アフォーダンス

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 すまん、242で錯覚から攻めるのは有効ではないといったが、皮膚感覚で
1本の鉛筆が2本に感じる錯覚は論じるに値すると感じたので以下、それを
述べてみる。
 鉛筆の例は指だったが、足を交差させてその間に杭を挿入した場合も
同じ錯覚が生じるだろう。そして1本の杭に接触した場合は単に杭から
遠ざかればよいが、2本の杭で挟まれた状態は捕らわれたという感覚を
生じる。言い換えれば、2本の杭で身体を挟まれた状態は、杭と身体
との関係性において「捕らわれた」というアフォーダンスを持つ、と
言える。しかし、現実は交差した足の間に1本の杭が挟まっただけ、
足が1本の杭を挟んでいるだけなのだ。
 今地震が起こって壁が崩れ落ちてきた。あなたは逃げる間に瓦礫に
つまづいて足を交差させる形でうつぶせに倒れた。そのとき、交差した
足の間に杭がドスンと落ちてきた。あなたは幸い救助隊に発見され、
上半身から引き上げられることになった。あなたの交差した足の間には
1本の杭が挟まっているだけなので救助は容易と思われた。ところが
あなたは上記の錯覚により2本の杭の間に足が挟まって逃げられないと
感じている・・・