アフォーダンス Part02

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942921:03/12/21 14:27
>わざわざ新しい言語を作ってその新言語でふつうのことを言い直してみただけ、
>という印象。それで(言語に普遍的な)何かがわかった、とか、そういうのがないと。

もう一回しっかり読んでもらいたんだけど、τとか慣性モーメントとかの
不変項が既に特定されてるんだよ。
人間が棒を振り回すときに、その長さを知覚させる決定的な情報は
慣性モーメントであるってことが、単なる言語的な言い換えでないことは
あきらかだろ?慣性モーメントさえ知覚できれば、十分にその棒の長さを
特定できるんだからな。

ただまぁ、この十分にっていうのもミソなんだよ。
「十分に」知覚できるってだけで、それだけが唯一の方法だとは言ってない。
だって、棒の長さなんか目で見れば一目瞭然だからな。
だけど、慣性モーメント「だけ」でも棒の長さはある程度特定できるんだよ。
もちろん、慣性モーメントを知覚するために、筋運動を脳が処理している
ってのは、当たり前だ。でもな、前スレ>>199の言葉を借りると、
「脳が処理する慣性モーメントの大きさは脳の活動によって
決まるのではなく、物体の持つ慣性モーメントによって決まる」んだよ。
それを脳がどのように処理しているのかってのは、生態心理学だけでは
分からん。その点は生理屋なんかとの連携が必要だ。
つまり役割分担ってやつだな。
943921:03/12/21 14:35
>ふつうのことを言い直してみただけ
に見えるのは、自分でもわかってるみたいだけど、
生態心理学の主張を>わかってない
からだよ。

生態心理学は知覚を研究する際に、知覚者の機能だけ
を詳しく記述するなんてことはせず、知覚者と環境との関係性を
記述するんだ。なぜなら、そのほうが生態学的に妥当だから。

環境の無いところに知覚は存在しない。でも、知覚者が存在して
いなくても、環境は一定の情報を持ちつづけている。
そしてそのような恒常的な情報を、例えば人間のような知覚者が
「発見」するんだよ。決して脳みその中だけで環境を作り上げるのではなく、な。
だからこそアフォーダンスという言葉が存在してるんだ。
944いまいち:03/12/21 16:06
>>処理課程を意図的に無視した「言い方」であるだけに思える。
>(2段略)
>だからな、ギブソンが処理過程を無視しているのは、
>処理過程だけを突き詰めて考えるだけでは環境のリアリティから
>離れてしまうから、常に環境と生態との関係において、知覚を
>考えようとしているからなんだ。
ここが肝だな。(前2段は「無視した「言い方」である」を肯定してるな)
で、そのこころは、
粒々から動物にとって意味のある情報の単位に至るのは大変だし、
そもそもその単位を忘れがちだから、
いっそ粒々を考えるのはあきらめて止めちまえ、と。
チマチマしたことは生理屋にでもやらせて、最初から、
「動物にとって意味のある情報の単位」を単位にするよ、と。
945いまいち:03/12/21 16:07
で、その単位自体をも探してきたので、
>τとか慣性モーメントとかの不変項が既に特定されてる
と。これは、下の方でチマチマやるのをあきらめて、
この単位で見回すことで得られた、と。

ん、その単位自体を探すのがギブソニズムの仕事なのか?
この単位で環境と主体の関係性を記述していくのではなく。
低位な行為ではそれらは一体化しているが、
一段ジャンプしたとは言え、人間と言うより、
動物的な技能(164のexcecutive function? 
環境中で生き抜くため処理も最適化されてきた)のようなもの
の記述に適していると理解してよいか。(ポストの例は飛躍に思える)

不変項と直接知覚とアフォーダンスのレベル的な関係が
ピンときてないのが悪いのか?
946921:03/12/21 17:54
>>944
>無視した「言い方」である
それは、要素還元的な考えが正しいと言う視点からのみ成り立つ言い方だ。
そんなものは生態心理学からすれば、生態学的妥当性を無視した
言い方に過ぎんわけで。ギブソンの主張をレトリックとしか受け取れないのは、
やっぱり理解が進んでないからだよ。

>粒々から動物にとって意味のある情報の単位に至るのは大変
だからな、粒々から全ての知覚を説明しようとするから大変なだけでさ、
粒々と包囲光配列が同次元の情報であるとは考えられんか?

