ウィリアム・ウッド牧師から、わたしが送った質問状と、その返信について、公開してもよいとの許諾を得たので公開します。
はじめまして。
長谷川真吾と申します。
今日、メールを差し上げたのは、わたしがネットで知り合った、とある女性牧師
についてのご意見を伺いたく、メールしたしだいです。
わたしは、33歳から、統合失調症いう精神病を病んでまして、救いを求めて独
学で聖書、神、主イエス・キリストについて学んでいました。
最初に読んだ聖書は、エホバの証人のものなのですが、わたしがまだ子供のこ
ろ、エホバの証人が度々、わたしを訪ねてやってきて、わたしにさまざま な事
をいうのですが、彼らはわたしの返す言葉に聖書的、神学的に正しいと思わせる
答えが返せず、それをもってわたしはエホバの証人については、彼 等を怪し
み、信じなかったのです。
聖書を改めて通読し、勉強しだしたのは、統合失調症で一年入院し、そして退院
した後のことです。
わたしはSNS掲示板でさまざまな教派の教理や意見を吟味しつつ聖書を読み、し
かしながら、病気ゆえに職につくことが出来ず、教会には足を運びま せんでした。
そんななか、そのSNS掲示板で、ある女性牧師と知り合ったのです。
その女性牧師は、「わたしならば、あなたを癒せる。」と言い、わたしはこれを
非常に怪しんだのですが、最終的に、好奇心から、この女性の称する癒 しの儀
式、「聖霊の洗礼」なるものを受けたのです。
その儀式は、驚愕することに、メールでただ、「イエス・キリストはわたしの主
です。」というだけのものでした。
わたしは半信半疑でこれに従い、一人、部屋で「イエス・キリストはわたしの主
です。」といい、その女性牧師に、「これで儀式は終わったのです か?」と
メールすると、女性牧師は「はい、あなたはもう癒されました。」という内容の
返信がありました。
それから二週間くらい後でしょうか、突然薬の副作用が強くなり、まっすぐ歩け
なくなったわたしは、医師と相談し、その女性牧師から、「もう癒され た」と
言われていることも手伝い、薬を飲むことをやめて、様子を見ることになったの
です。(医師も了解しました。)
それから一年後くらいでしょうか、突然容態が悪化し、わたしは緊急入院するこ
ととなり、この女性牧師への疑念を確信したのです。
問題の女性牧師は、「病気はその人の罪の現われ。」だと公言していましたし、
だからこそわたしはこれを疑い、あえてその女性牧師の「癒し」を受け たので
すが、この人は他にも、「人が罪を犯すと、その罪が飼っている犬に移り、犬が
病気になる。」だとか、「東日本大震災は日本人の罪のせい。」 であるとか、
「災害に遭うのは、災害に遭うと思っている人である。わたしは災害に遭わない
と信じているので、災害には遭わない。」だとか、「十字 架の上のイエスは、
子羊ではなく蛇である。」だとか、神学上、聖書学上、ありえないことを主張し
ている牧師だと判明したのです。
この女性牧師は他にも夢見で人のことが判る、などと言い出したり、人を悪魔崇
拝者よばわりしたり、病気を持つ他の人たちとの間にも、トラブルをか かえて
いたようです。
問題の女性牧師は、ケネス・ヘーゲンが創設したという、「レーマ聖書学院(学
校)」を卒業したと言っており、調べたところ、このケネス・ヘーゲン なる人
物が、この女性牧師の言っていることとほぼ同じことをいい、また、弟子に教え
ていたようです。
神学、聖書学の素人であるこのわたしにも、この女性牧師がカルトであることは
明白です。
ウッド牧師、あなたの見解をお伺いしたい。
また、この女性の師事した、ケネス・ヘーゲンなる人物の説く教理を、日本語で
読める本があるのならば、教えてください。
メールを拝見しました。ケネス・へーゲンの教理を日本に持ち帰った牧師によって、
とても苦しい思いをされたことがよく分かりました。
ケネス・へーゲンの教えは、以前から、アメリカで問題視されていました。特に、
「あなたが信じるなら、何事でも、あなたの願った通りになる」ということが強調されて、
その教えを信じた人が薬を止めたとか、非常識な行動に出たために、自ら被害を被ったり、
あるいは周囲の人に迷惑をかけたりしているということが報告されています。神学的に言うと、
神の主権が軽視されていることが問題です。つまり、人間の祈りに対して、いつ、どのような形で
答えるか、あるいは答えないのかということを最終的に決めるのは神であって、人間ではない、
ということです。私たちは祈りますが、最後に、「あなたのみこころがなりますように」と、神に
委ねるべきです。ケネス・へーゲン(ちなみに、彼は数年前に死んでいます)のグループに属する人々は、
自分がまるで神のようになっていると思い上がっています。「私は絶対に災害に逢いません」と、
牧師が豪語していることからも、そのことが分かると思います。とにかく、高慢になっています。
そのために、人を見下したり、裁いたりします。同情心など、微塵もないのです。
残念ながら、ケネス・へーゲンに関する日本語の著書はありません。彼の「信仰運動」を批判する
英語の本は数冊ありますが....
ウィリアム・ウッド