中学時代好きだった人を今でも思い出しますか?5

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290長文すまん
中三のときに好きだった子。
なんていうか基本的に女子が苦手なウブな人間だったけど、彼女と話すのは楽しかった。
でも「あぁ、好きなんだな」ってちゃんと思い始めてから4ヶ月足らずで
彼女と2度と話す機会がなくなるなんて、この頃は思いもしなかった。

意識しだした理由が「物凄い目が合うから」っていうのが何とも
厨房らしいっちゃ厨房らしいけど、当時の俺にはそれが全部だった。
時期は確か6月の終わりくらいだった。それまでは何でもないクラスメートだったのに、
意識しだすと止まらなかった。元々が明るい子だったのに加えて
席がそこそこ近かったのもあって、少しづつだけど話したりするようになった。
残念なのはここの頃の記憶が曖昧な事。
当たり前にそこにあって、当たり前に関わった記憶は大事に出来なかったのかな。

そうこうするうちに夏休み。受験を控えてる身、遊びに行った記憶は殆ど無く
彼女と会うことも連絡する事も当然なかった。当時は携帯電話なんて誰も持って無かったしね。
この時は夏休みのうれしさより、1ヵ月半も彼女と会えないんだ、っていう思いのほうが強かった。
291名無しさんの初恋:05/02/06 04:28:33 ID:rpdYGTqz
迎えた新学期恒例の席替えのくじ引き。その時ばかりは真剣に祈りながら引いた。
この時の念は人生最高のパワーだったかも知れん。
そして念が通じたのか通じなかったのか、彼女は俺の後ろの隣という微妙な席になった。
まぁ同じ班(班とか懐かしいな)だし、いっかって思ってたら
「私、目が悪いから交換してくれない?」って俺の隣の奴に言うのね。
もうね、内心ガッツポーズ。超ガッツポーズ。神様ありがとう。
俺にも「いい?」とか聞いてきて、嫌なわけNEEEEEEEEと思いつつ冷静に「あー別にいいよー」と流す。
俺カコイイ。いやカコワルイ。いやそんなことはどうでもいい。
でもそこで冷静に辺りを見回す。俺の席は後ろから3番目。彼女の最初に引いた席は当然
後ろから2番目。・・・この一つ分って変わる意味あるのか?って思いながらもそんな事はおくびにも出さない。
目の悪い人は優先的に前に行けるシステムもあったけど、そうするつもりは無いみたいだった。
292名無しさんの初恋:05/02/06 04:29:17 ID:rpdYGTqz
ここからの2学期は楽しかったよそりゃ。学校生活の中でベストに入る2ヶ月弱。そう2ヶ月弱。
お互いの事色々話した。お互いの誕生日なんかの話やら、それに纏わる占いの話やら
好きな歌手の話やら、昨日家で何したかやら。酷く下らなく、また穏やかな時間だった。
今書いてて思い出した。喋ってると煩い教師の時は机に筆談なんかもしてた。それがバレて二人そろって怒られたりもしたっけ。
受験生同士、当然志望校の話なんかもした。彼女は公立狙い。頭良かったから、完全に俺よりワンランクかツーランク上を
目指してる事を知った。まぁ元々自分は私立狙いだったからショックも何も無かったけど、やっぱりちょっと残念だった。

そんなこんなで神様パワーで隣同士になれたお陰で、結構仲良くなれた。まぁ今思えば
これが彼女との関わりにおける神様の最後のプレゼントだったのかも知れない。
そして運命の日。
293名無しさんの初恋:05/02/06 04:29:47 ID:rpdYGTqz
その日も何の変哲も無い一日。ただ休み時間に彼女が突然「私学校来なくなるかも」って俺に言った以外は。
今でも俺は何て答えたか覚えてる。

