俺は治す方法などない病にかかっている。
それでも生きなくてはいけないと思った。
だから次の週に、アイダの友達の女の子と会う約束を取り付けてもらった。
約束を作ることしか、俺を生かしておく方法が見つからなかったから。
それからまた3日が経った。
酷い精神状態で、勉強も疎かになりがちだったけれどテストは無事に終わらせた。
テストの途中、何度もリサに「一緒に死のうか」というメールを送ろうとしては止めるをくり返した。
立ち直るまで時間がかかりそうで、それではいけないと思った。
学校が終わり部屋に帰ると、見るでもなく部屋のテレビは付けっぱなしにした。
終始ぼんやりとした頭でディスプレイを眺める。
何も考えないほうが、いい。
あるときディスプレイに「レイザーラモンHG」が映し出された。
俺の好きなお笑い芸人。
出始めのころは、丁度瑞貴と付き合い始めた頃だったな。
そのことは考えないと決めていたのに、思わぬことが引き金になって悲しくなった。
けれど、俺は瑞貴のことだけではなく、ある人物のことも思い出した。
この話、本出せるんじゃないか?
ハルキ文才ありすぎ!
2chになんか書いてないで出版社持ってけよww
>>433 文才はないっすよ・・・本当gdgdだしorz
最初の方なんてなんも考えないで書いてたし・・・
とりあえずいかに読みやすく書けるかが当面の目標ですね。
ちなみに2chに書く理由もあるっちゃありますかね。
もうしばらく本編は続きますんで宜しくお願いします。
本編が終わった後は完全なる創作恋愛小説を書こうかとも思っておりますが。
俺が思い出した人物、翠子とは例の掲示板で知り合い、友達になった。
翠子は雅裕の元彼女だった。
つまり、リサの前に雅裕と付き合っていた人物。
何故HGが翠子を思い起こさせたのかというと、彼女は同性愛者だという噂があったから。
リサと翠子の雅裕をめぐる攻防は凄まじいものだったらしい。
雅裕を取られたショックで、彼女は同性愛者になったというのだ。
確かに、そう思わせる根拠らしい根拠はいくつかあった。
彼女は大学でも有名な美女だった。リサも綺麗だったが、また次元が違った。
もちろん件の掲示板には「翠子様のレスにハァハァするスレ」のようなスレッドが沢山あった。
だから雅裕と別れた後も、言い寄る男は後を断たなかった。
それでも彼女は誰一人として受け入れようとはしなかった。
そして美容を専門に学んでいた彼女は、大学卒業後に何を思ったか看護大学に入り直した。
女だらけの学校に行ったことさえも、その噂の信憑性を濃くしていた。
極めつけに、彼女の愛読書が「マリア様がみてる」だということが判明した。
その事実が学校中に広まった後でも、彼女の人気は衰えることを知らなかった。
俺はなんとなく彼女に「元気ですか?」とメールを送った。
下心は少しだけあった。
中身はどうあれ、美しくて明晰な翠子と付き合うことができたなら、俺は幸せになれる。
瑞貴よりもずっと幸せになれる、そう思ったからだ。
「いきなり何?」
ずいぶん暇だったのだろう、翠子からの返事はすぐに届いた。
なんと切り出せば不自然ではないか躊躇ったが、ストレートに俺は聞いた。
「今って翠子さん、彼女います?」
「彼女などいるわけがない。」
「じゃあ俺と付き合ってください。」
「だが断る!!この西園寺翠子が最も好きな事のひとつは、
自分で上手くいくと思って告白してくるやつに『NO』と断ってやる事だ。
つーか、お前彼女いたんじゃ?」
「フられました。」
「あっそー。あいにく私には彼氏いるから。
あ、ちょっと待て、お前2対2で合コンする気ない?」
「あるあるあります、今すぐ写メるんで向こうの写真も下さい!」
彼女が男と付き合っていることはショックだったけれど、
わざわざ俺に「約束」を作ってくれたことが本当に嬉しかった。
引きつった笑みで携帯をかまえて、俺は写真を撮る。
それを送信したと同時に、翠子からのメールが着信した。
メールには、ナース服ではにかんだ笑顔をする女の子の写真が添付されていた。
鼻筋の通っている顔立ちはどちらかといえば凛々しくて、
可愛いというよりは綺麗で、そしてスタイルもすごくいい女の子。
「私の妹分だ。と言っても私とタメで学年的には先輩になるけどなー。
今は看護士やってるわ。名前は松森沙耶子、まー適当に頑張れ。」
翠子のメールには、その文章と沙耶子のものと思しきメールアドレスが書かれていた。
「はじめまして、下村ハルキといいます。
いちおー翠子さんの友達です、よろしくお願いします。」
沙耶子のアドレスにメールを送信した矢先に、翠子から一通のメールが届いた。
「今日はあの子夜勤だから、返事返ってこないと思うぞ。」
翠子、ジョジョヲタか…
すげー好みw
439 :
名無しさんの初恋:2006/01/24(火) 23:49:23 ID:q4MMUxL4
age
沙耶子からはどんなメールが来るのだろう。
見た目は翠子と同じでクールな感じだけれど、彼女の友達だからこそ彼女と同類かもしれない。
そんな他愛のないことを考えているだけで、一時的だけれど楽しい気分になれた。
眠れなかった夜も、いつもより早く明けた。
朝になって、昼になって、やっと携帯に一通のメールが届いた。
アドレスは間違いなく沙耶子のもの。
俺は焦った手つきでメールを開封する。
「おはようっ、わたしは松森沙耶子、23歳A型6月16日生まれのふたご座だよ!」
勢いの良すぎるその文面に、俺は噴出してしまった。
受信したのが授業中でなくて心底よかった。
「おはよーございます、ちなみに俺は20歳でA型11月11日生まれのさそり座です!」
笑わせてやろうと思って、オウム返しのようなメールを彼女に送った。
そして、メールを送信してから5分ほどして返事が届いた。
「ぉー、年下だぁー、いいのかな?よくわかんないけどよろしくねぇ♪
ってか悪い、メール来てたのわかってたけど二度寝しちゃった。」
「(笑)今日はお休みですか?」
「そーです。昨日は夜勤でハッスルしてたから☆」
沙耶子と何度かメールのやり取りをしていてわかったことがある。
彼女は明らかに翠子と「類友」で、綺麗な外見に不思議なペースを持つ人。
仕事柄か、その不思議な雰囲気に俺はだんだんと癒されるようになっていった。
「なんでさやちゃんは翠子さんと知り合ったんですか?」
メールのやりとりが始まってから数日、ずっと気になっていたことを聞いた。
翠子は今年から看護大に入学した。沙耶子は入れ違いで看護士になった。
二人の接点などあってないようなものである。
「えーとね、大学の見学会でわたしが翠子さんたちの引率をしたのだよ。
そんで異様に大人びてて美しぃー子がいるなあと思ってじろじろ見てた(笑)」
「それで、声をかけた?」
「そんときはかけてないよ。4月にサークルの歓迎会に卒業生として出たら、居てさ。
で、話してみたら実は同い年で、なんか喋りやすくてさー。」
「確かに、二人とも見た目と中身がかみ合ってない(笑)」
「そーなんだよっ、そのせいか合コンとかで気に入られるけど後続かないんだよ(汗」
「けど俺はそういうとこ好きですけどね。なんか、メールしてると安心するし。」
「ヤバイぞ、そんなこと言われたらかなりドキドキしてしまうではないかっ!」
そこまで彼女に言わせて、俺は心の底からやった、と思った。
恋が始まる寸前のえもいわれぬ充足感。
忘れかけていたその気持ちが蘇る。
もう既に俺の気持ちは彼女に奪われかけていたから。
「じゃあ、来週の約束の日までにはもっとドキドキさせておきます(笑)」
>>438 俺の周りには特に性格や趣味が濃い人々が多いように思います。
ちなみに彼女にジョジョを伝染されました。さすがにマリみては読みませんでしたが。
今はローゼンあたりにハマっているのでしょう。
…類友…かぁ(´д`;)
あ、「妹分」っていうのは本当は「プティスール」になってましたがあまりにもマニアックなネタ故に割愛w
9月も終わりに差し掛かり、約束の日も近づいた。
沙耶子とのメールのやりとりにも慣れて、お互いのことも解ってきていた。
彼女にやっと会える。
単に遊ぶだけのことで、翠子もいるし、広志も数合わせについてきてくれる。
それだけなのに、俺の中で期待も不安も大きくなっているのがわかる。
「ねぇ、もう一枚写真欲しい。」
いつものやり取りの中、期待の裏づけが欲しくなって俺は彼女に訊いた。
「しょーがないな、じゃあはるちゃんのも送って。」
真夜中の部屋で、俺はクローゼットの中をひっくり返す。
目的は、一年に5回着るか着ないかの一番お気に入りの服。
それをやっと発掘し終えた頃には、沙耶子からのメールが2通届いていた。
「はい、これ、っていうかすっぴんだし(恥」
添付されていた写真にはすっぴんでTシャツ姿の彼女。
はっきり言って、かわいい。
化粧をしていなくたって目はぱっちりしているし、いつもより少し血色のない唇も可愛い。
何よりセットされていなくてぼさぼさのショートヘアが、妙に無邪気。
「感想まだ?写真もまだ?」
もう一通を読んで、彼女の可愛さに浸っていた俺は慌てて作業を再開した。
「ごめんなさい、今撮ってました!写真可愛かったっす!」
髪のセットも終えて、やっと満足のいく写真もできた。
しかし、写真が欲しいと言われた時からはかなり時間が経っていた。
「寝そうだったじゃん(怒 でもすごいかっこいいんだけど!!
もしかしてわざわざ着替えた?髪の毛もいい感じですネ♪」
「着替えてました・・・一番お気に入りの服を引っ張り出してきました・・・ごめんなさい。」
「しまった、またドキっとさせられてしまったじゃないか!
ときめいちゃったじゃないか、初めての青春って感じだよ(意味不明
っていうかノリで電話したくなってきた、してもいい?」
まだメールを読んでいる途中だというのに、電話がかかってきた。
いきなり鳴り響く着信音に一瞬戸惑ったけれど、すぐに受話ボタンを押した。
「もしもし?」
ちょっと低くてハリのある、言うなればしなやかな声が耳に届いた。
「・・・あっ、はい、もしもしっ!」
一転、俺は間の抜けた声を発してしまった。
なんだよ…ハルキ実はすごくかっこよかったのかよ!?
俺と付き合ってくれw
>>445 雰囲気と服装と髪型で誤魔化しているだけです。
顔も感じも森山未来みたいな奴とよく言われます。
(そこまで顔がいいわけでないが雰囲気で得をするから)
そして俺は や り ま せ ん からwwwww
一人称俺の女でもダメです。どんなに可愛く頼まれてもダメですwwww
続きは夜に書きますのでレスだけですいませんです。
「いきなり電話しちゃって、驚いた?」
「ええ・・・まぁ。」
ハイテンションの沙耶子に、俺の頭はすぐには追いつけない。
「・・・嬉しかったから、わたしのために着替えてくれて、嬉しかったから。
一枚目の写真もスキだけど、もう一枚見てやっぱりタイプだなーって。
それで、なんか異様にドキドキしてきて、どーしても声が聞きたくなった。」
携帯電話から彼女の声が弾む。
眠気でぼやけた脳みそが、音として認識していた言葉。
その言葉の意味がつながった瞬間、心の中がきゅっと締め付けられたような気がした。
「ぅあっ、あっ、ありがとうございますっ!」
「そんなカシコマらないでよ。って、電話は初めてだからしょうがないか。」
彼女は軽やかに言葉を弾ませるのに、俺は言葉のしっぽを掴めない。
彼女の存在に動揺しているんだ。
「そいえば、声、きれいですね。」
「はるちゃんも優しそうないい声してるよ。」
苦し紛れで話をふると、名前を呼ばれるというカウンターを浴びせられた。
被害は甚大、会ったこともない人にこんなに振り回されている。
写真で見ただけの顔も、今聞いている声も、まっすぐで不思議な性格も、俺を苦しめるんだ。
「そんな・・・っ、さやちゃんは顔も、性格も、全部可愛いっすよ!」
自分で彼女の名前を呼んでは赤面する。
電話だけでよかった。
もし会っていたなら恥ずかしさで心臓が止まってしまうかもしれない。
「やっぱり?もっと褒め称えていいよ・・・って冗談だけどね。
さすがに翠子さんには負けちゃうよー。」
予想と全然違う彼女のその切り替えしに、俺は思わず声をあげて笑い出した。
「・・・引いた?引いちゃった?ダメ?そんなヘンなこという女はダメ?」
「ははっ、そんなんじゃなくて、そんなこと言われちゃうと思ってなくって・・・
本当に会ったことないタイプの面白い人だなぁって思ったんです・・・ぅははっ」
俺が大笑いするから、心配になってわざわざ確認をとる彼女。
そんな彼女が愛おしく滑稽で、また笑いがとめどなくこみ上げてくる。
「もうっ、そんな爆笑したまま言われても説得力ないよっ。」
「ほめ言葉ですってば。」
「やった、そう思っとく。あっ、もう2時だ、はるちゃんも寝なきゃ、おやすみぃ。」
「そーですね、明日も早いし。おやすみなさい。」
長くも短くも思えた通話の後、メールが一通届いた。
「おやすみ、また明日も頑張るんだぞ!
(わたしドコモだからはるちゃんにハートの絵文字送れないや、残念)」
絵文字は送られてこなかったけれど、その気持ちだけで眠れなくなるには充分だった。
写真のこと、声のこと、メールのこと。
会ったことすらない彼女に想いを馳せては、俺はベッドの上を転がった。
ハルキあう?豚?塚?
とりあえずアド晒せw
俺がハートの絵文字送ってやるwww
>>449 携帯板住人かよwwwww
俺はリアルはあう、バイトで売っているのは豚、親戚にはドキュ関係社員多いという節操ない人間w
雑談だけで終わらせるのはアレなので
俺:PENCK(黒、タママ二等兵のストラップ付き)
沙耶子:p901i(黒ベースのしましまカス)
瑞貴:talby(緑にドコモだけ増殖)
すみれ:機種忘れ サンヨーのよく壊れるとクレームがついたやつ
アイダ:V602SH(白)
広志:infobar(ビル)
リサ:premini(のどれだったか忘れた、赤)
よく出てくる人たちはこんな感じっす。
「ごめん、私、行けなくなった。」
広志の部屋でくつろぐ俺に、翠子からのメールが一通。
こんなギリギリになってどうして、と俺は絶望した。
「ひろちゃんどーしよ、今度の約束、俺の友達が来れなくなったって。」
情けない声をあげる俺に、広志は罪悪感と嬉しさが混じったような顔をした。
「・・・じゃあ、丁度よかった。実はその日さ、先生が遊びに連れてってくれるかもって。」
先生というのは、広志の制作室の先生で、俺が一番最初にいたサークルの顧問である。
そして今の広志が心を開く唯一の異性。
ほとんど恋のようなその傾倒に、友情など勝てるはずもない。
沙耶子に会えないと知って心から落胆する俺に、広志がぴしゃりと言った。
「YOU二人っきりで会っちまいなYO!」
「あ・・・そっか。」
「翠子さん行けなくなったって。俺の友達も来れないかもって。
だから、二人で会うのってダメかなぁ?」
俺の指が軽快に携帯電話のボタンを弾く。
「断られたらどうしよう」と「二人っきり」。
この二つの単語が、代わる代わる俺の頭によぎっては不安にさせる。
「えっ・・・、どうしよう・・・。」
メールが返ってきたのは半日後、仕事が終わったと思しき時間。
「俺は、会いたいです。さやちゃんが微妙ならまた今度でもいいけど。」
俺がメールを送ってから少しすると、電話がかかってきた。
「わたしも、会いたい、よ。」
受話器の向こうから、切れ切れの息に混じってやっと言葉になった声が聞こえた。
「あーっ、仕事終わったばっかりなのに、ごめんなさい。」
「いいよっ、ちゃんと言っておきたかったし。じゃあ、その日に会おうね。」
彼女と同じ日に約束を作り直して、電話を切った。
いつもより空気の混じったその声が色っぽくて、弥が上にも期待はたかまった。
約束の日。
その日は夕方までアルバイトをしていた。
本当は休みたかったけれど、深刻な人手不足と勤務場所のため、それを引き受けることにした。
その日の勤務場所は品川近郊。
沙耶子の働く川崎からは、ほんの少しだけ近い。
バイトが終わる時刻が近づいたとき、ふと視線に気がついた。
商品の置いてあるスチールラックの隙間からのぞく顔。
写真で見慣れた眉毛のその下、目を探し当てたときにはもう彼女は俺の目の前にいた。
「いらっしゃいま・・・せ・・・。」
「はい、いらっしゃいましたよ。」
感知した人間の気配に、俺はつい笑顔と口上を振りまいた。
同時に、携帯の中の大事な写真と同じ、だけどもっと可愛くて綺麗な顔が微笑んだ。
赤っぽい細身のネルシャツに黒いキャミソール、デニム地のミニスカート。
すらりと伸びた脚は、黒くてゴツめのショートブーツに包まれていた。
沙耶子の私服は彼女によく似合っていて、まるで彼女に着られるために存在しているかのよう。
「ちょっと・・・待っててください、あと30分で仕事終わるから。」
俺は販売員失格の緩んだ表情をして、彼女にお願いをした。
「わかった、観察することにする。」
彼女が待っている30分間、挙動不審になる気持ちを抑えて接客に励んだ。
けれどその間に、契約をとることはできなかった。
と言ってもクレーム防止のために俺が売らなかったのだけれど。
「お疲れ様、って、なんで売れそうだったのに売らなかったの?」
従業員出入り口に先回りして待っていてくれた彼女は、開口一番こう言った。
「なんていうか・・・多分言ってもわかんないと思うけど、
あの人の条件だとあの人がムダにお金払う可能性高いから。」
「なんか・・・店員じゃないみたいだね。」
「でもそれが信用に繋がるんじゃない?俺は店員じゃないみたいって言われたほうが嬉しいし。」
俺の言葉を聞いて、彼女は笑い出した。
「やっぱり、キミはいい人だね、安心したよ。」
「何を安心したの?」
「秘密だよ、って寒いね、薄着しすぎたかなぁ。」
残暑が厳しいと言っても、辺りは真っ暗で肌寒さを感じる。
俺は黙ったまま、着ていたパーカーを寒がる彼女の肩の上からかぶせた。
「ありがと、じゃあご飯食べに行こうか。」
こっちを向いて、最大級の無邪気な笑顔をして彼女は言った。
その笑顔で俺は瀕死状態に陥ってしまう。
想像なんかよりも早く、彼女がまるで恋の病の病原菌かのように俺を侵していく。
age
456 :
ジョジョ:2006/02/01(水) 23:40:16 ID:mmrckxjj
ひさびさに来たら話がすすんでる…orz
>>455 保守ありがとうございます
>>456 お久しぶりですw
俺はいつまでもここで書き続けてますんで、いつでも覗いて下さい。
二人で食事をして、映画を観に行った。
その日観たのは、「チャーリーとチョコレート工場」。
話の内容はよく解らなかったが、沙耶子は楽しそうにしていた。
「ごめん、俺にはサイコホラーにしか思えなかった。」
「んー、普通に面白かったよ、ちっちゃいオッサンとか。」
映画を観終えると、時刻は12時を過ぎていた。
真夜中の街を二人で歩いていると、こちらをくるりと向いて沙耶子が呟いた。
「なんか青春、って感じだね、わたし今まで男の子と二人きりで遊んだことないや。」
「えっ、さやちゃんこんなに可愛いのに、ないんですか?」
「高校から女子校みたいなモンだからねっ、合コンには行ったりしたけど。」
歩調を早めて、彼女は俺の正面に回り込んで立ち止まった。
「今日は、会ってくれて、それと、かわいいって言ってくれてありがと。」
照れくさそうに彼女は精一杯の笑顔を見せて、また早足で歩き出す。
はにかむ彼女が愛おしくなって、俺は自分の手で彼女の手に触れた。
「ななっ・・・何をっ、するんデスかっ!?」
包み込むようにして握った手の感触に気づき、沙耶子は焦りだす。
「まだ恋人同士じゃないけど、折角だしもっと青春っぽいことをやってみよーかなと。」
我ながら恥ずかしいセリフを言ってしまった。
耳たぶが熱くなる感覚がする。
恥ずかしさを紛らわせるために、彼女の手を少しきつめにぎゅっと握った。
「・・・っ!」
「あ・・・っ、ごめん、痛かった?」
「ううん、違う、そんな訳じゃあ・・・。」
彼女の目が、繋がれた二人の手を追いかける。
恥ずかしそうに手を見つめる彼女を見て、俺も恥ずかしくなって手を離してしまった。
「ダメ。」
うつむきながらそう呟いて、彼女は素早く俺の手をとった。
「手、ずっとつないでてくれなきゃ、ダメなんだって。」
半分泣きそうになりながらも言い聞かせるようなその口調が可笑しくて噴出した。
「何で笑うのさ。」
「一生懸命だなーって。」
俺は両の手のひらで彼女の手を優しく包んだ。
彼女は嬉しそうに、にへらとした笑顔を見せた。
二人で夜を過ごすために、カラオケボックスに入った。
フリードリンクのカクテルを頼んで、歌いながら俺は少しずつ、彼女はがばがばと飲んだ。
大声を出す彼女の歌い方はかなり消耗が早く、最終的には俺ばかりが歌うことになった。
「気持ち悪い。」
2時間ほど歌った後、アルコールを摂取しすぎたのか、俺は気持ち悪さに襲われ始めた。
「大丈夫・・・?」
「ごめ・・・俺、実はほとんど飲めねー・・・。」
女の子の前で本当に情けない姿を晒してしまったことと、気持ち悪いこと。
こんなに大事な時なのにと、自分のふがいなさに涙が出そうだった。
瞬間、俺の視界がぐらりと大きく揺れた。
ああ、俺は倒れてしまったんだな、初対面の女の子の前で。
初対面の女の子の前、なのに。
「大丈夫、わたしが診てあげるから。」
倒れたにしては一向に気が遠くならず、しまいには沙耶子の声まではっきり聞こえる。
彼女の暖かい手のひらが、俺の額を撫でる。
「えっ、えっ、あー・・・??」
俺の頭が彼女のひざの上に置かれたことに気づき、俺は混乱した。
「あっ、コレ一回やってみたかったんだよね、驚かせたんならごめん。」
「あー・・・あっ、ありがと・・・。」
額を撫でていないほうの手は、しっかりと俺の手を握っている。
どっ、どっ、どっと沙耶子の太ももから振動が伝わる。
その鼓動は早く大きくて、彼女の心理状況を物語っていた。
大胆な行動をとっているわりには、かなり恥ずかしがっていることが判る。
つまり、彼女は常日頃から大胆な人間ではないということ。
「誘ってる、んですか。」
俺がたどり着いた、ちょっとおこがましい結論。
「わかん・・・ない・・・。」
うやむやにする言葉とは裏腹に、彼女の心拍数は上がり続ける。
「そんな焦んなくても、俺は逃げないから、絶対。」
確かめるように、俺は彼女の手を握り返した。
「もっと、わたしのこと知っても、他の男の人みたいに、いなくならない?」
「何があっても受け入れる努力はする・・・と思うけど。」
「じゃあ、ケータイの着信がHGの声と、青のりだって言っても?」
「大丈夫、さやちゃんは可愛いから何やっても許せる。俺だって変人だし。」
触れ合った手からも、鼓動が伝わるようになっていた。
「もっと、近づきたい、けど、はるちゃんは同じ気持ち・・・?」
切なげに押し殺したような声で、彼女が訊ねた。
あおのりって…かなりコアだなw
ってかハルキ羨ましいぞ。むっちゃかわいいじゃねーか
青のりって何だ?
