ブッダ最後の教え真如苑涅槃経に生きる人びと

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64スクネ

◎涅槃の本質とは?

〜人生の大事に遭って〜

 人生の大事とは父君の死に遭うことである。戴してその死には如何にすべきか。
人し平常天にも地にも唯だ一人の君を尊び、唯だ一人の親と思うて悲喜ともに
捧げまつり、その君に仕へ親につくしまつる時に、一朝不幸に遭遇すれば前後
不覚に泣き悲しむが常である。人間愛情の極地は正にこれである。仏法において
はこの心のありさまをながめて、諸行無常、是生滅法と歌ひ、会者定離の火宅と
戒めて、それよりむしろ生滅々巳、の浄土を勧めるのである。
 悲観の人に向かって悲観の理を示す。その君、その親を失うて、諸行無常と
泣くならば、遂には平等不譲の涅槃浄土に行きたくなり、国家要らず、家要らず
、妻子要らず、独り生きて独り行くなる夢幻身、ここに覚め来れば、真如法悔
不変の月、すべて捨ててしまいたくなるのである。これでは人生は朝露の如しと
覚えるのみで、人生の処するの途を誤まるのである。
 死後の忠孝なくんば忠臣たるの行為誤まる如く、死後の考なくんば考子たるの
行動を誤まるに至る。死後の忠孝あれば悲しんでその身を傷付けず、大に父母の
意思を全うして、家を興し国を守るのが大切である。
 涅槃とは、諸行無常、是生滅法、空苦、無我無常であり、この世を顧みがたき
夢幻化することにより英気は意気消沈し、家、国、共に衰弱衰退に至るものであ
る。