しかし、コネクショニストが一般にこれだけ売れているのは、
「ニューロン」との類似性があるからでは?チャーチランドの
本を見てもそれはわかります。
>研究者がモデルを「どのレベルでとらえているのか」
と書いたとおり、モデルをあくまで「ユニット≠ニューロン」
ととらえる人と、そうとらえない人とでは、上の論文の受け取り方も
変わると思います。
が、部外者がニューラルネット研究に求めるのは、「脳の神経回路に酷似した
アーキテクチャ」で、どれだけの現象がカバーされうるのか、という問題です。
その問題に対する答えを探すために、「ユニット≠ニューロン」という前提に
たつ人たちの研究が役立てば良い...ということですが。
僕もそれほど強力にユニットがニューロンを表していると主張した
わけではないんですが,むしろ一連のニューロン群の代表だとしたほうが
現実性がありそうですねえ.
・・・ところで,『ヘッブモデル』なんでイタいの?『ヘッブ則』とか
『ヘッブモデル』とかって言葉は僕の周りの人日常的に使ってるけど.
誤差逆伝播法って生理的な妥当性ないらしいし,僕はこっちにひかれるなあ.
>むしろ一連のニューロン群の代表だとしたほうが現実性がありそうですねえ.
しかし「表象=ユニットは別のネットワークで構成される」という入れ子式の
議論で、上記論文が指摘した問題は回避できるだろうか(例:推移性の推論が
困難な点など)。
そんな簡単な話で回避できるなら、distributed representation一派が
とっくにモデルくらい組んでいるようにも思うのだけれど。
>267 本質的にはそれで問題なさそうなきがしますが・・・そこまでのはんしに
なると感覚でレスしにくいですね.もっと詳しい方のれすを希望します.
269 :
没個性化されたレス↓:03/02/11 18:54
おもしれえ。
270 :
没個性化されたレス↓:03/02/11 22:16
言葉足らず悪かったね
君が立てた「ヘッブモデル」スレが痛かったってこと
僕はこっちに引かれる、という一文からして君は
ヘッブ則モデルなら生理的に妥当と思ってるってこと?
ならやはり君は板のレベルを下げてるよ
>>270 たしかに生理的な妥当性とかはぜんぜんわかりません.ヘッブルールにちかいことは
ニューロン群間で行われているとききましたがどうなんですか?
ところで270さんは(僕と違って(笑))詳しいようなので,267の話について
どう思いますか?僕は感覚的にはすぐにもできそうな気がするんですが・・・.
Hebb則だけで全てが説明できるとは思わないが、
少なくとも海馬のLTPなんかではHebb則が成立していると
考えていいんではないの?
まあHebb則をそのまんま適応したらとんでもない結合荷重のシナプスが
出来てしまうゆえある程度の制限は必要かもしれないけど。
で、
>>270はどこへ?
こちらも良く知らないので教えて欲しかったのだが。
どっか勉強会探して勉強しようといまさらながらに思った.でも僕には
生理的な妥当性ははじめっからどうでもいいんだよなー.
>生理的な妥当性ははじめっからどうでもいいんだよなー.
ある意味、それはそうだと思うんだけどね。
「モデリング」という営み自体、現象のコアな要因だけに注目することで
「現象の背後にあるロジックをくみ出す」ことを目的としているのだから。
けれど、イマイチわからないのは、(伝統的な)認知心理が
対象とする要素=認知的表象をユニットとするNN研究の意味は
どこにあるのだろう?
これが「線型モデルでは扱えない現象を扱うために、非線形統計
モデルとしてNNを使います」とか、「工学的な問題を解くために
効率的なアルゴリズムとしてNNを使います」ってなら、生理的妥当性
なんて、それこそどうでも良い。
けれど、たとえば言語は生得的か?スレでもエルマンのモデルに対する
批判が引用されているけれど、ある意味、当然だと思う。「語、文法」という、
我々が実感できるレベルの要素に、NNを当てはめることの意味はどこにあるのだろう?
デモンストレーション?やるだけの価値はあると思う。ただし、エルマンが
意図したように「学習によって言語を獲得できるか?」という問いがある場合
には。
しかし、それ以外に「言語をNNでモデル化してみます」っていう研究には
どんな意味があるのだろう?これらもまた、エルマンが「目的としたこと」の
延長線上に乗っているのだろうか?
