8月29(日)夜
電話で待ち合わせた場所に行くと、隣子はひとりで待っていました。
それから立ち話もなんなので、近くの居酒屋に行くことになりました。
時間的にも空いている店はそこしかなかったんです。
座敷に座って、飲み物と軽いツマミを注文して、本題に入ります。
「あの、怒ってますよね?」と、隣子が尋ねます。
「いや。別に怒ったりはしてないけど…」
…気まずい空気が流れました。テーブルに届けられたビールを飲み干して、勢いで俺は喋りました。
「怒ってはいないけど、ちょっと…凹んでるよ。まさかとは思ったけど」
「…すみません」
「今だからぶっちゃけて言うけど…迷惑かも知れないけど…」
この時の俺は、あんまり頭働いてなかったんだと思います。本当は少し不機嫌でした。
「俺。隣子さんのこと好きだなって思ってたんだ。けど…」
と、口走って自分でも驚きました。慌てて、
「え、いや。好きってお隣さんとして、ね。いい子だなぁって…」
取り繕ってはみたものの、自分でも顔が赤くなっていることは判りました。
誤魔化しても仕方ないと思って、思い切って言いました。
「いや、うん。好きなんです」
隣子はひどく驚いた顔で俺を見ていました。そしてその話はひとまず置いといて、
隣子の話を聞いて欲しいとのことなので、聞くことになりました。
長くなるので要点だけを書き出すと、
今日のイベントというのはア○ウェイの集会であったこと。
隣子自信は入会しているわけではなく、友人にどうしてもと誘われていたこと。
ひとりで行くのは不安だったので俺を誘ったこと。
友人から硬く口止めをされていたこと。
などの話を聞きました。そして…。