>そもそもその単位を忘れがちだから、
>いっそ粒々を考えるのはあきらめて止めちまえ、と。
>チマチマしたことは生理屋にでもやらせて、最初から、
>「動物にとって意味のある情報の単位」を単位にするよ、と。

まぁ、言い方は気に食わんし、粒々ってのが生態心理学への無理解を
よく表してるけど、情報の単位を変えるっていうの”だけ”には、概ね同意。
情報の単位は粒々の感覚刺激であるっていう常識を否定する事で、
生態学的妥当性のある知覚理論を構築しようとしてるわけだからな。
947921:03/12/21 18:03
>下の方でチマチマやるのをあきらめて、
>この単位で見回すことで得られた、と。
その言い方はおかしい。環境内の不変項を特定しようとしたからこそ
それがわかったわけで、感覚刺激とそれを統合する認知過程みたいな
もんだけに注目してたら、100年経ってもわからんかった事だろ?

>その単位自体を探すのがギブソニズムの仕事なのか?
もちろんそれもギブソニアンの仕事の一つだ。
同時に、それを発見する身体システムについても研究しとる。
ここらへんはエコロジカルマインドを読めば一目瞭然だ。

>人間と言うより、 動物的な技能(164のexcecutive function? 
>環境中で生き抜くため処理も最適化されてきた)のようなもの
>の記述に適していると理解してよいか。
スマンが、もうちょっと分かりやすく書いてくれ。よく分からん。

>不変項と直接知覚とアフォーダンスのレベル的な関係が
>ピンときてないのが悪いのか?
まずどう理解してるか言ってみれ。
948921:03/12/21 18:06
>>945
>ポストの例は飛躍に思える
引用してくるなら、>>で引用元を示してくれ。
>だからな、粒々から全ての知覚を説明しようとするから大変なだけでさ、
>粒々と包囲光配列が同次元の情報であるとは考えられんか?
たしかに、単位を変える すなわち 粒度が大きくなる、ではないな。
そこを認めれば話は合うのかな?

>>この単位で見回すことで得られた、と。
>その言い方はおかしい。環境内の不変項を特定しようとしたからこそ
>それがわかったわけで、感覚刺激とそれを統合する認知過程みたいな
>もんだけに注目してたら、100年経ってもわからんかった事だろ?
上を認めれば、これは俺の言ってるのと同じに思える。


950いまいち:03/12/21 21:22
>>人間と言うより、 動物的な技能(164のexcecutive function? 
>>環境中で生き抜くため処理も最適化されてきた)のようなもの
>>の記述に適していると理解してよいか。
>スマンが、もうちょっと分かりやすく書いてくれ。よく分からん。
いや、単に身体的な「技能」やそれ以下の行為はよく書けそうと。
球を打つのも身体技能だし、椅子に座るのも、狭い隙間を抜けるのも。
逆は、ヒットじゃなくてスクイズでいく、とか、
お座りくださいと言われたからじゃあ座る、とか、
抜けられる隙間も服が汚れるからどうしよう、とか。
つまり、「人間らしいレベルの行為」より、
動物でも出来るような行為が記述しやすいのでは、と。