「えーダメだよ」

何だ其れ。ダメて。
何で俺はそこで理由を聞かなかったのか。何で真面目に受け取らなかったのか。何で?何で?何で?
間違いなく人生で最大の失敗だった。

この後2週間位たった後、彼女はマジで来なくなった。
先生の発表は風邪だった。

風邪じゃないことは知っていたけど本当の理由も聞いていなかった俺は中途半端で。実に中途半端で。
何も知らないワケじゃないのに何も知っているワケでもなかった。
動きたいけど動けない。目の前には受験がぶら下がってて背中には親の期待がくっ付いてるような
そんな時期だった。
少なくとも当時の自分には惰性で日々を乗り切る他に思いつく方法なんて無かった。
その時は、これから先、落ち着いたら動こう。其の頃には何か分かってるかも知れない。
そんな漠然とした考えでいた。
294名無しさんの初恋:05/02/06 04:31:24 ID:rpdYGTqz
ただ学校ってのは、そんな時期でも、そんな時期だからこそ行事は色々あった。
そのうちの一つが卒業アルバムの写真撮影だった。
この日、彼女は学校に来た。あれ以来最初の登校で、そして最後の登校だった。
久しぶりに見た彼女は特に変わったところも見られなかった。
話しかけたりしたかったけれど、撮影前の彼女の周りには久しぶりの再開を喜ぶ多くの女友達がいて近づけなかった。
撮影が終わり、何故か教師が急き立てるように俺たちを教室に帰した。その流れの中で自分だけ留まる訳には行かなかった。
予想通り彼女はそのまま帰ったようだった。久しぶりの再開も会話一つ無く、目が合う事も一度も無く声を聞く事も無かった。

そして自分の中で写真撮影に彼女が来た事で、卒業式にも来るだろうという勝手な思い込みが出来てしまった。
常に先延ばし先延ばしに対応を委ねてきたツケは、彼女のいない卒業式が行われるという形でやってきた。

何の感慨も無く実に呆気なく卒業という儀式は終わり、教室でまだ何人もがワイワイやっている最中に俺は一人で帰った。
その場にいる事にも、そうする事にも意味なんて無かった。ただ、そうした。
295名無しさんの初恋:05/02/06 04:32:14 ID:rpdYGTqz
そこからの半年はあっという間だった。新しい学校。新しい制服。新しい友人。全てが目まぐるしく過ぎていった。
そしてまた夏休みがやってきた。ようやく落ち着いた時間を手に入れた自分の思考が向いたのはやっぱり彼女についてだった。

手紙を書いた。長く拙く精一杯な手紙を書いた。当時手に入れたばかりのPHSのメール画面で何度も何度も文章を練り直し
それを文面に起こした。その時の俺の精一杯は相手の状況や心情や、そういったものに気が向いていなかった。
純粋に全部、自分だった。だから告白をした。伝えたかった事伝えられなかった事。好きだと言う思い。
彼女の家は雑談の中で聞いていたので、直にポストに入れに行った。今考えると非常識極まりない。
そして勝手な手紙のフォローに勝手な制限をした。8月中に返事を貰えなかったら諦めるという内容のものだった。
返事は来なかった。

諦められない俺は、その後しばらくして2通手紙を出した。2通目は、また1通目と大差ないものに
新しく手に入れた携帯電話の番号を加えた程度のものだった気がする。
ただまた彼女の家にまで出向くことは流石に出来ず、家の近くのポストに投函した。初めて人に手紙というものを出した。
3通目は2通目の切手代金が足りなかった事を詫びる手紙と、足りなかった分の50円玉を入れた。
相手が受け取りの際支払わされると聞いたからだ。実にどうしようもなく、ダサかった。
296名無しさんの初恋:05/02/06 04:33:27 ID:rpdYGTqz
当然と言えば当然の事ながら、その後も返事は来なかった。
結局この事は自分の中で解決しないまま忘れたフリをして過ごすしかなかった。
世の中の多くは、後ろ向きな過去を抱えたまま生きている事を示し続ける人間に否定的だったからだ。

あれから数年経った今も、友人には中学時代からの仲間が多い。
其れでもこの事を知っている人間は一人もいない。
忘れたフリをするには幾つかの嘘が必要だった。

どれだけの人間に出会っても過去を引きずったままの自分は、相手に正面を向けられず、半身の体勢で向かい合う様な
どこか違和感のある態度しか出来てなかったかもしれない。
結局こんな事が誰に対しても優しいものじゃないことは分かっていたけど、捨てられるものじゃなかった。

今も好きなのかと言われると正直分からない。自分の中ではあの時で止まったままなのに、
今を生きる人間を好きか好きじゃないか、そんな事は考えられなかった。
ただ純粋に逢いたい。逢えたなら謝りたい。そんな気持ちを抱えたまま惰性の日々が続いてる。

もう、どうしようもないな俺。