最初の十年は、やる気満々だった。
電撃文庫の新刊が発売される度に電撃の缶詰をチェックして、期待に満ちた顔で公式ホームページから新刊情報を入手した。
その期待はいつも裏切られてばかりだったけれど、瑞っ子は決してへこたれなかった。
ときどき、既刊から一冊を取り出して再読したり、皿回しが皿をまわすようにドラマCDをぐるぐる回して遊んだりもした。
今日こそは、今日こそはEGFの出版が発表されるに違いない――毎日そう思っていた。
次の十年は、反省の十年だった。
EGFが出版されないのは、きっと自分の心がけが悪かったせいなのだと瑞っ子は思った。
ただで出版してもらおうなんて虫のいい考えだったのだ。何かお礼を考えておかなければいけなかったのだ。
EGFが出版されたら、発売日に買いにいこうと瑞っ子は決めた。
次の十年は、さらなる反省の十年だった。
EGFが出版されたら、発売日に買いにいくし、保存用にもう一冊買うし、友人への布教用に三冊目も買うし、
テレカやストラップも全部買うし、もし欲しいと言われたらよしみるにファンレターもあげよう、と瑞っ子は決めた。
そして、最後の十年をかけて、とうとう瑞っ子は悟ったのである。
デストロイの季節など、永久に訪れはしないのだということを。
ルノア隊のみんながかわいそうだった。
秋山瑞人総合スレ36th 朧・スカイウォーカーの三十六番目
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