>>不変項と直接知覚とアフォーダンスのレベル的な関係が
>>ピンときてないのが悪いのか?
>まずどう理解してるか言ってみれ。
どうこう以前に理解してない。よって定性的未満でしか書けぬが。。
アフォーダンス:環境中に存在する、主体に有意な性質。「できる」こと。
不変項:粒々から抽出される(と書くとまた怒られそうだが)、
   環境についての某かの一貫した情報(と書いてもピンときていない)
直接知覚:不変項を得ること。マルチモーダル?
    (ナイアガラの写真では得られないと言うのは電波暴走?)
アフォーダンスに関係ない不変項は無限に存在する。
アフォーダンスはn個の不変項から知覚される?
≒アフォーダンスはn個の直接知覚でピックアップされる?
…なんにしろわからん。
951921:03/12/21 22:49
>>950
>つまり、「人間らしいレベルの行為」より、
>動物でも出来るような行為が記述しやすいのでは、と。
「人間らしいレベルの行為」ってのが、思考とか推論とかっていう
高次の認知機能を介在したものであったとしても、
結局その行為を支えているのは、環境内の情報と生体の身体的特徴だろ?
そういう、服が汚れそうとか、座る事を薦められるって言う要因は、
知覚者が環境内のアフォーダンスを選択する際に役立つ情報ではあるが、
既に座れそうとか抜けれそうとかっていうアフォーダンスは
発見されてるわな。

スクイズでいくって言われたら、こっちはスクイズするために構えるだろ。
だけどボールが飛んできたら同じ事よ。しかも、スクイズの構えも
完全に脳内で作り出したものではなく、環境との相互作用の結果
得られたものだろ。その意味で、例えスクイズであっても環境との
関係性を無視するわけにはいかない。
ただし、「よし俺はこれからスクイズするぞ」っていう意志みたいなもんは
当然直接知覚とは次元の異なるものだし、その存在を否定するなんて
ことは誰もしとらんわな。。

まぁ、直接知覚が行為と結びついた知覚を記述するのに
有効であるってのは、概ね同意だ。知覚と行為は不可分だからな。
知覚-行為循環ってやつだ。歩く為には知覚せねばならず、また、知覚
するためには歩かなくてはならないっていうな。
952921:03/12/21 22:54
>>949
>上を認めれば、これは俺の言ってるのと同じに思える。
漏れはお馬鹿さんだから、どこが同じなのかはっきり分からん。
教えてくれ。

あと>>950で、アフォーダンスについて全く理解していない事はよく分かった。
まぁ、アフォーダンスについての書籍を精読すれば、
その点は理解できるはず。がんがってくだちい。
953いまいち:03/12/22 02:12
>意志みたいなもんは当然直接知覚とは次元の異なるものだし、
>その存在を否定するなんてことは誰もしとらんわな。。
人間も動物でもするような行為もして生きているのはわかってるし、
直接知覚やアフォーダンスが意思、思考、葛藤とかを否定してるとは言ってない。
ただ、それらについては、やはり沈黙するのだなというだけ。
まあ、知覚理論なんだから、当たり前か。

>↓どこが同じなのかはっきり分からん。
>>>この単位で見回すことで得られた、と。
>>その言い方はおかしい。環境内の不変項を特定しようとしたからこそ
>>それがわかったわけで、感覚刺激とそれを統合する認知過程みたいな
>>もんだけに注目してたら、100年経ってもわからんかった事だろ?
>上を認めれば、これは俺の言ってるのと同じに思える。
この単位= バラバラの単純刺激ではなく、動物にとって意味のある情報の単位
見回す = という観点で知覚を捕らえ直す試みを行う
捕らえ直す試み∈環境内の不変項を特定
という認識だが。。

現実の処理過程を無視するというのは、その一点において
スキナーとか言うのと共通してるな。

とにかく、エコマが届いたら読んでみまふ。
>>953
ていうか、そんなのは「現実の処理過程」ではない、そんなのが
「現実の処理過程」だと思っているからなにもわからないんだ、
というのがギブソンの思想。その点で「とりあえず分析に必要ない、
分析できないから無視する」という方法論的行動主義が心を無視する
ロジックとは全然質が違うよ。

