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一日賢人:
「人は過去を追ってはならぬ。未来を願ってはならぬ。
およそ過ぎ去ったものはすでに捨てられており、
また未来はまだやって来ていない。」
「そこで、知者は現在のことがらをいたるところで正しく観察し、
揺るがす動かずして、それに習修するべきである。」
「今日なすべきことを熱心になせ。
だれが明日、死の訪れることを予知できようぞ。
けだし、人はだれでも死魔の大軍と戦わないということがないからである。」
「熱心にして、昼夜に怠らず住するこのような人、
実にかれを善き聖者たちは“一日賢人”とたとえる。」
マッジマ・ニカーヤ、131、3巻、第4章
「ゴータマ・ブッダ」、早島鏡正、講談社