>>295 詳しい解説thanks。
大智度論は読んだことがないが、中村博士は当然熟読していおられるはず。
大智度論は、あくまで、大般若経などの「解説」。竜樹自身の理論ではない。
竜樹自身の理論は、あくまで中論に拠るべきだろう。
中論では、あきらかに輪廻転生は否定している。現世が空なのに、過去生が
実有としたら、忽ち矛盾に陥る。
生命的に言えば、過去・未来を思考しているのは、あくまで「今ここの生命」。
従って、時間はない。即死者にとっての最後の世界は、一枚の静止画に過ぎない。
「輪廻転生」は、バラモン教徒であった釈迦が、バラモン教の洗脳を離脱できなかった
だけのこと。現代の生物学の知識水準からは、明らかな誤り。釈迦の縁起も、因果関係
などとすれば、竜樹の空とは本質的に異なる。竜樹の空は、「因」「果」「生起」「消滅」
の概念を否定する。何故ならば、「もろもろの存在の構成原理」は、「相互依存性・関係性・
相対性」という「抽象観念」に過ぎないから、「因果・生起消滅」などあり得ないのである。