921氏はがんばってるけど、2chのスレだけでギブソンがちゃんと
理解できるなら学問なんていらない。まずはいまいち氏がエコロジカル
マインドと、できれば生態学的知覚論(ギブソン)か、あるいは
リードの「アフォーダンスの心理学」くらいは読んでくれることを
熱望する。どちらもよくできた日本語訳がある。
955いまいち:03/12/22 04:49
「無視」「共通する」ってのは辞書的な意味だけで、ほかに含意はないよ。
違いを論じうるだろうことは当然推察されるが、辞書的意味で間違ってないつもり。

時計を外から見てあれこれ言うか、分解して現実の存在からきちんと確認するか、
ってことかな。外から見る見方もいろいろあろうが。

921氏の薦めてくれたエコマは読んでみるつもりだよ。
リードも折を見て。(関係ないがアフォーダンスは日本独自の商業的キーワードなのかな?)
956いまいち:03/12/22 04:58
あと、921氏に謝意をこめて書いておくと、
もちろん詳細な理解には書物を読むのは必要だが
それらを読んでも得られないものをこのスレで得られていると思ってるよ。
>>955
たしかにリードの本は「世界と出会う」みたいな原題で
アフォーダンスなんてタイトルではなかった。心理学者には
にわかに信じがたいかもしれないが今はアフォーダンスと
書いてあれば哲学者、建築家、絵描き、医学者、工業デザイナー
などの人がその本をじゃんじゃん買う。心理学者以外から
いまもっとも注目されている心理学用語の一つであるのは
間違いないね。
どうでもいいけど、括弧書は、
ギブソンの世界観の1ファクタに過ぎないはずのアフォーダンスが、
世界観そのものを指す意味をも持たされているのは、日本独自で、
商業的理由によるものなのかな、という意味ね。つまりaffordanceで検索するのはいまいちなのかな、と。
佐々木某がそんなに儲けてるかは知らない。
959921:03/12/22 23:33
>>958
1ファクターというか、もう鍵概念と言っても良いと思うけどね。

>>954
>921氏はがんばってるけど、2chのスレだけでギブソンがちゃんと
>理解できるなら学問なんていらない。
漏れは2chでの議論で勉強すること多いよ。
今回も自分の知識を再確認しながらやってるしね。
まぁ、それでこの程度かよっていう突っ込みは無しでおながいします。

>>953
>この単位= バラバラの単純刺激ではなく、動物にとって意味のある情報の単位
>見回す = という観点で知覚を捕らえ直す試みを行う
>捕らえ直す試み∈環境内の不変項を特定
>という認識だが。
ん〜、どうしても生態心理学をそれ以外の知覚理論の枠組みで捉えようと
してるよねぇ。比較するのは悪くはないだろうけど、むりやりその枠組みに
押し込もうとするのは無理があるよ。
960没個性化されたレス↓:03/12/23 07:00
900age
961いまいち:03/12/23 13:38
それ以外の知覚理論ってほど大仰なものじゃなくて、
ただの普通の世界観で、客観的な理解をまずしたいと思ってるよ。
たとえがあれだが、なにかの宗教を普通に理解記述するのは信者になったらできない、みたいな。
とはいえ、中に入らなきゃ得られない理解はあるし、
いずれにしろ具体的な理解が欠如しているのでエコマを読んでみるよ。

(最重要概念とそれによる世界観は別物と思うけど、まあいいか。960だし)
962没個性化されたレス↓:04/01/04 01:24
900age
963没個性化されたレス↓:04/01/04 15:56
謹賀新年
964没個性化されたレス↓:04/01/06 22:42
900age
965いまいち:04/01/07 03:49
なんでageられてんだろこのスレ。
エコマ呼んだけど、やっぱ直接知覚ってのは、知覚の詳細には蓋してるってことね。
あと、直接知覚とアフォーダンスの具体的な絡みがなくて結局わからん。
それ=環境中で知覚して行動して知覚してを記述するのが、生態心理学のメインではないの?
でも、この本はわかりやすいね。佐々木某の薄い本はギブソン様々ばっかりで駄目。
うーん,いまいち君の興味はあくまで「知覚の内的メカニズム」
っていうか,知覚が生じている時に「人間の中で」何が生じているか
なんだろうな。知覚のリアリティっていうのは中で何が生じているか
じゃなくて,生態学的な環境の中で動物がどう環境と協調して
動くかだ,ってのがギブソニアンだから基本的に折り合わないか。

