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渡海 難 忍法帖【Lv=40,xxxPT】(1+0:3) 【Dpsy1390367663168276】 ◆Fe19/y1.mI :
聖徳太子(574年〜622年)
用明天皇第二皇子、厩戸皇子(ウマヤドノミコ)、あるいは厩戸王、
上宮太子ともいう。
母親 穴穂部間人皇女(アナホベノハシヒトノヒメミコ)
配偶者 膳部大郎女(カシワデノホキキミノイラツメ) 外3名
役職 皇太子
墳墓 磯長廟(叡福寺北古墳)
太子廟窟偈は聖徳太子が作ったと言う伝説もあるようだが、実際は後生の人が聖徳太子に仮託
して作ったものと解する。聖徳太子に浄土信仰があったとは考えにくい。
大慈大悲は誓願の本、衆生を愍念すること一子の如し。人は精神と肉体を具備する。肉体が滅
びれば人は死ぬ。つまり人ではなくなる。これはギリシャに発する哲学だ。インドではそのよう
には考えない。人は意思と行動からなる。意思と行動が変われば人格が変わる。人格が変われば、
古い人格は死に、新しい人格が誕生する。死があり、生がある。
哲人達が信念として抱く意思を誓願という。哲人達の誓願つまり意思は、その背景に大慈大悲
の心がある。慈は苦しみを抜こうという思いであり、悲は楽を与えようという思いである。人々
から苦しみを抜こう、人々に楽を与えよう、哲人達はそのように思って行動を起こす。哲人達の
行動は具体的である。彼らは抽象的、観念的な救いを求めるのではない。一人一人に目線を配り、
現実の人が一人一人が具体的な場で具体的に苦しみが抜かれ、楽が与えられていくことを実現す
る。
この故に方便して西方より片州に誕生し、正法を興す。聖徳太子は、西方から片州に誕生して
きた。同一の意思をもって同一の行動を起こす者は同一の人格である。聖徳太子は、極楽浄土の
理想をこの日本で実現することを目指した。
我が身は救世観世音なり。聖徳太子は、救世観世音菩薩と同一の意思をもって、救世観世音菩
薩と同一の行動を起こし、観世音菩薩と同一の人格をもって仏法を実現した。
定慧を契る女は大勢至なり。聖徳太子は膳部大郎女と結ばれた。聖徳太子は、意思と行動を実
現するに当たり、禅定の実践を自己の基盤に置いた。その聖徳太子は、膳部大郎女から様々な智
慧を貰った。聖徳太子にとって膳部大郎女は、かけがえのない妻、様々な智慧を授ける智慧の菩
薩、大勢至菩薩その人だった。