>>462 俺の着信はさなだ虫と「電話フォー!」
一応ペアルックですw
>>463 ちょっと独特な純愛ラブソングのタイトルですww
青のりはしらんなぁ・・・w
さなだ虫もひっかかるが・・・
ブリトラいいねえ。
カラオケでやると、メンツによっては
盛り上がる場合と引かれる場合があるから悩むが。
お初です、某スレのスラダンさんの誘導で昨夜から読みはじめて一度は寝たけど
夜中に眼が覚めてやっぱり続きが気になって一気に読ませて頂きました。
御自身では「無い」と言われてますが文才ありすぎ!惹き付けられますたー
>>465 「前歯に青のりついてるよ前歯に青のりついてるよさっき食べたお好み(ry」
「君が食べたものを少したべてる〜 僕はさなだ虫〜♪」
無駄にいい声とすごいテクでどうしようもない歌詞を歌う人が世の中にはいます。
>>466 この前クラスでカラオケ行ったときには、
スタイリスト志望のタッキー似のカッコイイ奴が歌っておりましたw
ブリトラはある意味俺らの青春ですねwww
>>467 はじめまして。スラダンのオサーンの隠し子(仮)、ハルキですw
惹きつけられた、と言われると本当にあり難く思います。
文才は無いっすよ・・・orz
とりあえず最初のほうはブログで編集してますんで(ほとんど別物)、
つ【
http://blog.livedoor.jp/ore_mattari】どうぞ。
沙耶子の膝の上から上半身を起こして、俺は彼女と向き合った。
静かにうなづいて、ソファーに彼女を押し付けるようにして抱きしめた。
俺と、彼女の存在。
それを確かめるように、背中にまわした手をきつくしたり緩めたりを繰り返す。
俺の心拍のペースも、彼女のペースに追いつく。
抱きしめあった身体の向こうからなのか、こちらからなのか、絶え間なく鼓動が響いた。
「ねえ、キスしてもいい・・・?」
そう聞いてはみたけれど、彼女からの返答はなかった。
彼女が口を開く前に、俺が彼女の口を塞いでしまったから。
彼女の薄い唇に、何度も何度も俺はくちづけをした。
隠し子いうなw
なんかフォースの暗黒面とかに引きずり込む父のような気になるw
/*----------------------------------------------------
皆さんへお知らせ
----------------------------------------------------*/
ここからはエロ展開になります。
あまり直接的な描写はしませんが、苦手な方は飛ばし読みをお勧めします。
それでは桃栗みかん先生(エロ漫画家ではない)の絵柄を想像しながらお楽しみ下さい。
>>470 つ【ポカパマズさん】
二人はついばむように、味わうように、何度もキスをする。
いきなり彼女は俺の頭を手で押さえつけ、唇が離れないようにした。
俺がきょとんとした顔をしていると、口の中に彼女の舌が入り込んできた。
絡ませるというよりも拙く、彼女の舌先が一生懸命に俺の舌をつついた。
見よう見まねで慣れないことを精一杯しているようで、彼女が愛おしくなる。
堪らなくなって、唇で彼女の舌を引っ張り出すように吸いついた。
「んっ…あ…っ…。」
彼女がかすかに声を漏らす。
これ以上は、ダメだ。
俺の残り少ない理性が、二人の唇を引き離した。
「いっ…いきなり…そんなふうにされたら困るよっ!」
言葉では拒絶しているのに物足りなさそうで、困惑した顔をする彼女。
「仕掛けてきたのは、そっちだってば。」
「わたしのこと…こんなにしちゃったのに、そんなこと言ってはるちゃんは卑怯。」
また、視界が大きく揺れた。
ソファーに転がった俺の身体の上には、俺を押さえつけるように馬乗りになった彼女。
俺の言葉が気にくわなかったのか、彼女はからかわれて怒る子供のような表情をした。
「し、か、え、し。」
獲物を仕留めようとする獣のような体勢。
そんな格好で俺にのしかかって、沙耶子はそう囁く。
囁きかけた耳たぶを、彼女はかじるように甘噛みする。
耳元から首筋に、ゆっくりと唇が這った。
唇が鎖骨を撫でたときに、俺は今まで甘んじて受けていた束縛を力ずくで解いた。
「ダメだって。ちょっと冷静になって下さい、女の子なんだから。」
そう、そこはまかりなりにもカラオケボックス。
どうあってもこの先へ進むことなどできないのだ。
「やだやだやだっ。もっといじめたいんだもん。」
俺に掴まれた手を振りほどこうとして、彼女は手足をばたつかせる。
それも力ずくで止めさせるように、強く身体を抱き寄せた。
「ごめん、ね、悪ノリしちゃって。
お互い酔っ払ってるからさ、もっと冷静にならないと。
冷静になって、ちゃんと彼女になってくれたらもっといじめてもいいから。」
彼女の髪の毛を撫でて、額にキスをした。
ふくれっつらの彼女は、「わかった」とだけ言った。
込み上げる衝動をなんとかやり過ごして、二人は無事に朝を迎えた。
駅の改札口で別れる前に、俺は彼女にひとつ質問をした。
「俺は、さやちゃんの、ナニ?」
「異性のなかで一緒にいて一番楽しい人だよ。」
「それは、恋人?」
「結論を出すのはまだはやーい。」
屈託無く、彼女は笑った。
何かが悔しくて、畜生と俺は思った。
「じゃあ、暫定ね。さやちゃんは俺の暫定、彼女。」
俺は捨てぜりふのように言って、改札の向こう側にいる彼女に手を振った。
彼女も力いっぱいに手を振りかえした。
現実逃避とばかりに大量うぷ完了w
次のチャプターで俺自身の話は終わります。
あともうちょっとですが宜しくお願いします!
お疲れ。
本編(?)もあと少しか。楽しませてもらうよ。
書き始める前に読者のみなさんに質問してもよろしいでしょうか?
と返事を聞く前に質問するのですがw
自分が書いてて気になったことなのですが、
・どの話が一番印象的だったか、好きだと思うか
・どのキャラクターと付き合ってみたいか(萌えるか)
面倒でしたらスルーで良いんで、回答お願いします。
・話的には、リサさんのところが一番深いと思った。
・キャラ的には、椿さんが最もまともそうだなと思った。
あくまで、別世界の出来事としてね。生で体験したわけじゃないし。
自らが同じような環境に置かれたら、だいぶ印象違うだろうな。
瑞貴かなぁw
やはり・・・
俺はやっぱりハルキだなw
と、冗談はさておき
俺はさやちゃんに萌えw
俺は何気にインターンシップの話が好きだった。
キャラクターではドSな椿に萌えww
482 :
高2生:2006/02/06(月) 22:08:56 ID:tMh8ST6G
<・どの話が一番印象的だったか、好きだと思うか
自分は、すみれさんのお話ですね。
展開がまるでドラマっぽかったです。
高校教師と付き合うなんて今の自分には考えられない。
(普段DQN教師を見慣れてるからかもしれないが・・・)
<・どのキャラクターと付き合ってみたいか(萌えるか)
登場人物全員に何かしら魅力を感じます。
萌えるのは、沙耶子さんですかね。
更新が楽しみでマメにチェックしとるんですが、非常に面白いです。
まだまだ楽しませてもらいたいところです。
みなさんあざーす!更新再開しますが引き続きアンケートは募集中です。
>>478 ・あそこは各人の行動理由がきちっとしていないと、と思ったので。
そういう「理由」を一番意識して書いた部分ですかね。だから深いのかも。
・椿はマトモに見えて本当に運転がヤバイんですよ。大きい事故何回か起こしてるらしいし。
O型独自の能天気さ、ですかねー。そこがまたいい味なんでしょうがw
>>479 あんなふうに書いたのに瑞貴っすかwww
けど、俺のために一生懸命努力するっていう姿が好きだったなぁ・・・(遠い目
磨けば光る人なので、面白いといえば面白い、かな。
>>480 ・読んでいるだけで・・・ケツが痛い・・・ッ!
とりあえずエキサイト翻訳で「うほmoon」とか、「美しき野獣」でググればいいと思うんだ。
・天然娘テラモエスですが、街中でイキナリ奇声を上げたりします。素人にはお勧めできない。
しかしそれもまた可愛いとはばからず言ってあげられる男になりたい。
>>481 ・意外や意外サキがいいって人が少なかったw
彼女は性癖意外は全キャラで一番マトモなのにwww
ちなみにインターンや大学の話とかは専門的すぎて書きづらいです・・・。
共感を得られる書き方ができない俺がダメなんですがね。
・椿はドSっていうよりも厳しい人なんじゃないかと。
面倒見いいけど厳しいから一部の同級生には嫌われております(´・ω・`)
>>482 ・偶然が重なって、本当に自分でも信じられない話ですね、未だに。
運命の人だと信じて疑わなかったのに・・・orz
・全員好きだと言ってもらえると本当に嬉しいですね。
ケロロ軍曹みたいに、全キャラに愛情を注いで書いていますんで。
沙耶子は天然なんですが、ダマされやすい系の天然じゃないんで安心です(何がw
あれから一ヶ月、デートを重ねて俺は沙耶子と付き合うことになった。
今までのことがあったから、俺にしてはずいぶん様子を見たと思う。
彼女のことを理解して、俺のことも知ってもらって、初めて「好き」だと言えた。
俺の誕生日には、お互いにペアリングをプレゼントしあった。
沙耶子のサイズの指輪が丁度売り切れていたから、一つ大きいサイズのものを買った。
沙耶子のことが好きだ。
そう思う反面、わざと絆をつくっては自分を誤魔化す俺がいた。
半分は、利用している。
沙耶子が好きだと、俺のほうが幸せだと思いこんで、瑞貴に復習したいだけ。
そういう気持ちで、綻びはすぐに大きくなった。
沙耶子に会っているときは楽しいし、彼女をいとおしいと思う。
しかし、彼女からひとたび離れれば、憎悪と嫉妬の感情が俺を覆った。
あの女が不幸にならなければ、俺は満たされない。
あの女を傷つけなければ、俺は幸せになれない。
あの女がのうのうと幸せに生きている限り、俺は惨めなまま。
そういう考えばかりが、俺の頭を廻る。
「ハルキさんは、十分強いですよ。」
そう言うのはサークルの後輩。
俺のところにちょくちょく相談を持ちかけてきてくれる、舎弟のような奴。
「俺は弱いよ、今日だって、今だって、恨む気持ちでいっぱい。」
「何もしたくないってよりマシじゃないですか、新しい出会いとか探してるし。
僕は・・・裏切られたら何もしたくなくなる。生きてることも。」
彼はうつむいた。
同じ穴のムジナ同士、俺にはかける言葉が見つからなかった。
「だから、そういう時にどうやって自分を生きていさせるんだろうなって。
ハルキさんはそれができてるから、僕はその方法が聞きたいんです。」
「・・・俺にもよく、わかんないよ。
ただ、俺が死んだら友達とか、一応悲しんでくれる人、いるし・・・。」
言葉を捜そうとするけれど、やっぱり当たり障りのない言葉しか出てこなかった。
「心が、弱いんですよ、僕は。だから、こんなこと、ぐらいで悩んでる。」
「こんなこと、かぁ。確かに、そこで気にしなければ苦しまないのにな、俺も。」
彼の言葉に、痛いぐらい俺の弱さを再認識させられた。
確かに「こんなこと」ぐらい、気にしなければいいのに、わざと蒸し返している。
蒸し返して、苛ついて、傷つけて、嫌われて、また傷が深くなる。
それでも蒸し返さずにはいられない、そんな弱さ。
「なんてゆーか、障害者みたいだな、俺ら。心の障害者。」
「あーっ、それ、そんな感じですよ、まさに!」
「人はさぁ、生まれつきやっぱり平等なんかじゃないんだよ。
結局辛いとか、幸せだとかって心がそう決めるんだよな。
だから俺は、何でも辛く感じる心に生まれてきてしまったんだよな、多分。」
俺の出した「救いようのない」結論に、彼は感心したようにうんうんと頷いた。
そう、俺は、救いようのない、バカ。
自分で自分を傷つけてしまう、バカ。
俺は自分が、嫌い。
「死ねばいーのに。」
俺は誰にでもなく、自分にそう言った。
「俺なんか、死ねばいーのに。」
「そ、そんなこと・・・、でも・・・。」
話を聞いていた彼は、判断に戸惑っている様子だった。
俺の様子を見て、止めることが果たしていいことなのかと考えていたようだ。
「なんてね。世の中には生きていたくても、精一杯生きていても、
不可抗力で死んじまう人だっているから、自分では死んだりしないよ。」
俺のその言葉を聞いて、彼は心底ほっとした顔をした。
やっぱり、困らせるにしても純粋な奴を困らせるのは性にあわない。
そんな言葉で言いつくろっても、俺は自分が死ねばいいと思っていた。
例えば殺されてしまう幼子、その代わりに俺を殺してくれと。
脱線事故、地震、死ぬことを望まない命の代わりに俺を殺してくれ。
彼と話して以来、毎日祈るかのように、そう思うようになった。
神様、どうか俺を殺してください。
生きるべき人の代わりに俺を殺してください、と。
自分の気持ちに嘘をついて生きなければならなかった。
内定も出ているし、それに、雅裕のこともある。
価値の無い自分だと思っていても、自分で命を絶つことははばかられた。
自分の歩いてきた道を、どこかに書き記そうと思った。
沙耶子がいない時、誰かにかまってもらいたい、辛いことを忘れたい、そんな気持ちから。
それを書こうと思った場所は、2ちゃんねる。
叩かれてもいい、いや、叩かれないほど立派な人生ではない。
どうせ時間をやり過ごすためだけだから、書くことさえできれば、それでいいと思った。
もしかしたら、誰かが俺の話を読んで、俺を必要としてくれるかもしれない。
そういう思いで、俺はこのスレッドを立てた。
目が覚めた。
隣には沙耶子が眠っていた。
壁際にあるベッドの横には、小さなソファーが置かれ、少し広くなったベッドの空間。
そしてその片隅、ソファーの上に、俺の身体は折り曲げられ追いやられていた。
「・・・いつの間に来たんだか・・・。」
ぽそりと呟いて、俺はテレビのスイッチをつけた。
ニュースの音をBGMにして、俺はキッチンで二人分の朝食を作り始めた。
沙耶子は依然として、口を半開きにしてよく眠っている。
疲れているのかな、俺はそう思った。
「さーやーちゃん、起きて、ご飯できたから。」
揺さぶっても、一向に彼女は起きようとはしない。
しょうがないので彼女の分にラップをして、俺は一人で朝食をとることにした。
カーペットの上に座り、トーストをかじりながらニュースを見る。
それが、毎朝の習慣。
毎日起こる犯罪や、天災で命を落とす人々。
そういう人たちのことを忘れてしまえば、きっと命の価値さえも忘れてしまう。
トーストを全部かじり終えたとき、後ろから抱きつかれる感触。
眠気からなのか、疲れからなのか、沙耶子がむすっとした顔で俺にしがみついている。
「・・・あ、起こしちゃった? ごめんね、ご飯あるから食べなよ。」
「・・・コワイ顔、してる。すっごい怖い顔で、テレビ見てた。」
「あっ、何でもないんだよ、ごめんね。」
「絶対何にもないわけない、あんな絶望してるみたいな表情。」
そういえば、彼女は看護士だった。
表情から心理状況を見抜くことなど、きっとわけないことだろう。
「ね、もし良かったら教えてよ、お願い。
わたしじゃ受け止められないかもしんないけど、吐き出すだけでもマシだから。」
「嫌いになったり、見捨てたりしない?」
「絶対しない、助けてあげたいから。」
真剣に懇願する彼女にほだされて、俺はついに、心の奥底を彼女に見せることにした。
「いつも死にたい、って思ってるんだ。
人が死んだニュース見て、いつも祈ってる。できることなら俺が代わりになりたいって。
でも、そんなことできない。だから、生きなきゃだめなんだって思ってる。」
「なんで・・・。」
俺の言葉を聞いてから、沙耶子はますます悲壮な面持になった。
当事者でもないのに、本当に悲しげな顔をする彼女。
それが見ていられなくて、俺は無理やりに笑顔を作った。
「俺は、心が不自由に生まれてきたから。本当に些細なことで、すごく落ち込んだりする。
どんな恵まれた状況にいても、まだ足りない、まだ幸せじゃないって思ってしまう。
それを繰り返して、だんだん自分が嫌いになってく。だって、自分には価値がないから。
だから、早く死んだほうがいい。誰かの代わりになって、死んだ方がいい。」
笑ったままで言うようなセリフではなかったけれど、俺はそれを笑ったままで言い切った。
俺とは全く反対で、沙耶子は今にも泣き出しそうな顔をしていた。
「・・・自分に価値がないなんて言っちゃだめ。」
「だって、無いんだもん、しょうがない。自分では見つけられなかったよ。」
彼女が泣き出した。
ああ、言わなくてもいいことを言ってしまった。
