【最終】仏陀はアートマンを説いた!?【決着】12

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補1: 「南方仏教基本聖典」ウダーナ8.1-4 前説。

 「第一涅槃に関する経」は、世尊が比丘たちを不死の涅槃へ導くために、彼らに対し、
《それぞれの性質に応じて教説されたものである「聖なる道」》によって涅槃に到達すべきである、
これは難しくてできないことだといって修行を途中で止めてはいけない、
つづけて頑張れば完全な幸せを得るだろうなどと種々の表現で励ましの言葉を示されている。
涅槃の偉大さを示し、それが第一義的な存在であることを明らかにしたのがこの感興(ウダーナ)の経である。
 「第二涅槃に関する経」は、見ることの難しい涅槃の本質を【四聖諦によって見得る】ことを説かれたものである。
 「第一涅槃に関する経」が説かれるに当っては、次のような話がある。
世尊は種々の理由によって輪廻の危険を示し、涅槃に関する法話を説かれた。すると比丘たちは、こう考えた。
「世尊はこの輪廻が無明などの縁によって作られるものである、涅槃は縁によって作られるものではないと説かれた。
【とすると涅槃は無縁である。一体どのようにして第一義的に得られるのだろうか】。」と。
そこで世尊は説かれた。「この世において、或る人々は
“涅槃というものはただの言葉だけだ。第一義的に得られるものではない”と理解しているが、これは誤解である。
涅槃というものは第一義的に得られるものである。」と。
 「第四涅槃に関する経」が説かれるに当っては次のような話がある。
世尊は種々の表現で涅槃に関する法話を説かれた。すると比丘たちは、こう考えた。
「世尊によって涅槃の偉大さは示されたが、それに到達するための方法はまだ説かれていない。
どのようにしてわれわれ修行者は涅槃に到達することができるだろうか」と。
そこで世尊は説かれた。「【すべてのものにこだわることがなく】、身心に安らぎのある修行者は
【聖なる道をもって】残らず【渇愛を捨断し】、涅槃に到達することができる。」と、
このようにして感興をもって唱えられたのが本経である。