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精舎日記:
暫くして新潟(常駐職員)が凄い形相であの雲水はどこへ行ったと聞いてきた。
講師が見つからなかったので、先に浴室へ行かれました、と、言った途端、
浴室の戸を全開にして、脱衣所にいた男性に向かって
「君ーっ!!講師に失礼じゃないかっ!!何を考えているんだっ!!」
大声で怒鳴り飛ばした。
帰り、玄関の所で、再度お会いした。
目を真っ赤にして、私にまで謝って、帰っていかれた。
その人は、それきり、精舎へは来なかった。
当たり前だ。
その、後、である。
食堂に入った所、受付側に新潟の異様な姿を見つけた。
彼は、顔を高潮させ、狐が踊るような格好で、嬉しそうに食堂を出たり入ったりを激しく繰り返していたのだ。
私は、背筋が寒くなった。
この人は、病気なのだ、と思った。