仏教議論スレッド55

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542宝珠愚者@(規制代行)
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 『依り所のないもの(appaThitta)、生起のないもの(appavatta)、
所縁のないもの(anArammaNam)が、すなわちこれ(etamM)です。
これがすなわち苦の終わり(anto dukkhassa)です』
(『ウダーナ8:1』)

 『これは最上の究極であり、無上の静けさの境地である。一切の相が滅びてなくなり、没すること
なき解脱の境地である。』
(ウダーナヴァルガ26:29)

 『生きものを殺すことなく、つねに身をつつしんでいる聖者は、不死の境地(クニ)におもむく。そこ
に至れば、憂えることがない。』(Dhp.225)
 訳注:不死の境地---accutam tha^nam.直訳すれば「没することのない所」。
accutan ti sassatam tha^nan ti akuppattha^nam dhuvattha^nam.(Comm.vol.V,p.321.)
けっきょくニルヴァーナのことであるが、「常住の場所」「常恒の場所」と解していることに注意。』
(『ブッダの真理のことば』中村 元訳/岩波文庫刊)

 『何ものかを信ずることなく、作られざるもの(=ニルヴァーナ)を知り、生死の絆を絶ち、(善悪をなすに)
よしなく、欲望を捨て去った人、──かれこそ実に最上の人である。』(Dhp.97)
 訳注:作られざるもの---skata=nibba^na.(Ckmm.)作られたもの(有為)は転変し、生起消滅するが、「作られ
ざるもの」すなわちニルヴァーナは永遠不変のものである。有為は迷い、無為はさとりの境地である。』
(『ブッダの真理のことば』中村 元訳/岩波文庫刊)