直接知覚によって知覚されるのは,たとえば計算主義者が仮定する
ような図形の底辺の長さとか高さとか直径とかじゃなくて
「面積そのもの」だったり,網膜像としては刻々と形を変える物体が
持つ「不変項としての形態」だったり,あるいはその物体や環境が
持つアフォーダンス「そのもの」だったりっていう話なんだけどな。
その辺もいまいち君の興味の範囲じゃないような気もする。

佐々木の本よりエコマの方が圧倒的に優れているというのは
まったく同意。漏れも前はゼミで佐々木の薄い奴とか現代新書とか
使ってたけど,最近はエコマから始めるね。
967いまいち:04/01/07 23:56
直接知覚のレベルで環境と知覚する主体の印鱈区ションを記述する事の意義は認識してるつもりだよ。
というか、工学出なんで「で、どう動くんだよ」が興味だったりする。
詳細方向の具体性(感覚と知覚の間)はないのはわかったが、ここ自体に興味が集中してるわけではないよ。
というより、メインである、全体の系のフローはどう記述されるのかなってのが、
> 直接知覚とアフォーダンスの具体的な絡みがなくて結局わからん。
ということ。
「重さ」=テンソルはいいけど、そんなぶつ切りの話ばっかじゃなくて
それでどうやって、アフォーダンスの海を渡っていくのかと。
968921:04/01/08 01:11
>>967
>アフォーダンスの海
アフォーダンスの海ってのは言い得て妙だよね。
環境内には記述しきる事が不可能なほどのアフォーダンスが
存在してるわけで。

で、
>メインである、全体の系のフローはどう記述されるのかなってのが、
>>直接知覚とアフォーダンスの具体的な絡みがなくて結局わからん。
>ということ。
>「重さ」=テンソルはいいけど、そんなぶつ切りの話ばっかじゃなくて
>それでどうやって、アフォーダンスの海を渡っていくのかと。
の文意が、お馬鹿さんの漏れにはよく分からんです。

>佐々木某の薄い本
佐々木氏のは、「ギブソンとアフォーダンス」って感じの本だから、
生態心理学の超入門書としては良いとは思うんだけどね。
969いまいち:04/01/08 01:43
>メインである、全体の系のフローはどう記述されるのかなってのが、
>>直接知覚とアフォーダンスの具体的な絡みがなくて結局わからん。
>ということ。
>「重さ」=テンソルはいいけど、そんなぶつ切りの話ばっかじゃなくて
>それでどうやって、アフォーダンスの海を渡っていくのかと。
っていうか、つまり、
直接知覚とアフォーダンスの具体的な絡みがなくて結局わからん。
と。
質量じゃなくて実は慣性モーメントだよ、とか、
マイクロスリップしてるでしょ、とか、
アフォーダンスを利用しているんだよ、とか、粒々の話はわかったんだけど、
じゃあ、動物が××する様をそれらの言葉を駆使して記述するとどうなるの、
で、××だけじゃなくて○○は?△△は?総合すると?とどのつまり生きるってどう?みたいな。

。。。うまく書けないっす。布団の中で整理してみまつ。
同じ工学屋としてフォローさせていただくと,けっきょく「どう実装されてるの?」
ってところに目が行くのは,工学屋の性みたいなもので。

一個一個の振る舞いについての記述も面白いんだけど,その背後にある言わば「知覚の仕様」
はどうなってんの?という感じなんだろうと勝手に補完してみる。
971いまいち:04/01/10 02:57
整理できませんですた。
直接知覚とアフォーダンスで、主体が環境中で行為するしかたを解き明かすのが
生態心理学だと勝手にイメージしてるんだが、それが間違いか?
その「しかた」の一般理論を解かりたいらしい。
972いまいち:04/01/10 03:10
>>970
フォローどうもです。自分の思いは大体その通りだと思いまつ。
τだの慣性モーメントだのはいいけど、そういうのを一個一個探していくのが
生態心理学なのかと。だったら、アフォーダンスはどこいったんだと。