そんな後悔が俺の頭に浮かんだ。
こんなに面倒な俺は、きっと彼女にも愛想をつかされてしまうんだ。
いつだって、そう。
俺はどうやったって、いつまで経っても天邪鬼で。
「あるっ、あるのっ、いっぱいあるもん。
はるちゃんは頑張り屋さんで、お勉強できて、お料理も得意だし、一緒にいると楽しいよ。
はるちゃんが見つけられないなら、わたしがいっぱいみつける! だから生きようよ!」
号泣しながら、彼女は本当に意外な言葉を口にした。
生まれてきてからずっと、俺が欲しかった言葉。
自分で価値がないとは言っても、俺は褒めてほしかった。認めてほしかったんだ。
やっと、出会えた。
本当の俺を認めてくれる人に。
嬉しくて泣いた。泣きながら俺は彼女に何度も「有難う」と言った。
その日は大学の講義をすっぽかして、二人で夜まで過ごした。
何故、俺はこんなに苦しむのだろう。
その答えは得ることができなかったけれど、彼女のことを思い出すと、前向きになれた。
やっぱり些細なことで完膚なきまでに叩きのめされるし、不条理に思うことはあったけれど。
その日はいつものように、2ちゃんねるを見ていた。
このスレッドの更新をして、他のスレッドも巡回し終えた。
その時に、あるスレッド名が目に付いた。
良くは覚えていないが、「辛い苦しい死にたい」のようなタイトル。
導かれるかのように、そのスレッドを開くと、そこには「ともみん」というコテハンがいた。
沢山の人々が、彼女を励ます。
しかし、どの励ましの言葉も彼女の心には響かなかった。
「みんなにはこの苦しみがわからない。」そう彼女は言った。
彼女は、俺と同じだった。
俺と同じ不条理さに気づき、悩む一人の人間だった。
俺は慌ててレスをした。
「
>>1が生きるなら、きっと受け止めてくれる人に出会える。
俺も、
>>1と同じ、心が弱くて死にたかったけど、出会えたよ。」
そのレスが彼女の心に響いたのかは、彼女からの書き込みが無くなったのでわからなかった。
けれど、わかったことがいくつかあった。
この不条理さを嘆いているのは、俺だけじゃないということ。
そして、俺も苦しんでいるからこそ、彼女たちを理解できるということ。
こんな不条理さの中、もがくのは辛い。
時々意味がないことのように思えて仕方がない。
けれど、そうやって幸せを見つける人間もいると、誰より俺が言ってあげられる。
俺が苦しんだ分だけ、笑える人が増えたなら。
俺が泣いた分だけ、生きようと思える人が増えたなら。
それが、きっと俺の価値であり、俺が生きる理由。
これで俺自身の話は終わりです。
3ヶ月も長々とお付き合いいただき、本当にありがとうございました。
とりあえずスレが消費し終わるまでは、俺の妄想恋愛小説でも書いていこうかなと思っております。
まだまだまったりと書いて行きますんでよろしくお願いします。
お疲れー。
みんな多分おなじ事を思ってると思うよ。
「みんなにはこの苦しみがわからない。」みたいな事をね。
ただそれを大きくならないようにしていたり、隠したり、紛らわしたりしてるだけ。
人間なんて、ほとんどの人が自分が一番辛くて、不幸だなって思ってる。
実際自分にもそうゆう時期はあったし、色々もがいたりしてた。
今はそんな事ないけどね。
うーん文章ヘタだなオレ。
結局はみんな同じ、
自分だけが特別だって感じるのは、
自分が心を閉ざしているから何だろうね。
きっと。
3ヶ月間ありがと。
言葉は悪いかもしれないが、楽しませてもらいました。
お疲れ。
お疲れ様ハルキ。いい物語だった。
誰もが通る道だ。俺だってそうだった。今はこんなだがねw
ブルハに人生を学び、やり切れない思いを鎮めたりした。
でも幸多かれ。いつか笑い話になる。
あんな事考えてたなぁって。辛い事もまだまだあるぜ?w
でもね。悪くないなぁって思えるくらいになるよ。脱力してさ。
肩肘張らずに生きていこうってなるよ。大丈夫だお前なら。
とても楽しんだ。ありがとう。幸多かれと祈らせてもらう。
まだ続くんだっけかw
妄想なら俺も負けないが、綴られる物語を楽しませてもらうよ。
一ファンとしてね
498 :
名無しさんの初恋:2006/02/08(水) 19:32:40 ID:1VX90jmV
お疲れ様です。じっくり読ませてもらいました。
俺はまだガキなんですが、ハルキさんのように運命の人と思える人に出会えました。
そしてハルキさんの話を読んでさらに彼女を大切にしようと思いました。
ありがとうございますm(_ _)m
沙耶子さんとお幸せに!!
499 :
修行中:2006/02/08(水) 20:35:30 ID:DyKKYJlb
お疲れ様でした。いやあ、文才あるなあ。ウラヤマシス。
毎日の楽しみがこれでなくなるかと思うと少しさびしいけれど。
ところで一つ聞きたいんだけど・・・・椿&ユリカ(特にこっち)はその後どーなったの。
「ケータイの中だけの恋愛5」の1です。
今日、このスレを知って、この3時間くらいで一気に読んで、泣かせてもらいました。受験生なのにw
ケータイのスレに宣伝してくださって、感謝しています。
本当に人間臭くて惹きつけられる話で、なんていうか…俺ももっと、自分に素直に生きたいと思えました。
月並みだけど、彼女と幸せになってくださいね。あと、いつかあなたが瑞貴さんを許せる日がきますように…
連投すみません。
受験版で「失敗したから死にたい」って吐いてる奴らにここを見せても大丈夫ですか?
とは言っても荒れてしまう危険性もはらんでいるので、ハルキさんに了承がいただけたら、ですが。
みなさん、本当にあざーす!!
>>496 早いレス本当にありがとうございます。
そうですよね、普段近すぎて見えないところに、本当に自分の求めてるものがあって・・・
ちなみに今は天邪鬼なところは治すようにしてます。
して欲しいことをストレートに言うようにはなりましたねw
>>497 いつもいつも本当にありがとうございました。
このスレが皆に愛されたのはひとえにオサーンのおかげですw
叩かれてもずっと見守っていてくれて本当に感謝です。
気づいたんですが、俺はここで書けることが幸せなんですw本当に。
>>498 夢を壊すようなことを言ってしまうが、
運 命 の 人 な ど い な い !
自分で探して、自分で相手に合わせるように努力して、二人で悩んで・・・
はじめて本当に愛せる人ができるんじゃないかなーと、俺は思います。
彼女は大切に、そして友達も大切に〜です!
>>499 無いっすよ、おだてても何も出ませんw
出るのは次回作ぐらいでしょうかwwwww
ちなみに二人とも結婚しました。8月28日に。二人して同じ日に結婚しやがったw
面食いかと思われた椿旦那はちょいブサで、逆にユリカ旦那はイケメンでしたww
>>500>>501 ヤマ勘だけで高校大学と第一志望に受かり続けた俺がヤマ勘パワーを送ります!w
丁度いい息抜きになったならいいのですが・・・(´A`;)
多分、今はほとんど恨む気持ちはないですね・・・たまに鬱発作が起きるけど。
後腐れをなくそうとして、彼女は俺にわざと嫌われようとしていたんじゃないかって。
書いてく中で、そう思えました。俺の地雷踏みまくってたけどwwww
あと、見せてもOKっすよ。荒れるなら荒れるで、このスレを守ってくれる人がたくさんいるし、
俺は書くだけなのでw
引き続き
>>477のアンケートは募集中です・・・ってここまで書いたら
沙耶子の一人勝ちの予感www
皆が泣いている。
何故泣いているのだろう。祖父はどうなってしまうのだろう。
「じーちゃん、箱の中に入れてどこ行くん?」
「おじいちゃんはね、お空に行ってお星様になって、ずっとケイ君を見守っててくれるから。」
母親が、半べそをかきながらそう言った。
元気がなくなって動けなくなった人は、空の星になってしまうのか。
僕は、そう思った。
・・・眩しい。
眩しさで目が覚めた。
「夢・・・よりによって、こんな夢・・・。」
僕は病室に居た。
僕は、僕の彼女がずっと眠っているベッドにもたれかかるようにして眠っていた。
死に至る病に侵された彼女は、もうずっと目を覚まさなかった。
彼女の両親も、僕と同じようにして眠っていたけれど、僕だけが異変に気づいた。
目が覚めるときに感じた眩しさは、彼女を包み込んでいた。
けれど、僕がそれを確かめようとしたときに、光はふっと消えた。
「こっちも・・・夢・・・?」
僕は眠気が無くならないうちに、もう一度眠りにつくことにした。
一人きりで、痩せこけた彼女の傍にいるのは、堪えられなかった。
黒い服を着て、皆泣いている。
何故泣いているのだろう。箱に入っている祖父はどうなってしまうのだろう。
「じーちゃん、箱の中に入れてどこ行くん?」
「おじいちゃんはね、お空に行ってお星様になって、ずっとケイ君を見守っててくれるから。」
母親が、半べそをかきながらそう言った。
元気がなくなって動けなくなった人は、空の星になってしまうのか。
僕は、そう思った。
・・・眩しい。
眩しさで目が覚めた。
僕は夢を見ていたようだ。幼い頃、祖父が亡くなったときの夢。
「夢・・・よりによって、こんな夢・・・。」
僕は真夜中の病室に居た。
僕は、僕の彼女がずっと眠っているベッドにもたれかかるようにして眠っていた。
死に至る病に侵された彼女は、もうずっと目を覚まさなかった。
彼女の両親も、僕と同じようにして眠っていたけれど、僕だけが異変に気づいた。
目が覚めるときに感じた眩しさは、彼女を包み込んでいた。
けれど、僕がそれを確かめようとしたときに、光はふっと消えた。
「こっちも・・・夢・・・?」
僕は眠気が無くならないうちに、もう一度眠りにつくことにした。
一人きりで、痩せこけた彼女の傍にいるのは、堪えられなかったから。
アナウンス無しで本当にすみませんが、新しい話を書き始めました。
そして投稿した後気に食わなくてリテイクしました。
下のほうを読んで頂ければ・・・と思います。
本当にすみませんでした・・・。(今度からはノートパッドで編集しようorz)
それではよろしくお願いします!
>>501 言うの忘れてましたけど、「やりたいこと、勉強したこと」だけが自分の可能性じゃないですよね。
俺も、このスレ立てるまで文章なんて書いたことなくて、学校もどっちかというと工業系だし、
読書感想文もマトモにかけませんでしたから。
まだまだやっぱり拙いけれど、皆に喜んでもらえるような文章が書けているような気がします。
本当に、毎日が発見の連続ですね。そういうのが受験板の人に伝わったらいいな・・・と思ってます。
「圭ちゃん、起きて。」
「あ、・・・おはようございます。」
朝になり、彼女の母親に起こされた。
いつもと同じ朝。
彼女は今日も、目覚めない。
洗面器で顔を適当に洗い、歯を少し乱暴に磨いた。
別の部屋で、服を着替えて鞄の中身を整理した。
「真由、行ってくるね。おばさん、おじさん、行ってきます。」
目覚めない彼女と、会社に行く支度をする彼女の両親に挨拶をした。
「気をつけて行ってらっしゃい。」
「大学終わったら、また来ます。」
「いつもいつも、ありがとうね。」
彼女の父と母は、僕に向かって頭を下げた。
僕も、頭を下げた。
いつもと同じ、朝の儀式。
どうして彼女の両親は「ありがとう」などと言うのだろう。
ここにいるのは、他ならぬ僕の意思なのに。
彼女の命数が尽きるまで傍に居たいと思うのは、僕のワガママでしかないのに。
僕は毎日、そんなことを思いながらとぼとぼと大学への道を歩く。
508 :
500:2006/02/09(木) 19:11:39 ID:u32aCjNL
ありがとうございます。受験サロンに貼らせて頂きました。
747 名前: 逆転スラムダンク高校 ◆ZMp2Jv9w5o [sage] 投稿日: 2006/02/06(月) 20:13:06 ID:a7FK+hF6
小さい頃だな じいさんに聞いたよ
年老いていくね 辛くはないのかと
「何をいうちょるかぁっ 腰は痛いがな
長生きしたら お前に逢えていい塩梅」
今君見つけて じいさんがわかった
この世は苦しみと きらめきのひまわり
ハルキに贈る
>>508 当該スレ発見しましたが流れ早杉www
誰も気づいていないのではとオモタwネガティブシンキングの人ばかりでコワス
俺みたいにふらふらしてても、肩の力抜いても結構マトモに生きていけるのになぁ。
>>509 ありがとうござますw
そういう風に言って貰えると本当に嬉しいですね。
なんとなく、「一期一会」っていう言葉を思い出しました。(ちょっと違うけど
悲しいこととか、辛いこととか、全部ムダじゃなくって、これからの自分に役にたつんだなって。
そんな気持ちになりましたw
講義が終わって、僕は自分のアパートに帰る。
シャワーを浴びて、夕飯を適当にすませて荷物を整理する。
着替えと勉強道具、そして毎日とりつづけている彼女の分のノート。
それを持って、僕はまた彼女の許へ行く。
彼女の分までノートをとるのは、半ば願掛けのような行為だと思う。
病院に着くと、彼女の母親が、主治医と話をしていた。
彼女の母親は、怪訝な顔をしている。
こういう時、僕は彼女の母親に見つからないように病室に到達する努力をする。
きっと、話題は「彼女が後どのくらい生きるのか」ということだから。
彼女は、真由子は、きっとあまり長くは生きていられないだろう。
僕は、彼女が死んでしまったらどうするのだろう。
当面は、彼女の傍にいたい、そう決めたけれど。
「別れてくれれば、いいよ。」
彼女が僕にくれた最後の言葉。
僕の友達も、皆別れて気分を切り替えろと言う。
僕も確かにそうしたほうが、弱り果てた彼女を見て苦しまずに済んでいいと思う。
それでも僕は、何故か彼女の傍に居たいと思った。
彼女に貰った楽しい時間への恩返し、と言っていいのかはわからないけれど。
「圭ちゃん、ちょっと来て。」
僕が彼女の傍で、いつものように答えの無い押し問答をしていると、彼女の母親が僕を呼んだ。
よろしくはない、表情。
多分、連れて行かれた先で告げられるのは、残酷な宣告。
嫌だ。聞きたくはないという気持ち。
やっとこの状況が終わるという気持ち。
両方僕の正直な気持ちだけれど、僕は足取りも重く彼女の母親が手招くほうへ行くことにした。
病室から少し離れたところにある、誰も居ない休憩室。
そこに、僕と彼女の母親は並んで座った。
「今晩、真由は・・・」
そう言いかけて、彼女の母親は泣き崩れた。
僕は彼女の母親の肩を抱いて、「しっかりして下さい」とだけ言った。
きっと、今晩が峠だと言いたかったのだろう。
分かりきっていた結末だけれど、それを目の前に突きつけられると苦しくなった。
目の前が真っ暗になって、どうしていいのかわからなくなる。
僕が心から愛する彼女の存在が、消えてしまう。
二度と会えない。
・・・二度と、会えない。
その晩、僕も、彼女の両親も、一度も口を開かなかった。
僕は、ただぶらんと垂れ下がるだけの彼女の手を握り締めた。
握り締めた彼女の手は、すこし暖かかった。
僕たちは、静かにその瞬間を待った。
心電図をとるキカイの音だけが、静かな病室に響いた。
その音が消えたとき、彼女も消えるのだろう。
僕は平静を装っていたけれど、本当は苦しさで心臓が張り裂けそうだった。
早く、真由を、僕らを、苦しみから解き放って下さい。
僕はそんなことをがむしゃらに祈った。
神様・・・仏様・・・アッラー・・・ヤハウェ・・・誰でもいいから聞き届けてくださいと祈った。
夜が明けて、ブラインドの隙間から朝日が差し込む。
朝になっても、キカイの音が止むことはなかった。
「大学・・・行っておいで、私が見ているから。」
彼女の父親がぽつりと言った。
「今日も真由の分のノート、お願いするよ。」
本当は、彼女のことが心配で心配でならなかった。
僕が傍にいない間に、消えてしまうんじゃないかって。
「あたしなんかに構わず行ってきなさいってば。」
でも、もしも意識があったなら、きっと彼女はこんなふうに言って僕を急かすだろう。
そう思って、僕は睡眠不足のぼんやりとした頭で大学に行く準備をはじめた。
元はといえば、僕は彼女のそういうところが大好きで、一緒にいたいと思ったんだった。
泣かせる。死に別れは辛い。
取り残される側は切ないよ
本編読みました。
話展開されてるようなんで感想また書かせていただきます。
諸事情でツールが携帯しか無いので月曜までお待ちを
というわけで保守
>>514 一筋縄の悲しい話にするつもりは無いのですw
また新しい話も面白おかしく読んでもらいたいので。
>>515 あざーす!
