アフォーダンス

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直近というのはあまり聞き慣れない言葉だが、少し調べてみたところ、特に生態学で
至近(または直接)要因に対する究極要因が最近のテーマらしいことがわかった。
確かに従来の生物学では、系統樹に沿った動物の比較から脳がどのようにして
大きくなってきたかは教えてくれるが、なぜ脳が大きくなる必要があったのかは
あまり研究対象にされてこなかった。他者の気持ちを知るために意識が進化して
きたという説明も、今はまだお話レベルであってもこれも究極要因を探る一つの
方向なのだろう。

このスレを最初から読み直してみて、私も最初はかなりとんちんかんなことを
言っているのがよく分かった。確かにリアルで参照されるべき環境の側にその
構造を物語る情報があり、それを脳がおおむねうまく解釈しているのだろう。
慣性モーメントも、それが物体のもつ、その構造を物語る情報なのだろう。

しかし、それを理解する過程で私自身のもつ関心も見えてきた。ボールを持とうと
する手の形と壁を押そうとする手の形が違うという例を挙げたように、私はやはり
表象と呼ばれる何かが脳内で形成されると考えている。また、進化が進んで脳が
環境を完全に解釈できるようになったとして、ではそのとき、環境の持つ構造を
理解すれば行動が完全に予測できるかというと、私は違うと思う。脳はやはり
環境とは独立で、あくまで環境の持つ情報を積極的に利用して身体をドライブ
しようとする存在だと考えている。意図、あるいは自由な意志。これに関して
スキナリアンやギブソニアンはどう考えているのだろう。