仏教議論スレッド57

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736宝珠愚者@(規制代行)
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 『ところで仏教で一切法とは存在するすべてのものを指すのであるが、原始仏教時代に関するかぎ
り、それは生滅変化する現象の法に限られていた。一切法を五蘊・十二処・十八界などとした場合、
それらはすべて時間と空間の中にあってわれわれに認識され得る現象界だけを意味した。(p112)
 われわれにとっての世界は現象界のみである。この意味における一切の現象界を仏教では一切
とか一切法とか呼んでいる。仏教が取り扱うのはこの現象界に限られる。(p127)
 存在についても、原始仏教では生滅変化する現象法だけを一切法としていたが、部派仏教では現
象としての有為法だけでなく、生滅変化しない常住不変の無為法をも存在の中に加えるようになった。
この意味で、阿毘達磨においては法処の中に有為法や無為法が摂せられ、原始仏教とは違った
性格のものとなった。(p143)』
(水野弘元著『仏教要語の基礎知識』新版第1刷/春秋社刊)