岡田さんと自傷との出合いは大学時代。
友だちの自傷を身近なテーマとして自然と撮り始めた。
02年には生気のない子どもの表情をテーマにした作品
「Platibe」で第4回富士フォトサロン新人賞を受賞、
評価を得た。しかし翌03年、自傷がテーマの写真集
「Cord」を発表すると周囲の反応は一変。
「イメージが悪くなる」と写真展開催やカメラ雑誌への掲載も断られた。
自傷へのタブー視は今なお強いが、岡田さんは
「外国の戦争の生々しい写真には関心を寄せるのに、
なぜ国内の若者の現実から目を背けるのか。
勇気と覚悟を持ってモデルになった若者の思いを黙殺しないで」と語る。
写真集の最初には自傷経験のある妊婦を、
最後には自傷跡だらけの腕の女性と固く手を結ぶ男性の写真を配した。
表紙には、本を手に取る人の顔を映す鏡のような紙。
「自傷者とあなたの顔とはそんなに違いますか。
僕もあなたも彼ら彼女らも、同じように生きている」。
そんな岡田さんの思いが込められている。
◇10〜20代に広がる自傷
孤独や不安、怒りなどをやりすごすため身体の一部を傷つける「リストカット」などの
自傷行為は10〜20代を中心に広がっている。
国立精神・神経センター精神保健研究所の松本俊彦医師らのグループの調査(04年)では、
ある私立女子高2年生126人の14・3%、別の公立中学校2、3年では女子238人の9・3%、
男子239人の8・0%にそれぞれ刃物での自傷経験があった。
(終)
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