よし、似たようなことを付け加えながら書こう。
ロックの誕生
50年代にRock'n'Rollとして3コード、ハネたリズム標準装備の音楽ができました。
エルビス、バディホリー、チャックベリー、リトルリチャード、などなど。。彼らは
白人はカントリーの血で黒人のR&Bを、黒人はR&Bの血で白人のカントリーを
自分なりに取り込み、そういったRock'n'Rollを作り出しました。
60年代にビートルズの登場で一気にユースカルチャーが発展します。丁度
戦後ベビーブームの時生まれた若者達は自身の市場を拡大していき、音楽
、映画、ファッション、その他で階級に関係ない購買力を見せるのです。
その60年代に、音楽でそれまでポップスと呼ばれていた音楽が次第にロック
と名前を変えていきます。ここらへんがロックの誕生です。それまでのロックは
Rock'n'Rollの短縮形だったのですが、この時代からロックは特別な意味を
持っていくのです。
ロックの発展と衰退、創造と破壊、そして再創造へ
60年代中期、ロックは発展していきます。ビートルズばかり名前を出して
申し訳ないけど、彼らもこの時期サイケデリックな感覚や、ドラッグ、アシッド
から得られた非現実的な音を目指していきます。また一方では相変わらず
単純明快なロックを続けるものもいましたが全体的な流れではロックは
やや小難しいものになっていきました。やがて、その流れはプログレッシブ
ロックやハードロック、メタルなどを主体にして動いていきます。
ピンクフロイド、YES、FREEとかだと思うんですが、
なにせパンクスはI HATE PINKFROIDだもんで詳しくありません。。
丁度その頃にロックに「行き詰った感」が流れます。特に若者に。。
ロックを作った世代の若者はもう若者じゃなくなっていたんですね。おっさんですよ。
そして当時アンダーグラウンドかつサブカルチャーな音だったシンプルな
ロックを再びメインに戻そうとしたのがパンクだったのです。その音は75年
USでラモーンズやモーターシティ系の音、グラムロックの一部に現れていました。
ロックンロールの復活の前兆です。これをUSパンクと呼びます。UKでは
シンプルなロックはパブロックと呼ばれていました。彼らはR&B寄りの
音で力を蓄えていたのです。
若者の怒り爆発、77年の理由
77年UKでそれは起こります。キノコ頭マルコムが仕掛けたバンドセックスピストルズの
登場です。彼らはセールス的にも、インパクト的にも、それまでのものと一線を画していました。
市場がパンクに目を向けた瞬間です。要はパンクがロックのメインカルチャーに躍り出た
ことを意味します。76年にダムドは既に音源を出していますが、比じゃなかったんですね。
それまで溜め込んだエネルギーが一気に噴出します。それまでグラムやパブロック、
ハードロックなどをやっていた人たちの一部もこの流れに便乗しようと、パンクを、
ピストルズを真似てパンクバンドを結成しました。クラッシュなんかもその中の一つだったり
します。
マルコム余談
「セックスピストルズより○○の方がパンク!!」という書き込みをたま〜に
見ますけど、今見たように、パンクはこういうものなんです。それを自分の
中に理想的な、排他的な、堕落した、タイトな、ジャンキーな、狂気に満ちた、etc.
など勝手に、もしくはなんらかに吹き込まれて、パンクの誇大妄想を抱いちゃう
人がいるんですよね。「ピストルズはは商業的だからパンクじゃない」も
同じ。パンクは商業的じゃダメなんて・・・・、まぁ誰かが言ったんでしょうね。。。きっと。
そんなことないですから。そいつがどういう視点で見たのかわからないですが
ピストルズはパンクなわけです。
それと、マルコムが狙ったパンクの意図は「無」なんですね。
アナーキー。。。みんなパンクスなら一回、いや百回は口にしたであろう単語。
意味は「無政府主義者」であって「反政府主義者」ではないんです。No Future for you.
「お前に未来なんかねーぜ。」。。そう「無」なんです。ここにパンクを少し
ややこしくする原因があると思います。まぁ、余談ですからいいですけど。。。
セディショナリーズに見られる過激なイメージもパンクの一要因ですね。
60年代UKでロッカーズなる若者のバイク集団がいたのですが、ヴィヴィアンは
そこからパンクファッションの原型を得ています。彼女のブティックの名前の
変遷がそれをよくあらわしていると思います。
そして、パンクス御用達革ジャンの原型は戦時中ゲシュタポの制服だったことや、
ゲイのマスト(?)アイテムであったため独特の雰囲気をかもし出すものでした。
それに身を包むロッカーズ、そして彼らの永遠のイコンであるジェームスディーン
によって黒い革には「若さ」「性」「死」の三つのイメージが加えられます。
それは今時代に革ジャンを見たときの異様な、特殊なイメージの根源だと思われます。
このようにパンクの要素はたくさんあり、音、服装、時代、若さ、ある種の暴力性、
奇抜さ、死、セックス、退廃的、かつ前衛。。。これらが丁度いいバランスで初めて
パンクが構成されるわけです。さっき誇大妄想と言い切ったものも、バランス次第では
パンクの大事な一要素です。つまり時代がすべてを決めていたのだと思います。
現代の・・・・・パンク、パンクの形骸化
ここで、今に目を向けましょう。時代がパンクを決めるのに、なんで今の時代に
パンクはあるのだろう。。そこです。要はパンクのイメージを剥がして、あてつけてる
だけなのです。麻薬中毒者が街でナイフを振り回す。これも「パンクだなぁ」と
言えてしまうでしょう。パンク(特にシド)から麻薬中毒のイメージと、狂気性を
剥がしてそのジャンキーにあてがって「パンクだなぁ」と言ったに違いありません。
パンクの形骸化です。
そして、どちらかといえば「反」のパンクであったクラッシュのイメージを剥がして
今の「反戦」にあてがってパンクとされたバンド、または自分達からパンクバンドを
名乗っている人も多いでしょう。。これもパンクの形骸化です。極論を言えば
クラッシュもピストルズからイメージを剥がしてあてがったバンドでした。しかし
時代がど真ん中だもんで、パンクバンドなわけです。
もとい、パンク誕生以前にもこういった「反戦」や「〜自由化」の動きはたくさんありました。
ヌーヴェルヴァーグの巨匠ゴダールやレネ達が作ったヌーヴェルヴァーグ(仏語で新しい波)
の流れです。彼らも当時若くて、それまでの古い流れに反発して自分達の流れを
つくり、また「ヴェトナムから遠く離れて」でヴェトナム戦争批判もしました。
これにパンクのイメージをあてがえば、ゴダールはパンクじゃんという解釈も
できます。しかし、時代的に見ればパンクってヌーヴェルヴァーグじゃんという見方も
できます。
つまり現代のパンクは、そうやってお互いのイメージの関連性から、時代の異なった言葉を
引き合いに出して使っているだけなんです。
結論
「〜はパンクなんですか?」といわずに自分の耳で判断しましょう。
パンクを捨てましょう。それに、パンク聴くなら初期パン聴きましょう。
初期パンはいーぞぉ。。独特のかっこよさがあtt(ry
結局は「パンクって何」なんて気にすることは無いわけであって、好きに
聴けばいいってことです。変にパンクっていう言葉を使うから、互いに
言い争いになったり、また誤解が生じてくるのです。
以上。俺の解釈ですた。ご清聴センキュー