1 :
名無しさん@お腹いっぱい。:
岸田秀って学問的な評価はどうなの?
現代思想入門みたいな本ではちょっと名前が出てくるけど
基本的にバカにされてるみたいだ。
おおざっぱというのはそうかなーとも思うけど
いってることはそれなりに面白いと思うんだけど。
2 :
ES:2000/11/03(金) 20:29
確かにおもしろい。
が、実際に同じような自己分析なんぞやった日にゃ鬱になる。
3 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2000/11/03(金) 20:36
なんでもかんでも「それは幻想にすぎない」と主張して相手をしらけさせ
ファイトを喪失させるのが好きなひねくれ者。それが岸田秀だ。
人間は壊れた動物って言ってる人?
5 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2000/11/03(金) 20:52
ラカンと似てるってほんと?
6 :
ES:2000/11/03(金) 21:44
>3
逆にすべてが幻想なら何やってもいいとか考える奴もいないではない。
>4
”本能の”壊れた動物。
7 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2000/11/03(金) 23:27
岸田は翻訳家として日本の心理学界に貢献しているよ。
学生時代から岸田の語学力はずば抜けていたようで、
仏語の辞書の何ページの何番目がどんな単語か覚えていたとか、
早稲田の心理学教室で唯一思弁的な論文で卒業を認められたとか、
いろいろ伝説が残っている。
8 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2000/11/04(土) 01:05
「私に言わせれば」すべて幻想だ。
「私に言わせれば」両者気を付けていくしかない(爆)。
9 :
心理学卒業:2000/11/04(土) 13:06
ラカンとは似てない。
10 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2000/11/04(土) 16:37
ラカン→わかりにくすぎ
岸田→わかりやすすぎ
11 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2000/11/04(土) 23:21
あの人って典型的アダルトチルドレンだと思うけど、
本人はACには言及しないよね。
AC概念に批判的なのかね。
12 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2000/11/05(日) 01:10
前にも書いたけど、「自己分析と他者分析」KKベストセラーズ という対談本の中で
岸田秀が町沢(げげ)に簡易分析を受けている。岸田幻想論の出自がよくわかる。
岸田幻想論の鋭さとやりすぎが何故おこったのか、読んでると良くわかる。その拘泥は
結果として日本人向け精神分析入門書として、ものぐさ精神分析はベストセラーにした。
13 :
ES:2000/11/05(日) 17:09
>11
「「日本人の不安」を精神分析する」大和書房 を参照。
>12
現在、集英社文庫で「自分の心をどう探るか」という題ででている。
14 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2000/11/06(月) 00:02
>現在、集英社文庫で「自分の心をどう探るか」という題ででている。
そのタイトルだったら絶対に買わなかったのだが・・・。
後で文庫にする時は、売れセンのタイトルにするとは、心理学者おそるべし(笑)
15 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2000/11/06(月) 03:02
このスレ、タイトルは挑発的だけど、
岸田秀のことをあんまり悪く言う人はいないね。
みんなイカサマ精神分析がけっこう好きなんだね。
16 :
:2000/11/06(月) 04:17
イカサマじゃない精神分析なんてあるのか?
17 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2000/11/06(月) 21:20
岸田秀というのは「通過儀礼」ぽいな。読みやすいし内容も理解しやすい。フロイトよりもずっと誤読されにくい。
あれ読んだ後、それをどう自分のなかで消化していくかというのは、人それぞれ。わりと消化不良されにくい物件
である点はよろしい。フロイトの原著は胃に悪い。
18 :
ES:2000/11/06(月) 22:54
>17
>フロイトよりもずっと誤読されにくい。
というよりもずっと誤訳されにくい。
結構あるんだ、これが。
たまに日本語も読めん奴もいるが。
19 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2000/11/07(火) 00:16
フロイトの独語というのは名文なんだそうだな。一応英文も独文も学生の頃買ったが
若気の至りという以外にいう事ないね。本棚に飾って他人を牽制するにはいいかもしれん。
いまさら言う話でもないが、フロイト理論というのは時代につれて変遷が著しくて、
原著をいちぶ齧っただけではついていけん。結局、小此木先生の精神分析セミナーみたいな本で
総括している本にたよったりする。 岸田精神分析のいいところは、ほとんどが一貫している事。
それが、ま、限界でもある。世の中ちょっと朧でわかりにくい話のほうが、いろいろ良き誤読にも
あって出世したりするな。難解というのはそれだけで無意味に値打ちがでる。欺瞞か・・・。
20 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2000/11/08(水) 22:51
しかし、臨床をやっていないのに
精神分析について論じるってOKなの?
