>>957 ベイリー追放の件については、彼女が協会所属中に覚者からの通信を得て著作を発表した
ことが協会から異端視されたからでした。何故ならば、ベサントにとっては覚者と交信できるの
は、絶対に“アディヤール神智学協会の『秘教部門』のみ”でなければならなかったからで、こう
いったところにもベサントの権威主義が如何なく発揮されているわけです。
ところが、ハイアラキーの覚者方が選択するコンタクティというのは、そういう人間が勝手に線
引きした地位階級などは関係がなかった。寧ろ、これらの権威主義体制とか結晶化し、硬直し
てしまった組織やグループというのは、ハイアラキーの覚者方はその手足としてはもう使われる
ことがないということ。
従って、ブラヴァツキー亡き後の協会では覚者の直指導は二度となされなかったし、今後もな
いでしょう。そして協会は、今だに自分ら以外のところで覚者の通信が起こることはない、という
満心に陥ったままであり、これが実態なのです。
レーリッヒもまた、ほぼ同様の内容で脱会分派しています。
シュタイナーとクリシュナムルティ両名も協会のこの組織的活動の在り方にウンザリしたのであ
り、シュタイナーの場合はハイアラキーという概念そのものが受け入れられなかった。彼は本質
的に神秘主義的キリスト教徒であって、彼の個人的見解においては、最後までキリスト(マイトレ
ーヤ)の肉体次元の再臨などというアイディアは理解することができなかった。
そして、そこへきて協会総意としてのクリシュナムルティ・マイトレーヤ運動などというの、彼に
とってとても絶えられるものではありませんでした。
クリシュナムルティはハイアラキーに対する否定ではなかったけれども、組織活動とドグマ(教義)
の捉われから脱却する方向性において独自に歩みを進めていったということです。