ずれるが、直接知覚=主体にとっての意味のある入力情報単位とすると、
結局表象に行き着いて古典的シンボリズムになるような。
>>ずれるが、直接知覚=主体にとっての意味のある入力情報単位とすると、
>>結局表象に行き着いて古典的シンボリズムになるような。

すげえいいポイント。それが表象に行き着かない(表象を知覚の実体と
考えない)ところがギブソン知覚論の神髄。そこまでわかってれば
理解は比較的近いよ。一般に、心理学者より工学者などのほうが
さっさとギブソンを理解する傾向があるのもわかるよね。
974いまいち:04/01/10 15:28
ごめん。表象って意味間違って使ってるかもしれん。
が、重さの表象は、慣性モーメントがソースである ということでは?

つか、こういうのを一個一個探していくのが生態心理学なわけ?アフォーダンスと絡まないじゃん。
975いまいち:04/01/10 15:41
もっと意図的な表現にすれば、
慣性モーメントをソースとして、重さの表象が生まれる。と。

アフォーダンスと絡まないね。
いつも嫌らしいなぁと思うのは「なかなかいい線いってるかもね、がんばれ」
というたぐいの台詞。なぞなぞがわからない子供に向かって「わかるかな〜」
ってニヤニヤしている光景が目に浮かぶ。実際のところはどんな口調なのか、
掲示板だからわからないが。そういう意図がないんならすまぬ。

977921:04/01/12 00:35
>>976
正しい理解に進みつつあるなら、その部分を
具体的に指摘して強化するってのは嫌らしいやり方かい?
否、おそらくいやらしいのはあんたの受け取り方だな。

そもそも、いまいち氏は生態心理学に対する理解が皆無だった
わけで、そこからいくらかの理解(同意するかは別として)を示す
ようになる様子が見られるのは、こっちとしても馬鹿を晒した
甲斐があるってもんだ。
978921:04/01/12 00:48
>>974
いまいち氏の全ての疑問に応えることは、素人の漏れにはできんが…

>アフォーダンスと絡まないね
不変項がアフォーダンスを支えている、っていう言い方じゃ分かりづらいか?
批判を恐れずちょっといい加減な説明をさせてもらうと、
高さ、面の広さ、材質、面の傾き、なんていう不変項は、
「座る」というアフォーダンスを支えているわけだ。
当然、「座る」というのは単なる言い方に過ぎないわけで、
そう呼ばれている行為を可能にしているって言う事だわな。

そんなこんなの不変項を直接知覚することで、座るという
アフォーダンスを発見できる。んで、座るという行為を
行っている最中にも、例えば、手すりに手をついて体を支えるのか
背もたれに手をついて体を支えるのかっていう、言わばアフォーダンスの
選択みたいな事態が起こってくる。そこで観察されるのが
マイクロスリップなわけだな。

ここで忘れないで欲しいのは、行為するためには知覚せねばならず、
知覚するためにはまた行為せねばならないっていう、知覚-行為循環
のことだ。
979921:04/01/12 01:01
続き

座るという行為を実現する為には、実際にその行為を行いながら、
自分の行為を調整しないといけない。
これに関しては、>>936,937で出した野球の例をもう一度見てもらえば良いと思う。
繰り返しになるが、椅子を発見して、「さて座ろうかな」っつって座るとしても、
その行為を支えるのは椅子の持つ不変項だ。
「椅子=座るもの」っていう知識が存在するのも、
そもそも椅子が「座る」というアフォーダンスを持つような
不変項を持ち合わせていたからだな。
このへんは今のいまいち氏の疑問とはちょっとずれてる気もするけど、
一応確認として。
980921:04/01/12 01:09
>>975
>慣性モーメントをソースとして、重さの表象が生まれる。
重さの表象はあくまで二次的なものだ。行為するために
必要とされる情報は、不変項自体であって、不変項の知覚から
得られる表象ではない。
これが、>>973が神髄と呼んでる部分だ。
いい加減、耳にタコができるかもしれんが、表象することによってのみ
意味が生成されるのではないよ。もちろんこの「意味」ってのは
意識されるような代物ではないけどな。


