あら、いらっしゃい!マターリスレッド 4

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110名無しさん@1周年

「かわいそうな山幸彦」

バブル戦争も末期の敗色濃厚になってきた頃、空襲で精神病院の檻が壊れて、
逃げた患者が人間を襲うかもしれないということで、電波・妄想獣はすべて薬殺
することがメイスンにより決定されました。

しかし飼育係のおじさんは手塩にかけてここまで育ててきた電磁波珍獣・山幸彦
を殺すことなどとても出来ません。山幸彦はまだ仔電波獣のころからおじさんが
手塩にかけて育てた、自分の子供も同然の電磁波珍獣なのですから。

山幸彦は聞く耳を持たず、皆で必殺アドバイスを与えても一切受け付けません。
仕方なく、レスを与えずに餓死させることにしましたが、山幸彦はお腹を空かせて
必死で芸を披露して御褒美のエサをねだります。
「山幸彦よ・・・もう芸なんかしなくていいんだよ」 おじさんはドス黒い顔色の
山幸彦が健気に芸をしてみせる姿を見て、涙が止まりませんでした。

やがて山幸彦は骨と皮ばかりに痩せこけていきました。
「ああ、ごめんよ山幸彦。私はお前を助けてやれないんだ」
そう呼びかけるおじさんの前で山幸彦は最後の芸を披露します。
おじさんが仔電波獣だった山幸彦にはじめて仕込んだ芸、「山幸コピペ」です。
コピペのポーズを決めたまま、硬直した山幸彦。山幸彦は既に氏んでいました。

それから13年…「だから、僕は君達だけにはあんな思いをしてほしくないんだよ」
と、おじさんは今でも伝説の山幸彦のお話を孫たちに話して聞かせるのです。