いつでも感想お聞かせ下さい。
またこれも終わるまで長くなりそうなのでw
>>516 そんじゃま途中で失礼します。
個人的に瑞貴編(字あってるかな?)が気を引きました。
俺とハルキさんが似てる気がした。
そして普通に泣きました。
長々と書くと悪いんでこの辺で失礼します。
長文、駄文、スレ汚し、携帯からで申し訳ありません。
>>517 心中お察し申し上げますorz
名前聞いたりすると必ずダウナーな気分になりますよね・・・
もしよろしければメール(メ欄)で感想送って頂ければww
とりあえずじたばたすれば多分幸せになれる・・・と思いますw
大学でただじっと講義を聞くのは辛かった。
昨日は一睡もしていないし、だまっていれば彼女のことばかり考えてしまう。
僕が居ない間に、彼女がいなくなってしまったら・・・
そう思ったらいてもたってもいられなくなる。
それでも「振り回すつもりはない」という彼女の絶対的意思が、
どうにか僕を椅子に縛り付けたままにしていた。
病気に罹ってから、何回彼女は「泣かないで」と僕に言っただろうか。
当事者のくせに、彼女はいつも強くて優しかった。
大学から病院まで、駆け足で移動した。
元気だった頃の彼女のことばかり考えて、目に涙をためたままで。
「圭ちゃん・・・っ」
病室にたどり着くと、ぜぇぜぇと肩で息をする僕を彼女の母親が呼んだ。
信じられないことに、まだキカイの音が鳴っていた。
「真由は・・・まだ・・・?」
息も絶え絶えにそう聞くと、彼女の父親が力なく首を縦にふる。
それから一週間、ずっとキカイの音は鳴り止むことはなかった。
「大切な人をずっと振り回したくはない」という彼女の意思とは裏腹に。
二週間経っても、彼女は生きていた。
そして、三週間経ったある日、また信じられないことに、彼女は目覚めた。
弱弱しく目を開いた彼女を見て、僕は自分の目を疑った。
「とー・・・さん・・・かあ・・・さん・・・・・・け・・・い・・・・・。」
けれど、すごく久しぶりに、彼女の声が耳に届いた。
僕も、彼女の両親も、嬉しくなって泣いた。
「ごめんね、ごめんね、病気なんかになって、ごめんね。」
意識がはっきりとしたのか、彼女は泣き喚く僕らに謝った。
僕らがあまりに泣き喚くから、「ついに死んだのか」と思って主治医が跳んでやってきた。
それでも、目覚めた彼女を見て主治医はあっけにとられた表情をした。
「奇跡だ・・・。」
皆口々にそう言った。
あの後、本当に少しずつだけれど、彼女は快方に向かった。
手術をしても、助からなかったはずの命だったけれど、季節が二度変わるころには元通りになった。
一年留年はしたけれど、彼女は大学にも通えるようになった。
彼女が元気になってから、僕は毎日「愛してる」と彼女に言うようになった。
以前と変わらずに彼女は元気になったけれど、また病気がぶり返すかもしれない。
僕だって、事故にあってしまうかもしれない。
だから、僕は後悔しないように、そう言うようになった。
彼女は僕がそう言うと、必ず嬉しそうだけど、ぎこちない表情をした。
元気になる前から、そこだけがすっかり変わってしまった。
前はもっと嬉しそうに、恥ずかしそうに「ばか」と照れ隠しをしていたはずなのに。
いつしか僕は、彼女のその表情が「罪悪感」を感じているときのものだと思うようになった。
「もしかして、生き返った、って言ったらおかしいけど、今生きてること後悔してる?」
彼女の性格なら、皆をずっと辛い気持ちでいさせたことに後悔しているのかもしれない。
僕はそう思って、彼女に尋ねた。
「んー・・・・・・そう、かもしれない。」
「皆にずっと、辛い思いさせたって思ってる?」
「・・・うん。」
彼女は、何かを考えるように、言葉を探すように僕の質問に答えていた。
よくはわからなかったけれど、僕は彼女に違和感を抱くようになっていた。
「・・・真由、なんか変なものでも食べた? 最近なんか、変だよ。」
「ううん、そんなことない。」
「じゃあ、あの日、もしかして宇宙人にでもさらわれて、
病気がよくなる手術とか、いろいろされちゃったとか・・・そんなワケないか。」
僕はなんとなく、祖父の夢を見た晩に、不思議な光を見たことを思い出していた。
>>517 すんませんほんとすんません、ドアメールは携帯からじゃ受信不可能っすorz
杞憂かもしれないけど、一応。
かも知れない。
確かに大事な心構えだが、れに捉われちゃいけないよ
と早くも引き込まれている俺がマジレスw
「・・・真由子は、あの日、死んだんだ。」
僕が彼女に質問をした一瞬後に、奴が、うつむいて静かに言った。
彼女の顔で、彼女の声で。
それなのに、口調だけは彼女じゃない誰か。
「・・・っ!」
冗談を言ったつもりの僕の顔からは笑顔が消える。
僕は奴の胸倉をつかんで、二人で並んで座っていた原っぱの上に押し倒した。
「お前が・・・お前がっ、真由を殺したのか・・・!」
本当ならこんな話、冗談にしか思えないはずなのに。
なのに、僕はそれを真に受けて激怒した。
奴が本当に、苦しそうな表情をしていたから、奴が彼女を殺してしまったのだと思った。
そして、彼女のフリをして僕を、両親を騙し続けたのだとも。
「どうか・・・落ち着いて聞いてほしいんだ。」
僕の拳が奴に襲い掛かろうとする一秒前、奴が静かに話しはじめた。
「真由子の体は、もうとっくに限界だったんだ。
あの日、私が何もしなくても、あの子は死んでいた。
君は私がココに来た夜のことを覚えているんだろう?」
「・・・本当なのか?・・・」
半信半疑で僕が尋ねると、奴はこくりと小さくうなづいた。
僕は、奴を押さえていた手を離すことにした。
解放してやると、奴は「聞いてくれてありがとう」と呟いた。
奴は本当に真剣な目をしている。
僕には、奴が嘘をついているようには思えなかった。
全部彼女の冗談なのかもしれないけれど。
でも、僕の知っている彼女なら、いたずら心から僕を悲しませる冗談なんて言わない。
それに、そんな冗談を言う目的が思いつかない。
気づけば、僕の中で怒りよりも好奇心が勝るようになっていた。
勿論、「彼女が死んだ」という根拠のない事実が悲しくてどうしようもなかったけれど。
そして僕は、思いついたように隣に座る奴に向き直った。
「お前は、誰なんだ?」
「・・・信じてもらえるかどうかはわからないけど、君らから見れば私は宇宙人ってとこ。
私の名前は・・・。」
奴は自分の名前を言いかけて、首をかしげた。
「ちょっとこの種族の発音方法では上手く言えないや・・・。」
僕は何がなんだかわからなくなって、半ばパニックになっていた。
悲しんでいいのやら、驚いた方がいいのやら、もしかしたら怒った方がいいのか。
奴が言うには、彼女が死んでいて、その体は宇宙人である奴が乗っ取っていて・・・。
もし彼女の両親や、友達にそんなことを言ってしまえば僕が狂人扱いされてしまうだろう。
「でも、俺が呼ぶときとか、呼ばれるときとか、名前は必要だろ?」
混乱しすぎて、僕は素っ頓狂なことを言ってしまった。
奴は、僕のきまりが悪いような表情を見て、ほとんど彼女がするのと同じように笑う。
「じゃあ、君が名前をつけてよ。」
「…じゃー、真由の、真由子のニセモノだから、真由美。
お前のことも、とりあえずマユって呼ぶから。」
「ありがとう、ケイ。」
僕はそこまで言って、すっかり奴にノせられてしまったことに気づいた。
マユは相変わらず僕が戸惑う表情を見て、無邪気に笑っている。
奴をちょっと見ただけなら、奴が宇宙人だなんて思いつくはずもない。
え・・・・Σ(・ω・)
SFに突入っ?!
お前、誰なんだって・・・すごい辛らつだなぁって息飲んでたがw
なんかほんのりと嬉しいやら楽しみやら
528 :
超絶ロングパス女子高クイーン=かえでちゃん:2006/02/16(木) 21:50:18 ID:8Pi3h8Ez
はじめまして♪
えと…えと…
何を書き込んで良いのか分からないので、あたしの恋愛を書きます!
あたしは男運がありません…本命はどこまでも脈なしです
>>527 テーマは「辛らつな中の救い」っすw
>>528 ハンネ長っw 俺が書けなくなったら引き継いでもらいたいwwww
自分を磨けば男運はきっと良くなります、と友達がいっていたw
>>529 誘導あざーす。
でもそろそろageようかなとも思っていたので丁度いいかとw
あぁ…ゴメンなさい(>_<)
ココもsage了解しました♪
長いケド、なかなかのインパクトでお気に入りです(^-^)ノ
ヨロシクね♪
パニックに陥っていた僕は、少しだけ現実に向き合うことにした。
マユが何故彼女の姿をしているのか、そしてなぜ地球に来たのか、僕や周りの人に無害なのか。
そして、本当に嘘はついていないのかを僕は知らなくてはいけない。
「なんで、真由のカッコしてんの? そんで、なんで地球にいるの?」
僕がわりと歩み寄る風にして尋ねると、奴は舌をちろっと出してばつがわるそうに笑った。
いつもの彼女の癖・・・それをなんで知っているのかという疑問がまた一つ増えた。
「本当は地球に来るはずじゃなかったんだ。」
「というと?」
「私は、自分の星では学者をやっていて、研究のために他の星に行かなきゃいけなくて。
たまたまこの辺を通ったときに船が故障して、この星に不時着した。
調べてみたら、この星では私の体じゃダメで・・・たまたまその瞬間に死んだ彼女の体を。」
マユは少しうつむいて、悲しそうに「ごめん」と言った。
彼女が死んだことを僕に告げたことに、相当罪悪感を感じているようだった。
僕は、奴を責めることも、弁明をすることもしなかった。
なんで僕は怒れないんだろう、泣けないんだろう、そう思っただけだった。
「酸素がダメなんだ、私の体。だから、この体に寄生させてもらった。
この体の記憶も、悪いけど全部使わせてもらってる。」
「だから真由の癖とか、俺の名前とか知ってたワケ。」
「・・・ごめんね・・・。」
「いいよ、あんまり気にしない・・・ってのは人としてオカシイかもしんないけどさ、
真由の親父さんとお袋さんが絶対に気づかないようにしてくれればそれでいいから。」
「もちろん、そうするつもり。」
マユはしっかりと僕を見て、そう言って無理やりにっこり笑った。
ちょっと癪なことに、奴が笑うから、僕は彼女を失ったことから救われたような気がした。
保守
「本当は、記憶を消したいところなんだけどね。」
笑っていたマユが、唐突に言った。
「どうして、消さないんだ。」
「罪悪感・・・かなぁ。結局、騙してたことがやりきれなくなって言っちゃったワケだし。
あと、私個人がケイのことを信頼してるから、っていうのもある。」
思ったより、奴はいい宇宙人なのかもしれない。
そう思ってまだ少し残っていた警戒心を、僕は捨てることにした。
警戒心を捨てたら、ごちゃごちゃだった頭の中が少し片付いた気がする。
「・・・マユがさ、宇宙人だっていう証拠ってある?」
いつもどおり冷静になった僕は、抜け落ちていた最初の段階に戻ることにした。
証拠が無ければ、奴は奴じゃなくて、後遺症かなにかで頭が少しおかしくなっただけの彼女。
それなのに、僕はなぜかどこかで奴が宇宙人だという証拠が見つかることを望んでいた。
「ケイに解けて、真由子に解けない問題ってある?
どうせならこの星の誰も解けないような問題でもいいんだけど。」
自身ありげに僕をまっすぐ見つめて、奴は言った。
「じゃあ波動方程式でも導出してもらおうかな。
真空中で電界と磁界の波が勝手に伝搬することの証明ってやつ。」
恥ずかしながら、面倒くさくて手をつけていない宿題を解いてもらうことにした。
小説の流れぶった切って申し訳ないんだが、有沢ちゃんってどうなったんだ?
>>535 有沢ちゃんと学祭ライブ編を書こうと思ったのですが、
伏線が多すぎるとワンピースよろしく間延びしてしまうかなぁと思って書くのをやめました。
萌え要素は沢山あるんですが、いかんせん重要なシナリオではなかったのでw
希望があれば後で書こうかなと思います。
537 :
名無しさんの初恋:2006/02/20(月) 23:36:37 ID:BjGVs1Ll
僕は持ってきていた鞄の中からノートとシャープペンを取り出して奴に渡した。
「地球での条件でいいんだよね。」
そう言うと、奴は体育すわりをした膝の上にノートを置いて何かを書き出す。
書き始めてまもなく腕をしゃかしゃかとすごいスピードで動かすようになった。
一体ちゃんと考えられているのだろうか、と僕は奴を横目で見て思った。
「・・・やっぱ、書きにくい・・・。」
「地面に置けば、それ。」
「ああ、そうすればいいのか、ケイは頭がいいね!」
驚いたような、嬉しいような顔をして、奴はノートを一面の草の上に置く。
そして、そのまま草の上に寝そべって問題を解き始めた。
奴が書いた文字で、見る見る黒くなるノート。
それを見て、僕は最初に与えられていたヒントの式を教えるのを忘れていたことに気づいた。
「あっ、ごめん、ヒントの式教えるの忘れてた。」
僕がそう言うと奴はきょとんとした顔をして、ノートを開いてこちらに向けた。
「えっ、そんなのあった? 今、解けたけど。」
ノートには5ページにわたってぎっしりと数式が書き込まれていた。
驚くべきことに、答えはもちろん僕が教え忘れていたヒントの式まで導出されている。
そしてその傍らには、日本語ではない奇妙な文字。
「昔一回だけ似たようなことやったから、割と早く解けたよ!」
奴は得意げに笑った。
間違いなく、奴は彼女ではないし、多分宇宙人なのだろう。
この式をヒントも無しに1から解いてみせるだなんて、東大生でも有り得ない筈だから。
そう考えると、唐突に笑いがこみ上げてきた。
こいつはなんて、不器用で変な奴なんだろうか。
僕がない頭をしぼって考えてみたって、頭がいいのか、悪いのか解らない。
「なんで、そんなに愉快そうに笑うの。」
「お前、すごく頭いいくせに、ノートの置き場所もわからないなんて!」
「だってこんな原始的な記録媒体はウチの星にはないんだもん。
・・・それに、体の形だってずいぶん違うから。」
ノートとペンを突き出し、悔しそうに言い訳を言う奴を見て、可笑しさに拍車がかかる。
本当は泣くべきところなのに、笑ってしまうこと自体も可笑しくてたまらなかった。
けれど久しぶりに、可笑しくって笑えたような気がした。
彼女が生き返ったと思ったときよりも、その後の彼女との時間よりも、
今のほうがずっと、ちゃんと笑えている気がした。
「じゃあ、お前は本当はどんな形なんだよっ!」
僕は笑いを引きずりながら、ふくれっつらをする奴に聞いた。
くーっくっくっ
頼んだぜぇ(クルル曹長風にw
542 :
スナフキン:2006/02/22(水) 05:56:01 ID:zudTyTn8
昨日、このスレ見つけた者です。
今、一通り読み終わりました。
最初のほうは、
みんな何でこれが良スレと言っているのか分からなかったけど、
だんだん、文章がよくなっていったと思います。
君が作る物語や住人たちのコメントがこのスレを、
徐々に良スレにしていってるんだと思います。
これからもがんばってください。ときどき、覗きに来ます。
「・・・言いたくないから教えない!」
今までとは打って変わって、奴は口をつぐんだ。
聞かないでおいてあげようかな、と思ったけれど、何故奴は「言いたくない」のだろう。
宇宙人なのに、恥ずかしいだとか思うのだろうか。
「なんで、俺は笑わないよ。」
「でも、やだよ。」
「なんで。」
「なんでって、そりゃあ、地球だとちょっとアレな形だから。」
その言葉を聞いて、僕はまた笑い出してしまった。
僕らより知能が高い宇宙人のくせして、僕らと何一つかわらない。
「ほーら、言う前から笑ってるし。」
「違うって、そういうことで笑ってるわけじゃないって。」
「うそつき! ひどい奴。」
奴は彼女の代わりになどなれはしない。
僕が好きだった彼女に似ているわけでもない。
けれど、僕は彼女の体を動かしているのが奴で良かったと思った。
僕の前に現れたのが、奴で良かったと思った。
いい感じになってきたw
だがその驚異の計算力・・・俺に少しだけくれないかorz
>>541 そんな返し方をされるとは意外なのでござるよw
>>542 ありがとうございます!
