>>589 >>vyavahAram
>つのは習慣、習わし、仕来りだ。それは仮設されたもの。
「縁起と空性とを破する汝は、世間の一切の慣習を破壊するのである。」(24:36)
竜樹は、上記のように、「世間の一切の慣習」をしっかりと認めている。さもなければ、
24:10の「世俗的なものにもとづかなければ」との論理的整合性がとれな
い。竜樹の論理には、少しの破綻も無いし、現実からの遊離もない。
「縁りて仮設された存在」とは、「存在が相互依存により成立するが故に、執
着すべき自性がない」という意味に過ぎず、「非存在」という意味ではない。
「非存在」なら、「存在」という言葉は一切使えないはずだが、竜樹は、中論
の冒頭から多数使っている。中論は、「もろもろの存在」という「主題」につ
いて語っているのである(1:1)。