WMコピペ専用スレ(第2幕)

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19名無しさん@1周年
90 名前:宝島30/1993年6月号その12 投稿日:2000/09/22(金) 12:29

心も運もカネで買える時代

そうはいっても、救霊代に十五万円も払う心理は理解しにくい。その疑問に元会員たちが答えてくれた。

「目に見える物質社会とは別のものを求めているにもかかわらず、僕たちの気持ちの中に、消費社会は溶け込んでいます。それで、十五万円でも、悪霊を除いてもらえるんだからと、高いとは思っても、それほど躊躇することなく払ってしまうのです」

深見の本に共鳴し、会員になり、救霊を受け、深見青山を超能力者だと信じれば、そのときからお金の続く限り出し続けることになる。頭がよくなる秘法であれ、美女になれる秘法であれ、はたまた縁結びの秘法であれ、信じた深見青山先生が授けてくれるのだからと疑うことはしない。実際、十九人から共通して受ける印象は、心配になるほど純粋で真面目という感じであった。

コスモメイトが発行しているパンフレットに『会員のための心得帖シリーズ』がある。功徳とお金の関係について説明してあるところを要約すると、次のようになる。

「たとえ三百円のお玉串であっても、必死に祈れば絶大な威力を期待できるものなのです。
しかし、この現代の日本で、本当の意味で貧しい人というものがいるものでしょうか。どう工面しても三万円、六万円といったお玉串さえ出せないというほど貧しい人がそれほど大多数を占めているでしょうか。一応暮らしていけて、それなりの遊興費はとっておいて、アルバイトする時間もあるけれど何もせず、それでお玉串にまわす余裕がないと言って、懸命にお祈りしても、神様は動きません。だいたいその人の生活レベルでちょっと痛いというくらいの、一般より少々多めのお玉串をする必要があります。なぜなら、ゆとりのある方が安いお玉串ですませようとするのは神様に対する侮辱なのです。」

この文章を読めば、普通の人であれば「この宗教団体、アルバイトまでさせてお金を払わせる気だな」と警戒するだろう。ところが、深見青山を信じきっている人は、この文章をそのまま受け取ってしまう。そして、深見がいう「物施(お金を出すこと)に励めば励むほど功徳を得られる」をそのまま信じ、せっせと神法悟得会に参加し、数々の秘法を受け、お金を注ぎ込むわけだ。元会員が苦笑しながら、話す。

「信じているときは、まったく疑うようなことはしませんでした。何しろ、信じていたのですからね」

信じることは楽しきことであり、滑稽でもあり、お金がかかるものらしい。

深見青山のやり方の特色の一つは、会員が騙されたと気がついても、被害者意識が生まれないことにある。統一教会であれば、洗脳されて壷を売る人はともかく、壷を買わされたという被害者はいる。それに、壷という物的証拠もある。しかし、コスモメイトの場合、神界グッズなどを別にすれば物証はないし、だいいち会員はそのときには納得して三百万円、五百万円と出費している。一億円注ぎ込んだ会社の社長も、「今から考えると、騙されたと思いますが、あのときは家族の病気がよくなるだろうと信じてお金を出していましたから。裁判といっても・・・」と諦めているのである。

ともあれ、会員は物施に励み、毎年コスモメイトに百億円近くの現金が転がりこむようになった。これを深見青山は何に使っているのだろうか。

深見は言う。「事務所の維持に、お金がかかるし、それに盲人ゴルフ協会などに寄付しています」。これを受けて、日本女子大の島田裕巳助教授は「深見は盲人ゴルフの普及などにつとめ、社会に対する貢献を考えている」(『文芸春秋』九三年一月号)と書く。はたして、そうか。

知り合いの宗教家に、宗教団体の評価の仕方を教えてもらったことがある。「教義はいろいろ解釈があって評価は異なるでしょうから、一番いいのは教祖の私生活が公の発言と一致しているかどうかを調べればいいのです。話していることと実際の生活が違っていれば、マガイモノと判断してよいでしょう」。この教えにしたがって、深見の公の発言と私生活とを見てみよう。