俺も皆さんの応援があって初めて文を書けるようになった気がします。
もっと精進して、皆さんを楽しませる文が書けたらなあ…(遠い目
とりあえずしばらくは生暖かく見守っていて下さいw
>>544 うはww名前変えるの忘れてたwwすんませんw
やっとエロ要素が書けたと思ったのにorz
ちなみに頭の良さはレベルEの王子よりすこし下を思い浮かべて下さいw
目が覚めた。
僕の目からは、涙がこぼれていた。
奴が心配そうに、僕の顔を覗き込んでいた。
僕は、午後の光が差し込む彼女の部屋にいた。
奴が僕の前に現れてから随分経った。
もうふっきれている筈だと思っていたのに、まだ彼女の夢を見ては泣いている。
「昼寝・・・してたら、真由の夢、見てた。」
「・・・そっか。」
心配そうにはしてくれているけれど、「大丈夫?」と聞いたりはしない。
僕が大丈夫なんかじゃないことを解っていてくれているから。
そうやって、あれからずっと僕と一緒にいてくれている。
奴は、僕のかけがえのない友人になっていた。
僕はたまに怖くなる。
あの時、僕の前に誰も現れなかったら、僕はどうなっていただろう。
そして、僕の前に現れたのが奴じゃなかったら。
ありもしない心配をしていたら、どうしようもなく悲しくなった。
僕は勢いにまかせて泣くことにした。
僕が泣いているあいだ、奴はずっと手を繋いでいてくれた。
「・・・真由子のことを考えていた・・・?」
「それも、あるけど・・・。」
その先を言おうとして、恥ずかしくなって僕は言葉を飲み込んだ。
「寂しくは、ない?」
「・・・寂しいけど、まぁ、お前がいるから忙しい。」
僕がそう言うと、奴は複雑そうな顔をした。
遠い目をして、光が差し込む窓の外を見つめた。
「私は、ずっとここには居られない。」
奴はぽつりとそう呟いた。
そうなることは知っていたけれど、その言葉が僕には残酷に響いた。
僕は、ずっと繋ぎっぱなしだった奴の手をきつく握り締めた。
「ごめん、お前だって寂しいんだよな、故郷を離れて心細いんだよな。」
「・・・いいよ、私も、ケイのいる星でよかったと思ってる。」
「そのうち、帰るのか。」
「うん・・・救助が来たら、の話だけど。」
人がいつかは死んでしまうように、奴も僕の知らない故郷に帰るのだろう。
僕なんかより、奴のほうが寂しいに決まっている、帰りたいに決まっている。
そんなことはわかりきっていたけれど、何故か僕は歯がゆさを覚えた。
マユがいい奴だったから、僕には余計それがどうしようもない問題に思えた。
保守
「有紀はさ、いい子だよね。」
不安がる僕の手のひらを握り返して、奴は言った。
僕もちょうど、その子のことをぼんやりと考えていた。
有紀と呼ばれたのは、彼女の、真由の友達。
有紀は、どうやら僕のことが好きらしい。
だから、真由が病気にかかった後、彼女は僕と有紀をくっつけようとするようになった。
有紀の願いが叶うことと、僕の自由を、真由は望んでいた。
結局僕は、真由をひとりぼっちにして放っておくことはできなかったけれど。
「私が、真由になった後も…治ったって思って、心から喜んでくれたし。」
奴はまた、辛そうな顔をした。
生きるためとはいえ、真由の記憶を盗んで、有紀を騙している自分が許せないのだろう。
「ちょっと、考えとくよ。」
有紀はいい子だ。
誰より真由がそう言っていたし、僕もそう思う。
彼女と付き合ったなら、僕はこの不安から逃げることができて…。
おおう・・・
しばらく抜けてたらまたいい塩梅にw
カエルつながりで好きなんよあれ
僕は、いろいろなことを考えた。
難しい問題を解くときより、彼女が病気にかかったと知ったときより深く思考を巡らす。
そして、慌てすぎて見落としていた大切なことを思い出した。
僕は楽になったとしても、マユが孤独になってしまうということ。
そうなったら、きっと僕はいてもたっても居られなくなって、また楽じゃなくなるはずだ。
そして、やっぱり僕は自分と真由の間に、まだ誰も踏み込ませる余裕なんて持っていないこと。
奴以外は、だけど。
「やっぱり、無理。」
まるで自分の頭の中から有紀をかき消そうとするみたいに、僕は頭をぶんぶんと横に振った。
「本当に、いいのか? 辛いならまたケイの記憶を消して…」
「俺は…俺も辛いけど、マユが辛いのが辛いの!」
奴の言葉を遮るように、僕は叫ぶ。
僕にしては珍しく、本当の気持ちを口にしてしまった。
「どうせ、記憶消したって、またお前はひとりぼっちで罪悪感抱え込むだろ?
それに、俺は真由じゃない奴を真由だと思って生きるなんて考えられねー。」
僕の顔は、マユに感じる歯がゆさと恥ずかしさで真っ赤になっていた。
「どうして、そんなに一生懸命私のことまで考えられるんだ。」
「どうしてって、それは・・・。」
そこまで言いかけて、僕は口をつぐんでうつむいた。
答えはあるけれど、それを言ってしまったら僕の負けになってしまうような気がした。
「お前がいい奴で、俺にとっても大事な奴だから」なんて、口が裂けても言えない。
頭の中で言ってしまったときのことを想像して、僕はもっと真っ赤になってしまった。
「君は実にわかりやすいよ。」
僕の額に人差し指をつきつけて、マユはころころと笑い出した。
そうだった、こいつは彼女の記憶も持っている。
僕の表情を読むことなんて、朝飯前。
「・・・ありがとう。」
悔しそうな顔をした僕に、奴は静かに言った。
上手い言い訳を思いつけなくて、僕はもっと悔しくなってしまった。
「お前なんか、嫌いだ。」
「はいはい、わかってるってば。」
天邪鬼になって言い放った言葉さえ、上手くかわされてしまう。
「大嫌いだからな。」
「そんなこと言われるともっと苛めたくなるね。」
奴は意地悪そうに、とびっきりの笑顔をしてみせた。
これは、彼女の顔であって奴の本当の顔じゃないのに・・・。
心臓が強く脈打った瞬間、人差し指が僕の額をもういちど小突いた。
「バカだな。」
ぽつりと奴が言った言葉を皮切りに、僕らは笑い出した。
悲しかったはずなのに、苦しかったはずなのに、後から後から笑いがこみ上げた。
「笑っているときのほうがいいよ。
うん、お互い離れ離れになるまで笑っていられたらいい。」
「それはお前次第。」
「君次第でもあるだろ?」
「じゃあ、お前が寂しくないように、俺がいつだって笑わせてやるから。」
奴と目が合うと、言ってしまった言葉のせいか妙な気恥ずかしさがした。
気恥ずかしさと緊張が頂点に達したとき、どちらともなく笑いが起こった。
「その言葉、プロポーズみたい。」
目に涙をためて、必死で笑いをこらえながら奴は言った。
気恥ずかしさの要因という決定打を打たれて、僕は苦虫を噛み潰したような気分になった。
自分に対する怒りのようで、喜び、恥ずかしさでもあるような「やってしまった」という感情。
僕はその感情に潰され、奴になんて答えてやればいいのかわからなくなってしまった。
「苛めすぎたかな、ごめんごめん。
じゃあ、私も気まずくなってやろうじゃないか。」
奴は、激しさを欠いた笑いをきっちり止めて、真剣な顔をして僕のほうに向き直った。
ちっと流れがほんのりしみた
これから上手い具合に…w
しばらくまたスローペースになるかと思いますが宜しくお願いします!
「君と出会えて、良かったよ。」
僕の真正面で、奴は恥ずかしげもなくそう言い切った。
かと思うと、すぐに耳を真っ赤にさせて照れ笑いをする。
その仕草が、妙に人間くさくて愛おしく思えた。
その「愛おしい」という感情に気づいて、僕は僕が嫌になってしまった。
「君は、私とは出会いたくなかった…?」
捨てられた子犬のような顔が、目の前にあった。
僕の消沈気味な表情を見抜いて、奴が的はずれな質問をしていた。
僕は、無言で首を左右にぶんぶんとふった。
質問と、僕が奴を「好きなのかもしれない」ということの否定をするために。
「ごめん…いい訳なんてないね、私が真由子を…。」
言葉を遮って、僕は思わず奴を抱きしめた。
抱きしめるという突然の行動に、誰よりも僕自身が驚いていた。
気持ちが抑えきれなくて、苦しくて、そればかりか思いもよらない言葉が口をついた。
「お前は、なんも悪くない。」
「彼女だった」その身体には、きちんと血液が流れていて、温かさを感じた。
中身は別人なのに、懐かしい匂いが鼻をくすぐる。
そこで僕は我に返って、奴の身体から腕をほどいた。
「苦しそうなのは…苦しいのは…私のせいなのか?」
僕の行動に驚ききょとんとした顔をして、奴は訊ねた。
確かに、奴のせいだ。
奴のせいで、僕は心をかきむしられている。
奴は友達だ、と言い聞かせるのに、どこかでもっと近づきたいとも思っている。
「苦しいのは、俺がどうしようもないバカだから。」
自分を制するために言った言葉が、僕の頭の中をぐるぐるとめぐってゆく。
一体僕は何をしてるんだろう、これじゃまるで…
「バカなんかじゃ、ないよ。」
「わかんない、でも俺はダメな奴だから。」
「ダメでもないよ、ケイは楽しい奴だし、何より人の気持ちを考えてあげられる。
私は、ケイに出会えてよかった、地球で出会ったのがケイでよかった。」
奴は僕を認めてくれていて、同じ気持ちでいてくれた。
それを確認して、予想以上に幸せな気持ちになっている僕がいた。
僕は、どうしたらいいんだろう、どうなりたいんだろう。
僕は…。
「それ以上、俺を困らせないでくれよ!」
自棄になりながら、僕は叫んだ。
僕らは黙ったままうつむいた。
二人を包んでいた沈黙を、奴が先に壊した。
「一緒に居なきゃって言ったの…君だけど、嫌なら無理しなくてもいいんだよ。」
ドキドキだぜ
「無理なんかじゃない、てゆか、むしろ一緒に居ろよ。」
「どうして強制されなきゃダメなんだ。」
「俺が……」
口をもごもごさせてかき消した「一緒にいて欲しいから」という言葉。
その言葉のせいで、僕は僕自身の正直な気持ちに気づいてしまった。
「お前に、一緒にいて欲しいから!」
僕は、奴が好きだ。
だから一緒にいたいし、近づきたいし、何より僕と同じ気持ちになって欲しかった。
今まで僕がためらっていたのは、きっと気持ちを知られるのが恥ずかしかったから。
こんなことを言って、奴が離れていくのが怖かったから。
「ありがとう、そう言ってくれてほんとうに嬉しいよ。」
僕の目の前にいる、マユは目を細めてやわらかく笑った。
笑顔が、胸の奥を、締め付けるように心地よく痛めつけた。
「じゃあ、約束、帰れる日が来るまで、何があっても一緒にいる。」
「絶対、嘘じゃない?」
「うん、嘘じゃない。」
僕は、マユの手をとって、僕の心臓に押し付けた。
「…心臓、早いだろ。 俺、臆病だから…。」
きょとんとした顔をして頷いた奴を真正面に見据えて、僕は続けた。
「けど、言うよ、俺はお前が大切だよ、好きだよ。
真由とは違う人間として、お前が好きだよ。」
真っ赤になりながら、セリフを全部言った僕を見て、奴が笑い出した。
「なんだよ、おかしいのかよ、俺変なこと言ったか? …確かに言ったけどさ。」
「何か勘違いしてるみたいだけど、私は女じゃないんだ、男でもないけど。」
「…それでもいいよ、お前が好きだから。」
それでもいい、という言葉に反応するようにして、マユはまた笑い出した。
大笑いしながら、奴は口を開いた。
「私も、好きだよ。」
いい女w
マユが僕を受け入れてから、僕らは笑いあって時間を過ごした。
僕は、真由を残して自分だけが幸せになることに少し後ろめたさを感じていたけど、
彼女は最後の言葉をくれるまで、僕の幸せを願っていた。
だから、僕は幸せになることにした。
彼女のことは忘れない。
それでも彼女に囚われたりしないのは、奴がいてくれたから。
奴が笑っていてくれたから、僕も笑っていられた。
こんな調子だから、奴と会うたびに僕は奴をもっと愛おしく思うようになった。
奴のいた星には好きという概念はあっても、愛しいという概念がないらしく、
僕が奴を「愛している」ことを伝えるのにはずいぶん骨が折れた。
それでも、僕にはそのわずらわしささえ愛しく思えた。
そんな幸せな日々は、突然に終わりを告げた。
「私…帰れるって、連絡が来たよ。 だから、3ヶ月後にはお別れだよ。」
ここしばらく、マユは嬉しそうな、悲しそうな表情をすることが多くなっていた。
僕がそれに気づいて、何があったのか問い詰めると、奴はそう言った。
知らせずにいたのは、きっと僕の記憶をリセットして消えようとしていたからだろう。
そう思うと、無性に腹が立ってきた。
気づくと僕は言葉にならない言葉を喚き散らして、さっきまで居た彼女の家を飛び出していた。
僕は、どこへ行くでもなく道路をでたらめに走った。
とても正気ではいられなかった。
「どうして俺だけ、本当に大切な人を無くさなきゃならないんだ。」
口をついて、そんな言葉が出る。
ぶつぶつとそれを呪文のように繰り返しながら、僕は駆けずり回っていた。
僕がやっと正気に戻ったのは、真夜中。
「圭…くんだよね、やっぱり。」
数時間ぶりに聞いた自分の名前に、僕は現実に呼び戻された。
正気に戻った僕の目の前には、よく見知った顔。
「有紀…ちゃん…?」
「うん、ちょっと通りかかったから。
それにしてもどうしたの、こんな真夜中に、こんなボロボロで。」
捨てられた子犬を心配するような視線に気づき、僕は自分を見た。
「何か、あった…のかな、言いたくないなら言わなくていいけど。」
見れば、スニーカーからズボンの裾は泥だらけで、羽織ったジャケットも脱げかけていた。
「あ…。」
「とりあえず、落ち着いたほうがいいよ。
心配だから、君の家まで一緒に行ってもいいよね、誰かに電話とかしたほうがいいかな?」
放心状態の僕をよそに、彼女はてきぱきと帰る準備をし始める。
まるで迷子になった子供のように、僕は彼女の手にひかれて家路についた。
「…俺自身もなんでこんなトコにいるのかわかんないけど…ごめん。」
「本当はねっ、通りすがりなんかじゃなくてバイトの最中に見かけたから探しちゃったんだ。
だから私の勝手だし、全然気になんてしなくていーからね。」
屈託なく笑う有紀を見てかどうかはわからないが、僕の目からは涙がこぼれおちていた。
道端で突然泣き出した僕を見て、有紀はハンカチを僕に差し出す。
それから彼女は所在なさげに、僕に背を向けて泣き顔を見ないようにしてくれた。
「俺、なんかかっこわりーね。」
「いやいや、辛いことあったらみんなそんなモンだから。」
鼻水混じりで出した濁った声を、有紀は笑わずにいてくれた。
それが少し嬉しくて、僕は彼女に弱音を吐こうと思った。
「マユがさぁ、また居なくなっちゃうの。」
「…病気、再発したんだ…?」
「うっ、…うん…。」
「病気」という単語を聞いて、僕は真由がまだ生きていることになっているのを思い出した。
「確かに前会った時も、真由ちょっとおかしかったからね…。」
「うん…。」
「そっか…辛いなぁ、って圭くんはもっと辛いはずだけど…。」
そのセリフの最後の部分は鼻声になってしまって、よく聞き取れなかった。
そして有紀は僕に背を向けたまま、涙をぬぐう仕草をした。
「やっぱり、真由のそばにいるんだよね。」
「まだ…自分で自分の気持ちがわかんないんだ。」
質問に答えたときにはもう、僕らは僕のアパートの前に立っていた。
「ねっ、部屋の中入っていい?」
突然有紀が切り出した。
あまりにも唐突すぎて、僕の思考は一瞬停止してしまった。
「なんも言ってくれないんならいいんだね。」
ずんずんと前に進もうとする有紀を見て、やっと僕の脳みそは動き出した。
「ちょっ、ちょっと待ってよ、男の一人暮らしの部屋だから。」
制止しようとして手をつかんだ僕に、彼女は向き直った。
「私はさっ、圭くんとどうにかなろうなんて思えないよ。
それに、今の君は私をどうにかしたいなんて思わないでしょ。
ただ、君がちょっと話し足りなさそうだから、良ければ聞きたいなって。
もちろん、真由と一緒にいて欲しいから、息抜きって意味で。」
有紀はまた屈託なく笑った。
彼女だって、辛いはずだ。
笑っていられる状況じゃないのに笑って、僕を安心させようとするのは真由を思い出させた。
僕は、有紀を部屋に上げることにした。
彼女の言い分に反論らしい反論も見つからないし、
何より、僕が永遠に失った真由を思わせる彼女と一緒に居たいと思ったから。
これないとまとめて読める楽しみになるという事かw
いいねー、いいよ
朝出てきたままであまり片付いていない部屋。
ポットのスイッチを押して、久しぶりの来客にお茶を淹れる。
「ありがとう。」
そう言って有紀は紅茶をすすった。
紅茶を口にふくみながら、僕は少し考えごとをした。
僕は、本当にマユが好きなのかってことと、有紀は僕をどう思っているのかってこと。
「有紀ちゃんは、俺のこと、好きだって言ったけど…どこが好きなワケ?」
「さぁ、わからないよ。」
有紀は僕の顔を見て、少し意地悪そうに微笑んで、言葉を続けた。
「好きって思うのは理屈じゃないよ、多分。
私は君と一緒にいると楽しいし、嬉しくて心があったかくなる。
つまり、ずっと一緒に居たいなーって思うの。
君が真由と一緒に居たいと思うみたいにね。」
僕は小さく頷いて、自分の胸に手を当て深呼吸した。
手をあてがった胸は、マユのことを考えると大きく弾む。
「悔しいなぁ…。私は、まだ圭くんにそう思ってもらえないから。
…本当に好きな人、誰かわかってるよね?