詳しい方がおられたらフォローとお叱りプリーズ。
981976:04/01/12 09:20
>>977
ん。おっしゃる通り俺がゆがんでいるのだろうね。
昔、研究会ですごく嫌な思いをしたことをいまだに引きずってる。

「いやらしいのはあんたの方だ」とはっきり言ってもらって
すこし気がすっきりした。議論に水をさしてすまなかったね。
ROMってますんで続けてください。
>>976
そういう意図はないよ。

>>975
ギブソニアンが考える「生態学的な重さ」っていうのは
それが客観的に何キログラムである、というような意味ではなくて、
それが自分に持ち上げられるのか、自分がそれを投げたら
どのくらいの力でどのくらいの距離飛ぶか、それが自分の
上に落ちてきたらどのくらい痛いか、みたいなこと。
「生態学的な長さ」とか「距離」も、何センチとか何メートル
とかじゃなくて、そこに自分の手が届くか、自分の足でまたげるか、
走っていくとどのくらいのエネルギーを使うか、などだ。
それらはすべて「物理的なもの」を基盤にはしているけど、
「物理的なもの」そのものではない。しかし「主観的なもの=表象」
とも違う。慣性モーメントの話はその点で重要。

で、これらは対象となる物体や環境の「アフォーダンス」でしょ?
983982:04/01/12 11:26
おっと、921氏とかぶったね。
984982:04/01/12 11:32
補足しとくと、アフォーダンスを「主観」と考える間違いは、

座れると「主観的に」思った場所には必ず座れるのか
渡れると「主観的に」思った溝は必ず渡れるのか

などを考えるとわかる。アフォーダンスとは現に座れること、
現に渡れることで、それは主観ではなく物理的な基盤で定まる。
そして、それをかなり正確に知覚する仕組みが生物には
備えられているということ。もちろん、その仕組みが誤動作する
ことは時々あるけど。
985いまいち:04/01/13 01:52
一般には複数かつ行為の課程によって変わる不変項群から
アフォーダンスをピックアップするとはどういう事か。
生態心理学は、飛んできたボールをよける(不変項はτのみ?)行為と、疲れて切り株に腰掛ける行為を、統一的に説明できるのか。

「生態学的な重さ」は分かってるつもりだよ。「客観的な」データではなくて、個々の主体にとって意味がある情報ね。
しかし、表象は表象であって、間違いがあるのは当然という認識。かつ、場合によっては意識上に明に上ることもあるが、
なんとなく感じてても表象は表象と思う。(心理学での定義と違うかも知れんが、こういう定義もありだ。佐々木某がフレーム問題とか言うくらいなんだからこれは認めてもらいたい)
で、結局、直接知覚された不変項の表象から意図実現に使えるアフォーダンスを見付けて、適切な行為を行うのではないかと。

とにかく、一般理論がはっきりしないのと、あと粒度の根拠がはっきりしない事だな。
これまでのアフォスレ01,02を通読するのに一晩かかってしまった(汗

以下、門外漢からの素朴な疑問です。
芸術的背景を持つ興味から、不変項について知りたいことがあります。
佐々木某氏に「リアリティの冗長な分離が芸術の担う役割です」のようなことを伺いました。
私は、それは、環境にあるモノひとつひとつの、不変項のリストアップというような意味と捉えました。
(氏の最近の「靴下を履く」の分析も同じようなことをしているのだと思っています)

ここまでの私の解釈が(未熟にしても)筋から外れていないとして、
私が、環境にある「あるモチーフ」を選択し、これの不変項を記述する際、どのような作業をすれば良いのか、知りたいです。
実際にアフォーダンス研究の現場では、「これは不変項」とどのように実験・検証・決定されているのでしょうか?

