週刊新潮 2004年7月15日号 138頁より
TEMPO TOWN
史上最大摘発で変わる「外人ホステス」地図
取り締まりはまだまだ続く
6月29日、都内の某クラブでは約30人のフィリピン人女性が酔客の相手をしていた。
そこに突如現れたのが法務省入国管理局と警視庁の職員約40名。ビデオで接客の光景
を撮影された女性らは、番号札を貼られた後に身柄を拘束された。
「彼女たちは興行ビザで入国した芸能人。もちろん接客行為は違法ですが、これま
では黙認されてきたんですよ」(クラブの経営者)
入管は今年4月19日から6月18日まで集中摘発を行い、検挙した外国人は1699人。
約半数がホステスやエステ嬢として働いていた女性たち。2ヶ月間では史上最大の数
だそうだが、この摘発作戦、まだまだ続きそうなのである。
警視庁は今後も、池袋、新宿、六本木の3地区で集中的に取り締まる方針を打ち
出しているし、入管も手を緩める気配はない。
「興行ビザによる外国人女性の入国については、米国から人身売買の温床になる
との指摘を受けている。政府は、その調査と共に25万人いる不法滞在者を5年で半減
させると言明しています」(法務省担当記者)
興行ビザで入国する外国人は年間13万人。
「うち8万人がフィリピン人で、続いて中国、ロシア」
とは外人ホステス事情に詳しいジャーナリスト。
「興行ビザの女性を締め出せば、店は観光で来日し不法に働く女性を活用せざるを
得ない。フィリピンや中ロの女性に代わって、観光入国に際してビザを免除されている
ポーランドやチェコ、ハンガリー、バルト3国からやってくるホステスたちが激増する
でしょう」
週刊新潮 2004年7月15日号 138頁より