不幸の時代というものは、ある意味で、恐怖の時代でもあります。
この時代の究極にあるものが、戦争であったり、地震等の天変地異で
あったりするでしょう。
それでは、恐怖の反対とは、いったい何でしょうか。それは愛です。人々は、
自分の身を守りきることができずに、苦しみ、悲しみ、悲惨のなかに、恐れおののき、わななき、震えています。
経済的に成功しないことや、未来が見えないこと、生存していくことの不安、
こうした恐怖から救うものは、やはり、人の愛なのです。優しい気持ち、
「人を助けたい」という気持ちであると言ってもよいでしょう。
「そのままのあなたを、私たちは、あるいは私は、愛しているのです」
と言ってあげる心だと言ってもよいでしょう。
「そのままのあなたで素晴らしい。そのままのあなたで、仏子であり、
神の子である。あなたの輝いている素晴らしいところが、私の目には見える」、
そのように言ってくれる人が数多く出現することが、恐怖の時代には必要なのです。
(中略)
愛とは、人々を結びつける力です。そして、人々を強くする力でもあり、
希望へと導く力でもあります。そのように言えると思います。
したがって、いま、みなさんに必要なことは、愛のともしびを
高く掲げることです。ちょうど、闇夜の灯台の光のように、
闇を照らしつづけることです。
一人ひとりのロウソクの炎、松明の炎は小さなものであっても、
それが数千、数万、数十万、数百万となっていったときに、
この国の闇、そして世界の闇は、しだいに追い詰められ、
明るいものへと変わっていくでしょう。
特別な奇跡を求める必要はありません。奇跡の根源は、一人ひとりの
心のなかの可能性として眠っているのです。
まず、みなさん一人ひとりが、心のなかに火を灯すことが大事です。
希望の光を灯すことです。
自分のなかの可能性と、そして、愛を灯すことのできるその力に、
仏神の植え込まれた深い深い慈悲の思いを感じ取らなくてはなりません。
大川隆法 月刊「幸福の科学」04年2月号