だんだん自分が的外れな質問をしている気がし始めていますが(苦笑
987986:04/01/13 04:23
個人の経験(体感に近い意味で使っています)に基づいた不変更だけを抜き出してみたいと思っているのですが、
周囲の人に「それは文化表象を無視していないか」と言われます。

なんとか「人類の歴史的な経験、の伝聞」による学習による環境からの情報≒価値を抜き出してみたいのです。
このような文化表象が「椅子のデザイン」という人為的なインストラクションのデザインが入ったものにまで
アフォーダンスだと騒ぐ(私のような)門外漢をふやしているんだと思うんですけど、、、。

的外れならすみません、でも、アフォーダンスに出会ってデザインができなくなるデザイナーって
多いんですよ、、、。
>>987
新しい概念や理念に出会ってしばらく仕事ができなくなる、
ってのはぼくらもよくあります。アフォーダンスのせいで
研究できなくなってる心理学者はけっこういると思いますよ。

さて、個人の体験に基づいた不変項も、文化的、あるいは
歴史的に規定された不変項も、どちらも不変項に変わりはないと
思いますよ。たとえば身体定位をアフォードする地面とかの
アフォーダンスを検出する機能はおそらく進化的・遺伝的に
規定されてると思いますが、郵便ポストのアフォーダンスは
(穴には物を投げ込めるというレベルではなく郵便を送ることを
アフォードするというレベルでは)経験による学習が介在しなきゃ
成立しないでしょ。そういう意味じゃ「全く新しいアフォーダンスを
創造する」みたいな創作活動もあっていいんじゃないでしょうか。
9891:04/01/13 20:39
久々にのぞいてみれば
一年以上かかって育った、このスレもそろそろ寿命。
新スレの>>2へあると便利なテンプレを一応用意しておきます。
さらなる補足もあるようならばお願い致します。
初期スレの頃に比べれば解説書も随分と増えて…

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「アフォーダンス」
http://yasai.2ch.net/psycho/kako/972/972314277.html
「アフォーダンス Part02」
http://academy2.2ch.net/test/read.cgi/psycho/1000789154/
参考文献

「生態学的視覚論」:J.J.ギブソン
「アフォーダンスの心理学」:エドワード・S・リード
「アフォーダンスの構想」:東京大学出版会
「アフォーダンス」複雑系の科学と現代思想:青土社
「アフォーダンス―新しい認知の理論」:佐々木正人:岩波書店
「レイアウトの法則--アートとアフォーダンス」: 佐々木正人 : 春秋社
「アフォーダンスと行為--身体とシステム」 : 佐々木 正人 ・宮本英美 ・黄倉 雅広・ 三嶋 博之 ・鈴木 健太郎 : 金子書房
「知覚はおわらない」:佐々木 正人:青土社
「エコロジカル・マインド」:三嶋 博之:NHK出版
季刊[武蔵野美術]:No.116 アフォーダンス入門◎身体/環境/インターフェイス
「ギブソンの生態学的心理学」:トマス.J. ロンバード : 勁草書房
「誰のためのデザイン?〜認知科学者のデザイン原論」: D.A.ノーマン 野島久雄訳 : 新曜社
「ギブソン心理学の核心」 : 境敦史・曽我重司・小松英海 : 勁草書房
「知覚は問題解決過程」 : 吉村浩一 : ナカニシヤ出版
「エコロジカルな心の哲学」 : 河野 哲也 : 双書エニグマ
「知性はどこに生まれるか」 : 佐々木 正人 : 講談社現代新書
990921:04/01/14 00:32
次スレ立てました。
以降はこちらでどうぞ。

「アフォーダンス Part03」
http://academy2.2ch.net/test/read.cgi/psycho/1074007671/
991921
>>989
テンプレサンクス。