278 :
没個性化されたレス↓:03/02/14 10:42
工学系の学会なんかでずらーっと似たりよったりのモデルを羅列している
面々は、もちろんそのようなことは考えていないであろう。題目を埋める
のが目的だから。
279 :
没個性化されたレス↓:03/02/15 16:09
神経科学的に実物と完全に一致するモデルなど全く意味がない。
そんなら、実物のニューロン(もしくは脳)を調べた方が良い。
モデル研究の意義は実物ニューロンが持つ特性を「任意に」少し採り入れ、それにより
『面白い』機能が引き出せるかにある。もちろんその結果が実証できるものであれば言うことはないが、
そうでなくとも面白いと思える機能を引き出せれば、まずまず良しとする。
また、そのモデルが他の機能について予測できるならより良い。
それが実証可能なものならば、それは「モデル」ではなく「理論」になる。
>そうでなくとも面白いと思える機能を引き出せれば、まずまず良しとする。
そりゃ、もちろんそうでしょう。モデルを作るってのは、論理的可能性を
追求することだから。
ただ、モデルの意味を理解している人たち同士が、特定の問題から離れて、
抽象的なレベルでこんな話をしていても意味ないです。ここでの問題は、
「言語獲得」という特定の課題に対して、ニューラルネットを使うことの
「理論的な意味」です。
一つのとらえ方は、「統語構造が学習"のみ”で獲得可能であることを
デモンストレートする」という目的のために、学習モデルの一つとして
ニューラル・ネットを選んだ、というもの。このやり方には何の文句も
ありません。ここで問われているのは「論理的可能性を問う」という、
あくまでも仮想的な世界における論理的問いなのだから。
また、同じ文脈において「localist representationの方が、distributed
representionよりも、うまくいく」ということは、それなりに理解できます。
ユニットが何であるのかは「論理的可能性」を問う上でさほど重要ではない。
しかし、研究の目的が、この「論理的可能性を問う」というレベルを超え、
「じゃ、実際に人間は言語をどうやって学習しているのか、もうちょっと現実に
近いレベルでモデル化してみましょう」という段階に至ったら?
今度は、そもそもNNが「人間の言語獲得をモデル化する上でふさわしいモデルか?」
という類の問いが浮上してきます。
>>279さんが現場の研究に従事している人ならば、このあたりに関して、
どんなことを考えているのか知りたいです。
281 :
没個性化されたレス↓:03/02/16 19:07
>で、
>>270はどこへ?
アクセス規制だよ
なるべく所属先でやりたいの
o'reilly本も本場の計算論的神経科学本から見たらママゴト
とりあえずイオンチャネルや生物物理を解説してない本は
インチキ 避けてとおれないの
学習がどうたら言う前に、ニューロンの動作の
適切な定式化がわかってるとでも思うのか?
279≠270?
ここで、「モデル」に対する2つの異なる見方が出てきた訳ですね。
一方は「現実を捨象したモノがモデル」と考え、もう一方は
「モデルは現実に限りなく近づくべきだ」と考える。
察するに、281=バイオインフォマティクス系で、279=認知心理系の
方々でしょうか?
「モデルの価値」は、あくまでも「研究者が解き明かそうするモノ」に
依存して決まります。この点、お二人が「自分(自分が属する領域の人々)は
モデルを使って、〜を解き明かそうとしている。故に、〜という要素を捨てても
かまわない/〜という要素を組み込んで行かなければならない」という話を
して頂けると、とっても勉強になるのですが。
とりわけ
>イオンチャネルや生物物理を解説してない本はインチキ 避けてとおれないの
とおっしゃる270さんにお聞きしたい。
とはいえ「統語構造は何らかの学習原理によって獲得可能か?」という、仮想的な
論理的問いかけに答えるために、「生理的には妥当でないが、学習という営みの根本を
つかんだ簡単なモデル」を研究することは(この特定の文脈において)意味があるはずです。
が、同様に、イオンチャンネルなどを組み込んだ複雑なモデルでないと、「インチキ」と
呼ばれてしまう類の「問題設定」があるのも事実です。心理学に関連して、どんな
分野で270さんのような「モデル観」が必要とされるのか、是非教えてもらえませんか?
うひゃー面白くなってきた.あげあげ.
285 :
没個性化されたレス↓:03/02/19 02:23
あげ
現実を極端に抽象化した絵と
現実を極端に具象化した絵
視界のオブジェクトの捉え方には、2つの視点があり、
ともに脳内のイメージを『物質化』する作業である。
とかつぶやいてみる。場違いでスマソ。
面白かったので。
287 :
没個性化されたレス↓:03/02/20 13:23
おいらは本物の神経細胞のモデル化に関わることを研究しておりますが、
>>279 氏の言う
> 神経科学的に実物と完全に一致するモデルなど全く意味がない。
> そんなら、実物のニューロン(もしくは脳)を調べた方が良い。
は理解が不足していると思いまする。
例えば人間なり猿なりの神経情報処理が完全に再現できる
ニューロンモデルが出現したなら、それは一大事ですよ。
生体では不可能な実験が紙の上や計算機上でいろいろとできるようになる。
人間の脳に電極を刺すことは許されていないが、モデルニューロンなら文句は出ない。
本物の神経細胞の色々なパラメータをいじって情報処理に及ぼす影響を調べることは
難しいが、モデルなら格段に容易。神経の持つ諸性質のうち、
どれが本質的でどれが本質的でないかも分かるかも知れない。
つまり、「ニューロンモデルを他の用途へと応用する」 との立場からすれば
完全なモデル化は興味の外かも知れませんが、
「ニューロンモデルを通して生体神経系の研究する」 との立場からは
『よりもっともらしいモデル』の探索は非常に興味深いものです。
>>279 氏はモデル化の意義を
> モデル研究の意義は実物ニューロンが持つ特性を「任意に」少し
> 採り入れ、それにより『面白い』機能が引き出せるかにある。
と説いておいでですが、それとは別に、
『通常の生物を用いたのでは遂行が困難な実験を、モデルを用いて行うことによって
実際の生体情報処理に関する知見・示唆を得る』
という意義もあると思います。
>>279 氏の視点からはこの観点が抜け落ちているように感じられます。