人は何故気配・視線を感じるのでしょうか?

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技能的に最も巧みなやり方でこの能力を検証したのはテキサス州、
サン・アントニオ市の認知科学財団に所属するウィリアム・フロイトと
スペリー・アンドリュースらが1980年代後期に行った実験である。

ここでも有線テレビが使われた。被験者にはビデオカメラが終始作動
している20分間、好きなことを考えながら部屋のなかでじっと座って
いてもらう。見つめる側は、実験施設の別棟にある視聴覚室のTV
画面に映った被験者を見る。

それまでの実験と対照的なのは、自分がいつ見つめられたかどうか
被験者は推量しなくてよいということである。その代わり、左手に
電極をもたせ、皮膚の電気抵抗を測定することで、その自発的な身体
反応を監視したのだ。この抵抗が変化すれば、嘘発見器のように、
交感神経系が自発的に活動しているということになる。

休憩時間をはさんだ、各30秒間の試行のなかで、被験者は無作為
順に見つめられたり、見つめられなかったりする。

実験結果は、被験者が見つめられていたときの皮膚電気抵抗には、
彼らがそのことを意識していなかったにもかかわらず、著しい変化が
認められることを示していた。

まとめて言うと、この主題については驚くほど研究がなされてこなかっ
たが、これまでの実験証拠は、人工的な条件下ではさして鮮やかに
現れないものの、見つめられている感覚が実在していることを示唆
しているのである。