だったら、どんなことあっても出来るだけそばにいなきゃ。」
ちょっと大げさな有紀の声が、狭い部屋いっぱいに響いた。
マユのところに行かなくちゃ。
僕はそう思った。
570 :
逆転スラムダンク高校 ◆ZMp2Jv9w5o :2006/03/16(木) 19:29:16 ID:YWzJRVwd
ちっとageとく
「じゃあ、私はお暇するね!」
僕の気持ちが固まったのを察知するように、有紀はそう言った。
時計の針は午前3時を指している。
「こんな遅くまで、本っ当にごめん。」
「引き止めたのは私だから。それに、謝るぐらいなら感謝のほうが嬉しいな。」
「んじゃ、本当ありがと。」
「それで良し、頑張っておいで!」
会ったときとは打って変わって、僕は笑顔で有紀を見送る。
有紀が見えなくなるまで大きく手を振って、それから携帯をポケットから取り出した。
おもむろにそれを開き、メモリから真由の使っていた携帯番号を呼び出し、コールした。
真夜中の空気が、僕の身体を突き刺す。
「さみぃ。」
寒さに耐えかねてぼやいた瞬間、電話がつながった。
「いきなり寒いって言われても…、今、どこにいる?」
そして、携帯電話から「僕が本当に好きな人」の声がした。
保守
「自分の部屋。」
寒さでかちかちと歯をならしながら、僕はぼそっと言った。
「今すぐ行くよ。」
「それはいいけど、家から抜け出せる?」
疑問を投げかけた瞬間、目の前に柔らかい光が降り注ぐ。
光の中には、薄く透き通ったマユの姿があった。
「あ、これは意識転移。まぁ幽体離脱みたいな物だと思ってよ。」
マユは目を見張る僕を伏し目がちに見て、面倒くさそうに説明した。
その現象を不思議に思うものの、僕にとってもどうでも良かった。
「心配したんだよ。」
「お前のせいだし、謝らないから。」
自分で飛び出したものの、結局マユのところに戻ったことが恥ずかしくて、
優しい言葉をかけられても突き放すようにしてしまった。
「うん、じゃあ私が悪かった。帰るまで一緒にいてよ、お願いだから。」
自分勝手に突き放した僕に投げかけられた言葉。
奴は卑怯だ。
僕のことを知り尽くしていて、逃げられなくなるように言葉を選んで…。
いつのまにか、僕の目からは涙がこぼれていた。
まったく煮えきらねぇなw
もどかしいってかよぉw
だがそこがいい。
泣き出した僕を、透き通ったマユが抱く。
本当は触れ合えなくて、感触もないのに、手を首に引っ掛けるようにして奴は踏ん張った。
「あはははははっ。」
マユの姿がおかしくて、涙を流しながら僕は笑った。
「なんで、笑うの。」
「なんでもいいよ。ほら、部屋に入るぞ。」
マユのいない未来を考えると不安で押しつぶされそうになる。
それでも、奴と出会えた今が幸せなんだ。
「もう一度」を受け入れることはできないかもしれないけど…。
僕はとても満たされた気持ちで、僕の部屋に戻っていった。
あれから10年が経った。
僕の周りも、いろいろと移り変わっていったけど…。
僕は今でも、あの頃のことを思い出す。
そうやって物思いに耽るときはいつも、ダイヤモンドが嵌った指輪をなでる。
しばらく黙り込んでいると、僕が座った大きな椅子の陰から、女の子が顔を出した。
「パパ、またなにかむずかしいことかんがえてる!」
「何でもないよ、真由子。」
「真由子、パパは忙しいんだから、ほっときなさい。」
女の子は振り向く。
その先には、優しく微笑む女性の姿があった。
(TДT)
(TДT)ウググ・・・えがったなぁ
「有紀、いたのか。」
いつか僕を送り出してくれた時のように、彼女は笑いかけてくれた。
「さっきから居るよ。」
「いるよー。」
有紀の後ろから、僕らのもう一人の娘が、顔をひょっこり出した。
「真由美。」
君は、元気かな。
僕が一生かかったって行けないぐらい、遠くの星で忙しくしてるのかな。
そして、僕を忘れないでいてくれるかな。
「君が寂しくないといいな。」
僕は、空を見上げて願った。
一応これで終わりです。
ちょっと私生活でバタバタしてしまい
(学校の命令で椿さんと武者修行中)
思うように書いたり話を練ったりする時間がなくgdgdになってしまいました。
この場を借りてお詫びします…。
580 :
九州男児 巷の柔道王:2006/03/29(水) 06:43:20 ID:n8PzGjdH
ありがとうハルキ。
今までありがとう。とても、とても楽しかった。
忙しいこの時期。楽しみのひとつだったといっていい。
お疲れ様。
リアルで頑張るというおまいに、誰が物申すだろう。
頑張れ。幸多かれ。
ハルキー!ありがとう。
しばらくは忙しいかもしれんが、またこのスレにもどってきてくれよー。
そして華麗に保守
保守ついでにスラダン兄さんみっけ。
しばらくお待ち下さい
保守
見つかったw
いつまでも待つさ。
すいません、やっぱり何か書いてないと落ち着かないです。(´д`;)
ちょっと有沢ちゃんの話は、諸事情でしばらく書ける気分ではないのでお待ち下さい
今度は少しリアルめに書けますように…
あたしには、あたしを愛してくれる人しか要らない。
あたしがツラい時に側にいてくれて、「君は悪くないよ」って言ってくれる男がいればいい。
だから、あたしに刃向かったから、アイツはもう要らない。
そんな強がりを頭の中じゅうに並べながら、美輪は煤けた空気で満ちたガード下をとぼとぼと歩いた。
「どうして」「なんで」なんて聞いたらあたしの負けだから。
アイツが言う前に言ってやった。
アイツに傷つけられる前に傷つけてやった。
「そう、あたしがフッたんだから。」
八つ当たりなのか、持っていたハンドバッグをぶんと力任せに一回転させる。
傷つけた、と思い込まないとどうにかなりそうで。
下らないプライドが、美輪をよけいに責め立てた。
「また、新しーの探そ、もっといいやつっ!」
叫びにも似た独り言は、先を急ぐ通行人の誰にも受け止められずに虚しく響いた。
それが虚しくて、歯がゆくて。
不服そうな顔をして、彼女はぞんざいに扱っていたハンドバッグから携帯電話を取り出した。
不意に、浩二の携帯が鳴った。
「誰? 出なくていいの。」
休日の喫茶店、彼の前には一人の女の子が座っていた。
「あっ、大丈夫、ほっとけばいいの。」
「本当にいいの?」
彼は頷いて、携帯電話を開いた。
着信は、美輪から。
「やっぱり。」
小さくつぶやいて、ためらいもせずに電源を切った。
「知ってる人だったの?」
「ん…まぁ。」
「しつこいんなら、着信拒否にしとけばいいのに。」
そんな一言で片付けられたら、どんなに楽だろう。
オレはいつだって、美輪には振り回されっ放しで…。
浩二は、何かを思いついたように女の子に向き直った。
「悪いっ、ちょっとすげぇ大切な用事を思い出した! ゴメン!」
そう言い捨てて、浩二は女の子の前を全速力で走り去り、携帯電話の電源を入れ直した。
途端に、また着信音が鳴りはじめた。
夜勤上がりの俺が朝から晩酌(?)しつつ
ほほほー。続き気になるなw
「おかけになった電話番号は…」
携帯からは、非情にも無機質な声が響く。
半泣きになりながら、美輪は何度もかけては切るを繰り返す。
「最初は確かにかかってたのに、途中で切りやがった、アイツ!」
コウジのくせに、生意気だ。
そういう気持ちで、セリフは可愛さのかけらもない憎々しげな声になった。
アイツ、電話つながったら真っ先に怒鳴ってやる!
…けど、もう、あたし、めげそう…。
弱気が半泣きを本泣きにしてしまう寸前、願いが通じたのか電話から待ち望んだ声が聞こえてきた。
「また、フられでもした?」
待ち望んだ声は、優しい声ながらどうも辛辣だ。
「まだ、友達できてないの。」
「…黙っといてよ、つ・く・ん・な・いの! 必要ないからっ!」
友達なんて面倒くさい。
そんなモンに構ってたら、好きなことなんてできやしない。
何より…拒絶されんのがムカつくから、あたしが先に拒絶しているだけ。
「オレ以外にも相談できる奴を作って欲しいもんだけどな。」
「アンタは暇人だからいーの!」
「オレの人権は無視かよ…今日だってデートしてたのに、友達の友達とでぇと。」
美輪はなにも言わず終話ボタンを押して、深く息をはいた。
悔しくて、彼女は髪をぐしゃぐしゃにかきむしった。
幼なじみで、いつまでも子どもみたいに思っていた浩二が、自分以外の女のことを見ている…
と言っても浩二が好きだから、などという感情は持ち合わせておらず、
「先を越される、1人だけ幸せになるなんて」という悔しさだ。
どちらにしても「取られる」気がして、ということに変わりないけど。
「あーっ、本当ムカつくっ!」
そう叫んだ瞬間、地団太を踏むように力んだ美輪の足がアスファルトに引っかかった。
目に映る景色が、素早くぐらついた。
593 :
名無しさんの初恋:2006/04/10(月) 12:14:13 ID:WeO7jRFu
ahe
ちくしょう…っ。
何てツイてないんだろう。
彼も、コウジも、運も、何もかもあたしを見放したみたい。
今日、この国であたしより不幸な奴はそうそういない…と美輪は不幸ぶってみた。
「大丈夫ですか?」
美輪の少し上から、優しい響きの声がした。
「あっ…コケてない…。」
地面に打ちつけられているはずの体は、優しそうな男性の体にもたれかかっていた。
うむぅ・・・。
読ませるな。
「あっ…ごっ、ごめんなさい。」
美輪と目が合うと、とたんに優しそうな男性は彼女の体を支えていた手を離す。
そして、顔を真っ赤にして申し訳なさそうに俯き、何度も謝った。
変な人…。
謝るのはこっちのほうなのに。
でも…よく見ればちょっとアリかも。
男性は服装には無頓着そうだが、顔立ちは整っていた。
何より、美輪を支えたぐらいで顔を真っ赤にさせているから、きっと誠実。
彼女の本能は、瞬時にそれを嗅ぎとる。
そして、「あたしを守って」くれて、「あたしが優位に立てる」人だと判断を下す。
「あ、こちらこそごめんなさい。 もし良かったらお茶でも奢らせて下さい!」
泣き出す寸前だったはずなのに、美輪は満面の笑顔を男性に向けた。
保守です
遅筆でゴメス!
むぅ・・・女は感覚で読み取るからのぅw
だがその強がりがまた切ない。
捕手
600 :
名無しさんの初恋:2006/04/21(金) 18:37:53 ID:o1OMXUF+
作為的浮上age
「プーッ…、プーッ…、プーッ…」
通話が切れた音を出し続けている携帯を持って、浩二は立ち尽くしていた。
「ちくしょー、せっかくのデートだったのに…もうダメだな。」
浩二は自分に憤っていた。
格好だけで吐いたセリフには、全く心はこもっていない。
もっと深く、また違う要因で。
なんで、オレはいつもいつもこうなんだろ。
美輪が自分を否定する人間は大嫌いだってことは、もうとっくのとうにわかってた。
むしろ、「それが常識」ぐらいに思ってて、
いつもあいつが傷ついて自分に助けを求めてくるときは優しくしてやろうと思うのに…。
「これじゃ、いつまでたっても…。」
小さく呟いて、浩二は美輪に電話をかけた。
「今度こそ素直になろう」、そう思いながら。
保守
603 :
名無しさんの初恋:2006/04/28(金) 22:27:45 ID:XTzR3CwO
age
あるスレが完結したね。ちと感動しちゃったよ。
保守。綴られるままに楽しむよー
・・・男ってやつぁしょーがねぇなぁw
と思いつつ
保守
ずる…ずる…ずずっ。
ほとんど氷だけになったグラスの中身を、相手は気まずそうにすする。
そして、昼過ぎで混み合った喫茶店に、彼の生み出す音は小さく消えていった。
「葛城、直樹、さんっていうんだね。」
美輪はそう言って、覗き込むように相手の目を見た。
まだストローから唇を離せずにいる直樹の顔に、ほんのりと赤みがさしていく。
「あっ、あたしはっ、坂井美輪って言います!」
「あ…、よろしく。」
「もしよかったら、アドレス交換しません?」
少しだけ、相手の顔が嬉しそうなことを確認して、
あたしは完璧にあたしのペースになったと判断を下した。
「あたしを好きにさせるの」は本当に簡単なこと。
それはこの体に染み着いた「技術」と言っていいぐらい。
直樹に気づかれないように、美輪はこっそりと自分を嘲笑った。
そして、そんな感傷を吹き飛ばすかのように、電話が鳴りだす。
軽やかに保守
保守
610 :
逆転スラムダンク高校 ◆ZMp2Jv9w5o :2006/05/10(水) 19:09:26 ID:IxACGXck
サブマリン浮上保守
まだあったー!!びっくりsage
まだまだ。1000行きますよ?w
てか鯉久しぶりー
オサーン( p∀q)キャッ
会いたかったよ、久々だね!
久々ーっっ(⌒∇⌒)ノ
会いたかったよーっ最近はすっかり巣とかよそ板ばっかでねぇ
オサーンももう歳だわw
そうなの?オサーンいつも地下スレだからなかなか会わないもんね。
またひとり酒スレ遊びにいくよ( ´ー`)
ほほほ。最近は心底マターリさぁ。
そうだね。あっちも寂しい限りだから、遊びに来てよ。
まぁ過疎スレをこそ、愛するわけだがw
じゃあ後でのぞきに行くよ( ´ー`)
鯉もマターリモード!
そうしてー(⌒∇⌒)ノ
そろそろ怒られるかなorz退散ーっ
保守
ブログの更新はどうなっているんですか?
更新してくれ。
いつも保守してくださる皆さんありがとうございます。
>>620 只今諸事情で手元にパソコンが無いので
非常に申し訳ないのですがブログの編集は困難な状態です。
いつになるかわかりませんが、そろそろ今の忙しい状態も落ち着くと思いますので
それまでしばしお待ちを…。
オッケー気にすんなハルキ。
大丈夫だ。リアルが大事。
頑張ってるだろうから、頑張れなんていわないがw
ほどほどにね
保守
保守
ほ
626 :
新村寺:2006/05/23(火) 00:34:57 ID:Qmyb+Mru
馴染みの既婚者から、異性関係について反感喰らうのは極めて不当だ。
思い出しただけでも不愉快だ。敢えて言うならばお前の責任のはずだ。
一同猛省して戴きたい。
627 :
名無しさんの初恋:2006/05/23(火) 17:36:07 ID:ejCQXY2e
/:::/// ___ \:.ヽ ヽ\
r==f/ / '´ ̄ l:.. \:``ヽ::V=≠┐
└ァ'7: /::/〃l: l: :.. ヽ\ヾ! 弋f>、j
/く l::: l:::::!::l: l{:: .!:.::: . |.:: }: }::: V \\
/,イ/〉|::: |::`!::トklヽ:{\::::.....j;イ!:リ:::: レスト、>
V'//::ハ::.:l:: :!,ィテトミ\ \くィチfK|:::: |)ヽ`|
Y{::::八::iヽ{ ヘz;;ノ ´{z;;:ノイ:i:: |:: V!
|:!::::::{:ヾ!ハ `´ .. `´ /::!:.:..l:: j::|:|
|:!::::::::ヽ::::.. 丶 ー_一 ィ:::,':.:./〃! リ
ヽヽ:八::ヽ:::::... `ト __ ,ィチV:〃::/{:/ノ"
丶ゝハ:::}ヽ=-、::ヽ、_′/乂:/lハ{″
/二リ、 \ _ヾ:Y⌒「´/;:イ |l 〉
〃‐ 、 \\/_ノ:/ |┐ ∧ |l
|′ \`//;;;;f /∧\ V/
|/'' //;;;;;;;;! ' / fヘ、Yー、
rイ, '´ 〈/;;;;;;;;; ! ' ト/_シ
〈〃 /;;;;;;;;;;;;;;! 几ヽ〉
>>626 これは失礼致しました。
面目次第もございません。
今後、このようなことがないよう、スレ住人
一同努める所存にございます。
>>627 あっちでも拝見したが、可愛らしいAAだがどなた様?
ほしゅ
まぁなんだな。
糸冬 了
まだ始まっちゃいないよw
しかし、デリヘル君に、ルーシー、オットセイ。已。
チューホット。すばらしい出会いにカンパーイ。
身が持ちません。
重力100倍。
定期保守
リアルで頑張っている。だから来れないんだよ
ならいいじゃんw
でも俺も保守。あんまり無理すんなよー
保守
保守
639 :
逆転スラムダンク高校 ◆ZMp2Jv9w5o :2006/06/07(水) 19:34:23 ID:49J0koJU
たまにゃ天日干しageだ
ほしゅ
保守
保守
保守
644 :
名無しさんの初恋:2006/06/18(日) 09:06:27 ID:vtahZ9yr
保守だけで1000を目指すスレになりつつあるなw
645 :
名無しさんの初恋:2006/06/19(月) 21:53:27 ID:AQHL17RD
今日も元気に保守
646 :
名無しさんの初恋:2006/06/20(火) 20:22:25 ID:RdAMQl4r
保守ぅぅぅw
出勤前保守
ブログあるんだから、保守の必要ってあるのかな…と思う。
本人以外の保守が、単にハルキ氏にプレッシャーを与えてるだけのように見えてならない。
>>648さん、そしていつも保守して下さっている皆さん、
このスレを見てくれて本当にありがとうございます。
これは俺の単なるワガママかもしれないけど…
俺はこのスレが存在することを望み、心の支えのように思っています。
書きたいとは常々思っていますが、今はこのスレにアクセスする方法が携帯電話しかありません。
そして今は文章を書くほどまとまった時間がないというのもあり…
だから、せめて
>>1000まではここを存続させて頂けたらば幸いです。
650 :
名無しさんの初恋:2006/06/25(日) 17:31:49 ID:plQ+zaQc
保守
まあスレタイ通りまったりいこうぜ。
ここを望むかハルキ。
なら保守になんら問題があるだろうか?いやない。
反語w
すまね。ずいぶんご無沙汰しちゃった
保守
保守
654 :
逆転スラムダンク高校 ◆ZMp2Jv9w5o :2006/07/03(月) 19:17:41 ID:5mSnXkCk
俺も負けずに頑張ってるぜage
保守
保っ守ゅーと!
保守
保守
659 :
逆転スラムダンク高校 ◆ZMp2Jv9w5o :2006/07/13(木) 20:51:14 ID:4vtnClvM
ageるよー
保守
保守
662 :
名無しさんの初恋:2006/07/22(土) 19:54:53 ID:f+qyMmxn
保守age
保守
ハルキ。元気かい?たまにゃ顔だせw
保守の皆さん、いつもありがとうございます。
お久しぶりです。
顔見せついでに2つほど報告をば。
まずは冬から色々ありましてグダグダになっておりましたが、なんとか秋までにはネット環境を整え直せそうです。
更新頻度は落ちそうですが、それなりには書けるようにはなりそうです。
もうひとつは…
今も色々と話を書いていましたが、情けないことにまた自分の話を書いてしまうことになりそうです。
一応ご報告、ということで。
それでは、またしばらくお待ち下さい…。
666 :
逆転スラムダンク高校 ◆ZMp2Jv9w5o :2006/07/28(金) 20:36:43 ID:5/5ILuoD
気にしなくていい。リアルが大事。
俺も忙しいorz
楽しみに待ってるよ
ついでに浮上
保守
ほす
保守
670 :
逆転スラムダンク高校 ◆ZMp2Jv9w5o :2006/08/04(金) 20:49:34 ID:0MZJpce1
夏日が続く今、浮上。
いや、暑かったからw
保守
672 :
逆転スラムダンク高校 ◆ZMp2Jv9w5o :2006/08/08(火) 20:24:15 ID:I0PcvA1x
ハルキ復活を願ってage。台風も来てる。
息災なきように
息災なきゃいかんなorz
酔っ払いは始末に悪い
保守
保守
保守
保守
保守
679 :
逆転スラムダンク高校 ◆ZMp2Jv9w5o :2006/08/20(日) 22:37:52 ID:OQDZoqx1
あげ保守
保守
保守
保守
保守
保守
保守
保守
687 :
名無しさんの初恋:2006/09/06(水) 08:37:46 ID:xOcDCJ5K
あげ
引越ししたよ。今週末、うまくいけば入籍だw
俺が戸籍謄本を用意したらだがorz
暇がねぇ
k
いつも保守ありがとうございます!
