33 名前:ギボンヌ著 心理板衰亡史その10 投稿日:04/09/18 07:15:14
『第2期興隆期から衰亡期への変化は、単なるキリスト教徒の増加なのか?』
だが、ここには一つの謎が存在しているように思われる。
それは、ローマ市民が会話をする時でさえ、キリスト教徒のような
振る舞いが見受けられる点である。帝国において、学術的会話をするのみで、
他者の会話を笑い、茶々を入れたことがない人間など、一人として
存在しないだろう。
かつて、パルティア王国の民がローマ帝国を訪れ、元老議員の一人である
PPPと対戦したことがあった。彼は、「この国でのどつき合いは、あまりに
ひどすぎる。他の国では、最高の侮辱として通用する罵りが、この国では
日常会話として通用している」と述べ、帝国から去っていったのである。
このように、ローマ市民は他の国にないほどの激しいどつきあいを通じて、
侮辱に対する耐性を高め、大抵の「煽り、茶々」があっても、冷静に会話を
続けられる能力を持っていたのである。
それほどまでに高度な攻撃&防御能力を発達させた市民を滅ぼすほど、
急激にキリスト教徒が増加したのだろうか?
当然、かつてのローマ市民が転向したことによる増加もあるだろう。
また、キリスト教徒の脅威に絶望した市民が帝国を離れたことも
あるだろう。
だがいずれの要素も、初期にキリスト教徒が影響力をもったことの結果に過ぎない。
そもそも、なぜ、侮辱に耐えうるはずのローマ市民が転向、ないしは、離散を
遂げるに至るほど、キリスト教徒が勢力を持ち得たのか?なぜ、侮辱に耐えうる
市民が、絶望へと至ったのか?