真っ暗な部屋でロウソクの明かりがゆらめいていました。
「ちょっと怖いけど…こうして2人でいると、これもいいですね」
隣子が微笑みます。…と、俺は携帯の事と、ここの事を思い出しました。
もうちょっと早く報告したかったんだけど、出るに出れない雰囲気でしたので…。
トイレに行ったふりをして、ログも読まずに書き込みました。
それから2人で飲んだり食べたりしながら今日の事を話してました。
「そういえば…明日まで停電なんだよね?」と、俺が言いました。
「うん。1人じゃ…怖いな…」と、隣子が言いました。
しばらくの沈黙の後、隣子が「鉄筋さん、泊まっていきません?」と言いました。
「う、うん。俺はいいけど…」
それから自分の部屋に忘れ物があるとか何とか言って、外に出ました。
そこからまたここに書き込みました。色んな感情がごっちゃになっていました。
それから本当に自分の部屋に戻って、適当に食い物や着替えを持っていきました。
深夜になってもやっぱり停電は回復せず、とうとう寝ることになりました。
隣子の部屋に敷かれた2組の布団。それぞれに潜りこみます。
ロウソクを消すと、本当に真っ暗で何も見えなくなりました。
「…鉄筋さん?」
「ん?…まだ起きてるの?」
「うん。…あんまり暗くて眠れません」
「目つぶってたら一緒だって(笑)」
「…鉄筋さん?」
「ん?やっぱ眠れない?」
「うん。…もっと近くに、来てくれませんか?」