Scientist-PractitionerとかEvidence-baseとか

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コピペ

802 :234じゃないが :03/09/06 22:32
こんなスレがあったのね。読んでみた。最初の方でロテさんが
「今では臨床もメタ分析とかやって効果を計ってます」と言って
たけど、メタ分析で「効果がある」というのは、かなり難しいだよ。

医学は知らないけど、心理学なんて「差がありませんでした」っていう
研究は、論文になりにくい。だから、「差があります」という結果ばかりが
蓄積されて、「差がない」という結果は闇の世界へ葬られがち。

「差があります」というバイアスがかかったデータをメタ分析して「けど、
エフェクトサイズは小さいから、あまり効果はないかも」という結果が出たら、
その結果は信頼性が高い。だって、元のデータが「効果有り=差有り」に偏って
いるのに、それと逆の結果がでたのだから。

逆に、メタ分析やって「〜の治療法には〜の効果があります」という結果が出ても、
公開されたデータが偏っている場合には、その偏りのせいかも知れない。いわゆる
出版バイアスという奴ですね。

これに対処するには、雑誌掲載の論文データではなく、研究者が集めた生データを、
バイアスなく集めて分析するしかない。けど、臨床心理では、この問題が扱われて
いないように見えるため、現状ではまだまだ「臨床は効果があります」という主張には
大きな疑問が残る。

ttp://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Library/6593/thesis.pdf
↑臨床の効果研究における出版バイアスの問題は、学部生の卒論でさえ議論されている問題。
803 :234じゃないが :03/09/06 22:34
なんか、祭りが起こってるらしいから、このスレも今夜中に消える
かも知れないけど、次スレあたりでロテさんからの現状報告を
お聞きしたいです。効果研究そのものの妥当性について、現場の
意見をね。

806 :234じゃないが :03/09/06 22:44
結論から言えば、メタ分析による効果研究が意味を持つためには、
データを集める研究者の中で、「メタ分析の論理と、その妥当性を
脅かすバイアスに関する知識」が、まんべんなく共有されている
ことが前提となる訳ですが、この点、現在の臨床心理界はどうなの
でしょう?

メタ分析をやって、信頼性の高い結果が得られるような、信頼性の
高いデータ集めが可能な人材は、どれだけ育っているのでしょうか?

直感的には、現在の臨床界とその教育体制は、まだその段階にまで至って
ないようにも感じられますが。