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つまり、お念仏の行は、阿弥陀仏の浄土に救い取っていただく（往生）ために
するものであり、法然上人がそれ以外のことに用いる事は考えがたいことだと
いえましょう。

ただ、「現世を過ぐべき様は、念仏の申されん方によりて過ぐべし。念仏の障り
になりぬべからん事をば厭い捨つべし。一所にて申されずば、修行して申すべ
し。修行して申されずば、一所に住して申すべし。…」（『法然上人行状絵図』
岩波文庫226−227頁）ともおっしゃっており、この世で生活するには、いかに念仏が
称えられるかを考えて生活すべきであり、一ヵ所に止まって称えられないならば
修行にでればよろしいし…として、阿弥陀仏の浄土に救い取っていただくための
お念仏を称える助けになるのならば、その行いを行じなさいとおっしゃっています。
ですから、「サイコロ占いをしなくてはお念仏が称えられないようならば
サイコロ占いをしなさい」とおっしゃったかもしれませんが、サイコロ占いが
法然上人の教えの一部であるとは全くいえないでしょう。