トランスパーソナル心理学

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314分析と戦略

そのニヒリズムだが、「高校教師」というテレビドラマの一場面を思い
出す。いや、いまやっているリメイク版ではなく、オリジナルの桜井幸子、
真田広之が出ていたやつである。

あれは、「いまの世界に生きていることに対する『魂の叫び』」を表現
したものだ、と私は受け取っていた。つまり、「ここは一体何? 私は
いったいどういう世界に来てしまったの?」ということで、この世に来た
魂が、この世そのものが「狂気」なのではないかという発見に悲鳴を
上げているのである。

(ちなみに、いまはあまり転生経験の少ない魂も来ているらしく、そう
 いう魂はこの世界があちらと比べてあまりに狂っているので、もの
 すごい恐怖を覚える場合があるらしい。引きこもりと言われるケース
 はそういう魂のことが多いような気がする。この問題は、こういう
 霊的視点がなければ本質的には解決しないだろう。性同一性障害
 の問題も魂と世界との違和が問題の本質である。「この世界はどこ
 か根本的に狂っている。そういう狂った世界で生きざるを得ないこと
 が現在の人間の本質である」と言うことができない者は、思想家たる
 資格はない。人間が宇宙原則を見失ったという「喪失」の絶望を知ら
 ない者を、私は思想家とは見なさない)
315分析と戦略:04/09/07 21:19

で、そのドラマで主人公の生物教師は、池に泳ぐ鳥たちを見ながら、
「生物学的には、生きるということには、何の意味もないんだよ」と
言う。それを聞いて、女子生徒(桜井幸子)はさめざめと泣く、という
シーンである。

宇宙と人間とのつながりを理解させるどころか、そのつながりの感覚
を崩壊させる学問など、どのような意味があるのだろう。

しかしもちろん、自然科学はダメだということがここでの趣旨なのでは
ない。あの生物教師の言葉は、「なぜこの世界は、生きていることの
意味を全く教えてくれないのか?」という魂の叫びだったのではない
か、と感じたということだ。その「もがき苦しみ」を過激に描いたのが
あのドラマだったのだ(少々過激すぎるが)。
316分析と戦略:04/09/07 21:23

世界イメージのその二だが、

2.世界はすべてつながっている、という直観を持っている。その無限
  の連鎖の中で、自分はきわめてささやかではあるが、不可欠のある
  部分を担っている。自分はいかにも小さいけれども、宇宙において
  ある大切な役割を持っているに違いない、と感ずる。

このグループの学生は魂が健全である。宇宙とのつながりを直観する
ことができている。このグループは、必然的に、「エコ」志向になる。
いわゆる「ジブリ系」でもある。また卒業研究に宮澤賢治を取り上げる
学生もけっこういるのだが(デザイン学科なので、絵本とかを作るの
だが)、たぶん彼女らもこのグループだろう。あるいは、自然の豊かな
田舎で育ったのかもしれないが、そこまでは確認できない。しかし
大都市の学生には少ないタイプと思われる。

このグループに対しては、「ホーリズム」、すべてがつながっていると
いうことが現代思想からも強く出てきていることを伝えれば、自分たち
の直観の理論的サポートとして受け止めることができるだろうと思わ
れる。私の講義が最も効果を生み出しそうなグループである。「三千
大千世界パラダイム」のイデーも、自分らの宇宙直観と近いので、
素直に受け止めることができるであろう。

ただし、この1と2のグループはオーバーラップしている。その間で揺れ
動いているような学生もかなりある。それに対しては、素朴実在論を
打破する手助けをしてやれば、2の世界観に移行できる確率が高く
なるであろう。