アフォーダンス

このエントリーをはてなブックマークに追加
664164
>>659
 たしかに操作的定義について生物学の現場で習うことはなかった。これは白状しよう。
 しかし、幸い、私は一応少しは心理学関係の本を読んでいるので、ここでは操作的
定義が重視されていることには気がついている。
 ただ、日常用法でもそうだが、「自発性」というのは広い概念であり、私の考えでは
自発性はあらゆる生物があらゆる行動を開始する際に現れているので、かえって厳密に
定義しづらいものがある。しかし、あえて例を用いて述べると、ある脊椎動物の頭部を
固定して、ある一様な視界を呈示した時に、その動物が眼球を動かすのが「自発的な」
行動であり、「自発性」の発現である、ということにしておこう。
 これでよろしいか?


>>661
> 刺激は提示されるものだけど、アフォーダンスは見いだされるものっていう違
> いはない?スキナー的行動主義が「主体軽視」と思われるのはその辺に理由が
> あるのではないかとふと思ったりしたもんで・・・。
 たしかにこのことも、私が行動主義が主体性を無視していると感じるひとつの要因だ
と思う。そして、>>661が述べるように「刺激による行動制御」というパラダイムに
こだわり、主体性を軽視した研究者も行動主義者の中にいるだろう。もちろん、私は
この一群の研究者を攻撃している。

>オペラント条件づけはそもそもオペラントのランダムな自発によって生体が
>「環境の情報を探索する」(アフォーダンスを探索する,でもよい)ことが
>本質中の本質なのに,それを忘れて行動の「先行刺激」の分析に集中して
>しまっている。
 は、行動主義者がパラダイムの変化に抵抗することなくアフォーダンスパラダイム
と融合すること(あるいは吸収されること)を目指した試みであると私は感じる。


>>663
> a)自発運動がなぜ視運動反射によって妨害されないのか
> b)自発運動はどのように開始されるのか
>という問題を混同しておられるように感じます。
 というより、Holstの例がふさわしくないのは気がついていたが、あの時はとっさには
よい例が見つからなかったので、あえてこの例を出したものとご理解いただきたい。
 で、もちろん私は b) を問題にしている。これがアフォーダンス論では扱われて
こなかったのではないかと言っている。


 以上に基づき、>>520>>559で述べた、「神経細胞は自発的に発火する傾向があり、
それが動物個体の自発性の原因ではないか」という考え方はたしかに私の直観にすぎ
ないのかも知れないが、この十数年来、私が温めてきた、価値のある研究テーマだと
考えているのだが。