俺もあんま暇ないっす…そしてパソコンも無いww
実は書きたいこと溜まってるんですがね(´д`;)
それでも懲りずに保守
1000まで保守
さらに保守w
>>691-693 ちょwwwwおまwwwwww
もうちょっとでパソコン買う(予定)んでお願いだから保守埋めは待って下さいww
ハルキさんすいません。また保守にきてしまいましたw
保守ゃんw
本気でやばいんであげていいですかね
本当にやばいよ
ちょwww
確かレス間隔でdatに落ちるんでsageレスあれば落ちないはずですw
前確認したスレでは一番下、一週間レス無しで大丈夫だったはず…
むしろケータイスレを保守って下さいw
あ…もしやそういう意味ではない…(´д`;)?
保守ゃんwハルキさん乙!
700ゲット保守
定期保守にきますたw
ハルキさん好き保守
お前等1日に何回保守してるんだw
保守
704 :
逆転スラムダンク高校 ◆ZMp2Jv9w5o :2006/09/18(月) 09:45:00 ID:G6TdYyMH
最下層から保守age
>>704 入籍済んだか?age乙。
そして保守ww
メンテナンスに参りました〜w
もうね、ハルキさんいいひとすぎ、大好き。
そして久々に、保守www
保守
保守が趣味
保守〜
いい感じでさがってきましたね
なんでハルキさんのネット開通にそんな時間掛かるのか謎www
保守
またやっときます、保守
>>708 好きと言われても最近は彼女(さやちゃんには随分前にふられますたが orz)以外の女には興味がないですw
かといってうほっでもない…多分彼女が俺を嫌いになったらもう偽装結婚しかないなとwwww
>>709-
>>710 春に引っ越して来てから大分無趣味になってしまいました…。
相変わらずネタ探しは趣味ですが…今住んでいる所は何もない気がして(´・ω・`)
>>711 保守ありがとうっす!!
>>712 大学時代のアパートになって初めて引いたので工事の早さの相場がわかりませんw
アパートに入ってたケーブルテレビで申し込みしますたが、受付の人がそうのたまっておりましたw
>>713 いつもいつもありがとうございますです!!
715 :
名無しさんの初恋:2006/09/25(月) 07:45:52 ID:+yP51+aW
落ちすぎage
>>714 もうホントはるきさん好き。そのレスしてくれた相手、全部自分www
保守w
保守
hosyu
ほっしゃん
保守
ほしゅ
久しぶりに保守。
ハルキありがとう。誰もが我が目を疑う名前の子を
作るよw
ほしゅ
ハルキさん最近見ないな 元気?
>>722 励んでね!w
保守
俺は割と元気ですw
…昨日ふられたけどwww
けどいろいろ強くなれたのでなんだかんだで幸せですwwwww
俺を強くしてくれる、いろんな人達にありがとうと言いたい気持ちでいっぱいwwwww鈍感バカスwww
>>726 ついさっきやり直してくれることになりました(`・ω・´)
何となくこうなる予想はついてましたけど、さすがにちょっとキツかったっす…w
ここらで近況小ネタをば。
一応会社での出来事ですww
「The 3名様」
昼休みの休憩室。
一緒に休憩をとる同期との話が不意に途切れる。
俺は少しシンコクな顔をして、深く息を吐いた。
「ハルちゃん、やっぱ今日はいつにも増して変だ、なんかあった?」
無自覚で無意識に失礼な言葉を吐いた彼の顔を見ながら、
やっぱり自分って奴はわかりやすいのか、と俺は少し悔しくなった。
けれど、黙っててもバレるのはしょうがないので、色々なことを諦めて話を続けることにした。
「それが…明日の研修なんですけど…。」
「ユミちゃんと一緒なんでしょ、いいじゃん。」
「…それが、ミミリンも…。研修に行くの、3人なんですよ。」
俺のそのセリフを聞いて、彼の顔には満面の笑みが広がった。
そして、彼の心からの「面白がっている」笑顔を見て、俺は後悔をした。
「この人に言ったのは間違いだった」と。
よかったじゃん、ハルキさん。
△関係ってやつ?
ほしゅ
インターンシップの時みたいな予想外の展開に期待w
〜〜以下俺の妄想〜〜
実は同期がうほっwで…
ハルキさんにアピールするユミちゃんに嫉妬して…
ある日ついに泥沼の三角関kうわ何をsくぁwせdrftgyふじこlp
戦略的互恵関係てw
保守
寝れない記念保守
ごめん、またなんだ
保守
「The 3名様」#2
ユミというのは、俺の彼女。
そしてミミリンは…俺が好きだった人。
この意地悪な話相手、陸さんも、彼女たちと同じく俺の同期。
陸さんには面白がられているものの、何もやましいことなどない…と思う。
ミミリンとは、気持ちを伝えるだけ伝えて、何もないまま終わったから。
ただ、俺がユミと付き合っていることは言っていない。
知らない、と言わないのは、気づいているかも知れないから。
俺はもちろんわかりやすい人間だが、ユミもある意味わかりやすい人間だからだ。
「いっその事、ミミリンに言ってしまえば。
そしたら遠慮しなくてもいいじゃん。」
「嫌です。
俺がもしミミリンの立場で、たとえ俺のこと何とも思ってなくても…やっぱり嫌だし。
それに、ユミも騒がれたくないからあんまり言わないで欲しいって。」
「でもキミたちよく見りゃバレバレなんだけど。
基本的にユミちゃんって誰にも懐かないカンジじゃん。
明らかにハルちゃんにだけ気を許してるよね。」
「…女友達は多いんですよ、腐れ縁ってやつです。
付き合ってるんじゃなくてど突き合ってるんです。」
苦し紛れの言い訳は、向ける相手を間違えていて、何の効果も意味もない。
ユミちゃんは、ハルキさんが以前ミミリンに気持ちを伝えた事実を知ってるのかな?
捕手ww
てす
ハツキ乙
まちごーた ハルキ乙
保守
「The 3名様」#3 に期待
保守
ハルキさん最近来ないね
保守
皆さん本当に酢味噌…
今週は出張ついでに広志と愉快な仲間たちと飲み会(何故かアイダも電話で参加w)、
昨日はユミと会っていて今日は実家…
実はネットつながりましたが時間ナス(´д`;)
でもなるべく頑張りたいので生ぬるく見守っていて下さいww
ネット開通オメ
保守
ネット開通記念保守
あけ
あげられたか
保守
きゃは保守
悪ーござんした
保守w
いつも保守してすみません
保守?
何それwww
たしかに保守って何?w
保守w
保守?なんだろね
はるきさーん
ハル・・・マキといえば「ホットロード」
「The 3名様」#3
「……。」
沈黙。
変なことを言ってしまったのをごまかそうとして、何も言えずにいる俺と、
俺に対するレスポンスをできずにいる陸さん。
「えと…あのう、名古屋までってこっから特急でどんぐらいでしたっけ。」
間をもたせるために、ぎこちなく話題をひねり出す。
俺は、陸さんが正直いって苦手だ。
仕事上、一番彼と過ごす時間が多いけれど、彼とはあまり話が合わない。
マトモにできるのは、こういう恋愛の話だけ。
(でもやっぱり意見や考え方はサッパリ違う)
それでいて、なぜだか話を無理やり続けなくてはいけないような気がするから。
「だいたい2時間ぐらいじゃない、遅くても。」
「そうっスか。ありがとうございます。
そっか…電車乗ってる2時間どっちかをほっとくことになるのか…。」
「…ユミちゃんとミミリンは一緒に座らないの?
だって、女の子同士だしさぁ。」
「あの二人、仲悪いっすよ。」
「……。」
また、会話が途切れた。
どうすればいいんだよ。
俺にどうしろっていうんだよ。
どうやったら彼と話し続けられるんだろう。
どうやったら誰も傷つけずに明日をやり過ごせるんだろう。
ううーん。誰も傷つけずに。
甘酸っぱく青臭いw
だが、それがいいんだなぁ。
とりあえず保守
ほしゅ
保守
保守
764 :
名無しさんの初恋:2006/11/07(火) 14:28:18 ID:K6kwTaHx
ほ
し
ゅ
・・・・ん
保守
皆さん、長らく放置してすみません…
リアルが忙しすぎて死ねるorz
保守
ほほほっほほほほほほしゅ
保守
保守
774 :
名無しさんの初恋:2006/11/27(月) 01:23:05 ID:LBAhA1pE
保守あげ
保守
776 :
名無しさんの初恋:2006/11/30(木) 08:52:01 ID:7U7gijS/
age
777 :
Hrst:2006/11/30(木) 08:56:21 ID:D3swph/j
777
保守
保守
「先に座っちゃえば。」
「へっ?」
「ハルちゃんが、何も言わずに窓際に速攻座って、
どっちかが隣に座るの待ってるってのは、どう?」
陸さんが、何の前触れもなく話しはじめた。
目の前の顔は、また面白おかしくてたまらないような表情をした。
彼の言葉には、明らかに「そうしたら、俺は面白いんだけど。」と続くんだろう。
「・・・まぁ、考えときます。」
はぐらかすように、応答した。
俺は純粋に悩んでいるのに、彼は純粋に楽しんでいる。
ちょっとだけ、気分が悪くなった。
本当は、俺がいろいろこじれさせているんだけれど。
どれだけ悩んでも、時間は過ぎていく。
不安を抱えても、眠らないわけにはいかない。
そして、研修にもいかなければいけない・・・。
ブルルルルルル・・・
携帯のバイブレータが鳴る。
携帯を開いて時間を確認すると、自分がすっかり眠っていたことに気づいた。
「・・・まだ、目覚ましより早いし・・・。」
始発に乗るためにずいぶん早くかけた目覚ましより早いことに憤りを覚えたが、
起きなくてはいけないことに変わりはないので電話をとることにした。
「もう、駅ついちゃった。」
寝ぼけながらとった電話から、少し甲高いユミの声がした。
保守
hosyu
今年も一年。お疲れ様でした
保守
「はぁ・・・。バカか。」
「・・・はるよりバカじゃない。」
「今、何時?」
「今、4時50分。」
「始発、何時?」
「始発は・・・6時10分だけど・・・。」
語尾が、消え入りそうになっていた。
よく考えたら、ユミは誰もいない駅にひとりぼっちだ。
布団を体から勢いよくのけて、俺は頭をかきむしり、雄たけびをあげた。
「・・・ぁああああっ!!」
「うわっ、何よ!」
「待ってろ。」
「だからっ、いきなり何よ!」
「俺、起きる、すぐ、駅、行く、お前、待ってろ。」
寝ぼけたのとウケ狙いな口調で、彼女をなだめた。
「・・・わかったよ、バカ。」
少しだけ、彼女の口調は明るくなっていた。
保守。
あげ
そして華麗に保守
そしてミラクルに保守
「おつりはいらないっす!」
「・・・って言われても、お客さんチケットでしょ。」
「あ・・・、すんません。」
「あっはっは、気持ちだけ受け取りますよ、ありがとうございました。」
「こちらこそ、ほんっとーにありがとうございました!」
無理を言って1時間早く来てもらったタクシーを、勢いよく飛び降りた。
飛び降りた先のロータリーから、駅構内まで駆け足で走る。
特急が止まるとはいえ、田舎の駅なのでその構内はとても狭い。
そのおかげで彼女の居場所まで、すぐにたどり着けるけれど。
「おはよう。」
「・・・おきてる。」
寝ぼけているのか、不機嫌なのかわからない彼女の顔が、ゆっくりとこちらを向く。
保守
お世話になりました。よいお年をお迎えください
あけましておめで保守。
今年もまったりやっていきますので、皆さんよろしくです。
しかし今現在の雲行きがぁゃιぃ罠(´д`;)
あけましておめでとうっ
まったり上等。俺の余生のうちにどうか終わらせてほしいorz
もう長くない
>>オサーン
ちょ・・・大丈夫っすかorz
とりあえず書きたいことリストとしては
・さやちゃんとの別れ編
・就職研修(ミミリン)編
・就職実務(ユミ)編
・俺にかかっていた呪い編
・陸さんとの和解編
時間あるんだろうか・・・orz
でもちょっとペースアップします(`・ω・´)
「・・・さみしかったよ。」
まっすぐこちらを見つめ、甲高い声をすこしひそめてユミが言う。
抱きしめたくてたまらなくなった、けれど、行動には移せない。
ただ、その代わりに彼女の髪をかきあげて、くしゃくしゃと撫でた。
不機嫌そうな顔が、笑顔になった。
「ごめんな。」
「ちょ、ちょっと、嬉しいんだけど、今日は髪の毛きちんと巻いてきたんだからっ。」
「・・・やめろって言うのか?・・・アホ毛がないとユミじゃないぞ!」
「やめろよ〜、バカっ!」
「アホ毛〜、アホ毛〜作成〜♪」
「ばかばかばかばかっ!」
こんなふうにいつものように談笑していると、携帯電話が鳴った。
ミミリンから、もうすぐ着くとのメール。
時間は6時ちょっと前、俺とユミはホームに移動することにした。
なーんてね♪
お騒がせ。殺しても死なないから大丈夫よ?w
お騒がせしまして。酔っ払いの戯言だからまともに付き合うと損するよー
そして乙。楽しませてもらうぜ
そして恥ずかしながら保守
800 :
名無しさんの初恋:2007/01/09(火) 19:14:30 ID:bgr10I6O
保守
hosyu
保守
保守
hosyu
保守
保守
ほ
保守
保守
保守
812 :
名無しさんの初恋:2007/02/12(月) 10:25:34 ID:3vXds+IT
私は、小学3年です。
は、彼氏がいます。彼とわたしは、デートの時
、どちらかの家に行き、だれもいないとき、部屋
で横になって裸でだきあいます。それがだんだ
んエスカレートしていって、学校の体育倉庫で服
をぬがされ、まだ3年生ですが学年で1番大きい
おっぱいを、つかむように触られたり、しゃぶっ
たりされます。最初は、苦手だったんだけどだん
だん気持ちよくなりサイコーです。しかも、わたし
は、学年1美人でもてます。彼も同じで、美男
美女でよくみんなにうらやましく、思われます。
: : このカキコ見たあなたは4日後に不幸がおとづれ
44日後に死にます。それがイヤならコレをコピペ
して5ケ所にカキコして下さい。私の友達はこれを信じ
ず4日後に親が死にました。44日後友達は行方不明・・・・。
いまだに手がかりもなく私はこのコピペを5ケ所に貼り付け
ました。すると7日後に彼氏ができ10日後に大嫌いな人が事
故で入院しました。
: : 信じる信じないは勝ってで
813 :
名無しさんの初恋:2007/02/12(月) 10:53:59 ID:jXqSAeTz
保守
hosyu
保守
保守
ほしゅ
hosyu
そしてほしゅ
hosyu
保守
hosyu
ほしゅ
ほしゅ
ほしゅ
久々に純情板きたがコレまだ生きてたのかwww
ほ
ほ
file:///C:/Documents%20and%20Settings/Administrator/%E3%83%87%E3%82%B9%E3%82%AF%E3%83%88%E3%83%83%E3%83%97/%E7%94%BB%E5%83%8F/568.jpg
ほ
ほ
ほ
た
る
こ
い
只今底辺
TEST
イッキミナイト
838 :
アニヲタ:2007/05/02(水) 21:39:15 ID:8yvpDeM7
規制解除マダー?
f
w
うおっ、まだこのスレあった…って俺が言ってはいけないんですが…
私生活いろいろありすぎて書けねーっす…
彼女と別れたら再開する鴨orz
5
∧∧
(,,゚Д゚)
. ⊂⊂ | 6
〜| |
し''J
保守
845 :
名無しさんの初恋:2007/05/22(火) 03:01:05 ID:G/a9e2dE
ほ
846 :
名無しさんの初恋:2007/05/22(火) 06:11:28 ID:7Ne4gKlU
ハルキさんみたいな人と付き合いたい。
1年ぶりに見たらまだこのスレあったWWW
最初から読みなおしたら新鮮で泣いたお(;ω;)
ときめき思い出したお(;ω;)彼タンに会いたくなったお(;ω;)
ハルキと保守してくれた皆 ありがdd
保守
保守
∧∧ .
(゚ー゚*) しゅっしゅ
(_,,)〜
∧∧
(゚o ゚*) ほっほ
,(uu,,)〜
かたってどーすん?
γ''"""ヽ、
/ / ゚ ▼)
し' (,,゚Д゚) さてね
ノ|(ノ |)
∠,,人,,_,,ノ
U"U
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
∧η∧ < あてね
(,,・Д・) \__________
ミ__ノ
ハ,_,ハ
,: ´∀` '; ろーま
ミ,;:. ,ッ
゙"'''''"゙
ヽ ili /
- -
∧∧
(,,゚Д゚)
. ⊂⊂ | まとん
〜| |
し''J
∧,,∧
ミ*゚ー゚彡 とんち
ミづ づ
〜ミ ミ
∪∪
、、、、
@ミ ∧゙∧ チェコ
ミ、、、、ミ,,゚Д゚ミ
,:':,:':,'':
;'*゚−゚';' コンサバ
,:'゙,. ,:'
〜';' ,:' ;'
"'"'"
∧∧
(*゚ー゚) 鯖缶
/ つ
〜(,O""つ
____
/ || ̄ ̄|| ∧∧
|i ||__|| (゚Д゚,,) < 関東
| ̄ ̄\三⊂/ ̄ ̄ ̄/
| | (./ /
___
/ / ↑ \.
| | └→|
\ \__/
| ( ゚д゚) < 冬瓜
|(ノi |)
| i i
|_i_ i
U" U
(⌒-=+=⌒)
// ’ ▼’ヽ
彡 V~~Vミ
i"( * ~O~) < 瓜実顔
|= つ つ
/== 丿
〜(_= ,,,,ノつ
(_丿
/^l
,―-y'"'~"゙´ |
ヽ 。・ o ・ ゙': 家屋
ミ .,/) 、/) ))
゙, "' ´''ミ ハ,_,ハ
(( ミ ;:' ,:' 。・o・';
'; 彡 :: っ ,っ
(/~"゙''´~"U ι''"゙''u
∧,,,,∧
彡,・ー・,ミ 億万長者
⊂ @ つ
ヽ | |
∪ ∪
_,,..,,_
(::::::::ヽ,,レ,,.-、,,,,_ ,,,_
ゞフ:::::::::::::::::::゙:::::::::;l
/ _:::::::::::::::::ぐ)ノ
=t= _ ::: ̄::::|" 蛇踊り
>- 、_,._, =ニ|ニ
{ f;;;;! ;;;;! ::イ
),ぅ---―--cっ'
/l、
(゚、 。 7 リス
l、~ ヽ
じし' )ノ
M
(Θ∋
,,,,,;(( ゚Д゚)) 酢昆布
,.;゙; (ノ."""';)
`'ヾ;, ,. , .;'
'∪''∪
∧ ∧
(#゚ー゚)
と O 布袋
. 〜/ !
. (/`ヽ)
. ∧ ∧
(゚ー゚*) 袋とじ
O つ
. ! ヽ〜
(/´\)
∧ ∧
(*゚ー゚)
と ,ノ ジダン
. ( ,/
(/ヽ)
==== みんなで恋愛の神様(彩子)を拝みましょう =====
http://imepita.jp/20070618/616790 このコピペを見た人は、それぞれ別のスレに男子は4ヶ所女子は3ヶ所
コピ ペしてください!
