【毒書】純情恋愛でも鬱【紅葉前線】

このエントリーをはてなブックマークに追加
574鉄筋 ◆ugxIXvsIg2
「誤解されるようなことしてすみません。でも…鉄筋さんに嫌われるのは嫌だから…」
「誤解って…嫌われたくない相手にそういう話は持ってこないもんじゃないの?」

隣子の友人は、学生時代からの付き合いらしく、隣子にとっては親友らしいです。
隣子自身はマルチうんぬんには詳しくなくて、友人が勧めるものだから、そんなに怪しくはない、と。
それでも少しくらい話は聞いたことあるらしく、不安で俺に話を持ってきたらしいのです。

「…えと。話はわかったけど…なんで俺なの?そんなに親しくはないでしょう?お隣ってだけで…」
と、俺が言うと隣子はしばらく黙って…小さな声で言いました。
「あの。こういう形で言うつもりはなかったんですけど…」
「ん?ちゃんと聞くから。ちゃんと話してみて」
「あの…さっきのお返事になるんですけど…私も、好きです」

「は?」
「私も、鉄筋さん好きなんです。…だから、いざという時は頼りになると思って…」
わ け が わ か り ま せ ん 。

なんでア○ウェイの話からこんな話になるんですか?
今落ち着いて考えるとおかしいと思いますけど、この時はわけがわかりませんでした。
「え、いや…え?なんで?」

最初は、本当に田舎からの食材が多すぎて食べきれないでいたらしいです。
それで、俺だけじゃなく近所におすそわけしてまわっていたらしいのですが…。
俺の喜び方が印象に残ったのがまず第一。それから「美味しかった」って言った時の、
笑顔が嬉しかったらしいのですが…。それで、また作ってあげよう。と思って、
何度かやりとりしているうちに、好きになったらしいです。

…って、そんなもんで始まるもんなんですか?