>>666 >阿含経よりも古いスッタ・ニパータ
スッタ・ニパータは阿含経の中に含まれ、阿含経を形成する一つの分類名である。
阿含経は大きく5部に分けられ、以下の様に分類される。
1.長部(デイーガニカーヤ)長さの長い経典34経を集める。
中には梵網経・沙門果経・涅槃経・六方礼経等の重要な経典が含まれている。漢訳長阿含は30経の集成。
2.中部(マッジマニカーヤ)中位の長さの経典152経を集める。漢訳中阿含は222経。
3.相応部(サンユッタニカーヤ)
相応部と次の増支部とは、いずれも短い経典の集成。うち相応部は2875経を集める。漢訳雑阿含は1362経の集成。
4.増支部(アングッタラニカーヤ)四諦とか八正道とか法数に関係づけた集成。
2198経を法数の順序に従って分類し、1法より11法に及ぶ。漢訳増一阿含はこれに相当するが472経を1法より10法に分類。
5.小部(クッダカニカーヤ)つぎの15経より成る。
(1)小誦(クッダカパータ) (2)法句経(ダンマパダ)
(3)感興偈(ウダーナ) (4)如是語(イティヴッタカ)
(5)経集(スッタ・ニパータ) (6)天宮事(ヴィマーナヴァッツ)
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(7)餓鬼事(ペータヴァッツ) (8)長老偈(テーラガーター)
(9)長老尼偈(テーリーガーター) (10)ジャータカ(本生話)
(11)義釈(ニッデーサ) (12)無礙解道(パティサンビダーマッガ)
(13)譬喩(アパダーナ) (14)仏種姓(ブッダヴァンサ)
(15)所行蔵(チャリヤーピタカ)
がこれである。この発達はおおよそ3段階。
第1最古の段楷に属するのは(2)(3)(4)(5)(8)(9)(10)で、アソーカ王(前3世紀)以前にその起源を有し、
第2段階に属するのは(6)(7)(11)(12)で、アソーカ王時代またはその後間もないころの成立、
第3の最も新しいのは(1)(14)(15)である。小部に相当する集成を1部の部派では雑蔵と称していた。
仏典解題事典より