・この恋愛の神様はとても気まぐれです。コピペしないとあなたの恋は実りませんよ〜
それどころか微妙な不幸が重なってそれはもう困りますよ〜 絶対ですよ〜 怖いですよ〜
彩子はまともじゃないから呪われますよ〜
・秘訣・コピ ペするときは、別の板にするほうが神様と投稿規制の機嫌を損ねないらしい・
===========================================
∩;;;∩
(Y;;;;;;;;;;ヽノ)
i;;;;;;;;;;゚;;;゚ヽ
/;;;;;;\;;;;'⌒) 団子
).|;;;;;;;;;(,,゚Д゚)
ι|;;;;;;;;つ ;;;/つ
ヽ..;;;;;;;;;/
U"U
(Y;;;;;;;;;;ヽノ)
i;;;;;;;;;;゚;;;゚ヽ
/;;;;;;\;;;;'⌒) 団子
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ヽ..;;;;;;;;;/
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ι|;;;;;;;;つ ;;;/つ
ヽ..;;;;;;;;;/
(⌒-=+=⌒)
// ’ ▼’ヽ
彡 V~~Vミ ご飯
i"'' (,,゚Д゚)
|=(ノ |)
l== !
人= ,,ノ
U" U
(⌒-=+=⌒)
// ’ ▼’ヽ
彡 V~~Vミ ご飯
彡 V~~Vミ ご飯
∩
| | /二⊃
ミ ゚ ・゚ミ
/(,,゚Д゚) 半紙
(O iつ
C,,_,,,__,,,ノ
∪∪
トト..,,,,___
Σ(● 〜od〜
<l (,,゚Д゚)
ッ <(/ト─イヽ) 市電
i\,,,<l ト─イ
':,____ソー‐イ
 ̄∪∪
_,,,,,,_
/◎ _ヽ
l <゚Д゚)〜
/| /⌒ヽ/⌒ヽ/Oノ:_フ⊃ 伝書鳩
| .ソ ノ ノ ノ:_ノ
!、__入_入__ノU"U
ヾ∧
/ ・ |ミ
(_'... |ミ
(゚Д゚; )..|ミ 鳩時計
(| .、)|
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ヽ.._人
U"U
/゙ミヽ、,,___,,/゙ヽ
i ノ 川 `ヽ'
/ ` ・ . ・ i、
彡, ミ(_,人_)彡ミ 掲示板
∩, / ヽ、, ノ
丶ニ| '"''''''''"´ ノ
∪⌒∪" ̄ ̄∪
ヾ>;;::;;;'ァ、
゙;‘/ ’))::';
(エ_,ノ:::;;;;;::';
::(゚Д゚ ):;:;::;' 番記者
とヾ:;::;:;υ;::;'
゙、::i:::''';'
U" U
γニ三ヽ
Cゝ ・、,・)う
/ ( ゚Д゚) 写メール
(_ノ U ノ)
ゝJー--J
******恋のおまもり******
これを見た人は,超超超超幸せもの☆☆
@週間以内に好きな人に告白されるか、
■■■■■■■■■■■■■■■■■■
■■■■□□□■■■■□□□■■■■
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■■■□□□□□□□□□□□□■■■
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■■■■□□□□□□□□□□■■■■
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■■■■■■■■■■■■■■■■■■
好きな人とイイ事があるよ・・・・☆★
コレを読んだら、1時間以内にどこかに貼る★★
数ゎあなたが好きな人への思いを込めて
888 :
名無しさんの初恋:2007/07/20(金) 16:05:38 ID:Ik7M7rsm
/ ̄ ̄\
/ ⌒ ⌒\ ____
|::::::(●)(●) | / \
. |:::::::::::(__人__)| / ⌒ ⌒ \
|::::::::::::::` ⌒´ |/ (●) (●) \
. |:::::::::::::: } | (__人__) |
. ヽ:::::::::::::: } \ ` ⌒´ _/
ヽ:::::::::: ノ | \
/ヽ三\´ | | | |
-―――――|:::::::::::::::: \-―┴┴―――――┴┴――
M
(Θ∋
,,,,,;(( ゚Д゚)) 手毬
,.;゙; (ノ."""';)
`'ヾ;, ,. , .;'
'∪''∪
/)/)
γ,;;;;;;;;゚゚ヽ
/;;;,,,,ノ)(・・)ノ
i;;; (;゚Д゚) 毬藻
i;;(ノ;;;;;;;;|⊃
人;;;;;;;;;;ノ
U"U
γ⌒^~ヽヘ‐ヘ
( (^⌒ @´o`) もー娘。
ゝ´、_ _,.^ノ~
しU~JJ
∧ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
( ´ー`) < 住めば都
`i i´ |ヽ \_____
| | /.ノ
/ ヽ⌒ /
し-J―J
∵∴∵ ∧∧
∵___(,,゚Д゚) 夜光虫
.\. ⊂⊂__ヽ
.\( ( .ノ
.\ヽ ヽ\
ゝ _/ ̄|
∧ ∧
(,,゚ー゚) 駐車禁止
〜(___ノ
|\___
/ :::::::。::::::;;;;;;>
/::::::::メ::;;;www
)ヽ/ とノ (,,゚д゚)つ < 金糸卵
メノ'\ /
U"U
(ヽ_/)
(,,・_・) 孫の手
/uu|
〜し‐J
(\,,,,,,/)
ゝ 。 。i
( ヾヽヽ
/ \_▼丿
| (,,゚Д゚) < 盧泰愚大統領
| (ノ |)
,/人. 丿丿
"" U"U
(_ _)Zzz
∧,,,∧
(`・ω・´) ZIPファイル
/ つとl´
しー-J
(⌒ー-'⌒)
Y・ ・ ・Y ノi / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
(⌒ヽ ^_.ノ⌒)( ノ < イルカ
(` f つ つ´)ノ \________
ー! 「−´
∧_∧
__( ´∀`)_<⌒>
\ ^oVo^/⊃ カリスマホスト
/~ハ~(\
ノ / 〉 〉ヽ\
⌒^⌒⌒^^⌒
902 :
名無しさんの初恋:2007/08/04(土) 00:06:32 ID:oWVC/+PS
|\_/ ̄ ̄\_/|
\_| ▼ ▼ |_/
\ 皿 /
(⌒`:::: ⌒ヽ
ヽ:::: ~~⌒γ⌒)
ヽー―'^ー-'
〉 │
∧,,,,∧
彡,・ー・,ミ
⊂ @ つ ストライキ
ヽ | |
∪ ∪
∧∧
〃/ww)
〆从*゚ー゚) 意気投合
ヽ| つつ
ノ__ゝ
∪∪
、、、、
@ミ ∧゙∧ ゴーヤチャンプルー
ミ、、、、ミ,,゚Д゚ミ
,nn
,!・・ l
ゝ‐' | プルトニューム
| u|
`,rri'ヽe {{{
(ヽ_/)
(,,・_・) 無理難題
/uu|
〜し‐J
∩∩
.| | | | だいたひかる
(・x・ ) ヒョコ
/ |
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
, ー,──── 、
( ( : : : . : . . : . )
ヾ 'l: . : .:_, ._ :.r 軽石
l l : (,, ゚Д゚).| パ-ン
l l. : .J: ⊂彡☆))
l l : : : . : . . l
゛ー─し´J─′
___
.. / . \
. / \
/ ⌒ ⌒ \ 石焼き芋
| (_人__) |
\ /
rn_
/ ∪ ヽ / ̄ ̄ ̄
, ´ ̄\ 人 -o < 妹
( へ 〈/ T ̄ \___
\__人_(___)
∩∩
('A`) うとうと眠る
c(_uノ
( ゚д゚ ) うるるんなんとか記
_(__つ/ ̄ ̄ ̄/_
\/ /
 ̄ ̄ ̄
スタッ
ハ,_,ハ,
n' ´∀`,n, 柿食えば鐘が鳴るなり法隆寺
ミ,;:. ,ッ
`'u゛-u'
保守
/`´`´`´|
|. ―- L_o
| ノ シュリンプ
>- ― ´
_ ( l ヽ
ヽ` ヘ|. ノ
 ̄` 、 -<
┌──┐
i二ニニ二i
i´ノノノヽ)))
Wリ゚ -゚ノリ プルトニューム
⊂)_介」つ
〈__l__〉
〈_ハ_〉
__ n
o/ \ ヽ / ̄ ̄ ̄
.(__丿 | < 虫キング
⊆_ ヽ_ \___
o_ ,/∧ 」L
| (・_)"ヽ 7「 / ̄ ̄ ̄ ̄
| _ ノ < 具沢山
☆  ̄ / ⊃ ´ ̄ヽ \____
ミ i(  ̄ |/ ,-、 )
\__ ノ__人_ノ
~
(´・ω・`) <グラニュー糖
(つ と)
∪ ∪
放置しすぎた・・・けどまだ残ってた、みんなありがd!
○⌒\
ミ'""""'ミ 屯田兵
./(´・ω・`)
//\ ̄ ̄旦~
// ※.\___\
\\※ ※ ※ ※ ※ヽ
\`ー──────ヽ
────────
/:::ヽ, --─-、/::ヽ
/-‐'' ヽ::|
| \ / |
l ● ● l へいへいへい
`、__''' (人_ノ ''' ノ
/`'''ー‐‐─┬''´
`ー< , ‐v‐、
`ー-{__人_ノ
* *
* ,,,,,,_ *
/´.::::::::::\
,,, ,/.:;;,,,'"""""'ミ *
ミ,,,ミ―,( `◇´)_ * < いの一番
ミ''"""''''ミ *
 ̄\| DEBU | 旦~
* ======= *
|`ヽ
_ ---―┴- 、
/ . - 、 ヽ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
/ ○ (._・) | < 番所
`^~〜^〜~〜^〜~〜^〜^~´ \______
,nn
,!・・ l
ゝ‐' | 暑中見舞い
| u|
`,rri'ヽe {{{
∧∞∧
ミ^ー^*ミ マイマイつむり
ミuu_ミ
∧∧
(゚−゚メ) 無理心中
/ : `、
/,,,人,,,,,ヽ
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄∪∪ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
| |
| |
| |
| |
∧ヘ ||
(,,゚Д゚) |h、 銃刀法違反
/ つ,、,,,,, ~‖
〜(,,_ノlニニニニニニニ!
└┬┘ //´ ̄`i:|
./i\ // |:|
∧_∧
( ´∀`) ____ 反省なら猿でもできる
⊂ つ | |
| | | | |
(__)_)  ̄ ̄
∧∧
___(゚д゚,,)、
/" ̄ ̄`⊂__ ヽ. キルギスタン共和国
/ /⌒ヽ !:::( )〜
| ヽ-‐ | l::::::し'
ゝ、___ノ_,ノ;;;;ノ
ハ ハ
(*゚ー゚)っ 刻印
~(っ' ´ `ヽ
u }
ヽ、_ _ ,ノ
____ _
/" ̄ ̄`ヽ::::ヽ.
/ ∧∧、 !::::::l 印度
| (゚д゚,,)| l::::::;!
ゝ、___ノ_,ノ;;;;ノ
____
/ || ̄ ̄|| ∧∧
|i ||__|| (゚Д゚,,) < 道玄坂
| ̄ ̄\三⊂/ ̄ ̄ ̄/
| | (./ /
ハ ハ
( (;゚ー゚) ) 坂上田村麻呂
ノ っっ
uu
,' ´ `ヽ
{ }
ヽ、_ _ ,ノ
- _
γ ヽ
W从从从 | / ̄ ̄
(|¬ ¬ |) < マロニエ
\ _ ノ \__
⊥⊥_
_
,,,l,,,,,,,l,,,,,,,
(=゚ω゚) 二円
ノ~~~~ l、
/ l、
.○⌒\
.(二二二) 役の行者
. _.(,, ・(ェ)・)
/ .o つ
(_;し―J
♪
∧ ∧
∩*゚ー゚) 蛇の道は蛇
⊂\_,⊃
ι'
|\___
/ :::::::。::::::;;;;;;>
/::::::::メ::;;;www
)ヽ/ とノ (,,゚д゚)つ < びっくりシンプソンさん逮捕
メノ'\ /
U"U
___
__i''フ'´ ̄ _ `ヽ、
{ У ,.-- 、 ,. ''"フ
\_/ { rーl /:.:.:./
{ ̄! `┴'' /:.:.:.:.:./ 異邦人
`ーl 〈 :.:.:.:.:.:.く
r― 、\. \:___;ス
⌒l } ,>ー、rー‐┬‐く
| {_/ !:.:.:.:.:.},.-<
{ {. 丿} :.:. 丿 }
`ーr`ー<∠__/ /
\_______,ノー‐''´
γ⌒ヽ__
(*´Д`) 人面魚
/ U U
しーJ
(ヽ_/)
(,,・_・) 業界擁護
/っ日~―‐-.、
(´ )
[i=======i]
∧∧
/⌒ (,,゚Д゚) 烏合の衆
'ハ从バ/ つつ
(/(/〜(_つつ
∧__,,∧
(´ ゚д゚ `) 週刊朝日
(U U)
`u―u´
. | ,ヘ
.| .,、__,、/ミi
,-‐/::::::::◎ ´) 妃殿下
´|´(´ー` 》》´
⊂iニ)+(二iヽ、
/ T ヽ、 ,ゞ
(;;;;;(;;;;;;;).´´
∧∧
/(*゚Д゚) カリマンタン
/ У~ヽ
(__ノ、__)
_._._
_l_._l ∧
_._l_lー゚) タンドリーチキン
_l_._と/
_._l_l
∧,,∧
( ・ω・) 筋肉マン
/ i
.c(,_uuノ
,nn
,!・・ l
ゝ‐' | 満願成就
| u|
`,rri'ヽe {{{
a
951 :
名無しさんの初恋:2007/09/30(日) 22:14:13 ID:VHn7GvRu
siko
∧∧
___(゚д゚,,)、
/" ̄ ̄`⊂__ ヽ.
/ /⌒ヽ !:::( )〜 生駒山
| ヽ-‐ | l::::::し'
ゝ、___ノ_,ノ;;;;ノ
____ _
/" ̄ ̄`ヽ::::ヽ.
/ ∧∧、 !::::::l ヤマト運輸
| (゚д゚,,)| l::::::;!
ゝ、___ノ_,ノ;;;;ノ
____
/ || ̄ ̄|| ∧∧
|i ||__|| (゚Д゚,,) < 湯布院温泉
| ̄ ̄\三⊂/ ̄ ̄ ̄/
| | (./ /
ハ ハ
( (;゚ー゚) ) 尖閣諸島
ノ っっ
uu
,' ´ `ヽ
{ }
ヽ、_ _ ,ノ
_
,,,l,,,,,,,l,,,,,,,
(=゚ω゚) 冬瓜
ノ~~~~ l、
/ l、
.○⌒\
.(二二二) ガンダム
. _.(,, ・(ェ)・)
/ .o つ
(_;し―J
♪
∧ ∧
∩*゚ー゚) ダム脱宣言
⊂\_,⊃
ι'
/ヽ ヘ
/ ノ/ ノ < 玄界灘
(゚Д゚ )⌒`〇-、
(/(/⌒\)\)
|\___
/ :::::::。::::::;;;;;;>
/::::::::メ::;;;www
)ヽ/ とノ (,,゚д゚)つ < ナダル
メノ'\ /
U"U
___
__i''フ'´ ̄ _ `ヽ、
{ У ,.-- 、 ,. ''"フ
\_/ { rーl /:.:.:./
{ ̄! `┴'' /:.:.:.:.:./ ダルタニアン
`ーl 〈 :.:.:.:.:.:.く
r― 、\. \:___;ス
⌒l } ,>ー、rー‐┬‐く
| {_/ !:.:.:.:.:.},.-<
{ {. 丿} :.:. 丿 }
`ーr`ー<∠__/ /
\_______,ノー‐''´
γ⌒ヽ__
(*´Д`) アンドロメダ星雲
/ U U
しーJ
(ヽ_/)
(,,・_・) 運慶快慶
/っ日~―‐-.、
(´ )
[i=======i]
∧∧
/⌒ (,,゚Д゚) 啓蟄
'ハ从バ/ つつ
(/(/〜(_つつ
∧__,,∧
(´ ゚д゚ `) 蟄居
(U U)
`u―u´
(,,,,)
ノ::\
/::::::::::)
/;;;;;;;;;;;;;( 虚心坦懐
(____)
( ´・ω・) ノヽ
( つ━━(: '::';
∪-∪ ...ゝ:;ノ
γ''"""ヽ、
/ / ゚ ▼)
し'∩゚Д゚)ノミ 回転木馬
ノ|.~゛ |'
∠,,人,,_,,ノ
U"U
,、 ,、
/ ヽ__/ ヽ
/ _ _ ヽ.
./ ´`、ー―, ´` l 玖波山
| ヽ/ ,!
ヽ/ ̄)( ̄ ̄`"::::ノ
/ / `'ー、....::ノ
ヽ:..:ノ '::::|
Y ::|
|
| ∧_∧
|. (・ω・` ) 日本武尊
|スス… /J J
↓ ,,, し―-J
∧ ∧
(*゚ー゚)つ 古都京都
こ ノ
( , /
(/'/
∧ ∧.ノ
(・ω・,,)つ 右党寄り報道
しーし´
γ''"""ヽ、
/ / ゜ ▼) < 動体視力
し' (,,゜Д゜)___
ノ|(つ.__/ 。。 /
 ̄ ̄\/ ゜●゜./
 ̄ ̄ ̄
973 :
名無しさんの初恋:2007/11/09(金) 13:00:34 ID:3sPO/oxl
うわぉ
974 :
名無しさんの初恋:2007/11/09(金) 13:03:48 ID:6RLicsEk
で?
975 :
名無しさんの初恋:2007/11/09(金) 13:12:53 ID:YJcPlLRa
∧ ∧
(*゚ー゚) 韋駄天
/ |
.〜(,,,_UU
∧∧∩
(゚Д゚;) ノ 天衣無縫
⊂lヽ/Gl
| |
∪∪
, -、 , -、
じ, '⌒ヽソ 法医学
! ゚д゚ノ
ΣU UZ
___
| |\
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(゚Д゚,,).| |\\ 額面価値
(/ ヽ) |/ \
| ∞ | /\/
| | |
|__|/
U"U
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/ /ヽ
/ / )
| | ./) /
| | |/ 丿 カチューシャ
(゚Д゚,,).| ヽ
(/ ヽ)/) )
| ∞ | |/ ノ
| | /
|__|/
U"U
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./ ./`ヽ、
/ / __ ヽ
| | / ヽ.」
| | |
(゚Д゚,,).| | しゃれこうべ
(/ ヽ) | __.
| ∞ | ヽ__/ .|
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