死は悲しいものです。
しかし、これは、仏教の根本である「諸行無常」なのです。
「生老病死」と言われるように、人は、生まれ、老い、病にかかり、
死ぬのです。これは真理であって、変えることはできません。
老いを止めることも、死を避けることも、誰にもできないのです。
これは宇宙の真理なのであり、そうである以上、人は、その真理に
従って生き、そして、地上を去っていかなければなりません。
死は、肉体人間にとっては確かに悲しいことではありますが、
霊的な目から見れば、あの世への旅立ちであって、本来の世界に還ることです。
この世の生活は、外国の学校に留学しているようなものであり、
留学が終わって本国に還ることが死なのです。
人情として、あるいは文化として、死を悲しむのは分かりますが、
悲しみすぎると問題があるのです。
『永遠の生命の世界』第4章