科学性や客観性の検証のとぼしい
精神分析という学問の根拠になるのは
臨床でしょう?
もともとそのために出てきた学問なのに。
21 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2000/11/08(水) 23:21
うん。あんまりOKでない。あの人の臨床経験は自分自身だけなのかもしれない。(笑)
岸田精神分析って、結局「日本文化」を対象にして精神分析の理論を当てはめた
というところがあるから、その日本文化論という総論の中で個人も語られている。
読んだ人が机上の論理とは感じない筆力というか迫力は、唯一の患者(!)を相当に熱心に
診たからでしょ。そのへんに仕掛けがありそ。
それよかラカンとかがなぁ(騒動おこすつもりはないが)、理論の存在のために
臨床があるようなところがあって、臨床的には全く役立たない(断言、ごめん)。
フィードバックがなくブラックホールのように一方通行なんだなぁ。
22 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2000/11/10(金) 03:40
和光卒の某カルスタ学者は
岸田萌えだったらしいしね
23 :
ものぶん:2000/11/11(土) 00:55
>22
岸田秀は確かに自分という本人とずーーーっと向き合ってきただけある。おそらく、その辺の臨床家よりははるかに鋭い洞察力を持っているであろう。岸田、臨床家両方に接しての感想。
24 :
ものぶん:2000/11/11(土) 00:57
↑失礼<21の間違い
25 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2000/11/11(土) 02:01
ふんふん。岸田秀の抱えていた問題というのは彼の著作にほんとに繰り返しでてくるもんねぇ。
初老期に防衛しきれずdepressiveになったとこみるとそうとう深刻だった。それゆえの力強い理論構築でもある。
臨床家もすべからく教育分析まではうけないにしても、自己分析をある程度できて自分自身のバイアスの程度を
考慮していなければならないのだが、一応防衛できている問題をわざわざ自分で掘り返すと言う事は、ひじょーに
わが心を傷つける苦痛な作業であって、ついつい怠る。うまくやれるとひじょーに爽やかスッキリなんだけど
その過程がしんどいんだなぁ。必要に応じた時に適時やる程度でごまかす。
26 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2000/11/11(土) 04:01
彼の文明批評ってかなり納得できるところが多いんだけど
どうなの?
27 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2000/11/11(土) 13:29
そいつわー哲学板か社会板みたいな所で聞かないと、ここに居る人は岸田秀を先に読んで
社会文明を覗きこんでいる人が多いからねぇ。私も「なるほど〜」とは思うほうですけどね。
そもそも「幻想論」というのが多分に吉本隆明の「共同幻想論」と重なる部分もあって、
思想系の人には受け入れやすかったのではないかって思いますが。
岸田秀って本当にものぐさらしくて書くのが面倒なのか、対談集が多いんですよね。
かなりの一致点を見出しつつ、この一線は譲れんという対談していたのが、現代思想紹介本で
有名な(怒るかね?)竹田青●さん。古い本なのでポイント忘れちゃったよ。本にメモ書き多いんだけど。
「現在との対話3 岸田秀 物語論批判/世界・欲望・エロス 作品社」
28 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2000/11/11(土) 17:04
20.21の言う通りだと思う.
岸田氏は臨床経験に乏しいから,理論が一貫してるんだろうけど(ていうか,ひとつしかない).臨床やっていると,どんどん「自説」を変更していかないと追いついていけないよな.よくいわれることだが,「患者は教科書の一歩先をいく」.理論も同じだろ.
羅漢の臨床での使えなさはなんとかならんか.なんていうか,自己完結しているというか(あ,だから「理論」なのか?),フロイト理論のように後継者が理論をさらに展開する隙のようなものがない気がする.どうだろう.
