キリスト教@質問箱215

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284神も仏も名無しさん
>279〜

また、死人のなかからの甦りという観念は、端的に古代的な世界像を
前提にしたものであり、これを歴史的事実とするなどということは、とり
わけ現代人としては考えられない。
イエスの時代でも、ユダヤ教のなかの一派のファリサイ派(パリサイ派)
は、もともと復活ということを信じていた。
しかし他の有力な一派のサドカイ派は、復活を信じていなかった。
「まえがき」で触れたように、同時代のグノーシス主義においても、
復活を文字通りの意味で受けとる者は「愚か者」であるとさえ言わていた。

パウロは、もともとファリサイ派に属していた者なので、最初から復活と
いうことを信じていた。それゆえ、彼にとっては復活ということが信じられ
るか否かが問題であったのではなく、イエスの復活が、罪の許しのため
の十字架の死を確証するものであったか否かが中心的な問題であった
のである。

いずれにせよ、死人からの復活というような観念は、まさに古代的な世界
像に基づいたものであり、それでも当時でさえ普遍性など持っていなかった
観念である。こういう観念を「事実」として主張し続けるようなことは、ほとんど
迷信だといわれても仕方がない。