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前世は一在家:
類似スレでも、「釈尊が形而上学的問題に黙して答えず。」という
説法が度々話題になりました。
長部経典では第九経の「布藻g樓経(ポッタパーダ経)」に詳しく
記載されてますので、一部紹介します。 (中村元監修)
説法対象者:遍歴の行者ポッタパーダ、象使いチッタ(後に阿羅漢)
【アートマンの三種の分類】
釈尊、「ポッタパーダよ、次のような三種のアートマンの概念があります。
すなわち、物質的なアートマンの概念、意よりなるアートマンの概念、
非物質的なるアートマンの概念です。」
・物質的なアートマン:形態があり、四つの元素からなる
・意よりなるアートマン:形態があり、すべての感覚器官を備える
・非物質的なるアートマン:物質的でない、心理作用からなる
釈尊、「(象使い)チッタよ、たとえばそれは、牛から牛乳が出てきて、
その牛乳からヨーグルトができ、そのヨーグルトから生バターができ、
その生バターからバターができ、そのバターから醍醐が生じるようなものです。
牛乳が生じるとき、それはヨーグルト、生バター、バター、醍醐と呼ばれる
ことがなく、ただ牛乳と呼ばれます。」
※釈尊はアートマンを否定はせず、世の中の三つのアートマンの分類を
世間の単なる名称、言い表し方、概念に過ぎないと説かれております。
「ポッタパーダは、異教の見解・忍耐・目的・実践・師によっているから
『心理作用とアートマンは異なる』ということを、知り難いのです。」
(※文脈から見て、釈尊を師とすれば悟れるという意味でしょう。)