29 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2000/11/11(土) 19:49
>26 岸田秀の文明批評は大雑把な理解にはなるけど、精緻な分析ではないから
現実の問題の対処にはあまり役に立たないような気がする。概説的という
か。だから破綻が少ないのだろうか?
30 :
名無しさん@249etc(笑):2000/11/11(土) 23:27
つまるところ岸田秀っていうのは日本文化の土壌に精神分析理論をあてはめた。それを割と平易に語った。
実はその底辺には母親との葛藤があり、それが幻想論を邁進させる原動力だった。そーいうことだと思うが
日本文化への能書きは(批判はそりゃあるにせよ)十分に説得力を持っていたし、なぜか日本文化を語る中で
結果的に、一般への精神分析の「日本的!」知識の啓蒙に一役かった。ま、そんなとこでしょうか。
31 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2000/11/15(水) 17:29
mm
32 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2000/11/16(木) 02:54
岸田はかつて、学術論文を書いていない、という理由で文部省から攻撃されていたが、誰も読まないようなつまらない論文書より、岸田の「人生論」の方が余程面白いと思うぞ。
33 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2000/11/16(木) 09:04
そ・・・それを言うと、誰も読まない難解な分析の本より週刊誌のほうが面白いという理屈も・・・
02:54に書き込む人に、それを言ってもしゃーないでしょ。
35 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2000/11/16(木) 17:52
02:54にしては、極めてまっとうなほうだと思いますけど。やっぱ三時、四時は濃いです。
36 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2000/11/17(金) 17:58
>32
岸田の場合はともかく、文系学者は有名になると硬い「学術論文」より、
むしろ厳密さに欠ける「エッセイ」を書くようになるよね。特にメディア
に露出の激しい人は。
専門の人しか読まないような学術論文書くよりも、一般に訴えたいものが
あればエッセイというかジャーナリズムな文章を書くようになる。
でもそれだと、象牙の塔の学会受けはよろしくない、といったところか。
岸田は平易にものを語りすぎて自分の評価を下げているようだ。
専門用語を駆使していて無駄にわかりにくい文章は論外として、平易に
ものを語るということは語る対象を過度に単純化するという側面がある。
それが岸田は「おおざっぱ」であり、反面「わかりやすい」という評価
につながっている。
37 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2000/11/17(金) 23:59
中学生の頃に、伊丹十三と対談してた本を読んだけど、それはかなり面白かったな。
主張の賛否は別として、他の心理学者ももう少しわかりやすい本を書いてほしいです。
あの当時、読みやすかったのは岸田秀くらいだったんだもん。
38 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2000/11/18(土) 01:09
32です。
投稿時間で判断されるとは、いやはやすばらしい価値観をお持ちのようで。ところで、私が言いたかったのは、岸田の本が学術論文よりも読む価値があるかどうか、ということではなく学術論文を持ち出して、岸田を非難する文部省や学者はどうかと思うよ、ということなんだよ。
39 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2000/11/18(土) 15:52
価値観じゃなくてこの板で経験されるよくある事実ですよ。32はあてはまらんと書いてるん
だからそうケンつきなさんな。だいたいこのスレは意見のブレの範囲が非常に狭い。岸田秀を
読んだというフィルターをかけると、これくらい平均化されるものかと妙なところで感心してる。
40 :
ES:2000/11/18(土) 19:33
>37
「哺育器の中の大人[精神分析講義]」朝日出版社のレクチャーブックスの中の一冊。
現在、同題で文春文庫から出ている。
他に、「幻想を語る-1-」(河出文庫)中でも対談している。
41 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2000/11/22(水) 02:42
しかし何で著者近影がみんなガイコッツみたいんんだ?
圧そうか、そういうルックスの人なのね。
岸田がインチキよばわりされるのは、
岸田が珍しくコワモテで批判するユング的原形論のような
日本人論をやるから。
けど、フロイトと初期ユングの微妙な関係がそこから
見える、とオレは勝手に夢想してますが、、、
43 :
名無しさん@お腹いっぱい。:
岸田の日本人論は単純化が過ぎる嫌いはあるけど、オカルト心理学派のユング
とは一緒にできない。元型なんて概念は、あまりにも根拠レスなので説得力が
なさすぎる。岸田のいってることは、根拠レスだけど、説得力がある。フロイ
トもそう。