高一の頃、同い年の従姉妹と付き合っていた頃がある。
従姉妹の家族とは、昔から自分の家族と一番仲が良かった家族で
ガキの頃は家も近かったこともあって、良く逢っていたように覚えている。
ばあちゃんの家の近くで、彼女と仲良く遊んでいた時(今思えば、アレは
いじめられていたような気もするのだが)それが僕の初恋だった。
小学〜中学の頃は自分の家族に引っ越しが多かったせいで、あまり
従姉妹と会うこともなかった。でも高校の時に、ようやく一カ所に定住する
ことになり、再び、彼女としばしば会うようになった。
高一の夏。彼女の一家と自分の一家で、一緒に旅行に行った時のこと。
いつものような明るい表情ではなく、どことなく哀しそうな表情をしている彼女。
さりげなく話を聞いてみると、ずっと好きだった先輩に告白したけど、その先輩
には既に彼女がいて断られたと。
その時の僕はと言えば、中3の時に付き合っていた子とも別れ、しばらくは
恋人なんかいらないとか思っている状態で、従姉妹に対しても下心とかは全く
無しに、相談に乗ってあげた。
そして旅行の期間中、延々と彼女の話を聞いているうちに、彼女にも徐々に
笑顔が戻ってきた。そして旅行最後の日、彼女の「ありがとう、もう大丈夫だよ」
というセリフと、精一杯の笑顔。その瞬間、僕は彼女に恋をした。
(以下続く)
218 :
名無しさんの初恋:02/02/19 19:20 ID:uZnUwcn9
たぶん前に既出だろうけど、このスレ名、助詞の使い方おかしいよな。
旅行から帰って、しばらく経った頃。
彼女と妹でディズニーランドに遊びに行くとのことで、家が近い僕の家に
泊まりがけでやってきた。(僕の家は市川市行徳というところにあって、
自転車でも行ける距離)
あの時から彼女に恋をしてしまっていた僕だったけど、従姉妹と言うことも
あって、この想いは胸の内に留めて置かなくてはと思っていた。
そして、彼女と妹と僕の3人で遊んでいる時も、彼女に僕の想いが
ばれないようにと、わざと素っ気ない態度を取っていた。
内心、すごく哀しかったけれど。
ディズニーランドでさんざん遊び疲れた夜、パレードを3人で見ながら、
彼女は僕に、こうつぶやいた。「しゅうちゃん(僕の愛称)この前はすごく
優しかったのに、今日はなんだか冷たいよね」
僕は慌てて「そんなことない、いつも通りだ」と返した。
すると彼女は哀しそうな顔をして「しゅうちゃんのこと、好きになって
いたんだけどな...」
僕は返す言葉もなかった。
わざと彼女に対して冷たくしていた自分に嫌気がさして、だけどここで付き合うという
関係になったら叔父叔母にも会わす顔がないとか、自分で自分に混乱をしていた。
帰り道、寂しそうな顔をしている彼女と、肩を落としている僕に、彼女の妹は
「どうして二人とも暗い顔してるの?」と不思議そうな顔をしていたけど、
僕等は答える言葉も思いつかなかった。
それから会話もなく、3人で僕の家に戻り、すぐに布団に潜り込んだ。
だけど、なんだかそのことが頭の中をグルグルしていた僕は、なかなか寝付けなかった。
1時間くらい布団の中でもがいても、全く眠気はやってこなかった。
仕方なしに、少し外でも散歩してこようと、僕は玄関を出た。
すると、そこに彼女がいた。
「どうしたの、こんな時間に?」僕は平静を装いながら問いかけた。
「なかなか眠れなくって...」彼女もいつもの笑顔で、そう言った。
(以下続く)
そのまま長い間、二人で、黙りこくったまま、玄関前に座り込んでいた。
彼女はずっと、下を向いたままだった。
静寂に耐えかねて、言葉を発したのは僕の方だった。
「ごめん、でも、うれしかった」
「どうしてしゅうちゃんが謝るの? 変なことを言ったのは私の方なのに」
彼女の言葉は優しかった。それでも、彼女の想いが僕には痛かった。
それでも、しっかりと伝えなければいけないと、僕は肌で感じていた。
「冷たくしていたのは、確かだから。ホントは優しくしたかったんだけど」
そこまで話したところで、僕の言葉は続かなくなってしまった。
だけど、無性に彼女のことが愛おしくなって、僕はそのまま、彼女を抱き寄せた。
「しゅうちゃん...?」
「ホントにごめん、こんな事しか出来なくて」
「こんなことって...」
そして彼女は、戸惑いながらも、こう続けた。
「いいの? これが答えだって、信じちゃって」
「うん... けいちゃんのこと、好きだから」
「ありがと...」
そう言いながら、彼女は両腕で、僕のことを抱きしめてくれた。
それから二人で、おやすみなさいをして、布団に潜り込んだのは夜の3時くらい。
寝付けなかったのが嘘のように、その夜はぐっすりと眠ってしまった。
そして朝は、二人で思いっきり寝坊をして、起きたのはお昼前くらいだった。
起きて、ご飯を食べてから、妹を連れて3人で、家の近くの公園で遊んでいた。
昨日の夜とは全く違う、僕等の明るい表情に、またも妹は不思議そうな顔を
していた。
彼女とは目が合うたびに、なんだか恥ずかしくって、だけど嬉しくて、
二人で顔を真っ赤にしていた。
(以下続く)
それからの僕等は、毎週のようにデートをして、同じ時間を共有していた。
もちろん、お互いの親には、付き合っているということは内緒だった。
だけど付き合いだしてから1年くらい経った頃、こんな秘密の関係もつらいね
ということになって、二人で相談した結果、恋人という関係は終わらせる
ことにした。
もっともその後も、二人でちょくちょく会っては、お互いのいろんな事を
相談しあう関係は続き、今ではいい酒飲み友達の1人だ。
今でも、彼女のことを好きなのかどうかは、僕には分からない。
だけど、そんな関係だったことに、僕は後悔どころか、むしろ誇りに感じている。
(長文、失礼しました(^^;