>ところで嵩山の宗派はやはり曹洞宗ということでよろしいですか?
日本では曹洞宗が、最も数が多い教団なんで、禅といえば曹洞宗だと
勘違いされている向きもあるのでしょうが。
中国では唐時代から宋時代にかけて禅宗が全土を席巻しました。
特にこれは全て六祖慧能からの別れで、五家七宗といって南岳、馬祖、百丈
の流れから、イ仰宗、臨済宗黄龍派、臨済宗楊岐派が生まれ、
また青原、石頭のながれから雲門宗、法眼宗、曹洞宗が生まれ繁栄しました。
しかし宋時代後期になると、中国の禅は殆ど臨済宗楊岐派が占めるようになり、
他は滅んでいってしまいます。
その後、明時代になると、念仏と坐禅を併修する念仏禅へと変遷していきます。
江戸時代に渡来した隠元も念仏禅ですので、我が国では黄檗宗と名乗っていますが、
中国には黄檗宗なるものはありませんし、隠元の墨蹟の落款が「臨済正宗」と
押されていることからも、隠元は臨済宗楊岐派の僧侶であることが明らかです。
さて今日の中国では、文化大革命の法難を乗り越えて、伝統的仏教は大切に
されている様ですが、少林寺が何宗かは良く分かりません。
というのも宗派と言う概念が、中国では日本のようなセクト的概念と異なるからです。
ただ、今日の少林寺でも念仏禅が行われている様ですので、流れ的には臨済宗楊岐派の
流れを汲むと考えた方が自然でしょう。